討論

2018年9月19日

松井 かよ子

市民ネットワークの松井佳代子です。会派を代表して市長提案の議案に賛成の立場から、発議第9号については反対の立場から討論をおこないます。

はじめに、議案第85号 平成30年度千葉市一般会計補正予算のうち、

  1. 危険ブロック塀等改善補助事業費についてです。

本年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震で、ブロック塀の倒壊により小学生の命が奪われる大変痛ましい事故が発生しました。本市でも安全点検が行われ、小中学校の敷地からおおむね1500m以内、通学路等に面し、市が危険な状態と判定した民間のブロック塀を撤去する工事について、費用補助をおこなうこととしています。これを活用することによって、市民にとってより安全なまちづくりが進むことが期待できますが、同時に、迅速に工事がおこなわれる必要があります。事業内容の周知と、対象991か所のブロック塀の所有者に対して、丁寧に相談に応じるなどの働きかけを要望します。また、県内の他自治体では、特例基準として、今年度と来年度までは、市内の小学校が指定した通学路に面する部分と市内にある私立幼稚園、私立保育園等の道路に面する部分については、補助限度の上限額なしとしたところもあります。費用負担が重いと感じる所有者については、このような特例も有効と考えられます。申請状況を見ながら、検討をすすめてくださるようあわせて要望します。

つぎに、Aシェアリングエコノミー推進事業費についてです。
国の「地方創生推進交付金」を3か年活用し、シェアリングエコノミーの取り組みを実施するものです。今回は、東京2020大会に向けて、千葉への来訪者に対して、「おもてなし民泊」「観光ガイド」「その他」を継続的に行うこと、そして大会後も、多様な観光サービスの環境を持続させること、さらに、地域における共助の仕組みの充実につながるサービスの導入を検討していくとのこと。しかし、取り組みの前に、民泊については、まずは、現在の特区民泊の制度についての理解を広げ、事業者を増やしていくこと、観光については、千葉市の強みや魅力的な見学・体験コースをガイドとともに掘り起こしていくことなど、いまある仕組みでやれることを着実に実行していく必要があると考えます。

また、シェアリングエコノミーには、現在、本市がモデル事業として実施しているシェアサイクルのほか、市民ネットワークでも一般質問などで取り上げているライドシェアシステムの構築による高齢者の移動支援、子育て支援を受けたい人と支援できる人をマッチングする育児シェアなど、日常生活に密着した場面での活用も考えられます。特にライドシェアシステムについては、国家戦略特区を活用して整備をすれば、本市の観光サービスにも大きく寄与します。今回の取り組みに期待しつつ、さらなるサービスの導入および発展に向けて先を見据えながら本事業を進めていただけるよう要望します。

続いて、B市立美術館拡張整備の債務負担行為補正についてです。
2020年7月のリニューアルオープンを目指し、美術館の拡張整備をおこなうための改修工事費等について、債務負担行為を設定するものです。本市の文化発信の重要な拠点となる施設ですが、拡張整備にあたっては、ソフト事業を担う美術館の学芸員と打ち合せを行いながら設計をおこない、改修後の運営につなげられるよう連携を図られているとのこと。また、来年5月の中央区役所移転後、基本的には美術館を開館しながら工事を進められるとのこと。工事の進捗状況など、できる範囲で周知し、市民により親しまれる美術館となることができるよう、広報活動へも尽力いただけるよう要望します。

続いて、C放課後児童健全育成事業費、D子どもルーム整備事業費、E子どもルーム運営の債務負担行為補正についてです。
放課後の子どもの居場所の整備は、喫緊の課題となっており、解決に向けて、今年度当初予算に「(仮称)放課後子どもプラン」の策定が盛り込まれ、基礎調査がすすめられてきました。しかし、今年度の子どもルームの利用申込人数が、高学年を含め想定以上に急増し、待機児童数が過去最高となっていることから、「(仮称)放課後子どもプラン」の策定に先行して、新たな3か年の緊急対策を実施することとし、本補正予算を計上することになりました。

