平成30年第4回定例会 一般質問

2018年12月13日

松井かよ子

一般質問をおこないます。はじめに

1. 石炭火力発電所建設計画と粉じん被害について

です。中央区蘇我地区の石炭火力発電所の新設計画ですが、2020年工事着工、2024年運転開始予定で、2017年から2019年の3年間の予定で環境影響評価、すなわち環境アセスメントがおこなわれています。環境アセスメントには3つの段階がありますが、2016年12月から2017年1月にかけて、第1段階である「配慮書」への意見募集が行われ、本年1月から3月にかけては第2段階である「方法書」への意見募集がおこなわれました。これら「配慮書」や「方法書」に対しては、「粉じん」被害についての意見が多く寄せられました。スライドをご覧ください。住民の方に粉じんを見せていただきました。清掃と清掃の間、24時間でたまった粉じんがそれぞれ袋に入っています。3袋、3日分あります。マンションの廊下側約7mの範囲だそうです。はっきりとわかる黒い粉を目の当たりにすると、ベランダの洗濯物が黒く汚れてしまうこともよくわかります。この状況の改善がされないまま、石炭火力発電所が新設されることは納得のいくものではありません。温室効果ガスの増加による地球温暖化の問題に加え、現在の足もとの大気汚染問題にも向き合う必要があると考えます。そして、本年7月、千葉市環境審議会環境保全推進計画部会の中に大気環境保全専門委員会が設置されました。この委員会について、第三回定例会の市民ネットワークの岩崎議員の一般質問に対し、設置の意義は「効果的な粉じん対策を検討していただくため」との答弁がありました。そこで「効果的な粉じん対策」とは何か、

@ 大気環境保全専門委員会の設置目的及び終着点について  お聞きします。以下、自席にて質問を続けます。

(環境局環境保全部環境規制課)

(環境局長答弁)

平成27年度から実施している粉じんの全市的な調査の結果について、粉じんの量や成分の地域的な特徴の解析を行い、効果的な粉じんの低減対策などについて検討していただくことを目的に設置し、最終的には専門的な見地から具体的な対策について提言をいただくことを考えております。

 

この委員会の目的は「粉じんを減らす対策を検討すること」で、終着点は「具体的な対策について提言をいただくこと」と理解いたしました。今年、方向性を決め、来年、解析および結果報告が提出される予定と聞いています。公開の委員会ですので、広く傍聴の呼びかけをしてくださるよう要望すると同時に、原因の特定により近づき、粉じんの苦情をなくすことができるよう提言内容に注目してまいりたいと考えています。

それでは本市の粉じんを減らす取り組みについてお聞きします。第三回定例会の岩崎議員の一般質問に対して、粉じんを発生させていると考えられる蘇我地区の事業者に対して、本年4月から立ち入り検査を強化し、粉じんが住宅側へ飛散しやすい気象条件時を中心に、8月末までに、大気汚染防止法に基づく立ち入り検査を8回、環境保全協定に基づく立ち入り調査を県と合同で2回実施しているとのご答弁がありました。また、立ち入りにおいて、発じんが認められた際は、直ちに散水を実施させるとともに「散水頻度の強化」や「改善策を講じる」よう書面で指摘するなど、粉じんの飛散防止を図ったとのことです。そこで

A 粉じんの立入検査のチェック項目と立入検査の手順について お聞きします。

(環境局環境保全部環境規制課)

(環境局長答弁)

粉じんの立入検査においては、大気汚染防止法に基づく届出内容と実態との整合や、同法で定められている構造並びに使用及び管理に関する基準の遵守状況を確認しており、具体的には、原料堆積場において、散水設備による散水や発じんを防ぐための薬剤散布の実施状況などを目視により確認しております。
また、立入検査の手順としては、本市の担当職員2人程度が、事業所の従業員とともに、届出対象の施設を現場で確認する こととなります。

立ち入り検査のチェック項目やその手順については、ホームページなどでは公表されていないとのことですが、法律に基づく届出内容に従って実施されているとの理解をいたしました。それでは、検査の結果、問題があった場合の改善方法についてお聞きします。

B 改善すべきと指摘された事項をどのように継続的に記録し、監視していくのでしょうか。

(環境局環境保全部環境規制課)

(環境局長答弁)

立会者に、指摘事項を含め立入検査結果を伝えるとともに、記録を保存しております。
指摘事項があった施設については、改善状況の確認のため、繰り返し立入検査を実施しております。

改善すべき事項については、継続的にチェックをし、市によるフォローを要望します。続けて、環境保全協定についてお聞きします。2010年、2015年と細目協定の見直しがおこなわれています。5年毎であれば、再来年に

C 環境保全協定の細目協定が見直されると思いますが、その場合、粉じんについて市はどのように考えていますか?

