No.20

平成20年第3回定例会
(提出年月日)平成20年8月28日
(提出会派名)市民ネットワーク

「もんじゅ」の拙速な運転再開はしないよう求める意見書(案)

日本原子力研究開発機構は、1995年のナトリウム漏出事故で運転を停止している高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の運転再開を目指し、現在プラント確認試験を実施しているところである。

しかし、13年もとまっていた高速増殖炉を動かす例は世界にもない。原子力安全・保安院も「もんじゅ安全性確認検討委員会」を設置し、長期に停止していたもんじゅの安全性確認の検討をしたが「手探り状態」である。

近年、地震が多発している中、もんじゅ立地点近くに長さ15キロに及ぶ活断層があることを日本原子力研究開発機構も認めた。地震による重大事故が発生した場合、極めて毒性の強いプルトニウムを燃料として装荷しているため、その被害は甚大なものとなる。

また、もんじゅはその構造上、金属ナトリウムを冷却材として用い、蒸気発生器の薄い金属壁で水と接するものであるため、95年のナトリウム漏出事故のような事故は再発するおそれが極めて高いのである。

また、高速増殖炉は通常の軽水炉以上に複雑な配管構造となっている。建設から長期にわたる運転停止期間を挟み、配管の経年劣化は避けられない。しかし、現在の主な点検項目は、95年の事故原因とされている検出器のみとなっている。既にナトリウム漏えい警報の通報おくれや漏えい検出器の施工ミスなどの不手際が相次ぎ、本年10月に予定されていた運転再開を、来年2月に再度延期せざるを得なくなった。

また、もんじゅで使用されるMOX燃料には半減期が14年と短いプルトニウム241も含まれ、13年間に及ぶ停止期間で燃料の組成に変化が生じている。しかし、日本原子力研究開発機構は、劣化した燃料も使用することとしているため、運転再開時の原子炉制御は極めて不安定なものとなることが予測される。

よって、本市議会は国に対し、「もんじゅ」の運転再開には不安要素が累積していることから、拙速な運転再開を取りやめ、徹底的な安全確認を行うことを強く求めるものである

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会

  

■結果■

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