令和2年第3回定例会 一般質問

2020年9月29日(火)

松井佳代子

市民ネットワークの松井佳代子です。一般質問を行います。

はじめに「コアジサシ繁殖地の環境整備について」です。

千葉市の鳥、コアジサシですが、カモメ科に分類される、全長およそ22センチから28センチの小型の水鳥です。世界各地で広く見られますが、個体数の減少により、環境省のレッドリストでは絶滅危惧U類、千葉県のレッドリストでは最重要保護生物、そして、千葉市のレッドリストでは重要保護生物に指定されています。さらには、日本とオーストラリア、アメリカ合衆国、中国、ロシアそれぞれの二国間渡り鳥条約に基づき、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」で、国際希少野生動植物種に指定されています。

コアジサシは4月頃、日本に渡ってきて、砂浜の海岸、埋め立て地、河川敷など、小石や砂で覆われた砂礫地で巣をつくり、集団繁殖をします。本市では、臨海部の埋め立て地で繁殖します。繁殖地は7月ごろまで利用され、その後、渡り前に谷津干潟などに集結した後、オーストラリアなど南方へ飛び立ちます。ここでは、

(1)千葉市の鳥であるコアジサシについて、制定の経緯と市の考えについて伺います。  以降、質問席にて質問を続けます。

(答弁)
(環境局環境保全部環境保全課)
(環境局長答弁
本市の政令指定都市移行を記念して、市民公募を行い、平成5年4月29日に自然の豊かなまちづくりを象徴するうえでふさわしい鳥として「市の鳥」に制定しました。日本では希少種とされていたコアジサシの保全のため、生息調査や保護対策を実施しております。

ご答弁ありがとうございます。当時、コアジサシは投票でいちばん多くの票を集めたとのことです。また、繁殖地は、長期間継続することが少ないとされています。草が茂ってくると、営巣ができなくなるためです。そこで、自治体や民間企業などによって繁殖地の整備が試みられています。

(2)コアジサシの繁殖地の環境整備について、これまでの市の取り組みをお聞かせください。

(答弁)
(環境局環境保全部環境保全課)
(環境局長答弁)
平成13年度に新浜リサイクルセンター内に暫定繁殖地  約5,000平方メートルを整備し、コアジサシのデコイによる営巣誘致を実施したほか、平成15年度からは、土地の管理者である千葉県の許可を得て、検見川の浜の一角に約6,300平方メートルの区域をロープで囲い保護地とし、注意看板を 設置するなどの対策を実施しております。

検見川の浜は、サーフィンをしたり、海辺の散歩をしたりする人が自由に立ち入る場所なので、営巣の兆候が見られるようになったら、海辺の管理をおこなう県の許可を得て、コアジサシを守る取り組みを行っていると理解致しました。また、本市では例年、

(3)営巣時期には、専門家を中心とした保全グループが入っていますが、その概要と市との連携体制についてお聞かせください。

(答弁)
(環境局環境保全部環境保全課)
(環境局長答弁)
東京湾沿岸において、広域的に活動している水鳥研究会 東京湾グループと委託契約を締結し、コアジサシの生息調査を依頼しております。
また、本市に飛来し営巣繁殖する時期においては、同団体と密接な情報共有等を行っております。

「コアジサシ生息実態調査業務」の内容ですが、一つに「定点観測調査」として、調査対象地域において、コアジサシの生息及び繁殖の有無を確認し、市内のコアジサシの生息数、繁殖数を調査すること。二つに「暫定繁殖地のモニタリング」として、営巣が確認された地点において、繁殖状況のモニタリングを継続して実施することとされています。これらの調査によって、市にデータが蓄積され、コアジサシを守る取り組みが進むと考えられますが、実際、コアジサシが無事ヒナを育てるには様々な脅威があるとされています。そこで

(4)今年については、繁殖に際してさまざまな影響があったと聞いていますが、保全グループからの報告はどうだったのでしょうか。

(答弁)
(環境局環境保全部環境保全課)
(環境局長答弁)
調査報告によれば、本年の営巣数は399か所とのことであり、6月21日時点においてヒナの数は93羽、7月5日時点で幼鳥は15羽であったとのことです。
そのほかに、カラスや猫によりヒナが捕食されたこと、6月下旬以降の降雨や強風により、営巣地が波を被るなどの影響を受けたことについて、報告を受けております。

