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平成19年第2回定例会
(提出年月日)平成19年5月29日
(提出会派名)市民ネットワーク

原子力産業への指導強化とエネルギー政策の転換を求める意見書(案)

本年3月30日に、すべての電力会社から過去にさかのぼった総点検の結果が国に報告され、発電所の不正は、原子力・火力・水力をあわせて実に1万646件に及んだ。そのうち原発に関しては、東京電力の230件、中部電力の123件など455件を数えた。

その中には、「志賀原発1号炉」、「福島第一原発3号炉」のように制御棒脱落という臨界・暴走事故につながる極めて危険なものも含まれていた。そのほか、原子力発電の運転の難しさや事故時の危険性を考えれば、恐るべきデータの改ざん、偽装、捏造、隠ぺいが行われていたのである。

各電力社は、この総点検結果を踏まえた「再発防止策」を4月6日に経済産業省原子力安全・保安院に提出した。国は精査した上で、法令違反に当たるかどうか、処分対象かどうかを判断するとしている。しかし、4月13日に国会議員や各地の市民が行った原子力安全・保安院に対するヒアリングを見る限り、同院に積極的な姿勢は見られない。各電力会社も、2002年の東京電力のトラブル隠しの発覚を受け、その反省と企業体質の改善を公言しながらの今回の事態である。

このように電力会社の「原子力産業」としてのあり方と国の「原子力政策」への信頼が根底から揺らいでいるにもかかわらず、各電力会社と国は原子力発電推進の姿勢を改めず、「六ヶ所村再処理工場の本格稼動」、「プルサーマル計画の実施」など「核燃料サイクル」の確立と拡充を強行に推し進めようとしている。

よって、本市議会は国に対し、下記の措置を早急に講ずよう強く求めるものである。

  1. 罰則強化も含めた関係法令の徹底した見直しを行い、各電力会社の不正に厳しく対処すること。
  2. 原子力安全・保安院を経済産業省から分離・独立させ、公正な視点から監視・監督を強化するとともに情報公開の徹底を図ること。
  3. 将来にわたる世界のエネルギー需給、環境への負荷を総合的に見直し、原子力に頼らない、本来の意味での「持続可能」なエネルギー政策への転換を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会

  

■結果■

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