2023年3月6日
松井佳代子
市民ネットワークの松井佳代子です。2期8年間、先輩・同僚議員、市当局のみなさまには大変お世話になりました。たくさんのことを学ばせていただきました。心より感謝申し上げます。それでは、一般質問をおこないます。
「ゆりかごから墓場まで」のスローガンの下、第2次世界大戦後イギリスはじめ、各国で社会福祉政策が進められてきました。現在の日本ではさらに進んで「ゆりかごに入る前から墓場へ無事たどり着くまで」の施策が求められています。生涯を通じて、誰もが自分らしく生きるために、今回の質問ではライフステージに起こりうるいくつかの課題を取り上げ、質問をしていきます。はじめに、
質問1 市立病院における出生前診断について です。
出生前診断とは、胎児が生まれる前に、どのような病気を持っているか調べる検査を行い、その結果をもとに、医師が行う診断のことです。最近、検査ができる医療機関が増え、本市でも、令和3年から市立病院に導入されています。はじめに、
次に、
質問2 出産前から登録できる子育て支援施設について です。
妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行うことを目的として、本市では各区保健福祉センターに母子健康包括支援センターが設置されています。保健師などの相談員が、安心して妊娠・出産・子育てができるよう、面談や電話相談に応じています。妊娠届出時には、面接相談を行い、1人1人の状況を聞きながら、適切なサービスの情報提供をしたり、必要に応じて関係機関の紹介をおこなったり、産後ケアの登録、申請の受付をしています。そこで、
続いて、
質問3 地域や市民の力を活かした学校づくりについてのうち一つめ
(1)小規模校を活用した特色ある教育について
お聞きします。
本市でも少子化の影響を受け、児童生徒数の増加が見込めない学校を統配合し、新たな学校として再スタートさせる取組みが2004年度から始まっています。この間、地域の話し合いが成立し、準備段階を経て統廃合された学校もあれば、小規模のまま現在に至る学校もあります。学校の存在は地域のあり方とも深く結びついているだけに、慎重な対応が求められます。そこで、本市の
ア 小規模校への対応や考え方について お聞きします。
次に、地域や市民の力を活かした学校づくりについてのうち二つめ
(2)日本語指導が必要な児童生徒への対応について お聞きします。
令和4年5月1日の時点で、日本語指導が必要な児童生徒は、小学校348人、中学校143人、計491人で、コロナ禍では大きな増減はみられなかったとのことでした。ところが、海外との行き来が再開し、人の流れが活発になってきたことから、今後、海外から来日する児童生徒も増えることが予想されます。そこで、
ア 日本語指導が必要な児童生徒への対応について、現在はどのような対応をしているのか伺います。
続いて、地域や市民の力を活かした学校づくりについてのうち三つめ
(3)夜間中学について 伺います。
待望の公立夜間中学が、新年度から真砂中学校かがやき分校として開校することになりました。民間で運営している「ちば自主夜間中学」も5年目となり、その間、多くのボランティアや市民、学びを求める人たちが関わってきました。現在、美浜区の高洲コミュニティセンターで毎週木曜日の夕方、自主夜間中学が行われていますが、学習者の8割近くが日本語の学習を希望しており、そのニーズの高さを実感しています。そこで、伺います。
ア 公立夜間中学が4月に開校しますが、入学希望者のうち、外国籍の割合と外国籍の方への支援体制について お聞かせください。
最後に、
質問4 おひとりさまの支援について です。
おひとりさまにはさまざまな定義があるようで、飲食店に1人で入る方もおひとりさまだそうです。今回の質問では、おひとりさまについて「身寄りがまったくない、もしくはあったとしても疎遠で頼ることができない」方と定義づけて、質問をすすめていきます。
本市ではおひとりさまの不安や相談を含め、あんしんケアセンターは様々な相談に対応しており、終活支援、いわゆる、エンディングサポートの紹介もしていると聞いています。そこで、
以上で1回目の質問を終わります。2回目からは一問一答で、質問席にておこないます。ご答弁をよろしくお願いいたします。
質問1 市立病院における出生前診断について
