平成29年第3回定例会 一般質問

2017年9月27日

松井佳代子

市民ネットワークの松井佳代子です。通告に従い一般質問を行います。
はじめに「土地・家屋の所有にかかわる税の諸問題について」です。

先に会派の岩崎議員より「空き家対策について」の質問がありましたが、今回は、空き家を含めた土地や家屋の問題について、税の観点から質問させていただきます。

平成28年度決算では、一般会計の歳入において、自主財源である市税が増収となりました。個人市民税、法人市民税、固定資産税を合わせた市税全体の決算額は1767億円で、平成27年度決算額に比べ11億6000万円の増となっています。また、市税の徴収率は97.0%となり、平成27年度の96.4%から改善が見られました。このうち、固定資産税については、家屋の新増築が増えたことによる増額とされています。

しかしながら、日本全体の人口減少や高齢化は本市も例外ではなく、今後、団塊の世代が平均寿命を超えるようになると、大量の相続が発生することが見込まれます。固定資産税は、土地や家屋の所有者に対して課税しているため、所有者が亡くなった際、相続手続きが進まないと課税や徴収に影響があると考えられます。税を年度内に徴収できず、未収金として翌年度以降に繰り越す滞納繰越額が増える可能性も高くなります。また、税の執行停止から3年間、市が滞納繰越分を回収しようとさまざまな努力を試みたとしても、どうしても徴収できず、最後に会計上損失処理をする不能欠損額も今後、増加する恐れがあります。

そこでまずは現状把握の観点から、平成28年度決算での固定資産税についてお伺いします。

@(1)平成28年度の固定資産税の現年度分と滞納繰越分の収入額、また、それぞれの徴収率について お聞かせください。次に、
(2)平成28年度の市税全体の不納欠損額とそのうちの固定資産税が占める金額と割合について お聞かせください。

(財政局税務部税制課)

(財政局税務部納税管理課)

土地・家屋の所有にかかわる税の諸問題についてお答えします。
はじめに、平成28年度の固定資産税の現年度分、滞納繰越分の収入額と徴収率についてですが、
現年度分が、約671億6,000万円、99.4%
滞納繰越分が、約6億4,000万円、34.0%となっております。
次に、28年度の市税の不納欠損額と固定資産税の占める割合についてですが、不納欠損額は、約5億9,900万円で、そのうち固定資産税は、約1億8,600万円で、割合は、約31%となっております。

続いて「石炭を使用する(仮称)蘇我火力発電所建設計画について」です。中央区蘇我のJFEスチール構内において石炭火力発電所を新設する計画ですが、平成32年着工予定、平成36年運転開始予定、出力は約107万キロワットと原子力発電所1基分もしくは約200万世帯分に相当する大規模なものです。市民ネットワークでは平成29年第1回定例会から継続してこれに関する質問をしておりますが、今回は大きく3点について質問いたします。

まずは「市民意見について」です。

  1. 7月上旬に事業者である千葉パワー株式会社が今井地区と蘇我地区を対象に住民説明会を行いました。なぜ説明会を開催したのですか?また、どのような意見が出されたのでしょうか?

(環境局環境保全部環境保全課)

石炭を使用する(仮称)蘇我火力発電所建設計画についてお答えします。
事業者がなぜ今井地区と蘇我地区を対象に説明会を開催したのか、また、どのような意見が出されたかについてですが、
この説明会は、事業者が地元自治会役員を対象に情報提供を目的として事業説明を行った際に、住民への説明を要望されたことから開催した説明会と聞いております。
主な意見としては、
・なぜ、住宅地に近いところに作るのか
・現状の粉じん対策が優先である
・国際的に石炭火力発電離れが進むなか、なぜ石炭火力なのか
・千葉市全体を対象とした説明会を開催して欲しい
などの意見が出されております。   

続きまして、「国家戦略特区を活用した交通手段について」お伺いします。

今回の定例会において、若葉区・緑区の一部の区域を対象とする国家戦略特区を活用した民泊事業を可能とする条例が可決されました。内陸部の緑豊かな自然や里山などの地域資源を有効に活用した滞在型余暇活動を提供し、地域経済活動の活性化を図ることを目的として「外国人滞在施設経営事業」いわゆる「特区民泊」が実施されることになります。

