令和4年第3回定例会 一般質問

2022年12月12日

   山田京子

市民ネットワークの山田京子でございます。通告に従い一般質問を行います。

1.子どもルームと作業療法士の連携による発達障がい児等のサポートについて

厚生労働省の調査によると、全国で障がい児を受け入れている放課後児童クラブの割合は2019年56.4%、2020年56.9%、2021年57.8%となっています。2021年では障がい児の受入数1人のクラブが32.4%、2人が22.1%、3人が14.9%、4人が9.8%、5人以上が20.9%となっています。
障がいのあるお子さんが在籍している放課後児童クラブが半数を超えており、年々増えていること、また、3分の2以上は複数の障がい児がいることが分かります。

首都大学東京の小林隆司(りゅうじ)教授の2015年度の岡山県の調査では、県内の放課後児童クラブの在籍総数に対する障がいを持つ児童数の比率は8.68%で、そのうち発達障がいが7.05%を占めていたとのこと。1児童クラブあたりの障がいを持つ児童数は3.84人とのことでした。

千葉市の子どもルーム、すなわち、放課後児童クラブ、は社会福祉協議会などへの委託が159か所、市の助成を受けた民間事業者が14か所ありますが、近年増えているといわれる発達障がい児や、グレーゾーンのお子さんも一緒に過ごしていると聞いています。指導員の経験や実力はさまざまであり、経験の少ない指導員や、初めて補助指導員になる方もいて、お子さんの対応に苦慮する場合があると聞いています。
そこで伺います。
千葉市子どもルームに在籍する発達障がい児の割合はどのくらいでしょうか。

以下の質問は、質問席で行います。ご答弁よろしくお願いします。

(こども未来局こども未来部健全育成課)

(大木副市長答弁)

子どもルームを利用する児童の障害の有無については、利用申請時に、保護者からの申告により把握しております。
本年4月1日時点の利用児童数9,534人のうち、発達障害の申告があった児童数は227人、割合としては約2.4パーセントとなっております。

申告の無いケース、親が気が付かないケースもあるので、実際にはグレーゾーンも含めるともっと在籍しているのではないかと推測できます。

導員の資格には、教員や保育士などの条件はあっても障がい児に対応できる専門性は問われません。発達障がい等の子どもへの対応力、指導力をどのように身に着けるようにしているのか伺います。

(こども未来局こども未来部健全育成課)

(大木副市長答弁)

本市で は、子どもルームの指導員として必要な能力を習得するため、様々なテーマの研修を実施しております。
発達障害に係る研修については、昨年3月に、動画配信による研修方式で実施し、新規採用の指導員等向けに、現在でも視聴可能となっております。
また、各運営事業者においても、独自に発達障害に係る研修が実施されており、引き続き、指導員の能力の向上に努めて参ります。

子どもルームで働く知り合いに、現場の声をきいてみたところ、少なからず、対応に苦慮している経験があるとのことでした。他市の例ですが、物を投げつけるなどの行動をする子どもがいて、周りの子からいじめられ、結局、放課後児童クラブをやめてしまった。指導員同士は、残念な思いが残り、「どうしてあげればよかったのか」と話し合っているとのことでした。

千葉市の指導員から発達障がい児やグレーゾーンの子どもたちの対応に苦慮しているという声は市には届いていますか。

(こども未来局こども未来部健全育成課)

(大木副市長答弁)

子どもルームを利用する児童の障害の状況等に応じ指導員の加配を行い、受入体制を確保しておりますが、現場の指導員から、児童の対応に苦慮している等の相談が本市に寄せられることがあります。
相談があった際には、当該児童が通う小学校から、児童の特性のほか、対応で留意すべき点を確認したうえで、市職員や運営事業者が子どもルームを訪問し、指導員とともに対応方法を検討するなど、現場が孤立しないよう取り組んでおります。

千葉市では、発達障害者支援センターもあり、相談や研修は行っていると聞きますが、子どもルームの現場において、その子どもの様子を見て、専門的な見地から、対応を検討するような取り組みは行われているのでしょうか。