( 1 )海浜病院、青葉病院で実施している出生前診断の内容は、また市内、県内の病院で同様の検査は実施されているか
病院局青葉病院事務局
病院局海浜病院事務局
病院局次長答弁
市立病院における出生前診断についてお答えします。両市立病院で実施している出生前診断の内容及び県内の病院で同様の検査は実施されているかについてですが、両市立病院では、胎児の染色体疾患や形態異常を評価する様々な検査を行っております。
具体的に、妊娠初期に行う検査としては、超音波により形態異常や染色体疾患の一部について評価する胎児精密超音波検査、胎児精密超音波検査と併せて実施し、染色体疾患の一部について評価する妊娠初期血清マーカー検査、母体の血液を採取し、染色体疾患の一部について評価する非侵襄性出生前遺伝学的検査いわゆるNIPT、母体から絨毛細胞を採取・培養して染色体
疾患を全般的に調査する絨毛検査があります。
また、妊娠中期に行う検査としては、染色体疾患の一部について評価する妊娠中期母体血清マーカー検査、羊水に含まれる胎児の細胞を採取・培養して染色体疾患を全般的に調査する羊水細胞染色体検査があります。
これらのうち、青葉病院では、胎児精密超音波検査及び妊娠初期母体血清マーカー検査を、海浜病院では、胎児精密超音波検査及び妊娠初期母体血清マーカー検査、NIPT、絨毛検査、妊娠中期母体血清マーカー検査、羊水細胞染色体検査をそれぞれ実施しております。
なお、市内、県内では、千葉大学医学部附属病院などいくつかの病院において、同様の検査を実施しております。
以上でございます。
質問2 出産前から登録できる子育て支援施設について
( 1 )母子健康包括支援センターでの相談件数、どの段階での相談が多いか、相談内容として多いものは何 か
保健福祉局健康福祉部健康支援課
保健福祉局長答弁
はじめに、出産前から登録できる子育て支援施設についてお答えします。
まず、母子健康包括支援センターでの相談件数についてですが、昨年度の実績で、
電話相談が1万23件、
面接相談が4,217件となっております。
次に、御相談が多い段階についてですが、一番多いのは、妊娠期の御相談で、次に多いのが、産後すぐの御相談となっております。
次に、相談内容についてですが、産後ケアや子育て関連サービスについてが最も多く、次いで、妊娠・出産・育児の不安やストレスに関するものが多くなっております。
質問4 おひとりさまの支援について
( 1 )エンディングサポート事業の内容とあんしんケアセンターヘのエンディングサポートにかかる相談件数は、どのようになっているか
(保健福祉局健康福祉部地域包括ケア推進課)
(保健福祉局健康福祉部在宅医療・介護連携支援センター)
(保健福祉局長答弁)
次に、おひとりさまの支援についてお答えします。まず、エンディングサポート事業の内容についてですが、エンディングサポート事業では、本市と連携協定を結んだ葬儀事業者などの民間事業者や、あんしんケアセンターなどが中心となり、葬儀、納骨をはじめとした、終末期の心配事に備えることで将来の不安を軽減し、最期まで尊厳を持った生活が送れるよう、葬儀やお墓、相続、生前整理などの御相談を受けるほか、講習会などにより、必要な情報の提供や啓発をおこな行っております。
最後に、エンディングサポートに係るあんしんケアセンターヘの相談件数についてですが、昨年度は230件で、統計を取り始めた平成30年度から昨年度ま'での4年間で、約2割増加しております。
以上でございます。
質問3 地域や市民の力を活かした学校づくりについて
( 1 )小規模校を活用した特色ある教育について
ア小規模校への対応や考え方について
(教育委員会教育総務部企画課)
(教育次長答弁)
はじめに、小規模校を活用した特色ある教育についてお答えします。
小規模校への対応や考え方についてですが、
平成30年に策定した「第3次千葉市学校適正規模・適正配置実施方針」に基づき、11学級以下を小規模校とし、さらに
学級数や児童生徒数によって取組みの優先度を区分したうえで、優先度の高い小中学校について、学校規模の適正化や適正配置の取組みを推進しております。
また、対象となる小中学校について、「統合」や「通学区域の調整」のほか、小規模校として「存続」することも含め、学校や地域の実情を踏まえた最適な方法を検討するとともに、検討に当たっては、子どもの教育環境の改善を中心に据え、保護者や地域住民の方々と丁寧に議論を積み重ねて合意形成を図ることとしております。
