市民ネットワーク 2007年度予算編成に対する要望書

重点政策7項目

(1)自治体コンプライアンス(法令・社会規範遵守) 〜当たり前のことを当たり前に〜

企業にとり、不祥事が明らかになり社会的制裁を受けることは、直接収益に影響し、その存続にもかかわることであるため、社会的信用を守る必要最低限の法令遵守を超えた企業倫理を核とするコンプライアンス体制の整備が進められています。

行政は、法や条例に従いそれらを実現させることが仕事です。法を守ることがあまりにも当たり前のことであったため、「行政のやることに間違いはない」という根拠ない前提のもと、法令遵守のための根本的な対策は遅れていました。結果、気がついてみると不適正、違法だった(不作為)、圧力などにより、正しくないと認識しながらもやってしまった、おかしいと思いながらもそれをあえて正そうとはしない、そんな職場環境ができてしまっています。千葉市を揺るがした様々な不祥事は、まさにそのような環境の中で生み出された問題です。今後公平・公正な市役所とし、市民からの信頼を回復するための徹底的な意識改革が求められます。

法令遵守は全ての業務に優先するという観点から職員研修を徹底し、現在定められている公益通報の制度や不当要求行為への対応が、機能する環境を作り上げる努力が必要です。外部委員で構成する「コンプライアンス委員会」などを設けることにより、第三者的な観点で千葉市の法令遵守の実効性をチェックする場を確保することが、千葉市全体の意識の醸成に寄与するのではと考えます。

(2)公正な働き方のモデルを千葉市役所から発信

               

女性の社会進出が期待される中、仕事と子育ての両立支援、ワーク・ライフ・バランスの実現などの必要性が国を挙げて求められています。しかし一方では30〜40代の子育て世代男性の育児休暇、育児休業の取得率は伸びていないのが現状です。子育て支援の充実や男女共同参画に、積極的でない企業体質が根強く存在していることがその大きな要因です。  

千葉市役所が働き方のモデルを広く地域に発信し、地域の労働環境向上に寄与するよう努めることが重要です。そのためには、「千葉市職員および非常勤職員の子育て支援計画」を確実に実行し、市民への広報活動に努めるとともに、有給休暇・介護休暇取得率の向上や残業時間の削減などにも努め、庁内一丸となった取り組みはもちろんのこと、地域の企業や関係機関との連携に力を入れてください。また、市役所の職員と非常勤職員との賃金を同一価値労働同一賃金の考え方に基づき見直し、有給休暇・忌引きなどの待遇改善を求めます。  

さらに、千葉市が発注、契約を結ぶ企業(指定管理者を含む)などに従事する人たちが子育てや十分な地域生活が可能な最低生活賃金を保障するために、「千葉市公契約条例」を制定し、地域の公正な労働環境を整備する必要があります。また千葉市が行う入札において、総合入札制度を拡充し、男女共同参画、障害者雇用、環境配慮、公正な労働などを評価項目に加え、企業の社会的貢献を促進していくという役割も果たすべきではないでしょうか。

(3)参加と協働で市民力をいかすまちづくり

                 

新総合ビジョンに「参加と協働」が盛り込まれて5ヵ年が経過しました。この間区民懇話会、地域福祉計画策定など公募市民が参加する機会も増えてきました。今年度は市民参加推進計画づくりのために公募市民も参加して市民参加懇話会が開催され、活発な議論が展開されているようです。地方分権の中で地域の課題解決のためには、市民参画は当然必要です。  

千葉市の市民参加は、各部局が試行錯誤しながらすすめている現状です。アンケート、市政モニター、パブリックコメント、ワークショップなど多様ですが市民の力を活かすまでにはいたっていません。財政状況が厳しくなっている中で行財政改革が行われており、市民参加条例制定も盛り込まれていますが、そのためだけの参加と協働ではないはずです。実のある制度をつくるためには市民・行政の意識改革も当然必要です。

これから策定される市民参加条例には、分権、新しい公共、自治、説明責任などの概念を示すことが求められます。「参加のレベル」、「協働の定義」をきちんと議論し、共有することが必要です。大事なことは、市民が決めるために住民投票制度をもりこむこと、市民・NPO・行政の協働のあり方や目的を議論し、徹底した市民参加のもとに条例化をすすめるべきと考えます。さらに市民参加条例にとどまらず、自治基本条例まで視野に入れた議論もして欲しいものです。

(4)地域福祉計画推進で福祉コミュニティづくりを

            

