市民ネットワーク 2006年度予算編成に対する要望書

重点政策6項目

(1)「公」「民」ともにコンプライアンス環境の整備

内部告発により初めて明らかになった税不正免除問題は、市民の信頼を大きく損ない千葉市全体を揺るがしました。その後も不祥事は続き、市職員の不正な行為が露呈しました。地方公務員法、地方自治法、服務規程、監査制度、個人情報保護条例などが遵守されるべき事態において、それらが実質的には機能していなかったわけです。市はそのことを真摯に受け止め、不正を許さない職場環境づくり・職員の意識改革に全庁あげて取り組むべきです。

更にこれまで重大な事件が官民問わず内部通報によって、是正されていることから、市が現在検討中の公益通報者保護制度については早急に施行することを望みます。運用にあたっては、児童養護施設の措置費流用、食品衛生協会の補助金請求問題などで明らかになっているように、受託事業者や指定管理者や公金が使われる民間事業者などにも対象範囲を広げるべきです。

また、JFEスチールのシアン垂れ流しやデータ改ざん事件では、市民の生命・財産・環境に対し重大な影響を及ぼす恐れがある違法状態が、長期に渡り続いてきました。このような問題ある大企業をはじめとする民間事業者に対しては、監視体制の強化を図り、事業者自らのコンプライアンス(法令・社会規範遵守)を徹底するための制度導入を厳しく指導すると共に、市民への情報公開を徹底し、企業・行政・市民の3者による協議の場を求めます。

(2)すべての施策の根底に人権尊重

                    

「基本的人権の尊重」は、憲法三原則の一つとして掲げられているにもかかわらず、市政から国政まで、具体的な施策遂行の場面では、個々の人より組織、経済優先・既得権保護等により、顧みられず、忘れ去られ、結果としてエイズ禍や各地の公害・深刻なアスベスト被害等を招いてきたのではないでしょうか。

すべての市民のための千葉市政を実現するには、「市民の人権を守ること」を最優先し、すべての施策の根底に据える覚悟が必要です。

現在市民参加で進められている「地域福祉計画」づくりでは、乳幼児から高齢者まで、障がいをもつ人、外国籍の人や性的マイノリティなど、すべての人が、その人らしく暮らせる地域づくりが求められます。

また、「次世代育成支援行動計画」の実行に際しては、少子化対策としての子育て支援だけではなく、子どもが一人の人として尊重され、よい環境の中で学び成長し、自立できるまでの、子ども・若者支援が必要です。そのために、今回の計画には盛り込まれていない千葉市独自の子ども人権条例の制定・人権オンブズパーソン制度の創設を切望します。

(3)地域福祉計画の共有化と推進体制の充実

                

千葉市で初めて白紙段階からの市民参画で作られる地域福祉計画が2006年4月から実施されます。計画策定の過程で自助・共助・公助に分けて議論し、区の計画づくりでは主に自助と共助について地域の中でどのように実現できるかがテーマになりました。子ども、高齢者、障がいを持つ人、あらゆる立場の市民が対象になる地域福祉計画についての認知度はまだ低いのが現状です。これからパブリックコメントも実施されますが、地域ごとの説明会や意見交換会を開く事が必要です。

また、介護保険法の改正によって地域包括支援センターの設置、小規模多機能型拠点の設置、グループホームなど地域密着型のサービスが行なわれます。衆議院の解散で廃案になった障害者自立支援法は、医療費の1割負担や施設利用費の徴収などが含まれており、当事者団体からサービス量や質の低下をまねくのではないかとの反対もありました。地域で自立した生活を望む人が、自分らしく生活できるような支援を保障することが求められています。

地域福祉計画・高齢者保健福祉推進計画・障害者保健福祉推進計画・次世代育成支援行動計画それぞれの計画が市民一人一人の福祉の向上につながるような庁内の横断的な連携と推進体制の充実を望みます。また、第三者評価事業も実施されますが、サービスの質の向上につながり、市民がサービスを選択する時の参考に出来るような情報提供を要望します。

(4)歩いて暮らせるまちづくり 〜ハードからソフトへの転換〜

       

