市民参加と協働

「参加と協働」のまちづくりの推進にあたっては、これまで行政により担われていた「公共」の領域への、多様な価値観を持つ市民やNPOの責任ある参加が不可欠です。
地方自治法改正により、指定管理者制度の導入が図られ市民の身近な公共施設の運営や管理が変わりますが、その基準作りにおいては行政と市民が十分に協議していく場を設け、市民が公共サービスを認定し評価していく動きが必要です。指定管理者の選定に当たっては、効率性と経済性の中で市場原理に委ねるのではなく、担い手として期待される市民団体やNPOなどを育てていくことも課題です。

これからの市民社会で起きる様々な課題に答えていくために、市民団体やNPOによる公共部門への参加や協働がますます必要となってきます。市民が主体となる力をつけるためにも、自治体が担ってきた機能の一部を単なる下請けではなく、移譲していくなど自治体内分権をすすめることが必要です。さらに地域の中に新しい価値を作り出し、課題を解決していく協働の関係を作り上げるため、市民活動支援の体制を整え、市民参加条例や自治基本条例を、広範な市民やNPOとともに策定することを求めます。

財政再建に向けて

市税の根幹をなし、何より公正・公平な徴収がなされなければならない市県民税の不正免除事件で職員2名と市県民税滞納県議本人が背任の容疑で逮捕され、市政への信頼は完全に失墜しました。さらに庁内調査の不十分さ、徴税事務の管理のいいかげんさ、告訴の判断ミス、不正免除の温床となった特別処分への疑惑など、政・官の癒着を露呈し市民をさらに幻滅させています。

問題解明は9月からの公判と市議会にゆだねられることになりましたが、あらゆる手段(情報公開・情報提供・説明責任の徹底)を使って市民の信頼を取り戻す努力を庁内一丸となって行うことを求めます。

市財政については当初の90億円の収支不足に加え、三位一体改革の影響が87億円となり7つの基金からの取り崩し・借り入れや地域再生事業債などで何とかつくろいました。しかし、全会計の借金残高は利子を含めると1兆2千億円以上に膨らみ、財政の硬直度はさらに高まっています。新5カ年計画の最後の年ということで残された23%の事業を無理に行うよりも再度見直しを行い、市債の削減に努め、財政危機宣言を今こそ行うよう強く要望します。


市民と作る第2次5カ年計画
現在の「新5カ年計画」では、「重点項目」ゆえの重みのため、年度ごとの予算編成に当たっては見直すことが躊躇され、財政状況が厳しい中にあっても思い切った見直しにはいたっていません。この反省からも「第2次5カ年計画」策定に当たっては「項目」の是非を問うのみでなく、そこに生じる「財政負担」を明確にした上で市民の判断を仰ぐことが必要と考えます。計画の中に盛り込む事業にどれだけの予算をつけるかの判断に「人口フレーム」の予測はかかせません。「新総合ビジョン」の中に示された人口フレームはその後の様々な統計から最も妥当な形に修正されるべきです。

現在示されている策定スケジュールによると「計画策定段階」における一般の市民の参加は原案公表後のパブリックコメントと区民懇話会からの意見聴取のみです。これでは不十分といわざるを得ません。各局が原案を作成する段階での市民参加が必要です。それぞれの分野におけるNPOや市民活動も育ちつつある中、そういった市民との協働の中で原案を作成していってほしいと思います。そのような策定段階を経ることによってこそ、「市民生活重視」「男女共同参画」「循環型社会構築」といった視点が、多くの市民が納得する形で盛り込まれると思います。

計画策定の際には、現在検討がすすめられている「政策評価指標」とその「目標値」が活用されるとのことです。しかしながらいまだに、各事業の担当所管が行う「事務事業評価」と「政策評価」との連携は不明確で、これではせっかくの「評価」が役に立ちません。「事務事業評価」を「政策評価」にどのように連動させるのか、誰もが理解できるような評価制度とするべきです。

4、子どもについて

すべての子どもたちは、人として尊ばれ、社会の一員としてよい環境の中で育てられなければなりません。さらに、「子どもの最善の利益」を優先した個々の支援を打ち出し、保護の対象としてのみ見るのではなく、権利の主体として子どもの自己決定を尊重するとともに、子どもの数だけ自立への道筋を作り上げようという踏み込んだ視点が必要です。現在策定中の次世代育成支援行動計画や本年度から取り組みが始まった特別支援教育も、このような視点の下で行なわれるべきで、そのためには、子どもに関連した部局のより一層の連携が求められます。

少子化傾向の中、合計特殊出生率や保育所待機児童数など、数値を基準にした子どもの居場所確保のための少子化対策が図られようとしていることは、子ども施策の本質であるとはいえません。子どもの居場所とは、単なるスペースの確保ではなく、子どもたちが安心して多様な関係性を育むことができるような機会です。そのためには、子どもの理解者を増やし、子どもの発育に関する専門的知識を備えたサポーターの育成が必要です。

また同時に、女性も男性も子育てに関われるような環境整備を図るために、妊娠・出産・育児の際の休業制度を実質的に取れる行動計画の策定と、子育て当事者の意見を反映させる制度を設けることが望まれます。

