討 論

2019年9月19日

市民ネットワークの松井佳代子です。はじめに、台風15号の影響で、本市でも多くの方が被災され、今も大変な思いをされている方が大勢おられます。ご心労やご苦労はいかばかりかと存じます。今後の情報提供の方法や支援のあり方について検証し、生活再建に向けての取り組みを議会でも着実にすすめていきたいと考えております。

それでは会派を代表して、議案第129号・子どもの医療費の助成に関する条例の一部改正について反対の立場から、その他の議案については賛成の立場から討論を行います。

なお、発議第11号・千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例の制定については、「市民生活の安全の確保及び生活環境の保全のため」との趣旨は理解できるものの、本条例案は事業者による市への届出及び市長による指導、勧告、改善命令、公表などの規定に留まり、近隣住民が期待するような「事業の不許可」や「撤退命令」などの罰則規定は定められていません。喫緊の課題を解決できるような仕組みではなく、その効果に疑問があることから、賛同しかねると判断いたしました。

さて、議案第129号ですが、子どもの医療費助成について、条例を一部変更し、現行は無料である保険調剤薬局での自己負担額を、年齢や学年に応じて設定するものです。0歳から小学校3年生の場合、1回につき300円、小学校4年生から中学校3年生の場合、1回につき500円を自己負担とする内容です。保護者の立場で見た場合、薬局へ行くたびに300円ないし、500円を支払うことになるため、通院時の自己負担額と合わせ、現在の倍の支出となります。特に中学生の世帯では、通院1回につき自己負担額は500円、そして新たに薬局で500円の負担が生じ、影響は大きいといえます。

今回、院内処方の医療機関では、診療と処方調剤が同一のレセプトにより会計処理されており、制度改正に対応するには、レセプトシステムの改修や窓口での事務負担の増加が見込まれることから、対象外としたとのことです。院内処方の医療機関は小規模なところが多く、またその数もはっきりしておらず、医薬分業の方向性から考えると今後、減少が見込まれます。しかしながら、今回の制度変更によって、院内処方の医療機関に子育て世帯が集まってしまうのではないか、本市においては医薬分業に逆行する流れをつくってしまうのではないかとの懸念があります。

また、保険診療については、国の制度で0歳から就学前までは自己負担2割、それ以降は大人同様3割負担となっていますが、子ども医療費制度で、市と県によって、自己負担の一部が助成され、平成30年度実績では、医療保険の負担割合が77.8%、子ども医療費助成の割合が市費と県補助金を合わせて19%、保護者の自己負担割合が3.2%となっています。今回の制度変更によって、保護者の自己負担割合は、1.7ポイント増の4.9%となり、市費による助成額は2億2,100万円の減となる見込みです。しかしながら、本市の子どもに係る医療費の総額は156憶2,000万円であり、制度全体をこの変更で「持続可能」なものにできるとは言い難い状況です。

市民ネットワークでは、世界でも類を見ない国民皆保険制度を、将来的に持続可能なものにしていくことの重要性を認識し、いずれかの段階において全世代それぞれが、自己負担の見直しをせざるをえないことは十分承知しております。

また、平成31年3月末現在、本市の子ども医療費助成制度の総受給者数は124,480人で、このうち、市民税所得割非課税世帯により自己負担額が無料とされている受給者数は11,027人です。この制度において、自己負担額がゼロの世帯は1割弱です。さらに、子どもに関する他の公費負担制度として、国の制度である生活保護法による医療扶助や小児慢性特定疾病医療支援事業、本市において独自に実施している「母子及び父子家庭等の医療費助成制度」及び「心身障害者医療費助成制度」があります。このように、世帯や子どもの状況に応じて、自己負担のさらなる軽減が行われる制度がいくつか存在していますが、そのような状況にあっても、今回の変更については、多子世帯への配慮がなく、また、病院へ頻繁にかかることの多い、0歳から3歳未満の子どもも一律に1回300円としていることから、提案内容としては議論が不十分であると判断いたしました。