(こども未来局こども未来部健全育成課)

(大木副市長答弁)

専門的な見地から、児童一人一人に合った対応を検討することは、指導員の心理的な負担の軽減にも繋がるものと考えており、市発達障害者支援センターが実施する出張相談の活用について、各子どもルームに対して、周知を行っておりますが、さらに、事業者のニーズを聞きながら、相談対応の取組みについても検討して参ります。

アメリカでは作業療法士13万人のうち3万人が教育現場ではたらき、イギリスでは7割が学校、通園施設、訪問施設で働いているときいています。
作業療法士は英語ではoccupational therapist、略してOTと呼びます。
OTというと、病院や介護施設でのリハビリ現場のイメージが強く、子どものいる現場にも必要な専門職であるということはまだあまり認識されていないかもしれません。

日本作業療法士協会の定義によると、「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域でおこなわれる作業に焦点を当てた、治療、指導、援助である。作業とは対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。」とのことです。

集団生活の中で課題を抱える発達障がいなどの子どもの対応には、心理士などの視点も欠かせません。しかし、それに加えてOTの視点からのアプローチを加えることで、対応に具体性が増し、子ども本人、保護者、指導員がともにハッピーになる可能性が膨らみます。

岡山県では、学童保育連絡協議会が中心となって、2016年度から学童保育の現場にOTを派遣し、コンサルテーションを実施し、さらに指導員対象の研修や事例検討会をおこなっています。

コンサルテーションとは何かというと、放課後児童クラブの現場に出かけ、対象となる子どもの様子を観察したうえで、困難な問題に直面している指導員に対し、その課題を評価、整理し、課題解決に向けて力量を引き出すための支援を行う相談、ということになります。

指導員は手探りで対応していることが多いので、OTが、これまでの対応を言語化し、整理し、一緒に検討することで安心し、自信がつくとの話を聞いています。

その手法がひろがり、岡山県学童保育連絡協議会が発行した2017年度の学童保育作業療法士連携全国モデル事業報告に掲載された資料をみると、全国47都道府県のうち、コンサルテーション、講座や学習会、説明会のいずれかが都道府県内において実施されたところが34あり、まだ、何も行われていない都道府県は、千葉県を含め13でした。その後、さらに広がりをみせ、放課後児童クラブとOTの連携事業が全く県内で行われていないところは、9県のみとなったそうです。千葉県では、学童保育連絡協議会や作業療法士会につながった例があるそうですが、まだまだ全体として連携が進んでいるというわけではないとのことでした。
スライドはその取り組みをまとめた書籍です。

岡山県学童保育連絡協議会の報告書から作業療法士との連携の事例を二つ紹介します。

事例1

宿題が進まず、癇癪を起こしたときに指導員に対して暴言暴力がある低学年男児の例です。OTが、コンサルテーションを行った結果、視覚、聴覚刺激の受けやすさがあることがわかった。注意集中がしにくく、宿題が進まず、順序だての弱さ、計算能力の低さがある。そのためにイライラにつながり暴言・暴力に発展してしまう。環境要因として、支援学級から処理能力以上の宿題の量と難易度が出されることとも関係している、との見立てでした。
そこで刺激の少ない小さな畳の部屋で学習をおこない、支援学級の先生に宿題の量を減らしてもらったリ難度を下げてもらった。また、指導員が遊びに誘い、他児とのかかわりを促すようにした。
その結果、癇癪を起すことがあっても、以前よりましになり、宿題の時に指導員が常に一緒にいなくても大丈夫になってきた。マット運動を他児と一緒に練習できるようになり、表情が柔らかくなってきた、という効果がみられたとのことです。