(環境局環境保全部環境保全課)

(環境局環境保全部環境規制課)

(環境局長答弁)

県・市及び事業者との三者で締結している「環境の保全に関する細目協定」につきましては、5年ごとに改定を行っており、2020年に改定を予定しております。
粉じんにつきましては、現在締結している細目協定において、飛散防止に努めることなどの「粉じん対策」を盛り込んでいるところです。
改定に際しては、中央区臨海部において、降下ばいじんが、市内周辺部より高い状況であることから、更なる対応を三者で協議したいと考えております。

環境保全協定については、県や事業者に対して市の考えをはっきり伝え、より効果のある協定見直しとなるよう求めます。なお、細目協定に入っている粉じん対策は、大気汚染防止法にかかる粉じん発生施設から出る粉じんやその他の発生源の粉じんの飛散防止に努めるとされており、降下ばいじんの測定については、項目に入っていません。これを追加していただけるよう要望します。

さて、蘇我地区ですが、過去に深刻な大気汚染があり、裁判も行われました。スライドをご覧ください。宮城県仙台市は、2017年12月1日付けで新指導方針を発表しました。「杜の都・仙台のきれいな空気と水と緑を守るための指導方針」として、市域内のさらなる石炭火力発電所の立地については自粛するよう求めるとしています。本市でも、事業者の意向だけでなく、市の姿勢を示すべきと考えますが、

D 石炭火力発電所の立地について、市の見解はいかがでしょうか?

(環境局環境保全部環境保全課)

(環境局長答弁)

市内で計画されている石炭火力発電所については、環境影響評価手続きの中で、大気、水質、自然環境などの学識経験者で構成する千葉市環境影響評価審査会の専門的見地を踏まえた上で、可能な限り環境負荷を低減すること等の市長意見を述べたところです。
今後も、環境影響評価手続きにおいて、厳しい姿勢で削減対策が確実に実行されるよう事業者に求めて参ります。

仙台市の指導方針の背景ですが、仙台港周辺で石炭火力発電所の建設が相次ぎ、周辺環境への影響を懸念する声が上がっている状況を踏まえ、立地抑制策として策定されたものです。指導方針は任意の制度ですが、これに応ずるか否かにより「事業者の環境負荷に対する姿勢」が厳しく問われるものと考えているそうです。計画されている発電所の規模は違いますが、同じ政令市の姿勢として、この方針を高く評価したいと思います。

最後に、粉じんの被害に悩む市民は、身近な生活環境の改善を望んでいます。気象条件で粉じんが住宅側に降り注ぐ可能性がある場合は、花粉情報などのように洗濯情報を出し、「今日はベランダに洗濯物を干さないでください」などの警告を発してもよいのではと思います。市のホームページや「ちばし安全・安心メール」を活用して、検討いただけるよう要望します。

次に

2. 高原千葉村閉所後の自然教室について

質問いたします。群馬県みなかみ町の高原千葉村ですが、昭和48年の開設以来、多くの市民や子どもたちに親しまれてきました。しかし施設の老朽化などに伴い、

@ 今年度で高原千葉村は閉所されることになり、来年度、中学2年生の自然教室は2つの施設を利用する予定となっています。このことについて、中学生の保護者を中心に疑問の声が寄せられました。スライドをご覧ください。これら2つの施設、群馬県の国立赤城青少年交流の家と福島県の那須甲子青少年自然の家について、選定経緯はどうだったのか、お聞かせください。

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

「自然を生かした様々な体験活動を実施し、生徒の心身とともに調和のとれた健全な育成を図る」という自然教室の目的を踏まえ、
・自然に囲まれ、充実した体験活動が可能なこと
・施設の設備が充実しており、400人以上の収容が可能であること
・宿泊費や移動時間が高原千葉村と同程度であること
という観点から平成28年12月に4つの施設を候補とし、その後の調査で受け入れ可能性や移動時間などを確認し、29年5月に2つの施設を候補としました。

スライドをご覧ください。平成28年12月に候補となった4つの施設です。すべて国立の施設です。1と3が来年度利用予定の2つの施設です。候補から外れたのは、2 静岡県御殿場の国立中央青少年交流の家 と 4 長野県伊那市高遠の国立信州高遠青少年自然の家 となっています。国立施設の予約は、前年度までに利用実績のある団体が優先団体とされており、とくに 2の静岡県は人気が高く、年間を通して予約が入っており、新たな団体がまとまった期間に予約を取ることが難しい状況とのことでした。また、4の長野県の施設については、高原千葉村に比べ移動時間が長く、千葉村のように、千葉から生徒を乗せてきたバスを使用して帰りの生徒を乗せて千葉に戻るというピストン輸送が難しく、財政的に厳しい状況とのことでした。

次のスライドをご覧ください。これは2011年12月時点の放射線量を示す地図です。福島第一原発から漏れた放射線は、北関東一帯に広がっており、利用予定の2つの施設、1の赤城と3の那須甲子は放射線量が高く、外れた2つの施設 2の静岡県と4の長野県は低い値となっています。そこで、伺います。候補地の選定に際して、