 

本市ホームページの「令和2年度コアジサシの成長記録」によると、「3月にボランティアさんたちと検見川の浜の除草を行いました。今年は昨年以上にコアジサシがやってきて、たくさんのカップルが巣作りをしています。これは10数年ぶりの快挙です。」と書かれています。4月15日に保護柵を設置して、その後、順調にヒナがかえり育っていった様子がわかります。そして、6月には過去最多の営巣数を記録しています。ところが、7月に入って急激に数が減り、399も営巣があったのに、幼鳥は15となりました。保護柵によって、人の侵入は阻止できますが、ネコの侵入を防ぐことは難しかったと考えられます。日に日にヒナが減っていく様子を目の当たりにした市民から「ネコを保護することはできないか」との声がありました。そこでお聞きします。営巣の期間、

(5)浜にいるネコについて、動物保護指導センターで保護することはできるのでしょうか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
飼い主のいない猫については、法律の規定がないことから、動物保護指導センターで保護することはできません。
なお、負傷等の場合については、動物愛護法の規定により保護しております。

 

ネコが希少動物を捕食することについては、小笠原や奄美などの離島をはじめとして、各地で問題になっています。それらの島では、捕獲して、飼い主を見つけるなどの取り組みが続けられていますが、本市では、

(6)検見川の浜に隣接する稲毛海浜公園内にいる猫について、公園管理者として考えはありますか。

(答弁)
(都市局公園緑地部美浜公園緑地事務所)
(都市局長答弁)
稲毛海浜公園では、ボランティアの皆様による地域猫活動が継続的に行われており、現在、公園内の検見川地区の猫の数は最盛期の13頭から4頭へと減少傾向にあります。
現時点では、地域猫がヒナを捕食しているとの事実は確認できておりませんが、今後は、庁内関係部局やボランティアの皆様と情報共有を図り、状況の把握に努めて参ります。

今年のような状況が来年も続けば、千葉市の鳥であるコアジサシは二度と千葉市にやってこなくなる可能性が高くなります。そこで、環境局だけでなく、他部局の協力も必要です。

(7)来年の繁殖に向けて、海辺の管理者である県とも連携しながら全庁横断的に対処する必要がありますが、どのようにしていきますか。

(答弁)
(環境局環境保全部環境保全課)
(環境局長答弁)
今後もコアジサシの保護については、県立中央博物館や千葉港湾事務所と連携を強めるとともに、稲毛海浜公園の管理者である本市公園緑地事務所と協力し、有効な対策が図れるよう 検討して参ります。

 

2001年と02年には千葉市動物公園でコアジサシの卵を保護し、孵化・飼育しています。また、公園にいるネコの一時保護なども考えられます。できる限りの対策を求めます。さらに、繁殖に大きな期待を寄せている市民との連携についても伺います。本市には水辺サポーターの制度があり、4河川1海域において、啓発活動や実践活動等を推進することを目的としています。また、大学のグループが自主的に営巣期間、検見川浜の調査に来ていたと聞いています。そのような関心の高い方々の協力を得ながら、コアジサシがヒナを育てられるよう環境整備ができればと考えます。そこで、

(8)来年の繁殖に向けて、水辺サポーターや大学、市民との連携をすすめ、パトロールなどの監視体制を強化することはできるのでしょうか。

(答弁)
(環境局環境保全部環境保全課)
(環境局長答弁)
飛来から飛び立ちまでの数か月間パトロールを実施するのは困難ですが、水鳥研究会 東京湾グループをはじめ他の関係団体と連携し、多くのコアジサシが繁殖できるよう、対策を検討してまいります。

ぜひ、検討していただき、来年の繁殖期には有効な対策がとれるよう要望いたします。ところで、千葉県では、自然との共生、生物多様性の確保の観点から、千葉県レッドリスト動物編が2006年、2011年、2019年と改訂されています。コアジサシをはじめとした希少生物についても継続的な調査の結果が反映されています。一方、