放課後児童健全育成事業補助については、待機児童が多く発生している小学校区で、子どもルームの運営に参入する民間事業者に対し、補助率100%で改修費用、開設準備経費などの補助をするもので、整備箇所は5か所となっています。来年度から実施する事業者については、社会福祉法人、学校法人、株式会社、NPO法人など幅広い事業者の参入を想定しているとのこと。届出を行う者として法人格を有するといった資格要件は特に定められておらず、保護者で組織された任意団体でも規定に基づいた届出をし、条例に定めた設備及び運営に関する基準を満たしていれば、補助対象になるとのことです。今回については、事業についての周知がされておらず、意欲ある小さな団体が出てくる可能性は低いと考えられます。本事業を次年度も実施していただき、手を挙げる地域団体があれば、多様な子どもの居場所の場を確保する意味でも、支援をしていただければと考えます。

つぎに、高学年子どもルームの環境改善として補正予算が計上されていますが、高学年ルームの中でも3年生の入所児童数が多いところで、学校との協議が整った2か所を選定したとのこと。本年度を含む3か年で12か所を整備する予定となっていますが、低学年ルームを拡大する形での整備をおこなわない理由として、子どもルームの需要に対して、低学年ルームの拡大を図る時間的余裕がない場合や将来の利用児童数の減少が見込まれる場合などにおいては、緊急避難的に高学年ルームを設置するとのこと。緊急性の観点からはやむをえない対応と思われますが、(仮称)放課後子どもプランで、高学年の児童の放課後の居場所のあり方について検討し、今後の方向性を示しながら、その後の整備をしていただけるよう要望します。

次に、子どもルーム運営の債務負担行為についてですが、近年の施設整備や小学校6年生まで全学年が対象になったことにより、子どもルームの指導員不足が生じています。その解消を図るため、運営委託先を社会福祉協議会から他の民間事業者へ変更するルームを12か所追加するとの内容です。中央区6か所、若葉区6か所の2エリアでのプロポーサルによる事業者選定とのことで、事業者の種別に関しての制限は設けないとのこと。また、今後の見通しとして、社会福祉協議会が管理運営をする子どもルームについては、高学年が対象となる前の水準である120から130程度の運営になるよう委託先の多様化を当面すすめていきたいとのこと。しかしながら、4か所の子どもルームの民間事業者委託が今年4月にスタートして、ようやく半年が経ち、その検証もしないまま次の事業者選定をするとのスケジュールは拙速すぎるのではないかと考えます。また、夏休みだけ期間限定の子どもルームを開設したり、放課後子ども教室を毎日開催して、見守り体制をつくったりすることができれば、高学年ルームの利用者は今ほど多くならないのではないかなど、検討すべきことがまだまだたくさんあるように感じています。加えて、指導員不足の根本的な原因をきちんと明らかにして、処遇の改善などを今後も続けていただきたいと思います。

続いて.議案第93号 千葉市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正についてです。
家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令の施行に伴い、代替保育を提供可能な施設を拡大するもので、今回は国の基準と同様の条例改正となっています。小規模保育事業などにおいては、職員が病気等の際に、代替保育の提供が人員確保の問題により困難な場合があることから、近隣の小規模保育事業所同士や系列の施設など、複数の施設が協力し合い、必要となったときには都合のつく施設から代替保育の提供を受けることができることとするものです。柔軟な運用については、必要性を認めますが、定員を上回る園児を受け入れている施設が多いことから、他施設の園児を受け入れたり、保育士を派遣したりする余裕がないとのことで、そもそもの保育の質の確保が懸念されます。子どもの安全が最優先です。本市の現状を踏まえて、平時から職員の確保ができるよう取り組みを要望します。

次に.議案第85号 補正予算のうち、SNSを活用した教育相談事業費についてです。
本事業は、子どもに身近な通信手段であるSNSを活用した相談体制の構築を行うものです。国の補助金を活用し、モデル事業として相談窓口を開設するものですが、SNS相談窓口開設カード及びチラシを、市立中学校・高等学校・特別支援学校の生徒、約25000人を対象に配布するとしています。現在、小学生でもスマートフォンを利用している子どもが約2割いることや、保護者からの相談もあること、あるいは、県立や私立学校に通う生徒、どの学校にも通っていないこどもからの相談の可能性もあることを考えると、市立の生徒だけを対象とするのは不自然な印象があります。

