討 論

2019年12月17日

市民ネットワークの岩崎明子 です。会派を代表いたしまして
市長提出議案のすべてに賛成の立場から、発議第15号、第16号については反対の立場から討論を行います。
以下、賛成いたします議案の幾つかについて意見を申し上げます。
初めに、
1.議案第175号 専決処分についてのうち
(1)被災者支援事業のなかから、
  @被災した住宅の応急修理と
  A被災者住宅補修緊急支援についてです。
令和元年台風15号、19号及び10月25日の大雨により大規模半壊、半壊、一部損壊の被害を受けた住宅に対し、修理費用を支援し早期復旧を図るものです。一部損壊の住宅については損壊割合が10%以上の場合は工事費を上限30万円まで支援し、10%未満の場合には工事費の20%につき上限30万円まで支援することとされています。
今回の度重なる自然災害では、本当にたくさんの方が被害を受けました。制度の対象となるすべての方に、必要な支援がきちんといきわたるようにしなければなりません。そのためには、被災者が支援制度の情報をもれなく入手できること、また市が被害の程度と件数を正確に把握することが必要です。
支援を受けるためには罹災証明の発行が必要であることを、使える限りの方法でも周知すること、また可能な限り速やかな罹災証明の発行と支援の開始を要望いたします。
次に同じく議案第175号 専決処分についてのうち(2)農業者支援についてです。
令和元年台風15号による本市の農業被害額は、農業施設で4億1330万円、農畜産物で4億3520万円と甚大であったため、農業用ハウス等の再建や撤去経費助成、長期停電による農産物被害の損失補償、収入保険制度の加入促進のため初年度掛け金の助成を行い、被災した農業者の経営再建と継続を支援するものです。
農業者はもともと、その年の収穫が自然に大きく左右される、というリスクを負っているとはいえ、今回の被害は想定の範囲を超えていたものと思います。市でもできる限りの支援をということで考えられた制度であると理解しております。
先ほども申しましたが、対象となる方へ情報が行き届かなければ、せっかく用意された支援制度を利用することができません。まずはホームページやSNS、紙媒体など使える限りの手段によって情報発信を行い、被害を受けた農業者に確実に情報を届けることを求めます。
また、農業用ハウス等の再建・修繕、撤去には、大量の廃棄物の発生が伴います。災害に乗じて不適切な処理が行われないよう、農業者へ処理方法についてきちんと情報提供するよう求めます。
自然災害や農産物の価格の低下などで収入が減少した場合、その一部を補償する「収入保険制度」へ加入するための、初年度掛け金を助成するとのことですが、議案質疑に対するご答弁によりますと、掛け金についての負担感以外で、農業者が保険加入に踏み切れない要因に「青色申告が必須であること」や「他の共済などとの同時加入ができないこと」がありました。市が初年度の掛け金を助成したとしても、収入保険加入へのハードルはまだまだ高いと感じます。今回のような自然災害で大きなダメージを受けても、農業者が離農せずこれからも安定的に千葉市で生産を続けていくためには、さらに他の施策も検討するべきではないでしょうか。
市は農業の集約化や効率化で収益を上げることで、若い世代が続けたくなる農業を目指していると伺っていますが、例えば消費者との交流や野菜の味の良さの追求、環境に配慮したオーガニック栽培などにやりがいを見出す農業者もいます。そうした効率化ではない部分への、技術的支援や制度的な後押しについても、今後も取り組んでいただくことを要望いたします。
次に
議案第176号 令和元年度千葉市一般会計補正予算(第6号)
(1)総合流域防災事業費についてと、議案第180号 令和元年度千葉市下水道事業会計補正予算(第2号)のうち(1)浸水対策について、関連がありますのでまとめて意見要望を申し上げます。
令和元年10月25日の大雨により発生した浸水被害を踏まえて、避難行動の目安となる河川の水位情報を提供するため、坂月川に水位計を設置し水位情報システムを構築、また坂月第2調整池に、水位計と警報装置を設置するものです。
今回の台風や大雨では、今まで想定していた以上の暴風や大雨により、予期せぬ停電や浸水、土砂崩れが発生し、尊い命が失われました。今後の減災のために、今まで水位計がついていなかった坂月川や、坂月第2調整池に水位計がつくのは一歩前進です。しかし、千葉県が管理する河川への水位計や監視カメラ等の設置は、まだまだ進んでおりません。また土砂災害防止法では、土石流やがけ崩れなどの危険のある場所を「警戒区域」に、特に危険の大きいところを「特別警戒区域」に指定しますが、千葉県では遅れていることも問題です。早急に指定を進めることも合わせ、県に要望を届けることを求めます。
今回の台風では、停電によって電気機器が使えなくなることにより、ポンプが動かず断水になるなど、想定外の被害がありました。水位計や警報装置においても、停電時の対策を行うことで、市民への情報提供を絶やさず、適時避難行動がとれるようにすることを要望いたします。また、坂月川の水位計のデータはインターネットで公開している「千葉市防災ポータルサイト」でリアルタイムに情報を確認できるとのことですが、インターネットを利用していない市民もたくさんいます。そうした方々へも避難を判断する元となる情報をタイムリーに届けられる方法を検討していただくことを求めます。

