討 論

2020年7月29日(水)

市民ネットワークの松井佳代子です。
会派を代表して、議案第97号 令和2年度千葉市一般会計補正予算(第6号)および、議案第98号 令和2年度千葉市動物公園事業特別会計補正予算(第1号)について、賛成の立場から討論を行います。

2つの議案は国の地方創生臨時交付金、総額3兆円のうち、4月以降、本市に配分された71億8000万円の一部、42億円を活用して補正予算を組むものです。事業費約50億円のうち、本市が一般財源から拠出する額は3,967万5000円です。国からの財源を最大限生かしながら、多額の経費を必要とする事業に対し、本市らしい視点を生かして予算編成されたことについて、関係各局の提案に係るご尽力を評価いたします。以下、各事業に対する意見と要望を述べます。

はじめに、避難所の情報連絡体制強化について です。
これまで、指定避難所は、学校や公共施設など安全性が担保されている場所に限られていました。しかし、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえて分散避難を進めるため、一定の耐震強度があり、ハザードマップで安全性が確認された町内自治会の集会所、約400か所について、災害時の避難所として活用し、備蓄品を配備したり、防災システムで情報共有をしたりすることになります。それぞれの地域にはすでに町内自治会のほか、マンションや団地の管理組合、自主防災組織があり、避難所については、避難所運営委員会が立ち上がります。集会所で避難生活を送るための運営は、各自治会が担うことになりますが、自治会役員はすでに地域の避難所運営委員会や自主防災組織の委員として活動しているケースが多く、災害発生時にこれらの人々に過度な負担がかかることが予想されます。「自治会」「自主防災組織」「避難所運営委員会」「管理組合」など、それぞれの団体がスムーズに連絡・連携できるようにすることなど、早急に体制づくりの検討を始めてください。

次に、ふるさと納税を活用した地域コミュニティ支援について です。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けているNPO法人等の団体を支援するとともに、市民活動の底上げを図るため、ふるさと納税を活用して団体への新たな支援制度を創設するものです。市民ネットワークでは平成29年第1回定例会、および令和元年第3回定例会の一般質問において、ふるさと納税を活用した仕組みについて提案してきました。また、コロナ禍でNPO法人や地域で活動を行う任意団体等が厳しい運営状況であること、それぞれの団体が地域住民や支援を必要とする人たちへの活動を継続しようとご尽力されてきたことを聞き取り調査しており、今回の市民が直接団体を支援できる制度の創設について大いに期待するものです。手続きや審査方法については、支援を希望する認証NPO375法人について、応募の順に実績等を審査した上で、対象を決定し、その活動概要を市ホームページ等で公開するとのことです。厳しい振り分けをするものではないことを確認いたしました。なお、運営形態に関わらず、地域になくてはならない活動をしている団体は他にも存在します。今年度は、モデル期間として、NPO法人を支援対象としていますが、事業の検証を行った後、NPO法人以外の市民活動団体等へと対象を拡大することを求めます。

続いて、新しい生活様式の下での文化芸術活動の支援について です。
市内での文化芸術活動の再開を後押しする事業です。市の文化施設の利用料金が免除されたり、屋外イベントのチケット割引相当額の助成が行われたり、ライブハウス等について、動画配信に必要な物品購入やネット環境整備に係る経費が助成されるなどの支援が行われます。今後も、関係団体からの要望や市民の声を受け止め、コロナ禍で重大な影響を受けた文化芸術分野の振興のための施策を検討されるよう求めます。また、今回対象となるドライブインシアターに加えて、通常の映画館についても、感染症対策をとりながら営業する際の必要な支援を検討することを要望します。

次に、保健福祉局所管の新型コロナウイルス感染症対策について です。
PCR検査や抗原検査の検体採取によって、医師が新型コロナウイルス感染症に感染して診療所を休止した場合、診療所に対し、再開準備のための協力支援金が支給されます。この事業ですが、医師のみならず、診療所のスタッフが1人でも感染したら、診療所は休止せざるをえず、再開準備には同様の支援が必要であると考えます。協力支援金の対象範囲を拡大することを求めます。

