No.10

平成21年第4回定例会
(提出年月日)平成21年11月17日
(提出会派名)市民ネットワーク

選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める意見書(案)

1999年に成立した男女共同参画社会基本法の前文では、「男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題」としている。しかし、その中心的政策課題とされながらも夫婦別姓制度はいまだ論争が続いている。 

夫婦の姓に関しては、明治8年に広く国民に氏の使用が義務づけられ、明治9年に夫婦別氏の制定、明治31年に夫婦同氏が制定された。これは、家長を長とする「家制度」を婚姻により強化するための改正であり、戦後は「家制度」が廃止され、婚姻は両性当事者の合意となった。しかし、婚姻を家同士の結びつきとする考えは残存し、また、高度経済成長期には「夫は仕事、妻は家事育児」という「性別役割分業」が年金制度や扶養者控除など政策的にも促進されたのである。

婚姻時に女性が改姓する割合は約96%であり、この数値は両性の平等や女性の自由な意思決定を尊重した結果としては余りにも大きな偏りがある。また、男女雇用機会均等法により女性の社会進出が促進され、婚姻後も継続して働く女性がふえ、旧姓使用も広く認められるようになった。さらに、離婚の増加に伴い再婚もふえる中、女性やその子等が姓の改正により犠牲を強いられることも多い。選択的夫婦別姓制度は、婚姻時に同姓と別姓を選択できる制度であり、選択肢をふやし、また社会の偏見の緩和を長期的には促し、男女共同参画社会基本法の理念を促進することにもつながるものである。

一方、別姓家族は家庭崩壊を促進するという意見がこれまでも反論として根強く出されているが、日本でも国際結婚では選択的夫婦別姓が認められている。さらに男女平等や男女共同参画の理念により選択的夫婦別姓制度へ移行した欧米などの国々で、制度変更が家庭崩壊のような社会現象を引き起こす要因となっているとの報告は見当たらない。

よって、本市議会は国に対し、婚姻時の姓の改姓における平等性を促進するために、選択的夫婦別姓制度の早期実現を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会

  

■結果■

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