A 国立以外の施設の可能性はどうだったのでしょうか。また、生徒や保護者の意見を聞いて決定したのでしょうか。

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

千葉県内外の県立施設についても検討しましたが、本市の 小学6年生が農山村留学で県内の各施設を利用していることや、他県の施設は、収容人数が少なく、生徒数の多い中学校を受け入れることができない等の理由から候補とはなりませんでした。
利用施設の選定の際、生徒や保護者からのご意見は直接聞いておりませんが、候補の選定においては、平成28年度に校長会役員会や、教務主任、養護教諭等、学校現場の教職員を交えた体験学習推進会議での協議を踏まえ、総合的に判断して、29年度にこの2つの施設に決定しております。

生徒や保護者の意見は直接聞いていないが、「体験学習推進会議」で協議されたとのこと。教育委員会内部での検討に留まっていたとの理解をいたしました。各学校では、保護者に対して「利用予定施設の説明と、それに対するご意見」と尋ねるアンケートが中学入学後の自然教室説明会で行われ、突然の提示にさまざまな反応があったと思われます。そこで、

B いずれの候補地も放射能汚染を心配する声がありますが、2つの施設が立地している地域の現在の空間放射線量についてはどうでしょうか。あわせて、土の除染が行われたかについても伺います。

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

空間放射線量については、原子力規制委員会の調査によると、本年12月7日現在、国立那須甲子青少年自然の家の測定ポイントは毎時0.082マイクロシーベルト、国立赤城青少年交流の家の付近にある県立赤城公園は毎時0.038マイクロシーベルトであり、両地域とも、国が除染の目安としている基準値の毎時0.23マイクロシーベルトを下回っております。
土の除染については、赤城青少年交流の家では行っておりませんが、那須甲子青少年自然の家については、独立行政法人により自主的に一部除染を行ったと聞いております。

スライドをご覧ください。原子力規制委員会のサイトでは、モニタリングポストの測定結果が随時公開されています。国立赤城青少年交流の家に近い県立赤城公園は、12月7日現在、毎時0.038マイクロシーベルトとのご答弁がありましたが、12月10日には毎時0.037マイクロシーベルトとなっています。次のスライドをご覧ください。那須甲子青少年自然の家の玄関前に大きな松の木があり、その下が測定ポイントです。12月7日現在、毎時0.082マイクロシーベルトとのご答弁でしたが、12月10日には毎時0.067マイクロシーベルトでした。いずれも、環境省の基準値以下です。

また、那須甲子青少年自然の家では、本館から離れているキャンプ場付近について、ホットスポットがあったため除染をし、その土については、施設から10キロメートル以上離れた西郷村の仮置き場に仮置きしたとのことです。

原子力規制委員会、施設がある前橋市や西郷村、施設の法人がそれぞれ放射線量の測定や除染に関わってきましたが、それでは、

C 本市独自の放射線量の測定は行ったのでしょうか。行ったのであれば、その結果はどうであったか、お聞かせください。スライド

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

利用施設選定時には、両施設が立地している地域では、指定基準を下回っておりましたが、平成28年10月の体験学習 推進会議において、那須甲子青少年自然の家の施設環境については、保護者の心配も懸念されるという意見があったことから、28年11月に教育委員会職員が、施設内、スキー場、ハイキングコースも含め、施設周辺16か所において空間放射線量を測定しました。その結果、いずれも国の基準を大幅に下回っておりました。

スライドをご覧ください。スキー場や那須甲子施設内、キャンプ場内について、空間線量の測定をされています。地上から50cmの高さで、空間放射線量測定器を使用しての測定ですが、スキー場の線量は入り口で0.09マイクロシーベルト、草地で0.13マイクロシーベルトとなっています。那須甲子施設内は、雪のために屋外の施設はほとんど使用できないのですが、第1スキー場で0.08マイクロシーベルト、宿泊棟B棟付近で0.11マイクロシーベルトとなっています。さらにお聞きします。

D 現地で食事をとると思いますが、米を含めた食材の安全性について懸念の声があります。いかがでしょうか スライド

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

両施設で使用している食材は、一般に流通している国の安全基準を下回っている全国各地の食材を使用しており、これは、関東近辺の他の青少年教育施設等でも使用されています。
なお、那須甲子青少年自然の家の米については、全量全袋 検査を経た福島県産米を使用していると聞いております。

スライドをご覧ください。国立の施設に入っている食堂の事業者が、4つの施設で使用する食材をまとめて仕入れているとのことです。産地には千葉や海外も含まれていて、福島の施設でも、静岡の施設でも、同じ食材を使用しているそうです。スライドをご覧ください。米については、地元の福島県産を使用していますが、「ふくしま恵み安全対策協議会」による全量検査がおこなわれています。識別番号を入力すると検査結果が出てきます。検査した米は基準値をクリアしたものしか出荷していないとのことです。