(2) 日本語指導が必要な児童生徒への対応について
ア現在はどのような対応をしているのか
(教育委員会学校教育部教育指導課)
(教育次長答弁)
次に、日本語指導が必要な児童生徒への対応についてお答えします。
現在はどのような対応をしているのかについてですが、支援体制として、日本語指導が必要な児童生徒が在籍する市立学校には、中国語7人、韓国・朝鮮語2人、フイリピノ語4人、スペイン語2人の合計15人の「外国人児童生徒指導協力員」を派遣し、帰国・外国人児童生徒の学校生活への適応や日本語の学習指導に向けた個別支援などを週1回程度行っております。
また、日本語指導を必要とする児童生徒が多く在籍する小学校1 1校、中学校3校には、加配教員の配置も行っております。
特に支援を必要とする対象児童が多い小学校2校に「外国人児童指導教室」を設置するとともに、中学生を対象にした日本語で授業に無理なく参加できる力を育成する「千葉市日本語指導通級教室」を2か所設置し、日本語指導の充実を図っております。
質問3
(3)夜間中学について
ア公立夜間中学が4月に開校するが、入学希望者のうち、外国籍の割合と外国籍の方への支援体制について
(教育委員会教育総務部企画課)
(教育次長答弁)
最後に、夜間中学についてお答えします。入学希望者のうち、外国籍の割合と外国籍の方への支援体制に
ついてですが、今月1日現在で、32人の入学願書を受け付けており、そのうち約3分の2が外国籍の方となっております。
また、外国籍の方への支援体制については、日本での生活に不安を抱える方も相当数いることから、養護教諭に加え、スクールカウンセラーを配置するほか、生徒個々の日本語の能力に応じて「特別の教育課程」を編成するとともに、習熟度に合わせてきめ細やかな支援を行うため、全ての授業において、複数の教職員を配置することを考えております。
以上でございます。
ご答弁ありがとうございます。質問を続けます。はじめに「市立病院における出生前診断について」です。先ほど、詳細なご答弁がありましたが、妊娠初期から中期にかけて、胎児の染色体疾患を調べる複数の検査が両病院に導入されています。そこで、
2回目
病院局青葉病院事務局
病院局海浜病院事務局
病院局長答弁
出生前診断は、妊婦及びそのパートナーが胎児の疾患の有無を早期に把握することにより、適切な治療につなげるほか、生まれてくる子どもの疾患を早期に受け入れ、専門家や同じ状況にある仲間、いわゆるピアサポーター等による寄り添った支援を受けながら出生後の生活の準備が可能となることから、
両病院で導入しております。
青葉病院では、出生前診断を導入するにあたり、従来の妊婦検診を含め、妊婦及びご家族への事前説明と同意に関する手続きを新たに整理し、倫理的に問題がないかを院内の臨床倫理委員会で審議し、承認の上で、令和2年1月からの1年間の試行期間を経て3年1月から正式に導入しました。
また、海浜病院では、分娩リスクの高い妊娠や高度の新生児医療等に対応できる医療施設として、県から「地域周産期母子医療センター」の認定を受けており、2年4月に臨床遺伝専門医が2人となったことで出生前診断時の患者へのサポート体制が充実したことから、倫理委員会における審議、承認を経て、出生前診断の実施を始めたものです。
さらに、導入後の実績については、青葉病院では、正式導入した3年1月から本年1月までに、妊娠初期母体血清マーカー検査が1 19人、うち市内在住者は80人、胎児精密超音波検査が初期・中期を併せて231人、うち市内在住者は1 50人となっております。
海浜病院では昨年4月から本年1月までに、妊娠初期母体血清マーカー検査が34人、うち市内在住者は31人、妊娠中期母体血清マーカー検査が8人、うち市内在住者は8人、羊水細胞染色体検査が9人、うち市内在住者は4人、胎児精密超音波検査は昨年6月の導入から本年1月までに41人、うち市内在住者は37人、NIPT及び絨毛検査は本年1月に導入したばかりのため0人となっております。
なお、当該診断に係る費用を助成する制度はありません。