(9)千葉市では2004年からレッドリストが改訂されていません。調査を行って、千葉市の「レッドリスト」を見直す考えはありますか。

(答弁)
(環境局環境保全部環境保全課)
(環境局長答弁)
レッドリストの見直しにつきましては、市内の谷津田等で 活動しているボランティアや、野生動植物に関し豊富な知識を有する専門家の協力が重要であることから、これらの方々の ご意見を伺い、改定の必要性を含め、改定の時期、方法について検討して参ります。

 

コアジサシをはじめとして千葉市で見られる生き物について、最新の知見を踏まえながら現状をまとめ、市民への啓発活動を行っていただけるよう要望します。

次に検見川ビーチステーションについてお聞きします。イベントなどの際、無料で利用できる施設となっていますが、普段はカギがかかっていて、活用されていない印象をうけます。また、利用にあたっては、2週間前までに申し込みをする必要があります。コアジサシについて、市から市民に伝えたいこと、市民同士で情報交換したいことなど、情報を集約していく必要もあり、今後の全庁的な取り組みの中で、さらなる活用ができればと考えます。そこで、

(10)検見川ビーチステーションを利用し、海辺の情報コーナーを設置することで、海岸への親しみや環境への意識向上に役立ててはどうでしょうか。

(答弁)
(都市局海辺活性化推進課)
(都市局長答弁)
検見川ビーチステーションは、検見川地区における市民団体の活動拠点としての役割を担っており、その周辺は、多くの方々が行き交うエリアとなっております。
そのため、本年3月、ビーチステーション脇に掲示板を設置し、本市や市民団体のイベントやビーチクリーン活動などの 情報を提供しております。
今後も、当該掲示板を活用し、幅広く海辺に関する情報を提供していくことで、海辺の活性化と環境保全への啓発につなげて参ります。

人と人、人と情報をつなぐツールとして、まずは掲示板の充実を求めます。海岸での注意事項や生き物情報、ごみの状況、ビーチクリーン情報、水質調査など、市民がより海岸を身近に感じ、関心を持つ機会になればと考えます。掲示板ですが、できればごみステーション脇などの目立つ場所への設置も検討ください。

また、浜辺をきれいにすることは、生き物の環境整備として重要なことです。さらに、

(11)オリンピック・パラリンピック開催時にはコアジサシだけでなく、きれいな千葉市の浜辺で来訪者のおもてなしができればと考えます。そこで、浜辺の清掃活動について市は支援をしているのか伺います。

(答弁)
(環境局資源循環部廃棄物対策課)
(環境局資源循環部収集業務課)
(環境局長答弁)
本市では、浜辺の散乱ごみ清掃をはじめ、ボランティアで地域の清掃を行っている団体等に対して、軍手や収集用 ごみ袋等の清掃用具の支援を行っているほか、これらの清掃活動において集積されたごみについては、管轄の環境事業所に事前申込みをいただくことで、集積場所からの収集運搬を行っているところです。
今後も、地域の美化活動を実施する団体等の支援を行って参ります。

現在は市内各所で個人や団体がそれぞれ清掃活動を行っていますが、横浜市では、「ありがとう!ヨコハマクリーンアップ」として、オリンピック・パラリンピックを「きれいなまち横浜」でお迎えする機運を高めようと、ごみ拾いアプリ「ピリカ」に自治体登録をし、横浜市内の延べ18,000人を超える個人や団体が参加しているそうです。千葉市も清掃活動の実態に応じてごみの定期収集をおこなったり、参加者に「ちばシティポイント」を付与したりするなどの取り組みを検討し、活動全体への支援を求めます。

最後に、いまの本市の海辺には小魚などの生き物が豊富にいて、コアジサシにも選んでもらえたきれいな海辺であると考えることができます。市民による清掃活動が進んでいる証でもあります。このような環境に誇りを持って、千葉市の鳥、コアジサシが営巣に戻ってこられるよう、専門家や市民とも連携して、繁殖地のさらなる保全に取り組んでいただけるよう要望致します。

続いて、「人と動物の共生について」伺います。はじめに、

(1)動物保護指導センターの基幹業務について です。
稲毛区宮野木町にある千葉市動物保護指導センターですが、政令市になった翌年、平成5年に開所し、今年で27年になります。この間、昭和48年に制定された法律「動物の保護及び管理に関する法律」が平成11年に「動物の愛護及び管理に関する法律」と名称変更され、平成17年、平成24年、令和元年と法改正が行われました。そこでお聞きします。