スライドをご覧ください。11月6日、放射能測定室しらベルのスタッフとともに、群馬県国立赤城青少年交流の家に行き、放射線量の測定をしてきました。宿泊棟から飯盒炊さんをする場所、そして、集会などで利用する「つどいの広場」にかけてずっと歩いて線量を測定してみましたが、測定値はすべて基準値0.23マイクロシーベルトを下回っていました。また、スライドをご覧ください。11月16日、しらベルのスタッフと会派の岩崎議員とともに福島県那須甲子青少年自然の家に行き、放射線量の測定をしてきました。こちらは雪の季節の利用とのことで、宿泊棟周辺と歩くスキーのコースを中心に、測定をしましたが、こちらも測定値は基準値以下となっていました。雪の季節は放射線が雪で遮断されるため、さらに線量が低くなることが予想されます。

しかしながら、教育委員会としては、保護者に汚染マップを提示したり、汚染の実情を知らせたりして候補地の選定をしたのではないとのこと。福島と聞いてびっくりする方がいることと、子どもたちの心身に影響があることなので、保護者への丁寧な説明が必要であったと考えます。そこで伺います。来年度実施の自然教室について、

E 保護者にどのように説明をされたのでしょうか

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

平成29年9月に全中学校長、10月に各学校の担当職員を対象とした自然教室実施計画説明会を実施し、利用施設の概要やプログラムの例、宿泊費用、空間放射線量、今後のスケジュール等の説明を行いました。
実施計画説明会の際には、両施設を利用する生徒が入学する、30年度当初に保護者会等で説明を行い、利用施設を決定するよう各学校に依頼しております。

昨年秋に各学校に説明をし、今年春に各学校から保護者に説明をされたとのことですが、どの資料をつかって保護者に説明するかはそれぞれの学校にまかされていたとのこと。したがって、教育委員会の測定結果などが提示されなかった学校もあると考えられます。逆に、保護者から学校を経由して教育委員会に寄せられた相談は把握されていないとのことで、

F 保護者からの声が教育委員会に届いていないのではないか との思いがあります。このことについてお聞きします。

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

各学校では、保護者会等で利用施設の概要等について説明する中で、保護者のご意見を十分にお聞きし、必要に応じて、手紙や直接の説明などにより、対応していると聞いております。

今回は、保護者の意見を教育委員会に届けるよう呼びかけをされなかったとのことで、中学生の保護者の中には、学校に意見を伝えても、何も変わらなかった。教育委員会にどうして声が届かなかったのだろうなどの疑問を抱く結果となってしまいました。不安や疑問を解消することができなければ、子どもたちを気持ちよく自然教室に送り出すことができない保護者の気持ちも十分わかっていただきたいと思います。

それでは、来年度に予定されている自然教室の概要についてお聞きします。

G それぞれの施設を利用する市内中学校の数はどれだけありますか。また、利用時期とそれぞれどのようなプログラムがあるのでしょうか。

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

2019年度の施設利用については、各学校の希望どおり 赤城青少年交流の家30校、那須甲子青少年自然の家25校となりました。
利用時期とプログラムについては、赤城青少年交流の家は、概ね10月下旬から12月上旬の利用であり、ハイキング、飯盒炊飯、グループで課題を解決する赤城アドベンチャープログラムなどが用意されています。
那須甲子青少年自然の家は、1月から2月の利用であり、スキー体験のほか、スノーシューハイキングや雪像づくり、プレイホールでのキャンプファイヤーなどのプログラムが用意されております。

赤城においては、紅葉の季節を中心に施設およびその周辺でのプログラムが、那須甲子においては、雪の時期にスキー場に行ったり、屋内でのキャンプファイヤーをしたりなどの活動ができることがわかりました。高原千葉村に比べると、いずれも施設の規模が大きく、大規模校であってもスキー体験ができるなどのメリットがあることもわかりました。それでは、生徒たちの動きについてお聞きします。

H 生徒が事前に活動したり、現地で自主的に活動したりする場面はあるのでしょうか。

(教育委員会学校教育部保健体育課)

(教育次長答弁)

自然教室の実施にあたっては、各学級の代表生徒で構成する実行委員会において、目標やスローガンを決め、活動内容について話し合うなど、生徒が主体的に準備を進めております。
現地での活動については、自然を生かした様々な体験活動を中心に、生徒が選択できる複数のプログラムの設定や、生徒が自主的に運営する活動を多く取り入れるなど、各学校で工夫しております。

自然教室の実施にあたり、生徒たちが主体的に関わる場面を用意して、できるだけ教育効果があがるよう、先生方がご尽力されていることがわかります。子どもたちの一生の思い出にもなる自然教室だけに、生徒や保護者の疑問や不安が払拭されるよう、質問や意見に対しては、丁寧に対応していただきたいと思います。

最後に2点要望を述べます。1つ目は、自然教室については、多様な選択ができるような実施方法を探っていただけるよう要望します。中学2年生の自然教室は、希望制ではなく、全員参加が前提となっています。多様な行き先、プログラムが用意されていなければ、参加が難しい場合もあります。特に雪の季節の実施は、雪に関わること以外の活動が難しく、雪が嫌いな子どもや寒さが苦手な子どもにとっては、厳しい状況になります。屋内でのプログラムへの参加や近隣施設への見学など、子どもが主体的に選べる活動を用意していただけるよう求めます。2つ目として、来年度の自然教室の実施に際しては、新しいやり方になることを踏まえ、終了後に生徒、保護者、学校に対してアンケート調査をおこない、当事者の声をしっかりと拾い上げていただけるよう要望します。その調査結果を踏まえて、できるだけ早い時期に実施場所の見直しをしたり、計画に変更を加えたりして、だれもが納得のいく形での実施を求めておきます。