事例2

疲れやすく動きがゆっくりで、すぐに床にねそべってしまう中学年の男児の例です。OTの見立てでは、筋肉の緊張が低く、姿勢を保ったり素早く動くような運動は苦手。脳の覚醒水準がひくいので、感覚欲求を満たすように触覚や固有感覚の自己刺激活動がみられる。そこで体をダイナミックに使う遊びに誘い、遊びのバリエーションを少しずつ増やしてあげるようにした。
指導員が、作りかけのブロックのコマを渡してみると、あっという間に新たな作品ができた。二人で盛り上がっていると他の子どもたちも参加して、大人数でのブロック遊びに発展した。
その後、結果として、外遊びにいくようになり、けんかしていた相手とも意気投合するようになった。寝ころびもなくなり、自ら体を使う遊びをして他児もそれに入る場面が増えた。

こうした好事例がたくさん紹介されています。

また、コンサルテーションを受けた指導員の感想の一部を紹介します。
・子どもの言動を見て具体的に遊び方を教えてもらって参考になった。
・OTが出来事や気持ちを肯定的にとらえ助言してくださる姿勢はとてもうれしかった。
・子どもたちの内側の気持ちや想いに気づかされることがあって、コンサルを受けてよかった。
・固有感覚、前庭感覚の知識は学童保育の現場に広げていくべきだと感じた。
・わずか1回目からその効果が表れたことにびっくりした。回数を重ねていくごとに児童もおちつき、今までとは違う顔を見せてくれるようになり、支援員も保護者もうれしさを隠しきれない。作業療法士の必要性を感じる。児童もすこしずつ自分に自信がもててきている。

また、指導したOTの感想を紹介すると、
・OTの専門性を地域に還元していく必要性を感じた。
・一人一人を丁寧にみている指導員の方々にとても感動した。
・その子が生活する環境や集団の特徴を把握し、その中でできることを検討できれば、当事者の子ども、親だけ、または指導員だけが四苦八苦せずとも、良い変化が起きてくる様子が見えた。
・この支援の魅力をほかのOTに少しずつ伝えていきたい。

千葉市には発達障害者支援センターがあり、社会福祉士、心理職が所属機関対応に当たっていますが、
OTも入れて専門性の幅を広げることも必要ではないでしょうか。

また、指導員の不安が減り、安心して自信をもって仕事に当たれるようになれば、離職率が減り人材の安定的確保が向上することが想定されます。
子どもルームの指導員は慢性的に不足しており、インターネット上では社協が、募集の広告を出しています。この原因は、指導員の処遇改善がなかなか進まないことが大きいと思いますが、一方で働いている指導員が、やめなくてすむ環境作りも大切と思います。そのためにもOTとの連携は必要ではないでしょうか。

さらに、千葉市には青葉病院があり、令和4年では7人の作業療法士が在籍しているそうなので、その方々の活用を考えてみてもよいのではないかと思います。

資金の面では、毎年何らかの国の補助金があり、活用ができると考えられます。
令和5年のこども家庭庁の概算要求をみると、黄色で示したところには、放課後児童クラブ巡回アドバイザーの配置などというメニューがありました。つかってみてはどうでしょうか。
以上のことから、

今後、子どもルームへの作業療法士の活用を市として積極的に考えていただきたいと思いますが、見解を伺います。

(こども未来局こども未来部健全育成課)

(大木副市長答弁)

個別に配慮や支援が必要な児童に、子どもルームにおける生活を、健やかに過ごしていただくためには、児童一人一人の特性を理解し、適切な対応を図ることができる取組みが重要であると考えます。 
公設及び民設の子どもルームの運営事業者との意見交換の中では、必要な時に、いつでも相談できることや、学校などとのより緊密な連携が図られることが重要であるとの意見が出されており、今後は、これら意見を踏まえた取組みを進めて参ります。
また、作業療法士の活用については、子どもルームにおける遊びや学習などの日常生活のあらゆる場面において、対応方法の助言を得られると期待できることから、他団体の事例などを調査、研究して参ります。

ぜひ、早速調査研究していただきたいと思います。
また、岡山県の取り組みでの課題を聞くと、子ども分野で活躍できる作業療法士がとても不足しているとのこと。
県内の作業療法士の養成校は、私が調べた範囲では7校あり、千葉市内では3校あります。
養成校に子ども分野への活躍の場を広げるよう求めていく必要があると考えますので、今後ご検討いただきたいと思います。