ア 当初の中心だった業務は何でしょうか。そして、現在の業務はどのようになっていますか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
動物保護指導センターの開所当初は、狂犬病予防事業としての予防注射の促進や、人への危害防止の観点からの野犬の捕獲などが業務の中心でしたが、その後の法律改正や動物愛護意識の高まりもあり、現在ではペットの終生飼養・適正飼養の普及啓発や犬猫の譲渡事業など、動物愛護の業務も主なものとなっております。

法律の改正にともない、センターの目的が収容・殺処分から譲渡・愛護へと変わり、業務の内容も増えました。そこで、これに対応した体制になっているのかお聞きします。

イ 人員の推移はどうでしょうか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
開所当初の平成5年度は獣医師5人、技能労務職3人、事務職1人の計9人でした。
その後の業務量の増加に伴い増員し、最も多かった時は獣医師7人、技能労務職4人、事務職1人の計12人でした。
平成19年度からは業務の効率化を図り、獣医師と技能労務職の配置とし、現在は獣医師7人、技能労務職4人の計11人となっております。

センター開設当初からの業務に加えて、今では動物愛護の業務にも取り組まなければならないこと、さらに、令和元年の法改正に伴い、動物愛護管理担当職員を配置するよう求められています。この条件として「地方公共団体の職員であり、専門的な知識を有する者であること」とされています。また、登録動物取扱業者に対する勧告、命令、立ち入り調査も強化されており、不適正な飼養に対して監視・指導できるだけの十分な人員確保も求められます。センターには現在、

ウ 事務職がいないとのことですが、獣医師は動物保護業務のほか、犬の登録手続きなどの事務管理業務も担っているのでしょうか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
獣医師は、動物保護業務に加えて、事務管理業務も担っておりますが、事務管理業務のうち犬の登録や狂犬病予防注射済票の交付などに関する手続きについては、生活衛生課及び各区地域振興課において7割程度実施しております。

事務管理業務の一部を、生活衛生課や区役所で行っているとのことですが、法改正の趣旨を生かし、獣医師が動物愛護の業務に専念することができるよう、事務管理業務の体制についてさらなる検討を求めます。
ところで、センター内には職員以外のスタッフもおり、動物の管理や飼育をおこなっています。そこで、

エ 委託はどの範囲で行われているか伺います。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
動物保護指導センターでは、公益財団法人千葉県動物保護管理協会に動物管理運営業務の一部を委託しております。
具体的には、給餌や給水、薬剤の投与補助、健康観察、しつけトレーニングなどの収容動物の飼養管理業務のほか、動物の引き取りや返還、譲渡を補助する業務、収容棟施設の清掃や消毒などの施設管理業務などを委託しております。

保護動物ですが、心身ともによい状態で元の飼い主に戻すこと、もしくは新たな飼い主をできるだけ速やかに見つけることが必要です。しかし、センターの本来業務としての飼養管理業務が委託されていることで、飼育現場での課題が見えづらくなっているのではと危惧します。また、業務については365日体制で対処する必要があり、さまざまな職員が関わることになります。そこでお聞きします。

オ センターの職員間の情報の共有、事案の引継ぎ、委託先との連携はどのようになっていますか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
動物保護指導センター職員間では、苦情等に関する情報や事案の引継ぎについて、必ず報告書を作成し、全員が情報共有するよう努めております。
また、委託先との連携については、口頭伝達のみならず日報による報告により、収容動物の状態、施設の不具合などについて情報共有を図っております。

センターは本市唯一の施設であり、共有された情報に基づき、動物の保護や治療について、最新の知見に基づき対処する必要があります。しかし、負傷動物の中には、ボランティアが費用負担をしながら、外部の動物病院で治療を受けさせている実態もあります。そのような現状に対して、獣医師が適切な判断を行い、センター内で処置を受けられるようにする必要があると考えますが、

