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平成17年第3回定例会
(提出年月日)平成17年9月12日
(提出会派名)自由民主党千葉市議会議員団、日本共産党千葉市議会議員団、市民ネットワーク

アスベストによる健康被害に関する意見書(案)

アスベストによる健康被害の問題が、日を追って明らかになり深刻な様相を見せ始めている。職場で接触していた従業員の死亡者が増えたばかりでなく、その家族やアスベスト使用工場周辺の住民に、がんの一種である中皮腫等の患者が多く見られることが相次いで報告されている。
 我が国では、青石綿も白石綿も吹きつけでの使用が1975年に禁止され、毒性の強い青石綿の使用が全面禁止されたのは1995年、白石綿は昨年になってようやく使用が原則禁止とされた。

しかしながら、ILOなどは1970年代初めからアスベストの発がん性を指摘しており、このことにより欧米諸国では大問題となり、
1980年代には米国でアスベストの集団訴訟が相次ぎ、規制を強めている。我が国においても、アスベストの使用を早急に全面禁止するとともに、アスベスト被害の全容を把握し、被害者の救済と拡大防止に万全を期さなければならない。

よって、本市議会は国に対し、住民の安全・安心な生活を確保するため、下記の措置を早急に講ずるよう強く要望するものである。

  1. 関係省庁は、廃業した会社や下請業者も含めてアスベストの製造や加工、運搬などにかかわった企業をさかのぼって調査し公表すること。
  2. 健康被害を受けたと不安を感じる人の相談、検診及び医療費補助等の必要な措置を講ずるとともに、健康被害者に対しては、公害健康被害の補償等に関する法律の対象とするなど救済策を検討すること。
  3. アスベスト使用工場などがあった地域で、健康診断や疫学調査に着手し、アスベストと中皮腫等の因果関係を究明すること。
  4. 建材にアスベストが使用された建築物の解体時の飛散を防ぐため、労働安全衛生法に基づく石綿障害予防規則等の実効性を高める方策を講ずること。
  5. 労災補償を受けずに死亡した労働者、家族及び周辺住民の被害者に対しては、新たな救済制度を確立すること。
  6. アスベストによる健康被害の拡大を防止するために、今後もアスベスト問題の検証を続け情報を公開すること。 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会

  

■結果■採択され、国の関係省庁に千葉市議会の意見書として送付されました。

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