次に
2.マイクロプラスチック削減について です

千葉市の海岸をきれいにしようとする市民団体の取り組みが活発になっています。私も何度か、クリーン活動に参加しましたが、海岸に打ちあげられているプラスチックごみの多さに毎回唖然とさせられます。
千葉市では最近、プラスチックごみの調査をしたとホームページにありますが、
千葉市マイクロプラスチック実態調査の目的と調査方法、および調査結果と活用について伺います。

(環境局資源循環部廃棄物対策課)

(環境局長答弁) 

当該調査は、本市におけるマイクロプラスチックの実態を調査するとともに、調査結果を市民の皆様と共有することで、マイクロプラスチック問題への意識高揚につなげ、プラスチックごみ削減に向けた行動変容を促すことを目的に実施したものです。
調査方法につきましては、環境省のガイドラインに基づき、千葉ポートパークをはじめ、いなげの浜、検見川の浜、幕張の浜において、砂浜並びに海中のマイクロプラスチックの種類や濃度等を調査・分析しました。
調査の結果、全ての調査地点でマイクロプラスチックが確認され、レジ袋や食器等で使用される、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの分布割合が高いことや、1立方メートル当たりのマイクロプラスチック濃度が、既に調査結果がある東京湾の他のエリアと同程度であること等が把握できました。
調査結果につきましては、マイクロプラスチックの発生要因や、問題点等の解説とともに市ホームページに公開し、プラスチックごみの適正排出促進を図っているところです。
今後につきましては、イベント等を活用したさらなる周知に努めるとともに、高校生や大学生を対象としたワークショップにおいて活用するほか、今後の調査項目等の検討に生かして参りたいと考えております。

先日もポートタワーの下の海岸で、レジンペレットをたくさん見つけました。小さくてとても拾いきれないほどの量であり、これが、海の生き物の体内に入ったらどうなるのだろうかと心配になりました。

もう一枚のスライドは、豊砂の浜でクリーン活動をされている方から送っていただいた写真ですが、こんなに砂浜いっぱいにレジンペレットが落ちているのを私も初めて見ました。
一緒にプラごみ拾いをした人たちの中には、レジンペレットは、プラスチックごみが細かくなったものだと思っていた人もいたのですが、そうではありません。
そこで伺います。
レジンペレットが千葉市の海岸でもたくさん見つかるなど問題になっていることについて、千葉市はどのように考えていますか。

(環境局資源循環部廃棄物対策課)

(環境局環境保全部環境規制課)

(環境局長答弁)

レジンペレットは、大きさが数ミリ程度の円筒型や円盤型のプラスチックの粒で、プラスチック製品の中間原料として利用されており、不適切な対応がなされた場合、環境への影響が生じるため、事業者への周知・啓発等が重要であると認識しておりますが、現状では、レジンペレットの使用について、環境法令上の届出等の対象とされていないことから、使用している事業者を個々に把握することは難しい状況にあります。
このため、レジンペレットが環境に与える影響や、漏出防止方法に関する情報を、先行事例等を参考にしながら、市ホームページ等で広く発信すること等を検討して参ります。
また、庁内関係部局との連携はもとより、他自治体等との広域的な視点が必要と考えており、幅広い視点から対応策について、調査研究して参ります。

レジンペレットは一般市民への啓発で防げるものではありません。
日本プラスチック工業連盟ほか5つの団体が通産省の監修を受け、1993年に樹脂ペレット漏出防止マニュアルを作成しています。
その中で、「課題の根本はまず、第一にプラスチック関連業界が自らの施設・設備より、いかなる形であれ、一粒たりとも樹脂ペレットを外部環境に漏出させないことであります」と述べています。
業界としての覚悟がうかがえますが、その後30年近くたつ現在、実態としては、漏出されたペレットが、海岸でたくさん見つかっているわけです。
プラごみ問題が世界的な課題となっている中、事業者は、企業の生き残りをかけて、漏出対策に努力していると聞いています。しかし、一部の事業者の対策が十分でないことや、運搬の際、袋が破れてこぼしているため、海岸のレジンペレットが無くならないのではないかと考えられます。