続きまして

3.共生社会への理解と尊重に向けて

お聞きします。現在、私たちをとりまく社会は大きく変化しています。多様な背景を持つ人たち、さまざまな事情を抱える人たち、支援が必要な人たちなど、自分とは異なる他者への理解を深め、1人1人の権利が尊重される社会をつくっていく必要があると考えます。本市は2020年オリンピック・パラリンピックの開催地でもあります。言語も文化も社会的な立場も違う人たちが共に生きる「共生社会」への理解と尊重をより一層進めていくために、4つの観点からうかがいます。まず1つ目は

(1)あんしんケアセンターでの相談体制について

です。スライドをご覧ください。外国人の居住者が多い美浜区高洲・高浜地区ですが、日本語が不自由な高齢者からの相談もあんしんケアセンターに寄せられています。おもに、医療機関などから紹介され、退院後の生活支援など、介護保険の利用についての説明から始まるケースが多いそうですが、

@ 日本語が不自由な高齢者が紹介された場合、どのような対応をしていますか。

(保健福祉局地域包括ケア推進課)

(保健福祉局高齢障害部介護保険管理課)

(保健福祉局次長答弁)

あんしんケアセンターに、日本語の不自由な高齢者が相談に来られる場合は、現在のところ、通訳のできる家族や知人の方が同席されるケースがほとんどであり、その方に通訳をしていただき対応をしております。
また、要介護認定の訪問調査の際には、家族など、本人の日頃の状況がわかる方に同席していただくことを基本としているため、その方との日程調整を行い、通訳も含めてお願いしております。
なお、通訳のできる同席者が誰もいない場合には、必要に応じて、千葉市国際交流協会に通訳を依頼することもあります。

介護保険についての説明から始まり、要介護認定の訪問調査、ケアマネとの契約・打合せ、介護事業所との契約、ヘルパーやデイサービスの利用など、日本語が不自由な高齢者が介護保険を利用するにはいくつものハードルがあります。社会の仕組みである介護保険制度の利用が、家族の事情によって左右され、結局、ハードルを乗り越えることができずに、利用を断念してしまうケースもあると考えられます。なお、市が毎年発行している「介護保険」のパンフレットですが、翻訳されておらず、他の自治体の外国語版パンフレットをあんしんケアセンターの窓口に用意しているとのことでした。そこでお聞きします。

A 国際交流協会で、介護に関する通訳を派遣したり、市の介護保険に関するパンフレットを翻訳したりすることはできますか。

(総務局市長公室国際交流課)

(総務局長答弁)

千葉市国際交流協会では、市や区の所管課での対応が難しい場合には、依頼を受け、通訳派遣の日時や交通費、翻訳内容など、ボランティアの活用を含めた諸条件を協議し、調整のうえ、支援することができます。

通訳派遣や翻訳について、いつも対応できるとは限らず、調整ができた場合のみ支援が可能と理解しました。翻訳については現在、言語別の「生活支援ガイドブック」が毎年改訂され、その中で介護保険制度の概要が説明されています。今後、必要に応じて、介護保険など個々の案内パンフレットの翻訳支援もできるよう要望します。また、スライドをご覧ください。高洲地区のクリニックの張り紙です。「日本語が話せない方の診察、検査はできません。」とあります。日本語が不自由な外国人が通訳を伴わずにクリニック受診を希望する場合、高いハードルとなってしまいます。介護保険の利用に際しては、医師の意見書も必要です。

今後、家族に頼ることができない高齢者も増えてきます。介護保険の利用に際しては、日本語が不自由であっても、あきらめてしまうことなく、当事者に寄り添った支援ができるよう要望いたします。

次に、

(2)マタニティマークについて

お聞きします。スライドをご覧ください。街中でよく見かけるマタニティマークですが、厚生労働省が作成し、全国で使われるようになったそうです。そこで伺います。

@ 本市ではマタニティマークをいつからどのように配布していますか。

(保健福祉局健康部健康支援課)

(保健福祉局次長答弁)

本市では、平成19年4月から、シールタイプのマタニティマークを作成し、保健福祉センター健康課等で、妊娠届出を受けて母子健康手帳を交付する際に配布を開始し、同年9月からは、ストラップタイプに変更して配布しております。

マタニティマークができてから、すでに10年以上が経過し、妊婦やその家族、また同世代の人たちには広く知られてきたと考えます。しかしながら先日、美浜区の方からJR京葉線内での出来事を聞きました。優先席の前にやってきた高齢の男性が、座っていた若い女性に向かって「どうして若いのに座っているのか、席を譲らないのか」と文句を言う場面に遭遇したそうです。その女性はマタニティマークを見せたそうですが、高齢の男性はマークを知らなかったようで、美浜区の方が「妊婦さんですから」と気遣いをされたとの話でした。そこでお聞きします。

