討 論

令和2年12月15日

 

市民ネットワークの岩崎明子です。会派を代表いたしまして、市長提出議案の全てに賛成の立場から、発議第19号については、反対の立場から討論 を行います。
以下、賛成いたします議案の幾つかについて意見を申し上げます。はじめに、
議案第147号 令和2年度千葉市一般会計補正予算(第8号)のうち、
産地パワーアップ事業に係る国庫補助金返還についてです。
花見川区犢橋地区で「千葉ベビーリーフ菜園株式会社」が、国の「産地パワーアップ事業」を活用して平成30年4月からベビーリーフの生産を行っていましたが、度重なる浸水被害等のため事業撤退となり、補助金の返還を受けるものです。
事業者の撤退となれば、補助金の返還を求めるのはもちろんですが、今後その土地を耕作放棄地とすることなく活用していけるのかが課題であると考えます。現地の様子を見ますと、広大な敷地にハウスが壊れたまま放置されている状況です。当地は高速道路のインターチェンジから近く、流通の面でメリットがあることから、複数の事業者から引き合いがあると伺っておりますが、ハウス撤去後は、できるだけ早い時期に再び農地として活用されるための取り組みを要望します。
先日、「千葉市農林業成長アクションプラン」が策定・公表されました。その中の「戦略1 農業の成長産業化」のなかで「方向性1」として、「農業への企業参入の促進」が掲げられています。具体的には農地の確保を支援すること、施設整備や機械導入・採算確保に向けた支援を行うとされています。
しかし企業参入が大規模であるほど、事業撤退したときの地域への影響が大きいことが懸念されます。今回も雇用されていた方々が雇い止めとなったり、使わなくなったハウスが長期間放置されたりしています。
千葉市全体の農業振興のためには、中小規模の農家への支援にも重点を置くべきと考えます。収入を安定させ、事業継続のために必要な販売ルート確保支援や、有機栽培や環境保全型農業などの、農業技術支援にも重点を置き取り組むことを求めます。

次に、議案第147号 令和2年度千葉市一般会計補正予算(第8号)のうち、
学校施設の各種改修等 エレベータ設置にかかる繰越明許費の追加について です。
階段の上り下りに困難を伴う児童生徒が在籍する学校へエレベータを設置する事業ですが、川戸小学校・稲毛第二小学校・越智中学校・土気南中学校の4校について入札不調が続き、年度内に工事を完了することができなくなったため、繰越明許費を追加するものです。
今後は入札の不調で設置予定が遅れることのないよう、十分な対策を講じることを要望します。
現在は、学校にエレベータを設置する際には、それを必要とする児童生徒が在籍しているかまたは入学予定であるか、各学校から収集した情報をもとに計画しています。しかし、エレベータは階段昇降が困難な子ども達の生活に不可欠なだけでなく、避難所としての学校にも必要な機能であると考えます。平成26年3月にまとめられた文部科学省の報告書「災害に強い学校施設の在り方について〜津波対策及び避難所としての防災機能の強化〜」には、東日本大震災の際、津波被害を受けた学校の例として仙台市立荒浜小学校の例が挙げられています。平野部に立地し、高い建物が周囲に無かったため、児童や地域住民が校舎の屋上や上層階に避難したそうです。本市でも似たような立地の小学校として、例えば美浜区磯辺1丁目にある磯辺第3小学校があります。学校の周辺は戸建ての住宅地となっており、高い建物はありません。こうした場所では、児童生徒や地域住民が円滑かつ迅速に避難できるための一つの手段として停電時の自家発電設備等も含めた、エレベータ設置を考えても良いのではないでしょうか。
避難所としての環境整備という点では、学校のトイレの洋式化推進も同様です。教育費以外の予算も活用する方法を検討し、できるだけ早期のエレベータ設置とトイレ洋式化を実現することを要望いたします。

