討論

2021年9月16日

市民ネットワークの松井佳代子です。会派を代表して、市長提案議案については賛成の立場から、発議第11号については反対の立場から、討論をおこないます。

はじめに、議案第83号・令和3年度千葉市一般会計補正予算(第7号)についてです。

歳入では国庫支出金7億1682万円、県支出金3005万円、そして繰越金2億7670万円が補正予算額として計上されています。繰越金については、令和2年度の決算剰余金57億円のうち、半分の29億円が財政調整基金に積み立てられ、残額について、9月までに9億1300万円が活用されました。国の補助金である新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金に加え、本市の繰越金も活用しながら迅速な対応がおこなわれていることを評価します。今後も取り残される市民がいないよう、必要な案件については、できるだけ国の補助金を利用しつつ、市の財源も機動的に活用されるよう要望します。

また、本議案のうち、高齢・障害者施設等の従事者等に対するPCR検査の実施事業について意見を述べます。
高齢者施設・事業所、障害者施設・事業所、救護施設の全ての従事者、また市内全域の接待を伴う飲食店従業員にPCR検査を実施する事業は、2021年3月から継続することで、新型コロナウイルス感染症のクラスター発生を抑制する効果を上げています。今後は、変異株ウイルスの感染拡大などにより、クラスター発生源になり得ると考えられる、子どもに関連する施設、保育施設や子どもルーム等についても、検査対象とすることを求めます。

次に家族面会室整備支援事業について意見を述べます。新型コロナウイルス感染症の拡大を防止しつつ家族との面会を実施するため、家族面会室の整備に要する経費を助成する事業です。市内の高齢者施設491施設に本助成事業の意向を打診されたとのことですが、希望があったのは6施設でした。少ないと感じましたが、この理由としては、既に家族面会室が整備済みであったこと、補助の要件となっている面会室設置スペースや出入口が確保できないこと、民間会社の施設は賃貸物件も多いため、改修等が困難であったこと等が考えられるとのことです。

本年6月の調査では、約65%の施設が工夫しながら施設における面会を行っているとのことですが、入所者や家族の立場からすると、もう少し面会可能な施設が増えればと思います。ほかにもオンラインでの面会も重要と考えますが、現時点では事業所に対し、スマートフォンアプリLINEを活用したオンライン面会等の実施方法について通知する等、実施方法の周知や技術的な支援を行っているとのこと。会いたくても会えないなどの声を受け止め、今後もさまざまな市民の要望や施設の意向を拾い上げて、面会の継続実施に向け適切な支援をおこなうよう求めます。

次に、議案第82号・専決処分について(令和3年度千葉市一般会計補正予算(第6号))のうち、自宅療養者健康観察センター運営事業についてです。

本事業は、保健所の依頼によって、軽症や中等症の自宅療養者の健康観察を行うほか、体調不良時に提携する医療機関に、オンライン診療や訪問診療の手配を行うものです。新規事業として、本年7月30日に専決処分されました。

ワクチン接種が高齢者を中心に進んでいるものの、変異ウイルスの拡大による新型コロナウイルス感染症の広がりは収まらず、若年層への感染拡大が続いています。本市においても7月下旬以降患者が急増し、8月2日には千葉県に緊急事態宣言が発令され、9月末まで延長されています。市ホームページで発表されている「市民の感染症患者の発生状況」によると、9月14日時点の感染者数は1283で、入院中は212(うち重症9)、ホテル療養28、自宅療養1039、入院・ホテル療養等調整中4となっています。感染者数は減ってきてはいるものの、医療体制は逼迫し、患者の2割弱しか入院できない状況です。

自宅療養者健康観察センターの設置については、保健所業務の軽減を図るとの目的で、当初8月開始予定でしたが、全国的な看護師不足の影響で、採用が不調となり、開設が遅れています。看護師の確保数について、当初予定の10名から減らしてでも早期の開設を目指すとのことですので、看護師の待遇改善や一人ひとりにかかる負荷をできるだけ減らし、仕事を続けやすい職場環境を整備するなど、根本的な課題にも踏み込む必要があります。

医師会や薬剤師会などとの連携を密にし、不調を訴える自宅療養者が孤立し、不安に感じることがないよう、適時必要な医療の提供ができる仕組みを整えることを求めます。

続いて、議案第88号・千葉市客引き行為等の防止に関する条例の制定についてです。

本条例は、客引き行為等を防止するための市や市民等の責務を定めるとともに、繁華街等の指定された区域内での客引き行為等を禁止するほか、必要な事項を定めるものです。

条例制定の背景ですが、市民から客引き行為への対策を求める要望が増加していたこと、客引きの実態調査を実施した結果、富士見地区で最大90人程度、海浜幕張駅周辺で10人程度の客引き行為者を確認したこと、この中には、千葉県の「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」による規制が難しい居酒屋等への客引き行為者も多く存在していたことがあります。