ご答弁で、事業者の把握は難しいとのことですが、事業者への働きかけとして次のようなことを考えてみてはいかがでしょうか。

@レジンペレット運搬途中で袋が破れることがあると聞いているので、業界団体から、運送事業者への啓発をお願いする。

A気を付けて運ばないと、ペレットの漏出が海洋汚染につながることをレジンペレットの袋に明記するよう働きかける。

B業界団体に協力してもらって、漏出防止策を講じている先進企業の取り組み例を紹介してもらい、業界も努力していることを市民に伝え、理解を求める。

C神奈川県は、ホームページに、「樹脂ペレットを使用等する事業者の皆様へ」というお願いページをつくっているので、これをみならい、千葉市もホームページに載せる。

レジンペレットを含めた、マイクロプラスチックの削減はすべての人の関心と連携がなくしては実現できません。

2019年6月に開催されたG20大阪サミットにおいて2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャンビジョン」が共有されました。それを受け、全国でプラごみ削減の流れは加速していると思われます。

2022年7月31日時点で20都道府県を含む122自治体は「プラごみゼロ宣言」を出していますが、残念なことに千葉県の自治体はそのリストに一つも入っていません。今後、県内で一番手になるよう千葉市でも宣言を出してはどうでしょうか。

さらに、千葉県では海岸漂着物処理推進法にもとづき、千葉県海岸漂着物対策地域計画を作るにあたり、千葉県海岸漂着物対策推進協議会を発足させています。しかし、そのメンバーに千葉市は入っていません。海に面している市の中でも、海水浴場のある市町村などしか参加していないのは、どうもおかしいなと感じます。千葉市も積極的にこの協議会に関与してはどうでしょうか。

また、東京湾に接する自治体同士の連携と後押しにより、市民への関心を喚起し、今以上に、マイクロプラスチック削減の機運を盛り上げる必要があります。
たとえば、東京湾再生官民連携フォーラムが他自治体と共催している「東京湾大感謝祭」という催しは横浜を中心に年1回開催されていますが、協賛団体の一つに東京湾岸自治体環境保全会議というのがあって、実は千葉市も名を連ねていることが分かりました。それなら、なおさら、この行事にもっとかかわっていくことは可能です。これを千葉県の側にも誘致し、マイクロプラスチック削減に向けての啓発ブースを出展するなどしてはどうでしょうか。
東京湾に接する多くの自治体が、一斉に参加するとなれば、市民だけではなく企業へのアピールとなり、東京湾のマイクロプラスチック削減に大きな効果をもたらすことになるのではないかと考えます。

すでに、クリーン活動を行っている団体が複数あることを踏まえ、市はしっかり市民を支え、そして県や近隣自治体と調査や対策、企画の上で連携を深めていくことを強く求めておきます。

次に
3.若葉区の諸問題について
はじめに
(1)市民活動を支える仕組みについて 伺います

若葉区では様々な市民活動が行われていますが、活動の担い手や場所、資金の不足など、困ったときの相談先が身近にありません。千葉市では中央区に市民活動支援センターがありますが、距離も遠く、気軽に出向くことはむずかしい状況です。

市民ネットワークでは、各区に市民活動支援センターの機能を置くようにこれまで何度も求めてきました。「オンラインや出張の形式により事業を展開し、状況をうかがいながら、今後必要性を検討したい」という答弁もいただいていますが、まだ実施されていません。市民活動支援センターの各区への展開がすぐには難しいようであれば、何か現実的にできることを考えていく必要があると思います。

若葉区のホームページに「ぷらっとWAKABA」という取り組みが載っていますが、どのような事業なのか、この事業が始まった経緯、事業内容、目指す方向について伺います。

(若葉区役所地域振興課)

(若葉区長答弁)