検査については、市内在住者だけでなく、市外からも通院があり、妊婦健診や出産を目的とする人だけでなく、検査のために通院をする人も含まれており、両病院が希望者のニーズに応えていることは理解しました。ただし、検査費用は保険が適用されず、助成制度もないため、全額自己負担となっており、さらに、検査にあたって、事前に遺伝カウンセリングを受ける必要があり、初回10000円、2回目以降5000円の費用もかかります。妊娠後、出産にいたるまでは体調管理に加え、金銭面、心理面でも妊婦本人への負荷は大きく、きめ細やかな対応が求められます。そこで、両病院で実施されている
3回目
(3)カウンセリングの体制と内容について、どのようにおこなっているかお聞かせください。
病院局青葉病院事務局
病院局海浜病院事務局
病院局長答弁
胎児についての悩みや不安、疑問などに対し、正確な医学的情報を提供し自律的な意思決定ができるよう、心理面や社会面の支援を行っております。具体的には、不安・恐怖・心配などの様々な感情に加え、医療費など経済的な問題、生活の変化や就労に関わる問題など社会的な問題にも対応できるよう支援しております。
両病院において、検査前のカウンセリングでは、検査に伴うリスク、異常が出た場合の受け止め方や倫理面について説明し、妊婦及びパートナーのニーズや価値観を確認した上で、検査の選択と同意を書面により行っております。
また、青葉病院では、胎児スクリーニングに関する専門の知識・技術をもつ産婦人科医師が、海浜病院では、臨床遺伝専門医が、助産師やリエゾン看護師と連携できる体制を構築し、患者に寄り添った対応をしております。
検査を受けるか受けないかについても、カウンセリングの中で説明していくとのことですが、自律的な意思決定ができるよう支援するとはいえ、このような問題を妊婦個人の判断に委ねることは大変厳しいと考えます。遺伝に関わるものであれば、長い家族の歴史が背景にありますし、初産であれば、産むこと、育てることについてもはじめての経験となります。本来ならば、悩んでいる妊婦本人に大事な決定をさせないこと、自分のことを自分で決められなくてもよいと認めて、社会が寄り添う姿勢が必要ではないでしょうか。そこで、
4回目
(4)胎児の疾患や異常が発見された場合、どのようなフォローをしていますか、本市で将来にわたって受けられる支援内容について、説明しているかお伺いします。
病院局青葉病院事務局
病院局海浜病院事務局
病院局長答弁
検査結果で異常が出た場合、検査結果を説明するとともに、情報提供や心理的なサポートを通じて、妊婦やパートナーが様々な問題に対して行う意思決定を支援します。生まれてくる子どもの今後について聞かれた場合には、青葉病院では、産婦人科医師が、海浜病院では、日本小児科学会の認定を受けた出生前コンサルト小児科医が相談に応じております。このほか、妊婦本人の希望により、同じような悩みを持つ人が集まってグループをつくり、対等な立場、同じ仲間として支えあう、ピアサポートも行っております。
なお、両病院におけるフオローにあたっては、小児慢性疾患に対する助成制度など、当事者の方が受けられる支援についても併せて説明しております。
両病院で出生前診断を実施することについては、相当な覚悟が必要と考えます。医師による相談に加えて、市長が「千葉市ではどんな場合でも子育てができるよう支援します。病気や障害を持って生まれても、千葉市であれば子育てができます」と自信を持って言い切れるのでなければ、妊婦自身が命をめぐる意思決定を行うことは厳しいのではないでしょうか。市外からの検査も受け入れていることから、本来ならば、両病院が市外の保健福祉、子育て支援情報にも精通している必要があります。将来、何が起こるかわからない状況で、妊婦に意思決定を迫れば、妊婦自身が押しつぶされてしまいます。本市として、両市立病院で出生前診断を実施することの重さを受け止め、療育、幼児教育から学校教育、成人後の生活などあらゆるライフステージにおいて支える環境を整えていただけるよう、そして、妊婦およびご家族に各所管からの情報提供を丁寧にしていただけるよう求めておきます。
つぎに、「出産前から登録できる子育て支援施設について」です。母子健康包括支援センターでは、妊娠期そして産後すぐの相談が多いとのご答弁がありました。初めての妊娠、出産の場合、どうすればよいのかわからない、不安やストレスを感じるなどの悩みは昔から変わりません。それらの声をセンターで受け止めつつ、さらに
2回目
(1)継続した支援が必要な場合、保育所の入所につながっているのでしょうか、あるいは、その他の支援事業の利用をすすめるのでしょうか。お聞かせください。