また、保健所運営の効率化として、業務委託などの経費が予算化されます。これまで保健所では、状況に応じて応援職員数を増減する体制をとっていました。今後については、事態が収束する時期を見込むことは難しく、中長期的な対応が必要とのことで、業務を委託し、業務の効率化を図るとともに、動員職員も含め、必要な体制を確保していくとのことです。ただし、「市民向け電話相談窓口」など、委託ではなく、直営で実施したほうがよいと思われる業務も委託内容に含まれています。電話がかかりづらい、深夜は相談できない、電話がかかっても「かかりつけ医に相談してください」「明日病院へいってください」などのマニュアル対応では、困って電話をかけてきた市民をますます不安にさせてしまいます。電話相談については、市の情報が迅速に正確に伝わるよう、また、電話を受けたスタッフが市の担当部署に確実に情報をつなげられるよう、委託先のスタッフの教育も含めて体制づくりに取り組んでいただけるよう求めます。

続いて、中小企業者事業継続給付金支給事業について です。
国の持続化給付金や県の中小企業再建支援金給付の対象外となっていた事業者に対して、一律20万円を給付する事業です。創業から間もない、コロナ禍での減収が基準に満たないなど、給付条件を満たさなかった事業者について、事業の継続を後押しするものとなります。できるだけ多くの市民を置き去りにしない支援策として本事業を評価します。あらゆる手段で制度の周知を行って必要な人に情報を届け、確実に申請につなげることを求めます。

次に、ひとづくり応援講座等利用促進事業について です。
4月以降、需要が落ち込んでいる文化・教養・資格取得・スポーツ等の習いごと講座の需要回復のきっかけを作り、また、事業者の事業継続への支援や新たな需要を創出するため、受講料金の割引相当額を助成するものです。できるだけ多くの事業者が、感染対策を講じながら講座を提供し、市民に多様な選択肢を提供できればと考えます。平成27年度に実施した「ひとづくり応援カタログ」事業では、市民が選べるメニューが少ない・周知や利用期間が短いことなどが課題でした。周知活動が重要であると考えることから、前回の反省を踏まえ、講座を提供する事業者募集のための周知に力を入れること、また市民に広く情報提供し、利用を呼びかけることを求めます。

続いて、在宅保育支援給付金事業について です。
在宅で祖父母等、市内在住の3親等内の親族が、3歳未満の児童を保育するにあたって、給付金を支給する事業が新たに始まります。保育園等に通う児童と異なり、日常的な保育に係る公的な給付がないことを考慮し、本事業を開始するとのこと。新型コロナウイルス感染症を心配する保護者へ新たな選択肢を提示するほか、保育需要の抑制、保育士不足への対応、保育費用の抑制などに繋がることを期待しているとのことです。ただし、実施にあたっては、保育中の事故に対応するための保険のこと、在宅保育期間が終了した後の保育所入所のこと、保育者が不測の事態などで保育できない場合の対応、一時保育の利用など、さまざまな課題もあります。

実際に、祖父母が孫の保育を手伝っている家庭に聞いてみると、月1万円という金額については、「孫の面倒を見るのは結構大変。副食やおやつ代にもなるかどうかという値段。他の用事に出かけられない事を考えると祖父母の負担に見合わない」「いまは、働いている祖父母世代も多いので、月1万円では、需要は少ないのではないか」また、「市境に住んでいると、親が近所にいても他市に住んでいる場合は使えない」との意見もありました。
この制度の利用申請が、予想を下回る結果だった場合、実際に働く親と祖父母の実態に即した対応策を、しっかり検討することをお願いしておきたいと思います。

