No.9

平成21年第4回定例会
(提出年月日)平成21年11月17日
(提出会派名)市民ネットワーク

保育所設置基準の緩和に反対し、保育の質の確保を求める意見書(案)

本年10月、保育所設置条件を地域の実情に沿った形にすることを前提に国の基準の「義務づけ」について見直しを求めた地方分権改革推進委員会の第3次勧告が出された。政府はこれを受け、待機児童解消に向けて待機児童の多い東京都などの都市部に限り、保育所の設置基準を地方自治体の条例で一時的に定められるよう検討する方針を決めた。保育所設置条件の現行基準は、子供の発達を保障する最下限のものであり、これを下回る環境では子供の健やかな発達を保障できず、低い基準でもこれまで守ってきたことで保育の質を辛うじて維持してきたのである。

「保育園を考える親の会」でも、設置基準緩和については、狭い空間で長時間過ごすと子供同士のトラブルもふえ、詰め込みによる待機児童解消は将来に禍根を残すと反対している。

保育所の質と量の充実は、両方高めていかないと新政権が目指す「子供を安心して生み、育てられる社会」の実現はできない。厚生労働省の調査では、施設や職員数が国の基準を満たす認可保育所が満杯で入れない待機児童は、4月時点で2万5,384人であり、昨年同期で約3割もふえており、不況や育児休業の普及で共働き世帯がふえたことが背景にあるとされている。

保育や就学前教育への公費の支出が国内総生産に占める割合(2005年)では、スウェーデンが1.47%、フランスが1.19%で日本は0.32%となっている。少子化をとめるためにも乳幼児期の保育・教育に社会全体で取り組むという観点で財源を投入し、働きながら安心して子育てができる環境を整えるべきである。

よって、本市議会は国に対し、保育所設置基準の緩和を行わず、高まる保育需要を適切に把握し、保育所の増設や保育の質の維持に必要な財源を確保することを強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会

  

■結果■

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