保健福祉局健康福祉部健康支援課
保健福祉局長答弁
御相談の結果、虐待が疑われるケースなど、支援が必要と判断した家庭については、各区こども家庭課等と連携し、保育所の入所につなげるなどの支援を行っております。
そのほか、一時預かり、エンゼルヘルパーやファミリー・サポート・センター等についても、必要に応じて御利用を勧めております。
母子健康包括支援センターから、状況に応じて他の施設への連携がおこなわれるとのことですが、その逆のケースについてはいかがでしょうか。
3回目
(1)保育所やその他の支援事業から、母子健康包括支援センターにつながるケースはありますか。また、ハーモニー相談など他の所管での相談について把握する仕組みはありますか。
保健福祉局健康福祉部健康支援課
保健福祉局長答弁
管内の保育所や地域子育て支援拠点施設等とは、子育て支援ネットワーク会議を開催し、顔の見える関係づくりを行い、情報交換や気になるケースへの対応について、グループワークを行うなど、支援体制を構築しております。
保育所等で気になるお子さんがいる場合は、母子健康包括支援センターにも、情報提供される体制となっております。
また、ハーモニー相談で把握した、DVに関する御相談などについても、必要に応じて、センターが連携して支援するよう努めております。
母子健康包括支援センターが、切れ目のない子育て支援の中核施設となっていることを理解いたしました。ただし、相談の窓口に行ったり、電話をかけたりするのはハードルが高いと感じる場合もあり、日頃からちょっとしたことを聞ける、たわいもない話しができるなどのつながりを求めている人も多いと感じます。大阪府堺市や東京都江東区では、マイ保育園登録事業を実施し、在宅で子育てをしている方や出産を予定している方が、身近な保育施設を「マイ保育園」として登録し、こどもとの遊びや接し方、おむつ替えの仕方の体験、妊婦さんの仲間づくり、保育園で実施するイベントや地域交流に参加できるそうです。こどもが保育園や幼稚園に入園した段階で、登録は終了します。県内では市川市が同様の制度を導入しています。学齢期のこどもの場合、必ず行く学校がありますが、未就学児、特に転入後すぐの未就園児や初めての出産の場合は、地域社会との関わりがないまま、子育てが始まってしまい、先の見通しが持てず、不安やストレスを抱えるケースが多くなります。現在でも公立保育所では園庭開放のしくみがありますが、さらに進んで、本市でもマイ保育園のように出産前から登録できるしくみをつくり、気軽に足を運べる、話せる場所があればと思います。そして、家庭の状況や課題によっては、母子健康包括支援センターでの相談につながるよう、きめ細やかな体制づくりを求めます。
続きまして、地域や市民の力を活かした学校づくりについて のうち、(1)小規模校を活用した特色ある教育について お聞きします。先ほどは、学校適正化の対象となる小中学校について、小規模校として存続することも含めて、学校や地域の事情を踏まえた最適な方法を検討するとのご答弁がありました。令和4年5月1日現在で児童数が12名の若葉区千城小学校ですが、学区外から8名の児童が通学しています。この
2回目
ア 千城小学区のケースについて、周辺地域からあえて小規模校を選択できるようにした考え方についてお聞かせください。
教育委員会学校教育部学事課
教育次長答弁
千城小学校では、昨年4月から小規模指定校の運用を開始し、隣接する小学校区に居住する児童のうち、同校への入学や転入学を希望する児童に学区外通学を承認しております。
これは、児童数増加のための取組みであるとともに、きめ細かな学習指導ができるなどの小規模校のメリットを活かしつつ、ICT教育等、特色ある教育活動を実施することで学校の活性化、魅力向上を図ることを目的として取り組んでいるものです。
小規模校を活用して、特色ある教育活動をおこなうとのお考えについて、評価いたします。これを先進事例として、本市でもさまざまなこどもの状況に対応した、特色ある公立小学校が各地で展開されることを期待しております。さて、千城小学校のケースでは希望する児童に学区外通学を承認しているとのことですが、本市では他にも学区外通学が認められている例があります。
3回目