今年8月現在、20政令市中4市(京都市、神戸市、岡山市、熊本市)で、通院受診の際の保険調剤について、すでに自己負担のしくみを設けているとのことです。制度設計については、各自治体により異なりますが、0歳から2歳まで、3歳以上、中学生以上など、年齢や学年の区切り方に工夫が見られました。

本提案内容の見直し及び引き続きの検討を求めたいと、教育未来委員会において、継続審査を申し出ましたが、賛成少数により否決されたため、原案には賛同しかねるとして、反対の立場をとりました。原案について、市民に対して十分な事前説明もせず、また、意見聴取等も行われていない段階での議決は拙速であると言わざるを得ません。引き続き、慎重な審議を求めます。

次に、議案第117号・令和元年度千葉市一般会計補正予算(第3号)のうち「受動喫煙対策事業費について」意見を述べます。

本市では市民の健康増進を図るために、さまざまな受動喫煙対策に取り組んでいますが、子どもを受動喫煙から守る取り組みとして、若葉区の小学4年生を対象に、尿中コチニン検査をモデル事業として実施します。同様の取り組みは、埼玉県熊谷市において、平成19年度から実施されており、受動喫煙防止と保護者の禁煙実行に効果があったと伺っています。

タバコを吸わないようにするための「喫煙防止教育」ですが、学習指導要領では小学校6年生と中学校3年生で指導すると定められています。今回は、若葉区全域の小学4年生、1,104人を対象に尿中コチニン検査をした後、早い段階で煙を防ぐための教育「防煙教育」をすべてのクラスで実施するとのことです。学習にあたっては、学校現場の負担がないよう、資料の作成や学習指導案の提示など工夫されるよう求めます。

また、検査結果ですが、子どもの代謝や体質の違いによって、親が喫煙者であっても、尿中コチニンが検出されなかったり、逆に親は喫煙していなくても、喫煙者の多い場所に子ども自身が出入りしてしまったために、検出される場合もあるとのことでした。この検査が正確に保護者の喫煙状況を反映しているとはいえませんが、結果によっては、子どもが「親のせいでこんな結果になってしまった」などと親を責めてしまったり、逆に親が「どうして煙を吸ったのか」などと子どもを叱ったりすることにもなりかねません。親や子に過剰な不安や心配をかけてしまう恐れがあることから、親子関係のフォローや心理的なケアについては十分に配慮いただけるよう求めます。

続いて、一般会計補正予算のうち「介護医療院転換整備補助事業費」についてです。

介護医療院への転換整備に係る補助金を活用し、介護療養型老人保健施設から介護医療院への転換意向があったことから、市内の一事業者に対して、介護医療院の整備助成を行うとの事業内容です。介護医療院は、日常的な医学管理を必要とする方が生活の場として長期間入所するための機能を持った入所施設となっています。

医師等の医療職が他の施設と比べて手厚く配置されるほか、安定した長期生活を過ごすため、パーテーション等で入所者同士の視線等を遮断するなどプライバシーに配慮した設備を備えるとのことです。今回の施設整備については、8,137万円全額が千葉県介護施設等整備事業交付金によって助成されます。高齢化社会の更なる進展に伴い、本市でも、介護老人保健施設の入所者のうち在宅復帰が困難な状態にある方や、特別養護老人ホームの入所者のうち医療ニーズの高い方などの実態を調査し、施設側の意向も踏まえながら、介護医療院への転換整備を着実に進めていくことができるよう要望します。

続きまして、一般会計補正予算のうち「公立保育所管理運営経費について」と議案第132号・千葉市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正についてです。

