2004年7月26日
千葉市長 鶴 岡 啓 一 様
 
 
社会福祉法人「鳳雄会」の施設運営に関する要望書
 
 
市民ネットワーク
高野晴美 山口晴美
常賀かづ子 福谷章子
湯浅美和子 小西由希子
長谷川弘美
 
 

 鳳雄会の施設運営に関しては、開設間もない平成15年6月ころから職員によって様々な問題が指摘されたことから端を発し、その後市も法人への改善勧告を出すに至り、議会の場ではこの間何度も取り上げられてまいりました。特に理事会の解散も視野に入れた、抜本的な改革を求めた「千葉県児童福祉を護る会」が提出した「社会福祉法人 鳳雄会ほうゆう学園の運営改善に関する請願書」は全会一致で採択されました。また本年第1回定例議会の予算審査特別委員会の指摘要望事項においても、次代を担う子どもたちに対する十分な措置と、施設の健全運営に向けさらなる監査指導体制の強化を求める内容が取り入れられております。

 さて本年3月の議会において、児童養護施設の施設長に元施設長であった袴田氏を復帰させるとの市当局の答弁があり、一定の改善がなされるかに見えました。しかしその後市からの説明もない中、4月5日に鈴木氏が新施設長就任、5月6日に袴田氏解雇、6月9日栄養士2名解雇、6月16日には5名の職員が退職願い提出と異常としか言いようのない事態が続いています。

  そして就任早々施設長はほうゆうキッズの児童を、今年度中には46名とする入所計画をだしています。元職員たちの意見表明文によりますと、この入所再開にあたっては、元職員らが児童相談所長宛に施設の現状を訴えた文書が問題となり、その撤回を鈴木施設長が迫り、撤回する意志のないことを伝えると、「覚悟しておいたほうがよい」と警告したとあります。もはや職を辞することでしか現状を訴えていく術がないと退職願を出した経過が示されておりました。

  入所計画について市も指導が必要と議会答弁するような、なんら説得力のない計画をだし、5人もの職員を抗議の辞職をするところまで追い詰めるなど、現施設長が現場の長としてもはたして適任かどうか疑われます。このような施設長の就任を認めた市の責任も重大です。
また鳳雄会黒田理事長より、議会に提出された『職員有志の「意見表明文」および元栄養士等の解雇問題について』では、措置費の水増し請求について『道義的な意味での「不正」が一切ない』、またフォレスト、アトラスについて『「取引実態なし」などの記事に対しては、断固としてこれを否定しております。その旨は、千葉市長はじめ新聞各社に対して通知しております』と書かれてあります。そして職員の内部告発については『職員らの一方的な思い込み、事実誤認ないし事実捏造と考えており』と非難しています。道義的にも責任を感じず、職員が訴えた内容に対しても真摯に答える姿勢もなく、解雇処分し切り捨てるといった一貫した姿勢の理事会には、児童福祉の理念も経営能力も全く感じることが出来ません。

  ここまで施設の混乱した状態を長引かせ、深刻化させた原因として市の行った改善勧告、つまり問題となった金額を返させたものの、責任の所在を明確にせず、理事会の刷新がはかられなかったことがあげられます。さらに子ども達の中には児童相談所に訴えに言ったケースも議会で明らかになりましたが、内容については示されず、今後子ども達の人権がどのようにして守られるのか明らかになっていません。

  監督責任ある市として、この間の市の理事会に対する甘い対応を改めなければ、この施設の社会的信頼を得ることはできません。全会一致で採択された請願および予算審査特別委員会の指摘要望事項の元、第3者評価委員の設置及び理事会の再建に向けた検討委員会の設置を強く要望いたします。

 

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