政府は2月15日、日本に向けて発射された弾道ミサイルをミサイル防衛システムで迎撃する手続きを盛り込んだ自衛隊法改正案を閣議決定した。
また、自衛隊の国際平和協力活動を本来任務に格上げする自衛隊法改正案についても議論を進めている。
どちらも昨年12月に閣議決定された「新防衛大綱」の柱となるものであり、専守防衛を基本としてきた自衛隊のあり方を大きく変更するものである。
ミサイル防衛システムの運用に関して大野功統防衛庁長官は、15日の閣議後の会見で、「365日24時間(命令を出すの)が理想だ。」と述べている。日本への弾道ミサイル発射の「おそれ」が認められない場合の手続きで、例外的措置のはずの「破壊措置3項」で、常時迎撃命令を出したままにする状態が望ましいとの考えを示したものだ。さらに、
「迎撃の判断は現場に任せる」と長官自身が述べており、その場合、現場指揮官に事実上の武力攻撃の決定権を与えることとなり、このことは日本国憲法の理念を大きく逸脱していると言わざるを得ない。
また、ミサイル防衛システムについては、技術面でも日米の共同研究の段階であるが、2006年度末からの装備の導入を決めており、法整備を見切り発車せざるを得ない事情があり、法案に粗雑さが目立つとの新聞報道(東京新聞2月15日夕)もある。
よって、本市議会は国に対し、ミサイル防衛システム、海外派遣の本来任務への格上げは極めて重大な問題であるため、自衛隊法を早急に改正することなく、国会でのさらなる慎重な議論と国民に対する説明責任を十分に果たすよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
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