次に議案第176号 令和元年度千葉市一般会計補正予算(第6号)のうち
(2)千の葉の芸術祭開催負担金について です。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせ、新たな文化プログラムとして「千の葉の芸術祭」を開催するため、必要な経費を予算計上するとともに、債務負担行為を設定するものです。
この文化プログラムは新たな取り組みであるため、いかに市民や来訪者の興味関心をひくか、会場に足を運んでもらえるようにするかが大事なポイントとなります。
今までにないくらいの積極的な広報戦略が必要です。
広報を民間事業者に委託するとのことですが、ポスターやチラシなど従前の広報媒体以外にも、動画やテレビ、ラジオ等を活用することで、見た人が足を運びたくなる広報の取り組みを求めます。
また、こうした大規模な文化芸術プログラムを、一度きりで終わらせてしまうのではなく、千葉市の特色ある文化事業として、何らかの形で継続していくべきです。そのためには市民がお客様になるだけではなく、自分たちが参画して作り上げたと実感できる取り組みが必要です。現在ある実行委員会のメンバーのほかにも、市民団体や教育機関などとも連携することを要望します。
例えば市政100周年行事とも連動したプレ・イベントとして、子どもが参加できる写真撮影講座を開催したあと、作品を公募し、写真展会場に展示されるようにするなど、子どもが関わる企画と組み合わせれば、大人の来場者も大勢見込めるのではないでしょうか。市民が「見る」だけではなく「参加する」文化事業にし、オリンピックイヤー後にもレガシーとして継続していくことを求めます。

次に議案第176号 令和元年度千葉市一般会計補正予算(第6号)のうち
(3)小学校エレベータ設置事業について です。
子ども一人ひとりが、安心して学校生活を送れる様にするためには、トイレの洋式化やエレベータなどのハード的な整備も必要です。エレベータを必要とする子どもがその学校に入学する前に、整備を終えていることが理想ではありますが、入学後に必要になる場合や、転入してくる場合は即時の対応が難しいこと、設置までの間は所属する学級の配置を工夫することや、教職員が介助を行うなどで対応していることは理解いたしました。
今回は入札不調により小学校6校のエレベータ設置が遅れるとのことですが、今後エレベータを必要とする児童生徒がいる学校、また入学する予定がある学校には、早急に整備を進めていただくことを求めます。