ア 学区外通学の承認事由に、「大規模校等(指定校)から隣接する適正規模校等への就学を希望するとき」がありますが、この対象校はどのように決めているのでしょうか。また、実際にどれだけの申請がありますか。
教育委員会学校教育部学事課
教育次長答弁
「第3次千葉市学校適正規模・適正配置実施方針」では、12学級以上24学級以下を適正規模枝としております。
学区外通学の承認事由となる「大規模校等」については、学校基本調査に基づく児童生徒数や今後の児童生徒数の推計値から、複数年にわたり25学級以上となることや教室不足が発生することなどが予想される学校を選定しており、昨年度に本事由により学区外通学が承認された児童生徒数は1 15人となっております。
この対象として選定されている学校は、令和4年度については、小学校27校、中学校11校とのことですが、隣接する学区も含めて、広く学校をとらえ、学校をどうするか考えるきっかけになればと思います。さて、全国的にみても、特色ある公立学校が各地で見られるようになりました。例えば、高知県香美市には公立小学校初の国際バカロレア認定校、大宮小学校があります。広島県福山市にはドイツで生まれ、オランダで発展したイエナプラン教育の常石ともに学園が今年度開校し、市内全域から通学可能です。低学年児童の7割は市外、県外からの転入とのことです。こどもたちがいつでもサークルになって対話できるベンチがクラスに置かれていました。特色ある学校ができれば、それらの教育を求める、子育て世帯の市内転入にもつながります。そして、こどもがいることで、地域が元気になり、運動会などの行事は地域ぐるみで行われているとのことです。若葉区千城小学校などの小規模校でも、このような特色ある教育が展開できないか、保護者や地域住民も含めて検討することを求めます。
1995年に開校した美浜区打瀬小学校ですが、当時、校長をされていた溜昭代さんから話を伺いました。開校時は186名でスタートしたものの、当時は珍しかった「地域に開かれた学校」「主体的な子どもたちの学習」を求めて打瀬小学校へ入学させたいという保護者からの問い合わせが多くあり、その後、児童が増え、打瀬の街も人が増えていったそうです。国内、海外からの視察もひっきりなしにあって、大変忙しかったとのことでした。今もオープンスペースの建物はそのままあり、地域のボランティアが出入りしており、教育委員会がその気になれば、市民が支える、特色ある学校をつくることは可能です。打瀬地区の児童生徒数が減少する頃には、3つある小学校をどうするか検討し、1つは特色あるカリキュラムの学校にできるよう提案します。
続いて、(2)日本語指導が必要な児童生徒への対応についてです。先ほどのご答弁では、外国人児童生徒指導協力員が週1回程度学校に派遣され、個別支援を行っているとのことでした。しかし、言語が限られていることと、日本語がほとんどできないまま、通常学級で残り週4日の授業を受けざるをえない状況は、児童生徒にとって苦痛でしかありません。学年が高くなればなおさらです。そこで、
2回目
ア オリエンテーション的に日本語や日本の学校生活を学ぶ機会を保障できればと考えますが、現在はどのように行っていますか。
教育委員会学校教育部教育指導課
教育次長答弁
日本語指導が必要な児童生徒への対応については、それぞれの児童生徒の生活や学習の状況などを把握し、個々に適した指導を行うことが大切であると考えています。
各市立学校では、加配教員等による児童生徒が学校生活を送ったり教科等の授業を理解したりする上で必要な日本語の指導を在籍学級以外の教室で行うことができるよう、「特別の教育課程」を編成し、個別の指導計画を作成のうえ、個々の状況に応じた指導を行っています。
また、国際理解教育主任の全体研修会では、「日本語が話せない児童生徒への初期対応プログラムの例」などを示した「国際理解教育主任の手引き」を元に研修を行い、学校生活への適応や日本語の学習指導の充実を図っております。
自動車や家電の工場が立地する岐阜県可児市では、日本語や日本の学校生活に不安を感じる児童生徒について、まず3カ月程度「ばら教室KANI」に通うよう教育委員会から案内しているそうです。そこは、学齢に関係なく学べる施設で、ひらがな、カタカナ、学校生活において必要な習慣、例えば、靴を履き替えること、はしの使い方、傘のさし方などを身につけるそうです。本市においても、このようなオリエンテーション的な施設があればと考えますが、難しいのであれば、各学校に地域のボランティアが入って、少しでも日本語や学校生活をスムーズにする手助けができればと考えます。そこで、
