市民ネットワーク　2016年度予算編成に対する要望書

５、保健福祉局

重点要望

  1. 地域福祉計画実施にあたっては、地域住民の活動を把握したうえで実効性を持たせるために予算措置を行い、成功事例を町内自治会や市民団体、社協地区部会など地域で広く共有するしくみを作ること。
  2. 地域包括ケアの拠点となるあんしんケアセンターについては身近な存在になるように、地域へ周知を図ること。区に一か所の直営を検討すること。
  3. 各区保健福祉センター内に地域包括ケア推進のための担当を置き、多職種連携体制を強化し、困難事例には市も積極的にかかわること。
  4. 県の中核地域生活支援センターのようなＤＶや虐待、障がいなど分野横断的に対応できる２４時間３６５日の相談窓口体制を作ること。
  5. ボランティアセンターは、多くのボランティアグループが情報交換し、協力し合えるよう、地域のボランティア団体なども含めた運営方法を考えること。また、ボランティアを必要とする側のニーズ調査を行い、コーディネート機能を強化するよう社協に働きかけること。
  6. 高齢者、障がい者、子どもが共に過ごせる施設のあり方を検討すること。（富山型デイサービス）

■ 医療

  1. 夜間・休日の急病やけがに対する相談体制を、時間を延長するなどして充実させること。
    市ＨＰ上で市民への急病時医療相談に関する情報提供を分かりやすく改訂すること。
  1. 在宅医療を支えるための訪問診療や訪問看護などを関係機関に働きかけ、県内をはじめとする先進的事例を調査し、在宅ケアの体制を全市的に整えること。
  2. 在宅診療における終末期緩和ケアの充実を進め、市民への周知を図ること。
  3. 在宅ケアの質の向上に生かすため、退院に際しては、患者団体や介護に関わる地域資源などの情報提供を行うこと。

■高齢者・介護保険

  1. 認知症サポーター養成講座終了者が得た知識を地域で活かせるしくみを作ること。
  2. 成年後見制度についてわかりやすく市民に知らせること。市長申し立てについても速やかに受理する体制を整えること。今後はＮＰＯなどの活用も検討すること。
  3. 日常生活自立支援事業について、十分周知し、多くの高齢者が利用できるよう体制を整えること。
  4. 生活支援コーディネーターが十分力を発揮できるよう支援体制を整えること。
  5. 地域密着型サービスの充実
  6. 「あんしんケアセンター」の案内板に関しては、千葉市高齢者の総合相談窓口であることがわかるものにすること。

■障がいのある人・子ども

  1. 障がい福祉サービス等の利用者が適切なサービスを受けられているか検証し、困難事例については地域自立支援協議会で検討を行うこと。
  2. 障がいのある人の雇用が推進されるよう、特例子会社の設立等を事業所へ働きかけ、雇用の場の拡大と職場実地研修の充実を図ること。外郭団体・指定管理者にも働きかけること。
  3. 地域生活へ移行した障がい者の生活の支援体制の充実を図り、ことに就労と住宅への支援を充実させること。
  4. 市独自のワークホーム制度については財政的な支援を充実し、継続すること。
  5. 区役所など公共施設での作業所等福祉施設の商品販売については、市立病院や外郭団体、指定管理施設など委託販売場所を増やし、ＰＲや商品管理などの体制を充実すること。
  6. ＮＰＯや関係団体と協力し、多職種の専門家が地域で精神障がい者を支援することによって社会的入院を防ぎ、地域で生活できる環境を作ること。また、地域自立支援協議会の議論の活性化を図り、障がい者の自立につなげること。
  7. 高次脳機能障がい者への理解を深めるために県作成のリーフレットを公共施設に置き、周知を図ること。また、当事者の生活に関わる人の理解を深めるための体制を整えること。

■ 人とペットの共生

  1. 猫の適正飼養ガイドラインやパンフレットを活用し、ボランティア団体、市民、獣医師会等の関係機関との連携を密にして、適正飼養や地域猫の普及・啓発活動を推進していくこと。
  2. 動物保護指導センターに持ち込まれる犬猫を減らすために、飼い主に動物の終生飼育の義務、避妊去勢実施の必要性について周知すること。ペットショップ等にも周知を求めること。
  3. 災害時のペットの同行避難及び避難準備について、ペットの飼い主に周知するために、パンフレットを狂犬病集団注射時に配布するとともに動物病院、トリミング事業者、ペット飼育可能なマンションの管理組合などに配布すること。また、防災訓練に、ペット同伴避難の訓練を実施すること。
  4. 公園内で犬を放して遊ばせている人がいて危険なので、市民や民間事業者の力を得て、ドッグランを作ること。

■生活保護・生活困窮者・ホームレス

  1. 生活自立・仕事相談センターを各区に設置すること。現状の２センターは館内案内図や入り口の表示を改善し、利用しやすく配慮すること。
  2. 受給資格がある人には、きちんと制度が利用できるよう対応すること。引き続きケースワーカーの増員を図ること。他部局と連携して生活保護受給についての正しい理解がなされるよう、市民への周知を図ること。
  3. 中間的就労については、市が自ら雇用を進める検討をすること。また、事業者の理解を得られるよう情報提供し、優遇措置を講ずるなど、ＮＰＯを含めた受け皿の確保に努めること。
  4. ホームレスの自立の支援等に関する実施計画に基づき、居宅支援、生活支援や精神的なケアを含めた自立支援を行うこと。
  5. ホームレスだった人や生活保護受給者が自立のために無料低額宿泊所からの転出を実現できるよう、支援を進めること。 　