カ 職員の研修及び教育はどのように行われているか、お聞かせください。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
獣医師の医療技術については、収容動物の処置や管理を行うなかで、OJTにより技術伝達を行っております。
また、必要に応じ千葉市獣医師会から技術的助言を得るほか、環境省主催の動物愛護管理研修に参加するなどにより、知識・技術の向上や人材育成に取り組んでおります。
なお、委託先の職員に関しては、研修受講などを委託の条件とはしておりませんが、委託先の内部研修として獣医師を講師とした「動物の正しい飼い方・しつけ方教室」を、年間を通じて座学を8回、実技を4回実施しております。

最近では、さまざまな研修会が、オンラインで開催されており、一般市民でもアクセスすることができるようになっています。獣医師だけでなく、ボランティアも含めてセンターに関わるすべての人が、同じ研修を受けて、情報の共有や技術の平準化を図ることができれば、共通理解のもとで業務にあたることができると考えます。ぜひ、新たな視点で研修に臨んでいただけるよう求めます。次に

キ センターの広報・啓発体制について伺います。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
千葉市獣医師会などに各種チラシなどを配架するほか、民間商業施設へのポスター掲示や市政動物愛護に関する広報、啓発については、各公共施設や学校、だより、市ホームページなどにより実施しております。

保護動物をできるだけすみやかに新しい飼い主のもとに届けたり、地域における動物に関する課題への対処の仕方を伝えたりするには、ペットを飼っている人だけでなく、広く一般市民への広報・啓発が必要です。今でも、「センターに知らせたら、殺処分されるのではないか」と考えている市民は多く、継続して広報をしていく必要があります。市の媒体だけでなく、民間施設との連携やSNSの活用も積極的にすすめてくださるよう要望します。ところで、SNSなどで話題となった千葉市の事業ですが、

ク 昨年の台風被害の際、ペット同伴避難所の開設を千葉県内では唯一の自治体として行っています。その際、センターはどのような業務を担ったのかお聞かせください。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
昨年の台風被害の際は、ケージやエサ皿、ペットシーツなどの必要な物資の供給・貸与を行いました。
なお、各区に設けたペット同伴の避難所に、動物保護指導センターを含めた本市の獣医師が巡回し、人と動物のエリア分けなどのアドバイスを行いました。

本来ならば、各避難所運営委員会のルールのもとで、ペットを連れた避難をどの避難所でも可能にしていく方策を考える必要があります。風水害の頻度が増す今後は、総務局とも連携を行い、避難所の運営の仕方や同行避難の啓発についても取り組んでいただけるよう要望します。

次に、ふるさと応援寄付金について伺います。センター事業の充実には、予算も必要です。平成29年度に始まった

ケ ふるさと応援寄付金の「動物愛護事業」に寄せられた寄付額とその使途はいかがでしょうか。また、センターの総事業費に占める割合はどうでしょうか

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
これまでに寄せられた寄附額は、
平成29年度は、 74万円、
30年度は、153万1,000円、
令和元年度は、 326万1,000円となっており
動物保護指導センターで保護した犬猫の譲渡や飼い主のいない猫対策などに係る経費として使わせていただいております。
また、センターの総事業費に占める割合は、
平成29年度は、2.3パーセント、
30年度は、4.4パーセント、
令和元年度は、 8.4パーセントとなっております。

寄付額が伸びていることを評価するとともに、ホームページについては、財政局のふるさと応援寄付金のページだけでなく、保健福祉局・生活衛生課のページにもリンクを貼っていただき、センターや動物の譲渡について関心のある方に、広く情報が届くようお願いします。また、本市の動物愛護行政がどうあるべきかについて、センターを中心に市民、専門家などさまざまな主体を交えて協議会をつくるなどして、今後の運営について検討していただけるよう求めます。

続いて、「市民ボランティアとの協働について」お聞きします。

センターにおいて、市民ボランティアの果たす役割は大きく、ボランティアがいなければ、業務にも多大な影響を及ぼします。我が家には、2008年第3回定例会で市民ネットワークの常賀かづ子議員が動物愛護の質問をするきっかけとなったネコがいます。当時小学生の娘が、家の近所でネコを拾いました。4匹の仔猫が一緒にいたため、必死に新たな飼い主を探しました。結果、譲渡会への参加などで何とか4匹とも飼い主を見つけることができました。その過程で、多くのボランティアが、苦労しながらいのちを守るための活動に関わっていることを知りました。そこで、伺います。

