議会速報(2008年9月議会)2面

住宅地における農薬散布

農薬は田畑で使用されるもの、と思いがちですが、庭木や街路樹の手入れ、室内での害虫駆除など、身近なところで使われています。農薬や薬剤の化学物質には、程度の差はあるものの毒性があり、散布による健康被害が多く、環境省・農水省は「学校、保育所、病院、住宅地に近接する公園、街路樹」などでの農薬散布を極力避けるよう通知を出しています。それを受け「公共施設は原則無農薬管理」とする自治体も出てきました。「虫が出たら農薬をまく」という意識から、環境負荷を低減しつつ、病害虫の発生を抑制する総合的病害虫管理の考え方が広まってきています。

千葉市では、「農薬の散布はやむを得ない場合のみ」と言っていたのですが、大量の農薬を散布していることが、市民グループの調査依頼で明らかにされました。ことに化学物質の影響を受けやすいと言われる子どもたちが過ごす、学校や保育所での農薬・薬剤散布が多いことは問題です。全庁的な連絡会議を設置し、農薬使用に関する指針を策定することを求めました。(湯浅美和子)

湯浅美和子の議会質問&答弁

青少年に関する課題には全庁的な取り組みを

青少年非行や犯罪に巻き込まれた少年の問題については、子どもに向き合ってとことん面倒を見るのは誰か、家族をサポートするのは誰か、ということを考える必要があります。千葉市では、個々の実情に即してサポートチームを組織し、立ち直りに向けて支援をしていますが、丁寧な対応が求められ、その数は限られています。

今後は、スクールソーシャルワーカーの導入を進めることも必要です。また、平成16年の児童福祉法の改正で、市町村は要保護児童対策地域協議会を設置できるようになり、千葉市もその準備を進めています。要保護児童とは虐待を受けている子どもとともに、非行児童なども含まれるとされており、関係機関の幅広いネットワーク化が重要です。青少年サポートチームや補導センターなど教育委員会と、虐待対応チームなどの福祉部局と、就労支援の市民部局などとのしっかりした連携による、全庁的な取り組みが、青少年に関する課題解決には不可欠です。(福谷章子)

福谷章子の議会質問&答弁

不幸な猫を増やさないために・・・

千葉市動物保護指導センターに収容される猫は年間約1,200匹でそのうち約1,160匹の猫が致死処分されています。

猫の繁殖は「ねずみ算式」ならぬ「猫算式」で増えていくといわれ「可哀そうだから」と飼い主のいない猫に「餌やり」を続けていると1年後には約20匹、2年後には80匹を超えてしまい、地域でトラブルに発展してしまうことが多いようです。不幸な猫を増やさないためには「餌やり」をしている方や飼い主に不妊・去勢手術の必要性を周知・徹底することが大切です。

市では、今年から猫の不妊・去勢手術の助成頭数を300匹から800匹に増やし、さらに今までボランティア頼みだった飼い主のいない猫の不妊手術を地域を選びモデル事業として実施するとのこと。 実施にあたっては、手術後の管理方法など地域の方々の理解を充分得て、市民・ボランティア・行政の三者が連携して不幸な猫をこれ以上増やさないため実行性のある事業となるよう求めました。(常賀かづ子)

常賀かづ子の議会質問&答弁

市直営のあんしんケアセンター設置を望みます

高齢者の相談・支援の場、あんしんケアセンターがスタートして3年。本来30〜45か所設置されるべきところ、千葉市では各区2か所計12カ所しか設置されていません。市民ネットでは、事業者へのアンケートで現状と要望をうかがいました。

認知症やアルコール依存症の1人暮らし・虐待・家中ゴミであふれて生活している・家族に精神疾患があるなど、相談は多様で、期間が1年以上になるものもある。介護予防ケアプラン作成に時間がとられ、他の業務が十分こなせない、研修の時間もとれないとの厳しい実態がわかりました。エリアが広く、地域の実情把握が困難。よろず相談としてセンターへの負担が重くなっています。特に支援困難ケースは市や保健福祉センターの協力を切に望む声があり、市として十分な対応を求めました。

市直営のセンター設置や増設を望む声が出ていますが、市はその考えはないとの答弁。多様化、複雑化する相談に適切な対応をしていくため、市直営のセンター設置を求めました。(小西由希子)

小西由希子の議会質問&答弁

*議会改革検討協議会が設置されました

 今後、22年3月31日までの1年6ヶ月の間に「議会審議の充実・強化」「政策の企画立案・立法機能の強化」「透明性の高い議会や議会活動」の3点について協議します。本来の機能を発揮できる議会にしていきます。皆様からのご意見をお待ちしています!

法律違反の業者 相次ぐ落札決定取り消し!

平成22年4月に花見川区と稲毛区の保健福祉センターがオープン予定です。保健福祉センターは保健と福祉部門を一体化し、区民のニーズに応えることを目的とし、すでに4区は建設済みです。6区あわせると施設整備費は総額185億円にものぼるもので、今議会は上記2区の工事契約について審議しました。

今回の契約ですが、問題点として落札率が花見川区98%、稲毛区98.88%ときわめて高いこと。また一旦落札した業者が都市計画法違反で決定が取り消されたこと、しかも通報で初めて判明し、3度も取り消し・失格が続いた点です。

平成18年9月、市民ゴルフ場建設の落札業者が都市計画法違反であることが発覚。公の仕事の契約として認められないと千葉市議会は議案を否決しました。それ以降、千葉市では都市計画法違反の事業者は入札に参加させないこととしていたのです。しかし今回、失格となった3つの業者は市のAランク業者として入札に参加し、過去2年間、総額4億6,000万円にも上る工事を受注していたのです。

契約後に違反が判明した場合について質問したところ、契約の解除は難しく、違反の是正をすれば特に罰則はない約款となっているとのことでした。3業者には違反の自覚がなく悪質なものではないとの説明でしたが、市の違反事業者への調査と是正指導が不徹底であったことの責任は重大です。多大な税金を投入する契約です。業者に対し周知と再調査を徹底すること、また違反した場合の罰則の検討を求めました。(長谷川 ひろ美)

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