また、多くの自治体では類似事業が「在宅子育て給付金」のように、すべての子育て世代を対象に実施されており、「就労」をはじめ、保育が必要であるとの条件をつけて給付金を支給している自治体は、富山県黒部市など数えるほどしかありません。市民ネットワークではこれまで「子育てと介護は社会の仕事」と訴えてきただけに、今回の事業が「子育ては家庭で担ってください」とのメッセージを本市が発してしまうのではないかと危惧しています。基本は保育所での保育ですが、あくまでも、選択肢の1つとしての提示であることをしっかりと伝えてください。

続いて、児童相談所の体制強化について です。
保護者の新型コロナウイルス感染により養育者が不在となった要保護児童等について、児童相談所の一時保護所の受入体制を強化するものです。以前、保護者が感染した場合、子どもを誰が見るのかと不安に感じる人の声がマスコミでも取り上げられていました。そうした不安を解消するためにも、体制を市でも準備していることを、保護者に対して広く発信してください。

また、今回、一時保護児童が学習等に利用するため、インターネットに接続できるパソコンを整備するとのことですが、携帯電話等での外部との接触を絶たれている保護児童が、インターネット接続できるパソコンを使うことに関してはリスクがあると考えます。常に大人の目がある状況で利用するなど、安全なインターネット利用のための配慮を要望いたします。

続いて、学校の感染症対策の強化について です。
3密対策として、全校集会などを各教室で行うための映像発信設備を設置すとのことですが、コロナ禍で考えられたこの仕組みを、今後有効活用していくためにはどのようなソフトを発信していくかが重要です。教職員や児童生徒のアイデアを生かして、学校ごとに特色ある情報発信ができるよう、映像を使った企画を誰もが提案しやすい体制を学校内につくることを求めます。

続いて、小中特別支援学校特別教室エアコン設置についてです。
新型コロナウイルス感染症対策として、特別教室を使用した分散授業の実施や、避難所として分散収容等を行うため、理科室、家庭科室、美術室等の特別教室にエアコンを設置するものです。児童生徒の学習環境を整える意味からも、本事業を評価いたしますが、さらに、自校給食の学校については、給食室にもエアコンを設置することを求めます。スポットクーラーがあるとしても、職員にとっては、暑さで過酷な状況になります。給食室の改修時にエアコン設置をすすめるとのことですが、それまでの期間にどのように対応していくのか、早急な検討を求めます。

続いて、図書館のICT化について です。
千葉市の図書館15館すべてで、インターネット上の資料検索・収集など、学習機会の充実が図れるようWiFi環境が整備されます。複合施設の一部として設置されている図書館もあり、建物全体でWIFIが利用できれば、本事業を行う必要はないと考えますが、現時点では、そこまでは行われていないのが実情です。そこで、WIFIスポットを整備することにより、図書館に足を運ぶ人が増えるという面では評価できます。まずはこれが第1歩です。令和3年度以降、コミュニティセンターなど指定管理者の新たな選定時には、全館にWIFI整備を行うことを必須とするよう、市の予算措置を求めます。さらに、誰もが、資料検索や収集ができるようにするには、端末の整備も必要です。今回については、端末の貸し出しはせず、スマートフォンやタブレット端末など個人の携帯端末などを使って、利用していただくとのことですが、保護者のスマートフォンしか使える端末がない場合、子どもたちだけで図書館に来ても調べ学習ができません。図書館での端末の貸出について、今後の状況やニーズを調査し、対応を考えることを求めます。

最後に、議案第98号 令和2年度千葉市動物公園事業特別会計補正予算(第1号) 動物公園感染症対策事業についてです。
動物公園での集客の回復を図るため、感染症対策等を行うとのことです。今回、園内の主要なトイレ12カ所41基の手洗い水栓をセンサー式に改修すると伺っています。感染症対策にはこまめな手洗いが重要となりますが、園内にはトイレから遠い場所にある遊具もあり、来園者が手を洗いたくてもすぐに洗えなかったという声を聞いております。今後、トイレ以外の場所にも手洗い場を設置し、さらなる感染症防止対策をすすめることを要望いたします。

今後も交付金などを有効に活用して、市民のための施策に迅速に取り組んでいただけるよう求めつつ、市民ネットワークの討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

 

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