千葉中央第6地区の再開発事業が始動し、今後も千葉駅西口再開発事業、各区の保健福祉センター、区民ホールなどの建設が予定されています。数年後には団塊の世代が現役を退き少子高齢化は一層すすみます。これからのまちづくりは、新たな建設ではなく、既存ストックを活用や、身近な地域の中での質的向上が求められています。景観法の制定、都市計画法の改正などで市民がまちづくりに参加できる制度は広がりつつありますが、都市計画マスタープラン地域別構想づくりに手を上げた地域は皆無です。市民にとってまちづくり制度を理解できる機会はほとんどありません。「やってみようよまちづくり」支援事業やアドバイザー派遣制度も目的が限定されているために使いこなせないのが現状です。現在策定中の地域福祉計画や介護保険制度の改定の中でも中学校区単位での拠点施設、居場所づくりが模索されています。商店街の空き店舗や学校の空き教室が地権者ではない市民の地域づくりのツールになりま す。こうした市民の動きに活用できるまちづくり支援制度になるよう見直しを求めます。

「歩いて暮らせるまち」という概念は国土交通省が数年前に打ち出しました。既成市街地の再生、車優先から歩車共存のまちづくり、エネルギー消費型から持続可能なまちの実現を公民協働ですすめるものです。公共建築物は建てて終わりでなく、維持管理に多額の経費が必要になります。中心市街地や地域に増える空きビル、空き店舗などを市民事業などへ活用し、賑わいを作るために使いやすい支援制度の充実を求めます。

(5)都市計画や福祉計画と一体となった交通政策

都市規模の拡大と急激なモータリゼーションによって交通政策は車中心になり、道路政策が最優先されてきました。しかし、低成長時代に入り、住宅地には空き家が目立ち、商店街もシャッターを下ろした店が増えるなど、わたしたちの街は高度成長期とは一変した姿を現しています。また、地球環境の面でも自動車からのCO2排出は全体の排出量の2割を占め、排気ガスや燃料エネルギーをどうするかという深刻な問題も起きています。

千葉市においては、2001年に総合交通政策のあり方に関する基礎調査が行なわれ、今後総合交通ビジョンが策定されることになっていますが、その際にはモノレールと都市計画道路整備への偏重を見直し、バス交通を機軸とし、自転車や徒歩での移動を有機的に結びつける、交通弱者に配慮した横断的な政策展開の検討が必要です。

少子高齢社会を迎えた今、歩く、自転車で行く、バスに乗る、休憩するという交通弱者の移動を保障するとともに、鉄道駅やモノレール駅などの交通結節点を、便利で快適な空間に整備するという、都市計画や福祉計画と一体となった交通政策が望まれます。

(6)燃やさない・埋めないごみ処理

                    

2007年から10年間の一般廃棄物(ごみ)処理基本計画が現在策定中です。現計画でも「一人1日150g減量」という努力目標は示されていますが、曖昧な低い設定で、最も大切な「総排出量の削減」という視点がありません。

次期基本計画は「清掃工場2工場体制」という明確な目標を定め、そこに到る過程を示すものでなければなりません。家庭系ごみでは、紙ごみの70%、生ごみでは90%以上がそのまま燃やされているのですから、これらに高い資源化目標を掲げなくてはならないことは明白です。

高い目標を実行可能とするためには、排出者である「市民・事業者」が計画を策定すべきで、市民参加による市民懇談会は、ただ意見を聴取するだけでなく、策定そのものに深く関わる位置づけであるべきです。

策定に当たっては、複数案をあげ、環境面だけでなく、それぞれのシステムから生じる、社会・経済面での影響を調査・予測・評価し、環境に配慮した処理システムを検討する戦略的環境アセスメントの視点が必要です。地域によるごみ排出の違いの考慮も必要です。

廃棄物処理施設設置の必要性が生じたとき、立地や規模において環境面を含めた検討を行い、地域住民との合意形成が図られなければなりません。現在の「産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理に関する指導要項」は「どのように施設を作るか」という視点ではなく「地域環境をどのように保全するのか」という視点から見直す必要があります。

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