ア センターとボランティアが連携して行っている事業は何でしょうか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
動物保護指導センターで収容している動物の譲渡や乳飲み猫の育成、小学校での動物介在教育、動物愛護週間に例年実施している動物愛護フェスティバルなどにおいて、ボランティアと連携して事業を実施しております。

ボランティアは、今ここにある命を守りたい、この現状を市民に広く知らせたいとの気持ちでセンターの事業に参画し、飼い主のいない動物を減らそうと、譲渡に尽力したり、フェスティバルで啓発活動をおこなったりしています。そこで、現状を踏まえてお聞きします。

イ 市民ボランティアとの協働によって、犬や猫の譲渡が進み、殺処分ゼロを達成していますが、現在の課題として認識していることは何でしょうか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
犬猫の譲渡機会を増やすなど、譲渡促進のためのさらなる取組みや、多くの市民の皆様に動物愛護に関わっていただくため、新たなボランティアの発掘や育成などの取組みが必要であると認識しております。

より多くの市民に、今ここにある命を守りたいとの気持ちが伝わらなければ、飼い主を待っている動物を減らすことはできません。センターが動物を保護して譲渡するだけでなく、人と動物との共生や、人と人との関わりについても情報を発信する場所になれば、より多くの市民が動物愛護に関わっていけるのではないかと考えます。新たなボランティアの発掘や育成に結び付くような情報発信を要望します。さらに、市民ボランティアが関わる事業についてお聞きします。

ウ 飼い主のいないネコを市民が捕獲し、センターで不妊手術を行う取り組みをしていますが、費用負担はどのようになっていますか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
千葉市獣医師会の協力により、動物保護指導センターにおいて、毎年度300頭の募集枠を設け、申請者に負担のない不妊去勢手術を行っております。
また、手術のための保護器の貸出しも無料で行っております。
なお、過去3か年の申請頭数は、
平成29年度は、1,145頭、
30年度は、1,176頭、
令和元年度は、 1,113頭であり、
過去3か年の手術実績は、
平成29年度は、358頭、
30年度は、331頭、
令和元年度は、 315頭となっております。

 

申請頭数が毎年1000頭を越えていますが、手術実績は300−350頭となっています。センターで不妊手術を始めたのは、千葉市が最初と聞いており、この取り組みで公園や地域にネコがあふれるような状況が改善されたことについて評価いたします。ところが、応募したものの漏れてしまった場合には、ボランティアが費用負担をして、動物病院で不妊手術をしているとも聞きます。ボランティアの力で事業の埋め合わせをすることは、持続可能なものではありません。そこで、お聞きします。

エ 地域ネコ活動について、センターとボランティアの取り組みはどのようになっていますか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
動物保護指導センターでは、猫に関する苦情相談を受け、安易な餌やりなどに対する啓発・指導を行っております。
また、状況に応じ動物愛護推進員等ボランティアと連携し、地域猫活動の理解促進にも努めております。
さらに、センターの職員とボランティアがアイデアを出しながら、協働により人と動物が共に暮らすための啓発パンフレットを作成したほか、地域住民やボランティアによる勉強会へセンターの職員が出席するなど、連携した取組みを進めております。

 

ボランティアとの協働による啓発パンフレットについては、他の自治体からも問い合わせがあったほど、評判がよいと聞いています。今後も、協働の取り組みの充実を求めます。また、相談については、各区の地域振興課でも対応できればと考えます。地域の課題を早めに把握できれば、問題が小さいうちに対処することができますが、事が大きくなってからでは、捕獲するのも、ボランティアが一時保護をして、次の譲渡先を見つけるのも、大変なことになってしまいます。

さらに、譲渡後の飼育環境についても、センター自ら立ち入り調査をするなどして、動物の福祉の視点に立った取り組みを求めます。

なお、市では乳飲みネコを譲渡可能な大きさまで育てるミルクボランティアなど、ボランティアの育成も行っていますが、市民の協力を得ながらこの事業が定着してきたことを評価いたします。今後、市からの呼びかけで、さらに多くの場面で市民と連携する必要が出てくると思われますが、