A 市民や事業者(交通機関)に対する周知・啓発はどのように行ってきたのでしょうか。

(保健福祉局健康部健康支援課)

(保健福祉局次長答弁)

市民の皆様に対しては、市政だよりや市ホームページにおいて、マークの図柄、意味及び目的を掲載し、周知・啓発を行っております。
また、中学生を対象に実施している健康教育において、マタニティマークも含めて、妊娠中の女性への配慮の必要性についての啓発を行っております。
さらに、交通機関などの事業者に対しては、国が鉄道事業者等へ協力を依頼し、各事業者が駅で希望者へマタニティマークを配布しているほか、構内でのポスター掲示や優先席へのマタニティマークステッカーの掲示などにより、妊婦への配慮を広く呼び掛けております。
本市としましても、マタニティマークについて、あらゆる世代に十分認識されるよう、引き続き周知に努めて参ります。

さまざまな場面で周知啓発をされていることがわかりましたが、どれだけ表示があっても、マークがまったく目に入らない方もいる可能性があります。そこで提案です。スライドをご覧ください。マタニティマークは

B 各自治体独自でステッカーを作成したり、市の名前を入れたりすることが可能とのことです。子育てにやさしい環境であることを、本市がアピールするのに広くこのマークを利用してはどうでしょうか。

(保健福祉局健康部健康支援課)

(保健福祉局次長答弁)

マタニティマークは、全国共通のマークとして広く周知されることにより、どこの地域であっても同じように認識され、妊婦に対する配慮が行われるよう作られているものであるため、マタニティマークにあえて本市の名前を入れることは考えておりません。
本市としましては、マタニティマークの普及・啓発を引き続き行うとともに、妊娠届出時からの丁寧な関わりにより、子育てにやさしい街としての環境を整えて参りたいと考えております。

マタニティマークは妊婦の周りの人たちだけでなく、広く社会に知られなければ、今回のような残念なトラブルが起きてしまいます。高齢化が進展し、優先席をめぐっては今後、トラブルが増えることも考えられます。引き続き、普及啓発にしっかりと取り組まれるよう要望します。

続いて、

(3)夜間中学について

お聞きします。スライドをご覧ください。千葉県で唯一の公立夜間中学がある市川市立大洲中学校の案内看板です。先の臨時国会では、外国人労働者の受け入れに関する出入国管理法の改正をめぐって、日本における外国人の労働環境や生活、教育などに注目が集まりました。特に教育については、日本語教育のあり方や学校に行っていない外国人の子どもたちの問題などさまざまな課題が提起されています。そこで伺います。

教育機会確保法に基づき、本市でも今後

@ 多様な学びの場を整備していく必要があると考えられます。本市の現時点での課題と方向性についてお聞かせください。

(教育委員会学校教育部学事課)

(教育次長答弁)

様々な理由から学校へ行くことのできない学齢期の児童生徒の多様な学びの場として、本市では、適応指導教室や教育相談指導教室等を設置し、児童生徒の支援にあたっています。
しかしながら、民間のフリースクールにおいて、本市の児童生徒を受け入れている実績があり、重要な役割を果たしていることから、連携のあり方が課題となっております。
また、現在、学齢期を過ぎた方からの、学び直しについての相談は多くありませんが、夜間中学の存在が広く知られていない可能性があることも考えられます。
このようなことから、今後、フリースクール等の教育支援団体との連携について研究を進めるとともに、夜間中学についての情報を市ホームページに掲載し、周知に努めて参ります。

昨年、第四回定例会の一般質問で「多文化共生について」を取り上げ、その中で多様な学びの場である「夜間中学」についてもお聞きしました。「国の動向を注視していく」とのことでしたが、本年10月からは美浜区内で自主夜間中学の取り組みもスタートしています。スライドをご覧ください。そこで本市として

A 夜間中学についてどのように考えているのか お聞きします。

(教育委員会学校教育部学事課)

(教育次長答弁)

義務教育段階の普通教育に相当する教育を十分に受けていない方の学びの場として、自主夜間中学の取組みが始められたことは誠に意義深いことであると認識しており、今後の活動を注視して参ります。

自主夜間中学ですが、スタートの夕方5時半前には、人が集まってきます、外国人で日本語を学ぶ必要のある生徒、不登校であったけれども、今は勉強をしたいと考える生徒、これまで教育を受ける機会がなかった高齢の生徒など年齢もニーズもさまざまな生徒がいます。受付で用紙が配布されますが、
・ 「氏名」「住所」「母語」などの漢字が読めない
・ ルビがあっても意味がわからない
・ 漢字は読めるけれど意味がわからない
など個々に応じた対応が必要であることもわかりました。それに応じて教室も分ける必要があり、教材も多種多様なものが必要です。そこでお伺いします。自主夜間中学を含め、