学校教育に関しては、義務教育制度のあり方自体が見直されるような大きな揺らぎの中にありますが、個々の学校現場が子どもたちの実情をしっかり捉え、主体性を発揮した教育が推進できるよう、より一層の人材の質と量の確保を求めます。


地域生活を支援する福祉計画策定を

現在すすめられている各区の地域福祉計画策定は、当事者や当事者団体、公募市民などの参加で白紙の段階からの市民参加が初めて実現しました。各区4、全市では24の地区フォーラムで地域の課題の整理、問題解決に向けての討議が試行錯誤しながらすすめられています。また、今後設置される千葉市の地域福祉計画策定委員会へも区の策定委員会からの代表の参加が予定され、地域に根ざした計画策定を評価します。

来年度は地域福祉計画策定のほかに障害者保健福祉推進計画、児童保健福祉推進計画、介護保険事業計画の改定が予定され、少子化の中での子育て・子育ちを支援する次世代育成支援行動計画が施行されます。上位計画になる地域福祉計画との整合性をはかり、当事者、福祉現場の職員、公募市民などの参加で実質的な議論をして策定することを求めます。住み慣れた地域で暮らし続けるためには、自助・共助・公助をどのようにリンクさせていくのか、サービス基盤の整備拡充、人的資源の確保、サービスの質の向上、第三者評価制度など新しい視点を盛り込むことが必要です。「地域」をキーワードに高齢者、障がい者、子どもとわけるのではなく分野横断的な施策の実現がはかられるような計画策定になるよう要望します。また、千葉県が開始した中核地域生活支援センター(ワンストップで全ての分野の相談、権利擁護まで対応する)を千葉市にも設置できるよう検討を要望します。

千葉市民が住みなれた地域で、個人の選択による福祉サービスを使いながら地域生活をまっとうできるかどうかが問われる計画策定ということを認識し、計画策定に臨むことを求めます。


大型開発からまちづくりへ
2005年は第2次5カ年計画策定に向けて政策評価が実施されます。その対象となる事業には市民満足度だけでははかりきれない財源確保への不安・未来への負の遺産となるかもしれない可能性があります。

いわゆる大型開発(蘇我副都心づくり・土地区画整理事業・新港横戸町線整備・都市モノレール整備・千葉駅西口第2種市街地再開発事業・千葉中央第6地区第1種市街地再開発事業など)については、事業期間が長いため評価・見直しの視点がこの時代にあっては必要です。外部評価委員会のようなしくみを導入しての事中評価により、その審議過程を公表し、市民とともに千葉のまちのグランドデザインを描いていくことを求めます。

2002年都市再生特別措置法が公布され、税制・金融・都市計画などで規制緩和措置がとられ、民間投資が誘導され、千葉市でも蘇我・西口・中央第6まで含めて都市再生緊急整備地域が指定されました。その後、都市再生特別措置法の改正により、都市再生補助金としてまちづくり交付金が制度化され、2004年度には千葉市においても活用されています。事後評価の活用、市民・NPO・企業との連携によるまちづくりの推進をうたう目的にかなうように、このまち全体のグランドデザイン、人口減・超高齢社会におけるまちづくりをどうするのかなど、都市マス地域別構想づくりを念頭においた議論を市民やNPOや行政との協働の場で行い、その上で都市再生整備計画を策定しなおすべきではないでしょうか。民間事業者への規制緩和が市民の想像を超え、都市マス地域別構想づくりにも影響を与えるのではないかと危惧します。

循環型社会構築を目指して
約50年前まで私たちはほとんどごみを出さない生活をしていました。しかし大量生産・大量消費・大量廃棄の社会構造の中で、いまや千葉市内の一般ごみの排出量は年間約43万トン(02年)、その8割近くを焼却し、収集処理費用に年間150億円以上の税金を費やしています(一人当たり1万7千円/年)。3つの清掃工場からのCo2の排出量は年間約9万トンと試算されています。

一方千葉の原風景といわれた生物の宝庫、水源地でもある谷津田・里山がごみや残土の埋立地として利用されてきました。ごみの焼却・埋め立ては、大気・土壌・水を汚染し、地球温暖化・資源の枯渇をすすめ、また1兆2千億円以上の借金を抱える財政をさらに圧迫するものです。次期最終処分場の目途もありません。未来のこどもたちに「負の遺産」を残さないことは私たち世代の務めです。

今後予定されている「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」の見直しの中では、排出されるごみ量の削減・再利用・再資源化をさらにすすめることにより、老朽化が進んだ北谷津清掃工場の建替えはせず、既存の清掃工場を3つから2つにすることを具体的な検討課題とすることを求めます。また3Rとともに、Local(地域で)・Low cost(安価に)・Low impact(低環境負荷)・Low technology(ハイテクに頼らない)という4Lの視点でごみ処理を行うことも大切です。またごみ問題の検討には、蘇我エコロジーパークですすめられるリサイクル産業のあり方や、また農業政策とも強く関連しており、環境局だけでない行政分野での連携が必要です。また環境に関心のある市民・NPOも市内にたくさん育っています。まさに市民・事業者・行政の協働の中で今後のごみ政策が検討されることを求めます。
   

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