オ 市民への啓発、動物の譲渡、防災の備え、地域ネコ活動、多頭飼育の防止、ふるさと応援寄付金など、市民と協働しながらパンフレットを作ったり、学習会をしたりすることについてどう考えますか。

(答弁)
(保健福祉局医療衛生部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
これまでも地域猫活動について、ボランティアとの協働によるパンフレットの作成などに取り組んでいるところです。
 動物に関する様々な課題を解決するためには、市民目線での啓発活動が重要であると認識しており、学習会は有効な方法であると考えております。
 今後も市民の皆様と協働しながら、動物愛護に関するさまざまな取組みを進めて参ります。

 

これは川崎市で作成された防災資料です。防災については市民の関心も高く、本市でも市民から「作成したい」との声があがっています。ぜひ、行政と市民ボランティアが協働しながら、市の施策をすすめていただけるよう求めます。

さて、冒頭でお話しした我が家にやってきたネコですが、仔ネコは新しい飼い主が見つかったものの、親ネコだけは残りました。その後、親ネコは我が家に楽しい雰囲気をもたらし、思春期で難しい時期の子どものこころを和ませ、家族同士の絆を深めるなど、なくてはならない存在となりました。この12年間、人と動物が共生することで、人も動物も幸せに暮らせることを実感しました。多くの市民が飼い主のいない犬や猫を譲り受けることで幸せな体験ができ、ボランティアさんにとってもすぐに譲渡先が見つかるような環境が、千葉市で実現するよう期待しています。今後も市民ボランティアと協働しながら、動物愛護の取り組みをすすめてくださるよう要望します。

続きまして、「臨海部の粉じん問題について」伺います。

2017年、臨海部に石炭火力発電所の新設計画が持ち上がりました。その際、住民から「未だ粉じんの問題の解決もできていないのに」との意見が寄せられました。2019年に事業者のJFEにより計画は撤回されましたが、粉じん対策の必要性が高まり、本市の環境審議会環境保全推進計画部会に大気環境保全専門委員会が設置されました。昨年度は、粉じんの主要な発生源を明らかにするため、過去の降下ばいじん調査結果の解析がおこなわれ、今年度は

(1)第1回大気環境保全専門委員会が8月24日に開催され、昨年12月に市に提出された「臨海部における粉じん対策について」の提言に基づき、千葉市の取り組み状況について報告がありました。ここでは、その概要についてお聞かせください。

(答弁)
(環境局環境保全部環境規制課)
(環境局長答弁)
本市の取組状況について、
・降下ばいじん調査地点について、本年4月から、緑区の  1地点を廃止し、中央区臨海部に1地点を追加したこと
・新たに降下ばいじんの個別成分のデータを公表するとしたこと
・事業者に引き続き自主的な取組みを図るよう協力を依頼 するとともに、取組みの効果の検証方法を専門委員会で 検討するとしたこと
・降下ばいじんに係る環境目標値について、令和3年度末に策定予定の次期環境基本計画に合わせ、見直しに関する 検討を進めていること
・引き続き降下ばいじん調査を実施すること
などを報告しました。

降下ばいじん調査地点について、
(2)本年4月から調査地点を追加していますが、その場所と理由についてお聞かせください。

(答弁)
(環境局環境保全部環境規制課)
(環境局長答弁)
臨海部における監視強化を図るため、原料等の堆積場から近く、かつ、マンションなどが立地している「中央区中央港」にある「千葉県立美術館」を調査地点として追加しました。

市の取り組みのほか、事業者の自主的な取り組みとして、GLOBO屋上、東京ガス、稲荷神社、福正寺、蘇我小学校
に新しい測定点を設けています。

(3)事業者が新たに5地点を選定した理由をお聞かせください。

(答弁)
(環境局環境保全部環境規制課)
(環境局長答弁)
市街地の降下ばいじんの詳細な状況を把握するため、 新たに5地点で測定を開始するとともに、既存の本市の 測定地点のデータも観察していく考えであると聞いております。 

 

有効な対策に結び付けるためには、被害の深刻なエリアにきめ細かく測定点を設置し、事業者の対策の効果がどの範囲に及んでいるのかわかるようにするべきではないでしょうか。今後、