次に、議案第152号 千葉市新型コロナウイルス感染症対策条例の制定について です。
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、感染が冬に向かって拡大されることも予想される中、感染症対策を円滑に進めるため、市や市民、事業者の責務を定めるとともに、感染者や医療関係者等への不当な差別的扱いを及び誹謗中傷を行ってはならないこと等を定める条例を新たに制定するものです。新型コロナウイルス感染症による人権侵害はあってはならないことです。医療従事者や感染者・濃厚接触者等への誹謗中傷などが横行する状況を放置しないための条例制定と理解し、評価いたします。しかし、課題は市民へどれだけ周知できるか、一人一人が自分事として理解できるかです。本市はこれまでも様々な形で新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に取り組んできており、本年10月14日には感染者らの人権を守るとともに、市民に対し「お互いを思いやる気持ち」を求めた「コロナ差別がゼロのまち宣言」を行っていますが、これも市民への周知がまだ十分ではないと感じています。
市民が新型コロナウイルス感染症に関する誤解をなくし、正しく怖がれるようになることが、感染者や濃厚接触者、医療従事者への誹謗中傷をなくす方法だと考えます。新型コロナウイルス感染症に関する誤った情報による不安を取り除くことも同時に行うべきです。条例制定のお知らせとともに、市が率先して正しい情報を広く市民に届けることを強く要望いたします。

次に、議案第153号 千葉市自転車を活用したまちづくり条例の一部改正について です。
平成29年7月1日に施行された「千葉市自転車を活用したまちづくり条例」ですが、今回の議案は本条例を一部改正し、努力義務だった自転車保険等への加入を義務化すること、規定の追加として自転車貸出業者に対して保険の加入を義務化すること、事業者に対して自転車で通勤する従業員に保険への加入の有無を確認することを努力義務とすること、自転車小売業者に対しては購入者への保険加入の有無を確認し、加入が確認できないときは保険への加入に関する情報を提供することを努力義務化する、とされています。
保険に加入するという行為自体が、自転車事故を意識することになり、ひいては自転車に乗る人のモラルを向上させることにつながる、という市の考え方は理解致しました。しかし、課題は自転車に乗る市民全体の意識をどのように改革するかです。自転車に乗る人すべてが自転車の危険性と事故時のリスクを理解するためには、情報発信の充実が不可欠です。市政だよりやホームページ、町内自治会へのチラシ回覧、協定を締結している保険会社や警察、学校、商工会議所等が構成員である「千葉市自転車を活用したまちづくり連絡協議会」とも連携して周知啓発に努めるとのことですが、イベント会場や商業施設等、人が集まる場所での啓発活動を行うなど、さらに様々な方法を使い、自転車事故のリスクや具体的な保険加入の方法等をわかりやすく伝えることを要望いたします。

次に、議案第155号 工事請負契約について(仮称千葉公園体育館整備工事) です。
高度化・多様化した市民のスポーツニーズに対応するため、既存の千葉公園体育館、千葉市武道館、中央コミュニティセンターのスポーツ施設の3施設を集約した市民のスポーツ活動の拠点を、新たに千葉公園内に整備するものです。1052席の観客席があるメインアリーナやサブアリーナ、武道場、弓道場・アーチェリー場、多目的室、トレーニングルーム、キッズルーム等が整備されます。千葉市の新しいスポーツ活動の拠点が、JR千葉駅からほど近い、アクセスのよい場所にできることになります。
本市は東京2020オリンピックパラリンピックを契機に、ボッチャやゴールボールをはじめとしたパラスポーツ振興に力を入れていますが、新しい体育館ではパラスポーツ大会の開催も想定されているとのことですので、障がいのある方が大勢来場することが予想されます。車いす用駐車場を10台分整備すると伺いましたがそれだけではなく、公園内やJR千葉駅やモノレール千葉公園駅からのアクセスルートも含めた総合的なバリアフリー化が必須です。障がいのある方や高齢者、ベビーカーを使う子育て世代の方などのご意見も伺いながらバリアフリー化を進め、誰もが使いやすく親しみやすいスポーツ活動の拠点にすることを求めます。