事業を始めた経緯ですが、近年、地域の担い手不足などにより、コミュニティ機能の低下が問題になるなど、地域を支える力の弱体化が懸念されています。そのような中、地域で活動する団体などが連携し補いながら、それぞれの課題解決に結び付けるための支援体制の強化が必要であり、区民対話会等でも町内自治会以外の団体への支援を求められたことから区の自主企画事業として展開したものであります。    事業内容については、様々な主体の情報を集積し、発信するなどの広聴機能の役割を担うほか、NPOをはじめ、企業や学校等と地域で活動する団体との橋渡しを行うハブとしての接続拠点となり、地域が連携して課題を解決できるような支援を行うこととしており、市民が「ぷらっと」気軽に立ち寄れる区役所となることを目指しています。

ぷらっとWAKABAはどのような職員が担当しているのでしょうか。専門的な知識や経験のある職員なのでしょうか。また、千葉市市民活動支援センターのように、市民活動の中間支援組織に委託するなど、その仕事に専念できる人材を充てる必要があるのではないかと思いますが、人材の確保についてどのように考えているか伺います。

(若葉区役所地域振興課)

(若葉区長答弁)

現在、事業の実施にあたっては、地域づくり支援室の職員が担当しております。
今後は、より地域で活動する団体の皆様に寄り添った支援ができるよう、地域担当職員の育成や人員の確保も含め検討してまいります。

若葉区 のお隣の四街道市は、「みんなで地域づくりセンター」という市民活動の支援機関を作って、中間支援組織に委託しています。四街道市の面積は若葉区の約4割、人口は約6割ですが、みんなで地域づくりセンターは常勤職員2人、パート8人で運営しています。委託費は1024万6千円と聞きました。それにくらべ千葉市は、6区でたった1か所の市民活動支援センターのみです。若葉区には専任の職員は全くいません。
四街道市と同じ規模にするなら、千葉市では各区1か所以上あってもおかしくない機能です。私の住む隣の市ですから、動きはちらりほらり届いており、手厚い市民活動支援があることをいつもうらやましく思っています。
行政だけでは、まちづくりはできません。自分たちが街をよくするんだという思いを持つには、いつもそばにいて伴走してくれる職員がいることが何よりの頼りです。そのレベルに近づけるよう、今後、各区に市  民活動支援専門の人員をしっかり配置することを強く要望します。
そして、座って落ち着いて相談しやすいように、相談窓口にはカウンターを設けるなどハード面の整備もご検討ください。

さて、区役所の中に窓口を設けるととともに、地域活動を行うには場所の提供も必要です。
千城台南小学校跡地に建設予定の新たな公民館は、千城台駅前に残してほしいという声もたくさんあった中、移転が決まった経緯があります。少し不便な立地になることを受け入れたのですから、少しでも地域の活動に資する施設になってもらいたいと考えます。
2020年12月9日に市長に提出された「千城台地区学校跡施設利活用検討委員会」からの要望書では地域活動団体が自由に活用できる部屋を確保してほしいとありますが、この要望についてはどのように考えているか伺います。

(市民局市民自治推進部市民自治推進課)

(市民局長答弁)

本年2月の「千城台地区学校跡施設の活用方針」説明会において、「公民館に、24地区連協、町内自治会、社会福祉協議会、育成委員会、民生委員児童委員協議会などが自由に活用できる部屋を作っていただきたい」との要望に対しては、「公民館内への設置の可否を含め、関係機関及び地元の皆様と協議してまいります」としており、現在、庁内で検討を重ねているところであり、今後、方向性を見い出した段階で地域の方とも協議して参ります。

公民館のルールはルールのために存在するのではなく、地域住民の生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与するためにあるのですから、法に反することでない限り、地域の実情に合わせて柔軟に考えるべきです。地元の皆さんの要望が生かされることを期待し、実現を求めておきます。

次に
(2)インクルーシブな公園づくりについて です
このテーマについても昨年6月に私の一般質問でお聞きしたものですが、若葉区でのインクルーシブな公園づくりを考えるにあたっては、千城台公園を先行事例にしてはどうかと考えています。
その理由として

