平成19年第3回千葉市議会定例会の速報

千葉市ついに赤字決算!その責任を問う

全国自治体の財政状況を比較する普通会計で、千葉市統計史上初めて1億7100万円の赤字となりました。(実際の財政状況を表すといわれる一般会計では、かろうじて2億1400万円の黒字)赤字自治体は関東では千葉市だけです。

自治体の財政力を判断する「実質公債費負担比率」が、千葉市は政令市中ワースト2位。平成4年の政令市移行後の都市基盤整備事業が、将来返還の負担を増やし、数値に跳ね返った、とのこと。しかしそれだけではなく、蘇我臨海部、千葉駅西口、中央第6地区などの大型公共事業が財政負担に拍車をかけています。18年度決算では、普通建設事業費689億円のうち、38.8%267億円がこれら大型公共工事へつぎ込まれ、全体の市債発行額664億円のうち建設事業債の発行が504億円。

ここ数年は、基金からの借り入れなどでしのいできましたが、それも底をつき、また20年度決算より摘要となる「財政健全化法」指標では、さらに厳しい財政管理を余儀なくされ、赤字を打つのもやむなし、となった形。あおりを受け、繰入金見直しとなった市立病院会計・下水道会計もそれぞれ赤字に。

今後は「公債費負担適正化計画」にそって財政再建を目指し、第2次5ヵ年計画も、残り3ヵ年の計画を半分にするという大幅見直しです。ネットでは、以前より財政状況の厳しさを指摘し、市債減を目指す財政再建を求めてきました。市の、あまりに遅い対応は、まさに失策。そのツケが市民に回されたのではたまりません。事業の選択にはしっかりと市民意見を取り入れるべき。今議会、「妊婦の無料検診を2回から5回へ」という陳情が財源を理由に否決されました。生活に身近なサービスが、先送りになったり、削られたりしていくのは絶対に許せません。(湯浅美和子)

危険な保育所を長年放置

近年大地震が続発していますが、市民ネットワークは大規模地震で倒壊する危険性の高いIS値0.3未満の施設名の情報公開を求めました。開示されるその日に、市からIS値0.00の花見川第一、0.005の幕張第二保育所と信じがたい数値の保育所2ヶ所をふくめた保育所7ヶ所と学校施設11棟の施設名と対応の説明が議会になされました。

建物の下敷きで多くの死者を出した阪神淡路大震災をうけ、約10年も前に市は耐震診断を実施し、その結果を知りながら、子どもの命を預かる現場職員にも知らせず放置してきたのです。

市民ネットは直ぐに現地調査し、申し入れ書を提出し、議会でも保護者等への謝罪と遅れた原因、責任の所在を求め質問をしました。

担当課として危機管理意識が薄かった、対応の遅れについては反省する、また原因として民営化の検討があったとの答弁でした。この10年間に多額な税金を投入し箱物建設が次々となされ、その一方で民営化に向けての経済性の検討で、子どもらの安全がおびやかされていたわけです。行政のあり方を厳しく問い、また5ヶ所の保育所についても、市の総力をあげて即刻対応すべきと指摘しました。

市は今年度中に公共施設の耐震改修促進計画や数値を公表します。市民としても災害時に避難場所となる学校施設をはじめとした身近な施設について、市に任せっぱなしではなく、安全性のチェックをしていくことが必要です。(長谷川ひろ美)

*議会改革スタート!

長年の課題であった政務調査費。今議会で、すべての経費の領収書を、収支報告書へ添付を義務付ける条例改正がなされました。当初「金額は5万円以上」としていた保守会派も、先の参院選の結果を受け、「政治とカネ」への市民のきびしい目に気づいたようです。

あわせて、本会議などへの出席に交通費・日当として支給されていた費用弁償8000円も全額廃止。交通費実費支給はありでは、との思いもありましたが、現状を考慮し、交通費にはふれず賛成しました。いずれも4月よりの施行です。同時に、委員会傍聴もようやく可能となります(議会運営委員会は、請願・陳情があったときのみ)。

ネットがずっと求めてきた改革のスタートです。本来の議会の役割である市政のチェック機能を果たすため、もっと議論のある、さらに開かれた議会を目指します。

Copyright(C)2007 市民ネットワーク、All Rights Reserved.
2面へ