B 多様な学びの場における、場所や教材の支援など、市の見解についてお聞かせください。

(教育委員会学校教育部学事課)

(教育次長答弁)

多様な学びの場の確保にあたっては、そのニーズも含め、民間団体等との連携が必要であることから、自主夜間中学の 主催者等との情報交換により、活動状況を把握するとともに、どのような支援を望んでいるかを確認して参ります。

京都市の洛友中学では、不登校の特例校と夜間中学を一体的に開設し、それぞれよい影響が出ているとのことです。適応指導教室も同じ建物にあるそうです。また、自主夜間中学についても、北九州市のように場所の提供があったり、補助金が交付されたりするなど自治体の関与もさまざまです。前向きに検討いただけるよう要望致します。

国では12月3日に夜間中学とフリースクールの合同議員連盟が開かれたそうです。また、フリースクールと夜間中学と不登校対策を一体的に検討できるよう、12月17日に「夜間中学設置推進・充実協議会」「不登校に関する調査研究協力者会議」「フリースクール等に関する検討会議」が合同で開かれるそうです。今後、国の動向を見ながら、本市でも多様な学びの場が整備されるよう求めます。

最後に

(4)市立高等学校改革と国際バカロレア課程導入について

質問します。
現在、市立千葉高等学校は理数教育、市立稲毛高等学校は英語教育に力を入れており、高校受験生からも人気が高く、良い評価を受けている学校との印象がありますが、

@ 本年度の学校教育審議会において市立高等学校改革が審議されています。その背景や改革の方向性についてお聞かせください。

(教育委員会学校教育部教育指導課)

(教育次長答弁)

両市立高等学校は、人口の増加や高等学校への進学率の上昇という量的な変化への対応として、市立千葉高等学校は昭和34年に、市立稲毛高等学校は54年にそれぞれ開校しました。
その後、国における高等学校教育の制度改革を受けて、平成  19年度に、市立千葉高等学校では進学重視型単位制を導入し、市立稲毛高等学校では併設型の附属中学校を開校させ、中高一貫教育に取り組んできたところです。
また、26年3月には「千葉市立高等学校改革の評価・検証」を取りまとめ、両校をより魅力ある高等学校にするために、さらなる改革の検討を進めてきました。
今年度、千葉市学校教育審議会に、市立高等学校改革の方向性について諮問したところであり、市立千葉高等学校は、地域の  中核的な拠点としての役割を果たすため先進的な理数教育を充実、発展させることについて、また、市立稲毛高等学校・附属中学校では、中高一貫教育の特性をさらに生かすため中等教育学校へ 移行することについて、それぞれ検討を進めているところです。

稲毛高等学校・附属中学校では、中等教育学校の開校を目指しており、2022年度から中学1年生を2学級増やして4学級・定員160名に、高校1年生は2学級減らして6学級・定員240名とし、段階的に高等学校の定員を削減していくとの案が出ています。スライドをご覧ください。

A 稲毛高等学校と附属中学校について、高校入試を廃止し、中等教育学校へ移行するとのことですが、その目的と考え方についてお聞かせください。

(教育委員会学校教育部教育指導課)

(教育次長答弁)

現在、市立稲毛高等学校・附属中学校では、教育課程の特例を生かした柔軟な教育課程の編成により教育活動を行っていますが、附属中学校からの内進生と高等学校からの外進生との間で、学習進度の違いが生じているなどの課題があります。
そこで、市立稲毛高等学校・附属中学校における中高一貫教育の特性をさらに生かすために、現在の併設型中高一貫教育校から、中等教育学校への移行を検討しているところです。

中学からの内進生と高校からの外進生との間で、学習の進み具合に違いがあるので、これから先は内進生だけにして、6年間みっちりと進学のための教育をしたい、よい大学に合格できる進学校にしたいとの意図が見えてきます。市立高等学校改革の方向性(素案)では、資料として「志願倍率」や「4年生大学現役合格者数」が出されています。同時に、「これまでの英語教育、国際教育をさらに充実させる教育環境づくりを推進」とも記載されています。それでは、

B 稲毛における中等教育学校で目指すのは、「進学重点校」なのか「グローバル人材養成校」なのか、その方向性はどうなのか、お聞きします。

(教育委員会学校教育部教育指導課)

(教育次長答弁)

市立稲毛高等学校・附属中学校では、少人数指導や外国人講師を活用した指導などにより、自ら発信し、行動できるグローバル・リーダーの育成を目指して参りました。
今後は、中等教育学校では、全ての生徒に対して6年間継続した指導を行う中で、生徒の発達段階に応じて、身近な地域からグローバルな課題についての課題解決型学習の充実を図るなど、新たな視点を取り入れたグローバル・リーダーの育成を目指して参ります。

6年間同じ顔ぶれの閉鎖的な教育環境で、本当にグローバル・リーダーが育成できるのか疑問があります。また、稲毛高校が高校から生徒をとらないことになれば、市内で中学生が選択できる高校が1つなくなることになり、その影響も大きいと考えられます。高校入試をやらないデメリットを上回る教育内容がなければ、市民や受験生が中等教育学校に理解を示すとは思えません。むしろ、公立中学校から高校へ進学する道をしっかり確保することが公立学校の役割であると考えます。