  1. 今後、公園遊具のリニューアルが予定されている。
  2. 普段から、多くの子どもたちが集まって遊んでいる。
  3. 道路の向かい側に、千城台公民館、図書館、保育園、特別養護老人ホームの移転が決まっている。そこは一般の子どもたちをはじめ、保育所のこどもたち、高齢者が利用する施設であり、すぐ向かいの公園は多世代が使う公園になることが予想される。
  4. 障がいのある子どもたちが遊ぶ場所には、車いすが入れて、ユニバーサルシートのあるトイレの設置が欠かせない。しかし、清潔に保つための管理も、また、防犯上の管理も必要になるため、屋外トイレの改修では管理上不安がある。そこで、新しい公民館か図書館内にユニバーサルシートのあるトイレを設置することで、公園に来た障がいのある子どもにも対応できるようになる。

以上のことから、千城台公園をインクルーシブな公園にリニューアルすること、合わせて、公民館か図書館のトイレをユニバーサルな仕様にすることを提案しますがご見解をうかがいます。

(都市局公園緑地部公園管理課)

(都市局公園緑地部公園緑地事務所)

(都市局長答弁)

現在、障害の有無などにかかわらず、「だれもが遊べる広場づくり」の検討を進めているところであり、これまでに障害者団体や障害のある子どもの保護者の皆様との意見交換を行って参りました。その中で、「だれもが遊べる広場づくり」には、インクルーシブな考えに沿った遊具の設置に留まらず、駐車場やトイレ、園路のバリアフリー化が必要であり、広場周辺を含めた環境整備の重要性を改めて認識したところです。
千城台公園隣接地においては、今後、公民館や図書館などが整備され、これまで以上に多様な方々が公園を利用する機会が増えることから、公園が地域に果たす役割はさらに大きくなっていくものと考えております。そのため、今後、本公園における施設改修の際には、障害のある子どもや保護者の皆様をはじめ、幅広く、地域の方々のご意見をお聞きしながら、インクルーシブな環境整備について検討して参ります。

(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)

(教育委員会生涯学習部中央図書館管理課)

(教育次長答弁)

新たに整備する千城台公民館及び若葉図書館のトイレにつきましては、あらゆる方にとって利用しやすいものとなるよう、来年度中に策定予定の基本計画の中で検討して参ります。

ぜひ、市民と一緒に、インクルーシブな公園づくりをすすめるよう要望致します。

次に
(3)市民の望むベンチ設置について です

昨年6月定例会で、ベンチの設置について一般質問を行いましたが、その後、市民からの声もあり必要性が高いと思われる病院前のバス停のベンチ、具体的には千葉中央メディカルセンター前バス停ベンチを要望していたところ、今年3月に、上り方面に設置されました。これには、交通政策課、バス事業者、および病院のご尽力があったからと高く評価しています。しかし、反対側下り方面のほおじろ台バス停については、利用者が多いにも関わらず、まだベンチ設置の見通しはたっていません。
バス停のベンチは千葉市が経費の2分の1を負担することになっていますが、バス事業者は、コロナ禍の経営難で、できるだけ支出を抑えようとしていること、管理するものを増やさないようにしようとしていることが、聞き取りに行ってわかってきました。しかし、このままでは、いつになってもバス停のベンチは増えていきません。
超高齢社会になって、外出支援の一端であるバス停ベンチの設置を望む声はますます大きくなっており、継続的に設置の実現に向けて、千葉市全体として尽力していただきたいと思いますが、現状と課題について伺います。

(都市局都市部交通政策課)

(都市局長答弁)