私自身も何度か緑区・若葉区の里山サイクリングツアーに参加させていただきましたが、田んぼの間の農道や泉自然公園をゆっくり走りながら、下田農業ふれあい館のレストラン、おなりミルク工房のアイスクリーム、ハーブ農園でのケーキとハーブティなど千葉市の景色と食を心ゆくまで堪能いたしました。このように若葉区や緑区には魅力あるコンテンツがいろいろあります。また、本定例会で採択された補正予算でも「グリーンツーリズム推進事業」として、特区民泊の開始にあわせたプロモーションが行われることになっています。
しかしながら、本市の滞在型余暇活動を促進するには、魅力あるコンテンツの提供やプロモーションはもちろんのこと、民泊事業を行う事業者の支援や、民泊施設及び自然や里山などの地域資源の間の「交通手段」を確保することが重要です。

  1.  そこで、今回の特区民泊の対象区域となっている若葉区・緑区においては、どのような公共交通があり、運行の時間帯と頻度はどのようになっているか伺います。

(都市局都市部交通政策課)

若葉区及び緑区における公共交通と、運行時間帯、頻度についてですが、若葉区では
基幹交通としてJR総武線とモノレール、及び路線バスが運行されております。このうち路線バスについては、主に大規模団地と千葉駅や都賀駅を結ぶ路線が多く、概ね通勤、通学の時間帯を中心とした需要に応じており、一日、多い所では往復合せて200から300本以上の運行となっています。
次に緑区では、外房線、京成電鉄千原線及び路線バスが運行されております。路線バスいついては若葉区と同様であり、大規模団地と各駅を結ぶ路線として、一日多いところでは往復合せて200本以上の運行頻度となっています。一方、両区とも、市街化調整区域では路線バスの経路自体が少なく、若葉区泉地区では本市が運行するコミュニティバスが3路線で1日45本となっており、国道126号や大網街道など主要な道路を運行する路線を除き、少ない所では1日数本の路線も見られます。

また、日本の玄関口である成田空港の上空からは、着陸直前に千葉の水田を見ることができます。目の前に緑色や黄色で彩られた圧巻の光景が広がります。飛行機を降りた外国人観光客が、そのまま千葉市の里山を訪れて、伝統的な「日本」を体験することは、観光地を巡るだけの旅行よりも、はるかに思い出深いものとなります。そのような観光客はどのような方法で里山にアクセスすることができるでしょうか。また、日本各地から訪れる方々にとってはどうでしょうか。そこで、

  1.  特区民泊を実施する地域内などで想定される交通手段について伺います。

2問目以降は自席にて行います。ご答弁をよろしくお願いいたします。

(総合政策局総合政策部国家戦略特区推進課)

国家戦略特区を活用した交通手段についてのうち、所管についてお答えします。
特区民泊を実施する地域内で想定される交通手段についてですが、既存の公共交通機関やレンタカーを含む自家用自動車の利用、また、民泊施設の所在地や事業者の考えにもよりますが、施設や近隣の地域資源までの送迎やレンタサイクルの活用などもあれば、これらの手段の組み合わせによる移動が想定されます。

ご答弁ありがとうございました。それでは、引き続き、一問一答でお伺いします。はじめに、土地・家屋の所有にかかわる税の諸問題についてです。

先ほどのご答弁では、固定資産税の現年度分の徴収率が99.4%で、滞納繰越分が34.0%とのことでした。現年度に税を徴収できない場合、時間の経過とともに、回収が困難となり、最終的には不能欠損処理をせざるをえない状況に陥ります。厳しい財政状況を踏まえ、市でも債権管理を一元化し、徴収対策を強化されていますが、平成28年度の固定資産税の不能欠損額は約1億8600万円でした。今後相続が増え、何らかの事情で登記などの手続きが長期間放置されてしまうと、未収額がさらに増加することも考えられます。そこで、相続が発生した際の具体的な対応についてお伺いします。

A 土地・家屋の所有者がお亡くなりになったけれども、相続人が遠方に住んでいるなどで、相続登記の変更がすぐにできないといった相談はありますか。また、その場合の市の対応はどのようになっていますか。

(財政局税務部課税管理課)

固定資産税等の相続手続きに関するご連絡やご相談は、東西市税事務所資産税課で受けており、相続登記が済んでいない方に対しては、まずは、法務局へ相続登記をしていただくようご案内しておりますが、相続登記の変更がすぐにできないといったご相談は年に数件ございます。
相続登記が完了いたしますと、法務局から市へ所有権の移転通知があり、市は固定資産課税台帳上の納税義務者の変更を行うことになりますので、相続人の市への手続きは不要となります。
また、さまざまな理由で相続登記が未了の場合は、法定相続人が「地方税法第343条第2項」に規定する現に所有している者として、固定資産税の納税義務を負うことになりますので、市は、納税通知書を確実にお届けするため、法定相続人に対し「固定資産税の納税義務者変更届出書」の提出をお願いしております。