公立保育所・公立認定こども園に通う3歳以上児、すなわち2号認定児童の副食費について、徴収月額を 5,160円と設定し、10月から徴収するものです。

現在、公立保育所・公立認定こども園では、保育料に副食費が含まれており、3歳以上児はごはんもしくはパンなどの主食を、その日の副食すなわちおかずに合わせて持参しています。今年10月からの幼児教育・保育無償化の実施に伴い、これまで保育料の一部として徴収していた、2号認定児童の副食にかかる食材料費の実費を徴収することとされたことから、本市においても所要の額を計上するとのことです。

副食にかかる食材料費として、公立保育所においては、厚生労働省の給与栄養目標量を踏まえた給食提供を行っており、2号認定児童副食費1食当たりの実費相当額は現状で258円となっています。この単価に、1月当たりの給食提供日20日を乗じて、月額5,160円とされたとのこと。また、副食費の徴収免除の対象範囲は、年収360万円未満相当の世帯及び全階層の第3子以降で、本市においては、2号認定児童の約2割が免除対象となる見込みとのことです。

免除対象となる児童については、1人につき国から月額4,500円が交付されます。これは国の副食費の単価であり、この金額を月額徴収金額として設定する自治体が多いと聞いています。しかしながら、千葉市の設定は660円上回っています。

5,160円という金額設定について、自治体によって「実費相当額」が違うことから、今後、誤解につながるのではないかと危惧しています。国の副食費の交付単価を徴収金額とする自治体が多数である場合、本市には10月以降、他の自治体と比べて副食費が高いとの声が届く可能性があります。

実費相当額を徴収することで、給食に質の高い安全な食材を使用したり、各園が創意工夫した給食を提供したりすることも可能となります。そのようなメリットを広く市民に理解いただけるよう、丁寧に説明をし、情報発信につとめられるよう求めます。

続いて議案第135号・千葉市職員の配偶者同行休業に関する条例等の一部改正についてです。

配偶者の転勤に伴い同行する休業及び育児休業による休業が複数年となる場合において、安定的な代替職員を確保するため、任期付職員に係る規定を整備するものです。現時点で、配偶者同行休業および育児休業の代替職員は、加配による正規職員の配置以外は、1年ごとの契約による臨時的任用職員や非常勤職員が配置されています。

市民ネットワークでは昨年10月に「2019年度予算編成に対する要望書」を提出し、その中で、「学校講師の再契約については、希望に応じて同一校、同一学年の勤務が可能になるよう配慮すること」を提案しました。講師の先生方が、同じ学校で新年度も勤務できることは、学校にとっても、子どもたちにとってもメリットが大きいと考えます。今回の規定の整備は、前進と受け止め、評価をするものです。

今回は教育委員会からの議案提出です。しかしながら、本条例案が施行されることにより、本市職員全体に関わる条例改正となり、市長部局も、配偶者同行休業の代替職員として、任期付職員を活用することができるようになります。市民に対する継続的なサービスの提供といった観点からも今後、保育士をはじめ他の職種の職員が、配偶者同行休業等を取得した際に、代替職員として、任期付職員の活用を検討していただけるよう要望します。

最後に、議案第144号・工事請負契約(千葉市中央図書館・生涯学習センター空調熱源改修工事)についてです。

平成12年5月に建物が竣工してからはじめての大規模な空調熱源改修工事となります。今年10月、工事に着手し、来年12月に竣工、令和3年1月には全面運用開始の予定です。施設を運営しながらの施工を条件として発注しており、工事のために中央図書館・生涯学習センター全館を閉館することはないとのこと。また、機器自体の効率が向上していることから、従来のものと比較して2割から3割程度の省エネが図れるとのことです。

約20年前の機器が新しいものになることから、省エネは必然的に図られることになりますが、建物全体についても、エネルギー効率の高い環境対策を検討されるよう求めます。また、学校のエアコン設置工事と作業内容が重ならないよう工程を組めることを確認しており、工期には問題ないと考えておられるとのことですが、それぞれが重要な工事ですので、支障がないよう進捗管理されるよう求めます。

以上で市民ネットワークの討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

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