■ 地域福祉

  1. 統合後の学校跡施設の一部や保健福祉センターなど公共施設の一部を、地域福祉活動を行う自治会・ＮＰＯ・市民活動団体などに活動拠点として提供すること。
  2. エレベーターのない団地では、病院や福祉施設利用にあたっても自力で階段昇降が難しい高齢者が増えている。そうした高齢者の生活ニーズへの対応を、地域の自治会やＮＰＯ、あんしんケアセンター、社会福祉協議会などとも連携して進めること。
  3. 各区の地域活性化事業において、子育て支援からまちづくりまで広範囲にわたり市民グループが地域で活動している。社協地区部会と連携して地域福祉の担い手とすること。
  4. 地域包括ケアシステムは高齢者のみならず、障がい者など地域生活の中で支援を必要とするすべての人が対象とされるべきである。最終的には子育て支援、障がい者福祉、困窮者支援等においても貴重な資源となることから、地域包括ケア推進課は全庁横断的に検討を進めること。

■ 第三者評価について

  1. 第三者評価を受けられない福祉施設については市独自の評価基準をつくり、自己評価結果を公開すること。

■自殺防止対策

  1. 「こころと命の相談室」の相談業務を土・日にも拡大し、その周知に努めること。また自殺対策を行っている民間団体との連携をいっそう進めること。ゲートキーパー講座を学校関係者や地域の人によびかけ、周知を図り、地域での見守り体制を進めること。

6、こ ど も 未 来 局

重点要望

  1. 子どもの貧困対策に力を入れること。
  2. 児童相談所に専門性のある職員を配置するとともに研修を充実させて虐待対策に力を入れること。また里親専門員を配置し、里親支援を充実させるとともに関係各部署との連携を密にすること。
  3. 学校の中に自分の居場所を見出せない子どもや若者たちのための場を多様に作るよう検討すること。

■ こどもの居場所

  1. 放課後児童対策として人員を配置して子どもルームに通所する以外の児童を対象とした子どもの居場所を毎日開設すること。
  2. 美浜区・稲毛区の「子どもカフェ」の事例を参考に、子ども交流館的な居場所を、各区の既存の公共施設や民間の空き店舗などを利用して増やすこと。また、市民の活動支援を行うこと。
  3. 「子どもたちの森公園」のような常設のプレーパークを増やすこと。そのために人材育成や、市民団体との連携、活動支援を行うこと。
  4. 夏休みに特化した子どもルーム事業を実施すること。
  5. 長期の休みの間に利用できる、子どもの居場所づくりのための市民活動を支援すること。

■ 保育所の充実

  1. 一時保育を公立保育所と民間保育園で実施個所を増やし受け入れ人数を拡大すること。
  2. 待機児童対策として保育所の拡充を図り、同時に保育の質や保育士の確保・処遇の改善にも努めること。
  3. 家庭的保育員事業やグループ型小規模保育事業を充実させること。
  4. 病児・病後児保育については、さらなる拡充をすること。保育所併設型も検討すること。

■ 就学前の障がい児教育・保育

  1. 障がいがあっても、希望者が地域の幼稚園に入れるようにするため、補助金を増額し、専門家による園への巡回指導を充実させること。
  2. 医療的ケアの必要な子どもがいる保育所・保育園では、保護者がケアに通わなくても済むよう、在勤している看護師がケアする体制にすること。

■ 児童養護

  1. 各区の保健福祉センターのこども家庭課に配属されている、家庭児童相談員を増員し、常勤化を図ること。また、資質の向上を図ること。
  2. 児童養護施設については、質の高い養護を実施できるよう施設に対し市独自の助成をすること。
  3. 児童養護施設から就労・進学する生徒に対する自立支援を行うこと。

■子どもルーム

  1. 夏休みに特化した子どもルーム事業を実施すること。
  2. 市の事業である子どもルームの保育の質を確保するために、指導員、補助指導員の給与などの待遇改善を図ること。
  3. 子どもルームの運営全般に関して保護者、指導員、社会福祉協議会、市による４者の推進協議会を設置すること。
  4. 民間が行っている学童保育を支援すること。

■ 子どもの人権

  1. どもの人権を守るための条例制定に向けて、検討を始めること。
  2. 「こどもオンブズパーソン制度」を創設し、子どもに対するさまざまな人権侵害について、子ども自身や保護者等が相談しやすい窓口を設けること。子どもの人権にかかわる市民活動団体と協力すること。

■子どもの貧困対策

  1. 貧困の連鎖を断ち切るために学習支援の強化を図ること。
  2. 食事を提供する民間団体への支援をすること。
  3. 母子家庭の就労支援をすること。

■ ひとり親家庭

  1. ひとり親家庭への支援メニューの情報が必要な人に伝わるよう工夫すること。また、種々の相談窓口の存在を様々な機会を通じて周知し、一人ひとりのニーズに寄り添った相談体制にすること。
  2. ひとり親家庭等の医療費助成制度の現物給付化を引き続き県に要望していくこと。

■ DV防止

  1. 市の一時保護施設の機能を検討すること。
  2. ＤＶ被害者支援については、これまでのＮＰＯ団体等との連携をさらに強め、対応する職員のスキルをアップさせるとともに、地域の市民団体などとの協働を進め、当事者に寄り添った支援をすること。

■子どもが利用する施設における化学物質

    1. やむを得ず農薬を使用する場合には環境省推奨の農薬使用に限ること。また、虫忌避剤を使用しないこと。　
    2. 芳香剤、除菌剤などアレルギーを悪化させる物を使用しないこと。
    3. 手洗い石けんは、無香料の純石けんに切り換えること。殺菌剤入りは使用しないこと。

 

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