No.19

平成20年第2回定例会
(提出年月日)平成20年5月27日
(提出会派名)市民ネットワーク

「協同労働の協同組合法(仮称)」の速やかな制定を求める意見書(案)

現在、日本社会では、「ワーキングプア」、「ネットカフェ難民」、「偽装請負」などに象徴される「働いても十分な生活が維持できない」、「働きたくても働く場所がない」などの困難を抱える人々が増大し、新たな貧困と労働の商品化が広がるなど、社会不安が深刻さを増している。

こうした中、「地域の問題は、みずから地域で解決しよう」とNPOや、ボランティア団体などさまざまな非営利団体が、住みやすい地域社会の実現を目指し活動しており、これらの一つである「協同労働の協同組合」は、働く者が出資し合い、全員参加の経営で仕事を行う組織であり、国内ではワーカーズコープ、ワーカーズコレクティブ、農村女性ワーカーズ、障害者団体などとして、「働くこと」を通じて、「人と人のつながりを取り戻し、コミュニティの再生を目指す」活動を続けている。

世界の主要国では、働く仲間同士が協同し、主体性を高め合い、力を発揮し合う新しい働き方として、労働者協同組合(ワーカーズコープ、ワーカーズコレクティブ)についての法制度が整備されている。

ところが、我が国においては根拠法がないため、まだまだ社会的理解が低く、こうした活動をさらに広げていくためには、協同労働による事業を行うための組織に対し、法律上の能力を与えることなどを規定する法整備が必要不可欠である。そうすることによって、働く意思のある人、支援する人による就労の場の自発的な創出、地域社会発展に貢献する活動の促進、そして働く意欲を持つだれもがその能力を生かせる社会の実現が図れるのである。我が国においても法制度を求める活動は活発化してきており、国会においても超党派の議員連盟が立ち上がるなど法制化の検討が始まっているところである。

よって、本市議会は国に対し、社会の実情を踏まえ、就労の創出、地域の再生、少子・高齢社会に対応する有力な制度として、「協同労働の協同組合法(仮称)」の速やかな制定を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会

  

■結果■
採択され、国の関係省庁に千葉市議会の意見書として送付されました。

close