No.15
平成20年第4回定例会
(提出年月日)平成20年11月18日
(提出会派名)市民ネットワーク
青森県六ヶ所村にある核燃料の再処理工場のアクティブ試験において行われている「ガラス固化体製造試験」は、昨年11月に開始されたが、トラブルが続出し中断していた。本年10月8日に原子力・安全保安院が、再処理工場を運営する日本原燃が提出した原因と対策に関する最終報告書を「妥当」と判断したことにより、同試験は、10月10日に再開されたが、今回も装置の不具合が発生し、試験終了のめどは立っていない。
今回の不具合も、過去のトラブルと同様の「白金族が炉底にたまる」という原因によるものである。1年間をかけて改善を模索しながらも繰り返し同一の原因による不具合が発生したということは、根本的な技術上の欠陥と断じざるを得ず、そうした欠陥技術に基づいた報告書を「妥当」と判断した原子力・安全保安院の責任も重大である。
仮に、技術上の問題が解決されたとしても、製造される「高レベル廃棄物ガラス固化体」を長期間にわたって安全に保管するための「最終処分場」は、我が国の核燃料サイクル計画が策定されて以来の懸案であるが、今に至るも選定されていない。既にイギリスとフランスに委託した再処理に伴う「高レベル廃棄物」の返還が継続中であり、現在は一時的に六ヶ所村内の中間貯蔵施設に保管されているが、いずれ行き詰まることは確実である。
一方、「使用済み核燃料再処理」が順調に行われたとしても、抽出されるプルトニウムは、青森県大間に建設されている「全量MOX燃料装荷」の原発で利用が見込まれているが、その運転開始は2年繰り延べになったところであり見通しは立っていない。核兵器の材料となり毒性の極めて高いプルトニウムの蓄積は、安全保障の視点においても大きな問題である。
よって、本市議会は国に対し、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験において続出する不具合の徹底検証のため、アクティブ試験の一時中止と本格稼働の延期を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年 月 日
千 葉 市 議 会
■結果■