次に、議案第160号 指定管理者の指定【千葉市中央いきいきプラザほか14施設】について です。
本市には6カ所の「いきいきプラザ」と、それを補完する位置づけである「いきいきセンター」が9カ所あります。老人福祉法に基づく「老人福祉センター設置運営要綱」には、地域の老人に対して各種の相談に応じるとともに、健康の増進、教養の向上、およびレクリエーションのための便宜を総合的に供与し、老人が健康で明るい生活を営めるようにすることが目的と位置づけられています。今回これらの15施設を一括で管理する指定管理者として、社会福祉法人千葉市社会福祉協議会を非公募で指定するものです。
議案質疑では15施設を一括で管理するのではなく、分割して指定管理者を選定することや、非公募ではなく公募で選定することについて市のお考えを伺いました。看護師や保健師、理学療法士などの専門職を長期間配置する必要があること、専門員に欠員が生じた場合にも、一括の管理であれば他の施設から流動的に欠員を補充できるなどのメリットがあることは理解いたしました。
しかし、いきいきプラザといきいきセンターのあり方については、今後も同様で良いのか十分検討すべきです。令和2年3月に改訂された「千葉市公共施設等総合管理計画」では、「いきいきセンター及びいきいきプラザは、高齢者の社会参加や生きがい活動の場であるものの、コミュニティ系施設と類似する機能も有することから、施設のあり方を踏まえ、類似機能の統合や連携の可能性について検討」するとされています。例えばエリアごとに施設をグループ分けして、グループごとに別々の指定管理者が管理するなど、管理を分けることで、施設ごとの特色が生まれるなどのメリットもあると考えます。大阪府茨木市のように、老人福祉センターを高齢者と子どもが多様な交流を行える「多世代交流センター」としてリニューアルしている例もあります。また、コミュニティセンターや公民館と類似の役割かどうかも精査すべきです。市民意見も十分聴取しながら、今後の老人福祉のあり方も含め、総合的・分野横断的に検討することを求めます。

次に、議案第188号 議決事件の一部変更について【旧千葉市文化交流プラザの土地及び建物等に係る財産の処分】 についてです。
京葉銀行文化プラザの愛称で親しまれていた「旧千葉市文化交流プラザ」は、維持管理費の増加や利用率の低迷などから、平成30年3月31日をもって廃止となりました。廃止後の跡施設は、音楽ホールを10年間以上継続利用することを条件に、平成31年3月8日に大和ハウス工業株式会社に売却されました。跡施設の供用開始時期は所有権が移転した平成31(2019)年3月8日から2年以内とされていましたが、今回の議案は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりテナントとの協議等に時間を要しているため、その供用開始時期を2022年の3月31日までに延ばすというものです。
この建物内にある音楽ホールはJR千葉駅から近く、音響もよいため、市民が再開を待ち望んでいる施設であります。民間に譲渡した施設であるとはいえ、元は市の施設であり、市民は市からの情報を待っています。特に市民が期待しているホールの再開について情報提供をわかりやすく行うべきです。施設の持ち主である大和ハウス工業株式会社と、今後の広報の仕方を十分協議することを要望いたします。

最後に発議第19号千葉市認知症施策推進条例の制定については、条例により本市の認知症予防策の推進を図るとともに、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまちづくりをすすめたい、との提案者の願意は理解いたしました。しかし、具体的な支援の仕組みについての記述が条文にありません。また国では現在、認知症の予防策や当事者の社会参加機会の確保等を盛り込んだ「認知症基本法」を制定するべく継続審議中です。さらに本市では「認知症施策推進計画」としても活用できる、「千葉市高齢者保健福祉推進計画・第8期介護保険事業計画」を今年度中に策定予定であります。現状ではこれら計画の積極的な周知啓発と制度活用により、認知症に関する施策の推進が図れるものと判断いたしますので、条例制定には賛成しかねるとの結論に達しました。
以上で市民ネットワークの討論を終わります。

 

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