県条例では、接待飲食店や性風俗店への客引き行為等と、人の身体若しくは衣服を捕らえたり、所持品を取り上げたり、身辺に立ち塞がる等の執ような客引き行為等に対してのみが規制対象となっていることから、本市として居酒屋等の客引き行為等への対策も行うこととしたいとの意図があります。

実情を踏まえての条例制定になりますが、本年実施された客引きに関するウェブアンケートでも、「客引き行為等について、規制すべきと思う、どちらかといえば規制すべきと思う」と回答した者が約93%にのぼったことからも、ルールは必要です。県内他市でも、独自の条例を制定して、同様の客引き行為等を規制しています。悪質なものは県の条例を適用し、そこまでの行為ではないにしても、規制すべき対象となるものは、市の条例を適用しています。また、政令市のうち8市が同様の条例を制定しており、その内5市が平成30年度以降の施行となっています。全国的に見ても、県内を見ても、このような行為が急に活発になってきたと考えられます。条例制定後は、県条例の方が、罰則が重いことなども踏まえ、千葉県警察との情報共有、地元団体との連携、街頭での周知活動、客引き行為をしない・させない機運醸成、違反者への勧告、命令にかかる立ち入り調査など、市民の不安を解消できるような対応を求めます。

なお、千葉市路上喫煙等及び空き缶等の散乱の防止に関する条例(いわゆる、路上喫煙・ポイ捨て防止条例)は、屋外の公共の場所でのポイ捨てについて、2000円の過料を科すものですが、年を追うごとに効果が出ています。平成23年7月の罰則導入以降、約10年で過料件数が10分の1に減少しました。本条例についても、制定後の効果に期待しています。

次に、議案第94号・訴えの提起についてです。

本市小学校で発生した元教諭による児童への強制性交等事件について、国家賠償法第1条第1項に基づき、学校の設置管理者である市に対して訴訟が提起されました。令和3年3月に損害賠償を命じる判決が確定したことから、同年4月30日に市は賠償金等を支払いました。その後、原因行為者である元教諭に対し、国家賠償法第1条第2項の規定に基づき、原告らに支払った賠償金等の全額に相当する額の求償金の支払いを求めましたが、元教諭がこれに応じないため、その支払いを求める訴えを提起するものです。

被告は懲役14年の実刑判決を受け、服役中のため、現時点での請求は難しいのではないかと考えますが、求償債権の時効は5年となっているため、今回訴えを提起し、判決が確定することにより、時効期間を10年とすることができます。また、少額での一部支払いや刑期を終え出所した後の支払いを約束させる等、債務を承認させ、時効を更新することにより、改めて時効期間を10年とすることができるとのこと。あわせて、より効果的な財産調査ができる可能性があることから、提訴の必要性や意味について理解するものであります。

ところで、市が支払った賠償金等ですが、6月議会に提案した場合、約22万円の遅延金が発生することや被害者への誠意を示すために、早く支払いをしようと教育委員会の給与費で対応されたとのこと。専決処分にならなかったことから、3000万円以上の賠償金等が議会での審議や議決を経ず支出されています。本来であれば、お金の流れが市民にわかる方法をとるべきであったと指摘しておきます。

また、今回の提訴で賠償金等については、全額に相当する額の支払いを元教諭に求めますが、元教諭を採用し、監督責任を負っていた本市の道義的な責任は免れることができません。教育委員会の「性暴力から子どもを守る安全・安心な学校づくり宣言」が実効性をともなうものになるよう、性暴力を生まない環境を整備するとともに、「児童生徒を性暴力から守るための行動指針」を周知し、安全配慮義務を果たすことを強く求めます。また、具体的な対策について、保護者をはじめ市民に丁寧に説明をおこなうとともに、CAPなどによる子どもへの啓発活動や「生命の安全教育」を推進し、子どもたちが安全・安心な学校生活が送れる千葉市として、全庁で取り組んでいただくことを求めます。

最後に、発議第11号 千葉市青少年問題協議会設置条例の一部改正についてですが、協議会に当事者である青少年の意見を反映させる必要性は認めるものの、一人ないし二人の青少年委員が、幅広い青少年の意見を反映できるとは思えません。むしろ、さまざまな方法によって青少年の意見聴取の機会を設けることが大切です。また、児童相談所、青少年サポートセンター、子ども・若者総合相談センター(LINK)などの関係者が参加することによって、いじめ、虐待、性暴力といった昨今の課題に対応できるのではないかと考えます。さらに、昭和30年に設置された、当該委員会のあり方も時代とともに変化を迫られており、委員会のあり方そのものの検討も今後必要と思われます。以上の観点から、本議案には賛成しかねます。

以上で市民ネットワークの討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

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