3回目
ア 多文化共生の観点から地元の学校における市民ボランティアの導入についてどのように考えますか お答えください。
教育委員会学校教育部教育指導課
教育次長答弁
市民ボランティアを活用することは、児童生徒の多様な状況に対応するために大切なことだと考えております。
教育委員会が集約した日本語指導が必要な児童生徒の情報を基に、民間支援団体「千葉市JSL児童・生徒支援の会」の支援員が、地元や近隣の学校で日本語指導を週1回程度支援しております。
高学年、特に中学生になってから日本に来た場合、日本語ができないと学習についていけず、生徒自身が辛い思いをします。日本語指導のボランティアが週1回程度入っているとのことですが、各学校においてきめ細かな対応ができるように、放課後子ども教室、セイフティウオッチャーと合わせて、日本語支援ボランティアを募ってはどうでしょうか。海外との関わりが長かった日本人、日本に長く住んでいる外国人など、気持ちのある方に協力をお願いしてはどうでしょうか。なお、神奈川県では各校の特別支援教育コーディネーターを、教育相談コーディネーターと位置づけ、日本語指導が必要な児童生徒にも目配りをしています。1人ひとりの学ぶ権利を保障するためにも必要な整備を求めます。
次に 夜間中学についてです。1月に教育未来委員会で、かがやき分校の施設見学をさせていただきましたが、多目的室には長机がいくつか島のように置かれていて、いくつかのグループでの学習に対応できる形になっていました。ただ、自主夜間中学でも日本語のレベルはばらばらで、個別対応をせざるをえないケースもあり、スタッフが大勢必要です。そこで、
2回目
ア 札幌市の公立夜間中学ではボランティアが日本語指導などに入っています。地域と連携して、市民の力も活用していくことについてどう考えますか。
教育委員会教育総務部企画課
教育次長答弁
公立夜間中学では、日本語指導が必要な外国籍の方のために、各学年に日本語指導担当教員を配置するとともに、授業等で、翻訳機を活用するほか、同一施設内にある日本語指導通級教室と連携して支援を行うなど、言語支援体制の充実を図る予定です。
そのため、ボランティアによる日本語指導については、開校後の状況を踏まえたうえで、その必要性について検討して参ります。
ボランティアの活用について、前向きに検討していただければと思います。また、自主夜間中学についてもお聞きします。市民の方から「公立夜間中学ができるので、これで、自主夜間中学の役目は終わりですね」との声も聞かれるようになりました。ところが、今年1月に文部科学省から出された「夜間中学の設置・充実に向けて」(第3次改訂版)によると、
3回目
ア 「自主夜間中学についても義務教育を卒業していない者に対する重要な学びの場となっており、各地方公共団体において、地域の実情に応じて適切な措置が検討されるよう促す」とあります。市内の自主夜間中学について、教育委員会としてどう考えますか。
教育委員会教育総務部企画課
教育次長答弁
公立夜間中学の設置検討に当たり、市内の自主夜間中学の運営者等と複数回にわたり意見交換会を開催したほか、学校説明会や生徒の募集において、自主夜間中学を通じて対象者に必要な情報提供や働きかけを行っていただくなど、これまでも緊密な連携を図ってきたところです。
今後も、引き続き自主夜間中学と連携を図り学び直しを希望する方が個々の状況に応じた最適な環境で学びを継続できるよう、取り組んで参ります。
週5日は通いきれないけれど、週1回であれば、何とか通って学習が続けられるとのご意見も伺っています。引き続き、自主夜間中学と緊密な連携が図られるよう要望いたします。最後に、外国から来られた方の支援については、日本語指導だけに留まらず、今後、あらゆるライフステージで必要になってくると考えられます。本市でも受け入れに際して、市民や地域の力を活かしつつ外国人市民にとって必要な施策が展開できるよう、財源について引き続き国へ要望いただけるよう求めます。
最後に おひとりさまの支援についてです。
先ほどのご答弁では、あんしんケアセンターへの終活の相談について、平成30年度から令和3年度までの4年間で約2割増加しているとのことでした。この傾向について、亡くなられた後の状況はどのようになっているのか、お聞きします。