次に、
議案第183号 千葉市病院事業の設置等に関する条例及び千葉市休日救急診療所条例の一部改正について です。
診断書等の交付にかかる手数料の上限額を3300円から5500円に改定するものです。市立病院の経営改善のため様々な見直しを行う中で、今回診断書等の交付にかかる手数料の改定を行うとのことですが、消費税の引き上げを除き、市立病院では34年間、休日救急診療所では26年間、現在の金額で徴収してきたということについては、もっと早い時期に見直しが行われるべきだったと感じます。
例えば死亡診断書は税込み1100円だったものが3850円となるなど、大幅な値上げと言わざるを得ません。診断書等の書類作成に手間がかかることは理解できますが、生活困窮者等にとっては負担が大きいものです。医療ソーシャルワーカーなどが相談に応じているとのことでしたので、対象者にきちんと説明し、場合によっては減免措置も検討することを求めます。

次に、
議案第185号 千葉市営住宅条例の一部改正について です。
市営住宅条例にあった保証人に関する規定を削除し、入居申請時に保証人を立てる必要がなくなります。過去に保証人が立てられず、入居を断られた方にとっては、なぜもっと早く制度を変えられなかったのかと感じることでしょう。今後は保証人を立てる代わりに、緊急連絡先を登録しておき、家賃を滞納した時の督促や、未収金が退去後に本人から徴収できないときの連絡をおこなうとのことです。身寄りがなく、緊急連絡先を頼める人を探せない方へも、連絡先を紹介するなど丁寧に対応すること、また家賃の滞納や、未収金が退去後に徴収できない場合も、不納欠損とならないような取組を要望いたします。

次に
議案第187号 指定管理者の指定について(千葉市ハーモニープラザ) と
議案第189号 指定管理者の指定について(千葉市中央区蘇我コミュニティセンターハーモニープラザ分館) について、関連がありますので合わせて意見要望を申し上げます。
千葉市ハーモニープラザの指定管理者を千葉市ハーモニープラザ管理運営共同事業体に指定し、千葉市中央区蘇我コミュニティセンターハーモニープラザ分館の指定管理者をFunSpace・オーチュー共同事業体に指定するものです。この2施設は同じ建物のなかにあり、2つの指定管理者が各々を管理運営することになります。
いままでハーモニープラザの貸室だった諸室が、コミュニティセンターの分館になるため、利用者が増えることが予想されます。現状でも駐車場の混雑が課題となっていますが、今後、近隣の民間駐車場との契約を検討しているとのことですので、早期に利用者の利便性を向上させるよう要望いたします。
また、男女共同参画センターについてはかなりの面積縮小となります。センターが主催する講座は積極的に外部施設で行っている現状をみますと、もはや男女共同参画センターがこの場所にありつづける必要はないのではないかと考えます。将来的には、相談で利用する方の利便性を考慮し、JR千葉駅周辺などに移転することも検討していただけるよう求めます。

次に、
議案第190号 指定管理者の指定について(千葉市美術館ほか1施設)についてです。千葉市美術館と市民ギャラリーいなげの指定管理者を、非公募で公益財団法人千葉市教育振興財団に指定するものです。千葉市美術館の企画展などは市外在住者からも人気が高く、展覧会の企画など専門性の高い事業の継続性を重視するために非公募で指定管理者を指定することについては理解いたしました。
旧神谷伝兵衛稲毛別荘が隣にあり、現在は市民サークルなどの発表の場としても使われることが多い市民ギャラリーいなげですが、美術館と一緒に管理運営することで職員の交流や研修が充実し、専門性が高まる、また、利用者の利便性や利用率の向上を目指した施策が期待できる、とのことです。その立地や建物の特徴を活かしながら、今後も市民に親しまれるギャラリーとして活用されることを期待しますが、施設のバリアフリー化が難しいという課題もあります。高齢者や車椅子などの方への配慮がさらにすすむよう要望いたします。

