No.15

平成22年第3回定例会
(提出年月日)平成22年8月18日
(提出会派名)市民ネットワーク

「地球温暖化対策基本法案」の抜本的見直しを求める意見書(案)

政府は、先の通常国会で廃案となった「地球温暖化対策基本法案」を次の臨時国会において成立を図っているところである。地球温暖化対策における我が国も含めた先進国の責任は重く、地球温暖化防止に対する基本方針を定める法律の速やかな制定が求められている。しかし、本法案は2009年度民主党のマニフェストから後退したものであり、環境系のNGOや市民団体から「骨抜きである」との批判が相次いだ経緯がある。

本法案の基本原則には「経済の持続的な成長」が記載され「環境保全を経済の枠内で行う」という「経済調和条項」が盛り込まれており、「環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会を構築する」と規定している環境基本法と矛盾するものとなっている。

さらに、2020年までに1990年比25%削減実施という中期目標に、「すべての主要な国が、公平なかつ実効性が確保された地球温暖化の防止のための国際的な枠組みを構築するとともに、温室効果ガスの排出量に関する意欲的な目標について合意をしたと認められる場合に設定される」という「前提条件」を付している。これでは国際合意がなければ、国内のCO2削減目標が設定されないことが想定され、こういった消極的な姿勢は、国際的な枠組みの構築自体を阻害するおそれもある。

また、「国内排出量取引制度」に確実な排出量削減を担保できる総量方式だけでなく「原単位制度」導入の可能性を開いていること、持続可能なエネルギー源とは言えない原子力発電の推進が主要対策としてうたわれていること、再生可能エネルギーに「化石燃料以外のエネルギー源のうち、永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」を認め、純粋な自然エネルギーを目減りさせていることなどの指摘がある。

オバマ政権の「グリーン・ニューディール」のみならず、各国で環境対策による新たな需要と雇用をつくり出すことが目指されている現在、国内的にはもとよりグローバルな視点での真の「持続可能性」を追求する環境政策を立案すべきである。
よって、本市議会は国に対し、「地球温暖化対策基本法案」を抜本的に見直すよう強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会

  

■結果■

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