2回目
(2)本市が引き取って火葬した、身元が判明している、いわゆるおひとりさまの無縁遺体の数の推移とその原因についてはいかがでしょうか。
保健福祉局保護課
保健福祉局医療衛生部生活衛生課
保健福祉局長答弁
引き取り手が無いために、墓地、埋葬等に関する法律及び生活保護法に基づき、本市が火葬した件数は、平成21年度から23年度までの3年間の平均が1 1 1件であるのに対して、令和元年度から昨年度までの3年間の平均は358件となっており、この10年間で3倍以上に増加しております。
増加の理由としては、高齢で兄弟が既に亡くなっている.、未婚により、子が存在しないケースのほか、親族がいても、関係が疎遠であることなどを理由に、引き取りを拒否するケースが増えていることがあると考えております。
引き取り手がないケースが、この10年間で3倍以上に増加しているとのことですが、高齢化の進展で、今後もこの傾向が続くと思われます。生前の希望がかなえられなかったケースも見受けられます。故人の遺志を尊重するためにも、生前にさまざまな手続きを決めておく必要があります。そこで、
(3)おひとりさまからの相談について、各機関での連携はどのようになっていますか お聞かせください。
保健福祉局健康福祉部在宅医療・介護連携支援センター
保健福祉局長答弁
おひとりさまと呼ばれる、身寄りのない高齢者等から、あんしんケアセンターなどに御相談があった場合には、内容に応じて、ケアマネジャーや訪問看護ステーションなど、関係する事業所に働きかけて地域ケア会議などを開催し、終末期も含めて、その方の御意向に沿った支援を検討するなど、相互の連携に努めております。
また、支援にあたる医療介護事業者に対しては、昨年度に作成したリーフレット「おひとりさま支援の手引き」を用いた研修会などを実施し、状況に応じて活用できる制度や、確認しておくべきポイントなど、適切な対応が取れるよう支援しております。
「おひとりさま支援の手引き」ですが、まずは専門職向けに各機関との連携について知らせる目的で作成されたものです。これを読むと、エンディングサポートは、亡くなる直前だけでなく、家のこと、お金のこと、病院や施設に入る際のことなど、様々な観点で行われていることがわかりました。特に、おひとりさまについては、
(4)終活よりもずっと前から長期にわたって、伴走していくケースも増えていきますが、今後どのような取り組みを考えていますか
保健福祉局健康福祉部在宅医療・介護連携支援センター
保健福祉局長答弁
地域包括ケアシステムの目的である、住み慣れた地域で人生の最期まで自分らしく過ごせる社会を構築するためには、加齢や疾病、生活環境・ライフステージの変化に応じた治療やケアなどの選択について、事前に−人ひとりが自身の価値観を確認するとともに、家族や専門職と思いを共有するための、ACP・人生会議の普及啓発が課題であると認識しております。
今後は、市民の皆様に向けたACPの普及促進のためのリーフレット作成や、シンポジウムの開催、地域で実施される講演会の開催支援などを実施することとしております。
また、医療介護専門職向けに、終末期医療や介護の決定における倫理、市民の皆様への対応方法などに関する手引きを新たに作成し、意思決定支援の対応力向上を図って参ります。
今年度、市民向けのパンフレット「元気なうちから考えよう! これから計画サポートブック」も作成され、新年度以降、アドバンス・ケア・プラニング(人生会議)の普及啓発が行われていくと理解いたしました。「市におまかせ」ではなく、1人1人が納得のいく選択ができるよう、情報提供と寄り添いを今後もすすめていただけるよう求めます。
さて、今回の質問を通じて、人生のさまざまな場面で意思決定や支援が必要な時代になったことを痛感しています。1人1人が自律した判断をするには、やはり、情報の公開が不可欠です。市は情報を効果的に発信できるようにすること、また、市民もあふれるほどの情報から正しいと考えるものを選び取っていく力を養う必要があります。相談、体験イベント、社会教育など、本市のさまざまな取り組みが市民に知恵を与え、地域力の底上げとなるよう、今後とも市民目線での施策の実現に向けてご尽力いただけますようお願いいたします。これで一般質問をおわります。ありがとうございました。