次に、
議案第191号 指定管理者の指定について(千葉市中田都市農業交流センター)についてです。千葉市中田都市農業交流センターの指定管理者を、非公募で中田市民農園管理運営組合に指定するものです。都市部と農村部の交流を進めるためには、地元の組合が管理運営することに意義があることから、非公募での指定については理解いたしました。しかし、指定管理者の中田市民農園管理運営組合は、農業者を中心とした組合員10人で構成され、その平均年齢は70歳とのことです。農業従事者全体の高齢化が課題となっているなか、農業交流センターの事業を少なくとも5年間、安定的に継続していけるのかという懸念があります。今後、若い世代へ交代していけるよう、千葉市から組合へ働きかけることを求めます。また、下田農業ふれあい館が東京情報大学の学生と連携して、新商品の開発や店内装飾の見直し、イベント時にスマートフォン操作相談コーナーの開設などを行ったように、中田都市農業交流センターでも学生との連携ができるよう、市が仲介することを要望いたします。

次に、
議案第192号 指定管理者の指定について(千葉市少年自然の家)についてです。
少年自然の家の指定管理者を、千葉YMCA・伊藤忠アーバンコミュニティグループに指定するものです。今まで15年間PFI事業で運営してきた施設を、令和2年の4月から指定管理にするため、公募により指定管理予定候補者が決定しました。少年自然の家では今後、児童生徒だけでなく大人の団体や個人利用もできるようになります。新たな利用者層を受け入れ、施設の稼働率を上げつつも、児童生徒の健全育成のための施設であることを重視し事業を行うことを要望いたします。また、様々な立場の委員から意見を聞いて運営に生かす「事業運営協議会」の開催を継続し、事業運営の方向性を定期的に確認することを求めます。

次に
議案第193号 指定管理者の指定について(稲毛海浜公園花の美術館ほか3施設)についてです。稲毛海浜公園花の美術館、稲毛記念館、海星庵、野外音楽堂の指定管理者を一括して、潟潤[ルドパークに指定するものです。稲毛海浜公園では現在、潟潤[ルドパーク連合体との官民連携で施設のリニューアル事業をすすめているところでもあります。今回は指定期間を3年間とし、段階的に事業を民間に移行していくとのことです。令和5年度から民間運営に移行する、公園施設のリニューアル事業の進捗状況や、新しい施設の供用開始となる時期などについては、市民の関心が高いところです。指定管理者と連携し、市民への情報提供を適切に行うことを強く要望いたします。

次に
発議第15号千葉市成年後見制度の利用を促進するための条例の制定については、成年後見人制度のさらなる利用を進めたいとの提案者の含意は理解いたしました。しかし、積極的な周知啓発と既存の制度活用により、利用促進が図れるものと判断いたしますので、現段階での条例制定には賛成しかねるとの結論に達しました。

最後に、発議第16号・千葉市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正についてです。
この発議は、議員の期末手当の支給月数を0.05月分引き上げるため、条例の一部を改正しようとするものであります。
職員の給与については、千葉市人事委員会の勧告に基づき一般職の給与改定を行うとともに、特別職の期末手当の引き上げなどが、「議案第181号 市職員の給与に関する条例の一部改正について」として提案されました。
しかしながら、市長、副市長をはじめとする特別職のほか、一般職の管理職は、脱・財政危機宣言が解除となった現在でも、給与のカットを行い、財政健全化に向けて身を切る態度を市民に示し続けています。それに対し、千葉市議会議員は、平成22年4月1日から平成23年4月30日、平成23年7月1日から平成27年3月31日まで、議員報酬を5%カットしていたものの、現在は報酬のカットはしておりません。その上、今回、市長等特別職の期末手当の支給月数と同様に改定するとの提案を、自ら行おうとするものです。
市民は、公金の使い道に対し、厳しい視線を向けています。複数の地方議会で政務活動費の使い方が問題になったこともあり、今、議員の報酬を増やすことに対する市民理解は得られないと考えます。また、議員だけで決めるのではなく、第三者の意見を聴取した上で増額の根拠を示すべきです。例えば岩手県の北上市議会では「議会と議員の活動のあり方から検討する 議員報酬・定数について」と題し、市民の方々と議員定数や報酬に関して、ワークショップ形式の意見交換を行い、議員報酬の5万円増額、定数が現状維持の結論に至った、という事例もあります。よって、市民ネットワークは発議第16号に反対いたします。

以上で、市民ネットワークの討論を終わります。

 

 

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