今回はモデル事業とのことで、事案により学校との連携が必要になってくることから、市が設置した学校を対象として実施する予定ですが、対象、相談件数、内容、相談の効果など、しっかり検証できるようにしていただきたいと思います。また、今回は、窓口開設期間を今年10月から来年1月まで、年末年始をのぞく毎日17時から21時としています。本事業が周知された頃に終わりとの印象もあるため、できれば途切れない形で来年度も継続していただけることを要望します。また、相談は委託ではなく、できれば直営で行ない、本市の足元で起きている課題の把握と市民の声をしっかりと聞いて対処すべきではないかと考えます。あわせて検証していただけるよう要望します。

次に、小中学校普通教室空調設備整備事業費についてです。
今年夏の猛暑で、小中学校へのエアコン導入への意見が相次ぎました。文部科学省でも今年4月から学校環境衛生基準を変更しており、環境改善の観点からも早期のエアコン設置が望まれます。本補正予算は、普通教室へのエアコン導入に向け、事業手法の調査や事業費の算出、各校の現地調査等をおこない、空調設備基本計画を策定するための提案ですが、エアコン設置については、暑さに対する耐性の弱い小学生へ配慮することが望ましいことや、小学生の健康を心配する市民の意見が多く寄せられたことなどから、現時点では小学校への設置を優先したいとの見解を伺いました。また、学校単位で、全普通教室へ設置していくとのこと。市内166校すべての整備には複数年度を要すると考えられますが、エアコン設置だけでは解決できない熱中症対策なども必要です。従来通りとの発想から脱して、子どもの命を守る取り組みを最優先に考えて対処いただけるよう要望します。

続いて.議案第91号 千葉市受動喫煙の防止に関する条例の制定について及び議案第85号 補正予算のうち  受動喫煙対策事業費についてです。
東京2020オリンピック・パラリンピック大会を見据え、受動喫煙対策として、国の改正健康増進法を上回る規制を盛り込んだ条例案が上程されました。受動喫煙の影響を最もうけやすい未成年者や自らの意思で受動喫煙を避けることが難しい労働者の健康を守るため、2020年4月の施行に向けて、さまざまな対策が取られていくことと理解しています。あと2年もありません。条例を実効性あるものとするために、決め細やかな支援やていねいな体制づくりが必要です。小規模飲食店については、喫煙室の仕切り撤去や、壁紙の張替え等の内装改修など、店内を喫煙可能な状態から屋内禁煙に変更するための補助制度を実施するとのこと。禁煙にすることで、売り上げが減少するのではないかとの懸念については、「禁煙であれば、おいしく食事ができますよ」などの積極的なPRも必要ではないでしょうか。

また、実効性のある支援の観点からは、喫煙者への働きかけや支援も必要になります。まずは、未成年者に受動喫煙をさせないよう、広く周知啓発することが必要です。加熱式たばこについても、喫煙場所などわかりやすい案内が必要です。また、千葉市路上喫煙等及び空き缶等の散乱の防止に関する条例では「道路、公園など屋外の公共の場所では、管理者が指定した場所を除き、喫煙しないように努める」とされていますが、10月には海浜幕張駅前で、屋外喫煙所がモデル的に設置されます。市は管理者として実態把握に努め、たばこのないオリンピックを目標に、今後、実効性のある条例施行に向けて取り組まれるよう要望します。

最後に、発議第9号 千葉市都市景観条例の一部改正についてです。「歴史的景観保全地区」を景観計画に定めることで、加曾利貝塚の景観を保全しようとするものです。加曾利貝塚については、国の特別史跡に指定され、現在グランドデザインの策定を進めています。周辺地域も縄文の森特別緑地保全地区に指定されており、開発などの規制対象となっています。今後、現在の条例に基づいて景観計画に景観形成推進地区を定め、保全をすることも可能であることから、現状では、賛成しかねるとの判断をいたしました。

以上で市民ネットワークの討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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