バス利用者のためのバス停留所のベンチについては、基本的にバス事業者が設置するものと考えてはおりますが、自治会をはじめ多くの方々から設置を望む意見や要望が寄せられていることから、令和2年度にバス事業者に対するベンチ設置等に係る補助事業を創設し、その整備促進に努めているところです。
現状、バス事業者の経営環境は厳しいものがあり、加えてコロナ禍の影響も続いていることから、バス事業者からベンチ設置の拡充については、清掃や点検補修のほかベンチの管理瑕疵への対応など維持管理に要する部分を含め、その費用をどう工面していくのか、が大きな課題であると聞いております。

課題はわかりました。
次に、バス停ベンチの整備に向けた今後の見通しについて伺います。

(都市局都市部交通政策課)

(都市局長答弁)

本市ではこれまでも、コロナ禍への対応のための事業継続支援金の支給を含め、バス事業者に対し継続的に支援を実施してきておりますが、将来にわたり地域の基幹的な公共交通であるバス路線を維持していくためには、市民の皆様や地域の方々にバスを積極的に利用していただくことが必要不可欠であります。バス停へのベンチ設置はバスの利用促進につながるものと考えており、引き続き、バス事業者や地域の方々と協議、連携し、ベンチ設置への取組みを進めて参ります。

千葉中央メディカルセンターに通院している患者さんたちが、下り方面のバス停で、ベンチを利用できるよう、ぜひ、粘り強く関係事業者と協議を続けてくださるよう要望します。

さて、2019年3月に策定した「千葉市歩行空間のベンチ設置計画」にもとづき、駅前広場とまちなかにベンチが増えています。駅前広場については、バス停で待つ市民のニーズに対応しているので、大変良かったと評価していますが、生活関連経路はバリアフリー基本構想に基づいているということで、駅以外のバス停のベンチはこの構想とは全く別扱いになっています。

例えば、千城台公園近くには、生活関連経路上ということで、歩道にベンチができたのですが、バス停の屋根の下にはなく、バス停から少し離れた両側に2か所あります。

バス停のベンチはバス会社が設置すべきものという市の考えのもとに進めているからこうなってしまうわけですが、市民からみたら、同じ税金を使うなら、なぜ市民が望む場所、すなわちバス停の中に作ってくれないのか本当に疑問です。これが本当に市民の望むベンチなのでしょうか?市民のために作ったはずの計画に縛られて、市民のためにならないことが起きているのではないでしょうか。

歩道上のベンチの設置は土木保全課、バス停は交通政策課と、それぞれ別に進めるのではなく、利用者の意見や気持ちを踏まえ、外出しやすい環境を向上させるよう調整を図ってもらいたいと考えますがいかがでしょうか。

(建設局土木部土木保全課)

(都市局都市部交通政策課)

(建設局長答弁)

生活関連経路上のベンチは、主要な駅から公共施設等まで歩いて移動する途中での休憩施設の充実を目的として、道路の管理者である本市が設置することとしており、バス停留所に設置するものとあわせ、町中のベンチを充実させるために、関係課が調整し、事業を進めるよう努めており、引き続き進めてまいります。

バス会社が資産を持ちたくない、管理をしたくない状態が今後ずっと続けば、千葉市のバス停のベンチの設置はほぼ進みません。
そこで、生活関連経路上にあるバス停のベンチに関しては、道路管理者が設置することとしてはどうでしょうか。
また、市民や、企業などからバス停のベンチの寄贈があった場合には、道路管理者がそれを受付けて、管理も行うということにしたらどうでしょうか。千葉市のお金の負担はほとんどないのですから、今よりはバス停ベンチの設置が進むと思います。
そのためには、「千葉市歩行空間のベンチ設置計画」が来年には丸4年となることから、中間見直しをすべきと考えます。
また、ベンチ設置が進まない中の対策として、バス事業者に頼らずともできる、バス待ちを兼ねた休憩スペースの確保を考えていただきたいと思います。体の弱った方にとっては、荷物をちょっと置ける場所があるだけでも助かる場合があります。たとえば、防護柵、ガードパイプの活用、植栽桝を腰掛けられる形にするなど、バス停近くの設備などを活用することも視野にいれて、休憩スペースの確保についてしっかり検討を前へ進めてほしいと強く要望いたします。
以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。