(4)効果の検証結果で、降下ばいじんの削減が不十分であるとなった場合、更なる対策は求めないのか伺います。

(答弁)
(環境局環境保全部環境規制課)
(環境局長答弁)
現在、専門委員会において、検証方法を検討しているところです。
検証の結果によっては、必要に応じて事業者に更なる自主的な取組みを求めて参ります。

降下ばいじんに係る環境目標値について、見直しに関する検討をすすめるとのことですが、現在の月平均、年平均でなく、月に何日達成しているか、また、1日あたりの上限値を越えていないか、などの指標を要望します。月平均、年平均では基準値内であっても、南西の風が吹けば、1日であっというまにベランダや廊下が真っ黒になってしまいます。市民が生活を送る上で不便がないような指標を採用されるよう求めます。

最後に「ちば市政だより市民配布事業について」お聞きします。

ちば市政だよりですが、他市在住の方から「文字の大きさも余白の取り方も適切で見やすい」「タイトルがわかりやすい」など、お褒めの言葉を複数頂いています。また、市内すべての家庭に配布されており、多くの市民に情報を届けるという点では、貴重な手段となっています。現在、民間業者によるポスティングのほか、市民による配布も行われています。はじめに、

(1)市民配布事業の考え方と始まった経緯について伺います。

(答弁)
(市民局市民自治推進部広報広聴課)
(市民局長答弁)
市政だよりは、従来、主に新聞折り込みにより配布しておりましたが、新聞購読率の低下に伴う各世帯への到達率の低下が課題となっていたことから、到達率の向上を図るとともに、地域コミュニティの醸成・振興を図ることを目的として、平成23年9月からモデル事業を開始し、26年4月から事業化しております。

 

市民配布事業については、確実にすべての家庭に配布することに加え、地域コミュニティの醸成や振興も目的とされていることがわかりました。それでは、

(2)現在、何か所で市民配布事業が行われていますか

(答弁)
(市民局市民自治推進部広報広聴課)
(市民局長答弁)
市民配布事業として8つの地域で実施しており、配布世帯数は約4万7,000世帯で、本市全体の約1割となっております。

地域コミュニティの振興のために、さらに多くの地域がこの事業に参加できればと考えますが、これを配布することによって、地域が受け取る費用と配布の労力が課題となりそうです。そこで伺います。

(3)配布単価の推移についてはいかがでしょうか。

(答弁)
(市民局市民自治推進部広報広聴課)
(市民局長答弁)
市民配布事業の配布単価は、平成23年9月の事業開始当初は
8円で、その後、民間事業者による全戸ポスティングを開始した29年10月からは、その委託単価と同額の10.5円、昨年11月からは、消費税率の変更により10.7円となっております。
なお、本年10月から、全戸ポスティングの委託契約が更新されることに合わせ、9.8円となります。

事業を推進していく中で、各市民配布団体からは、様々な意見が寄せられているのではないかと思います。
また、これまで単価が上がってきましたが、ここで下がってしまいました。各団体には事前に説明をされたと聞いておりますが、

(4)各市民配布団体からはどのような意見が寄せられていますか。また、本年10月からの単価変更についての反応はいかがでしたか。

(答弁)
(市民局市民自治推進部広報広聴課)
(市民局長答弁)
各市民配布団体からは、配布作業を通じて団体内のコミュニケーションが活性化した、高齢者世帯などへの見守りを兼ねた活動になっているなどといった御意見が寄せられております。
また、本年10月からの単価変更については、1団体から、当該団体内の今年度予算を変更前の単価で決定している都合上、年度途中での単価変更は困る、との御意見をいただいております。

市民配布事業の目的は、民間事業者によるポスティングとは趣旨が異なります。これを別個の事業として考えて、単価を連動させることなく独自で設定することを考えてはどうかと思います。そこで、

(5)今後はどのように対応していくのか伺います。

(答弁)
(市民局市民自治推進部広報広聴課)
(市民局長答弁)
ちば市政だよりの市民配布事業については、各市民配布団体からの御意見を踏まえながら、引き続き適切な事業運営に努めて参ります。

この事業を活用して、地域コミュニティの活性化が図られるよう、市としての支援をお願いいたします。

これで、一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。