改正介護保険法が17年の10月から、障害者自立支援法が18年4月から施行され、予防給付導入による要介護度の見直し、障害区分の認定や新たな自己負担が発生しました。

当事者・家族からは大きな疑問・不満の声が起こっています。高齢者施策では民間に委託してしまった「あんしんケアセンター」の数の少なさ、介護認定が低い認知症の方のこと、障害者施策では応能負担に代わり世帯所得区分による上限設定や利用料1割負担の導入で、障害の重い人ほど負担が増える仕組みとなったこと、また3障害が統合されても、精神障害者にとっては医療費公費負担が5%アップ、障害区分認定も低いのではといわれていることなどです。市町村事業である地域生活支援事業も始まる今後に向けては、障害者の負担や生活実態を把握し、千葉市独自の負担軽減策と、真のノーマライゼーションの実現に向けた努力を求めます。

一方、高齢者・障害者・子どもという縦割りの施策ではない、横断的な地域福祉計画が市民参加で各区毎に策定されました。地域にコーディネーターや関わる人が育っていても、旧来型の発想では計画は推進されません。今年度は社会福祉協議会地区部会を通すパイロット事業制度となっていますが、推進協議会が目利き役として社協・NPO・自治会・市民団体などが連携していく福祉コミュニテイづくりをめざしていくべきです。安心して暮らし続けるまちづくりに向けては、教育委員会なども事業予算をもっており、福祉を切り口にしても使える横断的な発想が、財政厳しい時には特に必要です。

(5)これからの総合交通政策

                      

千葉市では、2001年に総合交通政策のあり方に関する基礎調査が行なわれ、2007年度に総合交通ビジョンが策定されることになっています。

交通網整備の地域間格差が大きい千葉市においては、住宅開発が広がり、福祉施設や公共施設が点在する交通不便地域が広いエリアに存在します。一方中心市街地では建物の大型化が進み、自動車が走り抜ける割には人通りの少ないさびれた町も見受けられます。

高齢になっても、障がいのある人々も、移動しやすい社会整備が必要です。また、地域コミュニティの弱体化が懸念される中、人々が集いやすい環境づくりは、移動手段の有無に大きく左右されます。さらに温暖化対策から自動車交通を見直していくことは、全国的な課題です。

このような状況の中で、これから策定される交通政策には、バリアフリー化の促進、マス交通から福祉交通へという価値転換、環境負荷の軽減が求められます。

そこで、交通結節点をフラット化し、細やかな移動や臨機応変な経路選択を保障し、環境に優しい安全な交通網整備に力を入れ、そのための具体策として、歩きやすい歩道整備、ノンステップバスの導入、自転車の利用促進、コミュニティバス路線の増設、LRT(路面電車など)の新交通システムの検討、自動車交通規制、などの施策の推進が必要であると考えます。

(6)環境の保全

                           

JFEスチール(株)など事業所における爆発事故や火災事故などが頻発する中、市民の生命・財産・環境を守るため、大企業をはじめとする民間事業者に対しては、指導と監視体制の強化が求められます。事業者自らがコンプライアンス(法令・社会規範遵守)を徹底するための制度導入をはかる中、現場において確実に実行されているかの緻密な確認と、事故発生時の対応においても市民への迅速で正確な情報公開を徹底させ、企業・行政・市民の3者による協議の場の設置を求めるものです。

また、産業廃棄物や残土の不法投棄による環境(土壌・大気)汚染や農村景観がそこなわれるなか、これらを未然に防ぐため、関係各課は互いに密接に連携を取り合って効果的なパトロールをおこなうことが必要です。さらに生物多様性の保全や農村景観を守るため、農業者だけでなく地域との共同の取組が求められています。谷津田保全地域では地権者だけでなく保全に関わる住民の参加を促し、両者が互いに協力し、理解しあえるよう出会いと交流の場づくりをすすめることが望まれます。地下水の汚染を防ぐため、農耕地からの窒素等の流失を軽減するための調査・研究をすすめていく事も必要です。

(7)平和と人権

                            

平和主義・国民主権・基本的人権の尊重を謳った日本国憲法が変えられようとしています。国では、8月15日総理大臣が靖国神社に公人として参拝し、政教分離を求める憲法に違反する行為を平然と行っています。又日本を「戦争できる国」にするための憲法改正、教育基本法改正も着々と進行しています。

一方で、戦争放棄と戦力を持たないことを規定した憲法九条を外交の基本に据え、日本と世界の平和のために、日本国憲法を守り「改憲」のくわだてを阻もうとする市民の活動が広がっています。

戦争は最大の人権侵害といわれ、女性やこどもが真っ先に被害を受けます。また、日本の受けた原爆による被害は、61年を経た今、ようやく直接被爆者以外の被爆についても救済する判決を得たという状況です。千葉市も無差別爆撃の被害に遭い、多くの市民を失いました。戦争を体験した市民の心の痛みは癒えることがありません。

千葉市は「平和宣言」を掲げ、憲法に基づく施策を展開しています。国が憲法を変え「戦争できる国」と画策している今こそ、地方自治体として国に対し、また、世界に向けて核兵器廃絶や、戦争反対をアピールするべきです。戦争を過去のものとしないため、戦争中の資料などを常設展示する拠点を設けるなどの、さらなる取り組みも求められます。

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