それでも真剣にグローバル・リーダーの育成を目指すのであれば、これからの千葉市に必要なのは、進学重視の中高一貫教育ではなく、多様性のある、世界に開かれた学びの場ではないでしょうか。

C スライドをご覧ください。日本語が不自由であっても、安心して学び、海外の大学へ進学できる場、公立学校でありながら日本人が海外大学へチャレンジできる場、地域の外国人の子どもたちが進学先として目指すことができる場として、国際バカロレア課程の導入を視野に入れてはどうでしょうか。国際バカロレアInternational Baccalaureate(IB)ですが、スイスに本部を置くNGOが認定する初等中等教育のプログラムで、日本の高校段階に当たるディプロマ・プログラム(DP)の修了者には、世界各国の大学への入学資格が認められています。もともとは国をまたいで保護者が転勤をするインターナショナルスクールにおいて、国や言語が変わっても、一定レベルの教育が受けられるようにとの考えではじまった教育課程です。平成30年4月現在、国際バカロレアの認定を受けている学校は、世界150カ国以上の国・地域において約5000校あり、日本では6月時点で認定校が83校、候補校が51校あります。政令市でも、札幌市立開成中等教育学校がすでに導入しており、来年春開校するさいたま市立大宮国際中等教育学校でも、認定に向けての動きがあります。そこで、国際バカロレアについてどのように考えるか、お聞かせください。

(教育委員会学校教育部教育指導課)

(教育次長答弁)

国際バカロレアについては、海外大学の進学資格としても活用されており、評価されている制度です。一方、資格を取得するための試験に係る保護者負担が生じることや、授業の予習のための時間が多く必要となることから、他の資格取得や国内の大学に進学する際には、準備の時間の確保ができないことなどの課題があると認識しています。
なお、市立稲毛高等学校では数は少ないものの、例年、海外の大学への進学を志望する生徒がおり、そのような生徒の進路ニーズに応えることも大切と考えていることから、国際バカロレアについて研究して参ります。

先日、2015年に国際バカロレア課程を導入した東京都立国際高等学校の授業公開に行ってきました。ここは高校からの募集で1年生の4月か9月に入学する生徒を対象に、定員のうち最大25名がこの課程に在籍します。2018年春に初めての卒業生が出ましたが、海外では、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、香港、オランダ、ドイツの大学にそれぞれ合格者が出たそうです。また、国際バカロレアを活用した日本国内の大学入試も増えていて、国内の大学にも数名の合格者がいました。授業は共通言語が英語、そして一部の授業は日本語ですすめられ、特に国語の授業は、日本の高校相当の国語のクラスから、日本語が母語ではないクラスまで、レベルに分かれて少人数指導もおこなわれていました。

国際バカロレアの使命として「多様な文化の理解と尊重の精神を通して、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的とする」ことがあります。これを受けて、国際バカロレアが目指す10の学習者像がスライドにある人物像です。すなわち、探求する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションができる人、信念をもつ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスのとれた人、振り返りができる人です。IBの学習者像を掲げたポスターが校内にも貼られていました。グローバル・リーダーの育成を目指すのであれば、日本人も外国人も切磋琢磨できるような環境が必要ですし、この教育に対応する教員の養成も必要です。英語に力を入れる教育をするのではなく、英語をつかって教育をする心構えが必要です。幸い、稲毛高校には少人数指導に対応した教室もあり、施設の改修をおこなえば、カリキュラムに十分対応できるのではないかと考えます。

また先日、幕張インターナショナルスクールに話を聞きに行ってきました。幼稚園、小学校だけのインターナショナルスクールですが、6割近くの子どもが千葉市に在住しているそうです。ところが、小学校卒業後は多くの子どもたちが、東京や神奈川に転出してしまうとのことでした。千葉でもグローバルな視点を持ったこどもたちを育成したいとの願いをもって、10年前に開校したインターナショナルスクールですが、魅力的な中学校の受け皿がないことも理由の1つのようです。もし、千葉市に国際バカロレア課程を持つ学校が設置されれば、進学先の有力な選択肢の1つになるに違いありません。

今後、市立高校で学んだ卒業生が、全員日本の有名大学へ進学していく千葉市がよいのか、それとも卒業生が日本の大学はもとより、母国の大学をはじめ、海外の大学へ進学して、世界につながる千葉市になっていくのがよいのかが問われます。私自身は、千葉市にゆかりのある人たちが世界各地でつながることで、今後の広がりが生まれると考えます。高洲・高浜地区にはたくさんの外国人住民がいます。地域に住む外国人の人たちともつながる高校になり、地域の課題解決に高校生が積極的に関わることになれば、まちづくりの観点からも評価される学校になります。これから30年後、50年後、100年後の千葉市のあるべき姿を見据えて、市立高等学校改革の方向性を議論していただけますよう要望いたします。

これで一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。