相続登記の変更がすぐにできない場合でも、「固定資産税の納税義務者変更届出書」によって市が課税対象者を把握されるとのことですが、やはり基本は相続登記のご案内をし、法務局での手続きを完了していただくことが必要です。そこで、本市の相続の原状について伺います。

B 平成28年に相続が原因の所有権移転は何件ありましたか。

(財政局税務部課税管理課)

平成28年の相続が原因の所有権移転は、
土地が8,166件、家屋が5,873件となっております。

土地・家屋を合わせると14000件ほどの相続が行われたことになります。しかし、これ以外にも相続登記が行われず、届出書も提出されないケースや身寄りのない方がお亡くなりになり、法定相続人の特定が困難であるといったケースも考えられます。また、税の負担、家屋の修繕や維持管理の費用、庭の手入れといった手間を考えると「親の家を相続したくない」「子どもに継がせられない」「誰かに何とかしてもらいたい」といった声も聞かれます。相続登記が行われないと、個人レベルでは「代を重ねるごとに相続人が増え、手続きがますます難しくなる」ことや「相続人が増えることで、トラブルに発展する」ことにもなります。

今年6月に有識者でつくる「所有者不明土地問題研究会」がまとめた推計によると、平成28年度の調査において、登記簿上の所有者の所在が不明な土地は全国で20%、また、最後の登記から50年以上過ぎている土地は、大都市でも6.6%にのぼるそうです。相続した地主の中には、地方から大都市、さらには海外への人口移動により所有する土地を見たことのない人もいて、先祖伝来の土地への関心の低下が指摘されていました。このことによって、東日本大震災の被災地では災害復旧や防災への取り組みが進まず、住民にとって、安全・安心なくらしが脅かされる問題点も明らかになりました。本市の空き家対策においても、所有者が見つからなければ、空き家の管理や利活用ができず、まちづくりや地域活性化施策の妨げになる恐れがあります。そこで、伺います。

C 相続の手続きをしないままの土地・家屋について、市ではどのような対応をしていますか。また、これらの手続きにかかる問題点や課題はありますか。

(財政局税務部課税管理課)

固定資産税納税通知書の返戻などにより納税義務者の死亡が判明した場合、戸籍調査などを行った後、法定相続人に対して「固定資産税の納税義務者変更届書」の提出を求めます。
これらの手続きに係る問題点や課題といたしましては、相続登記の申請や納税義務者の変更届が義務化されていないため、納税義務者の変更手続きが進まないほか、市が相続人調査を行う際、戸籍の取り寄せなどや法定相続人への連絡に時間を要するなどが事務の負担となっております。

現在、登記は義務ではなく、任意で行う権利であり、相続時に手間や費用をかけて急いで権利を登記する必要性は薄れています。高度成長期からバブル期にかけて、人口が増え、土地が資産として取り引きされた時代は、財産の権利を守るための登記が意味を持っていましたが、人口減少により家が余る時代となり、税の負担や管理コストだけが重くのしかかる土地や家屋は負の資産となって、権利すら放置されています。それらの負担を軽減したいと考える市民から、「土地を物納すれば、税を払わなくても済むし、今後の管理もしなくても済む」などの声があがります。そこで伺います。

D 市税を納付するため「物納をしたい」との申し出があった場合、市ではどのように対応していますか。

(財政局税務部納税管理課)

地方税法には物納の規定がないため、納税相談を通じて納税者個々の事情に応じた対応をしております。

国税である相続税と違い、市税では物納ができないこと、そして税が払えないといった相談については、個別に対応されているとのことですが、物納については過去、不動産価格が高騰した時期に相続税が払えず、物納されたケースが多く見られたため、そのことを踏まえての市民の声と思われます。物納について現時点での情報が広く行き届いていないことが課題です。そして、同時に「子どもに土地や家屋の税金を引き継がせることはできないので、自分で処分をしたい。市に寄付することができればありがたい」といった声も聞かれます。そこで、

E 「市に土地を寄付したい」といった申し出があた場合、市はどのように対応していますか。

(財政局資産経営部管財課)

本市の事業に利用可能な土地については、原則として、その用途に応じ、所管部署において寄付の受入れを行っております。
一方、狭小地、傾斜地、不整形地や接道していない土地など、利用が見込めない土地については、寄付をお断りさせていただいております。

道路整備など事業計画がある土地については、寄付を受け入れているものの、利用可能かどうかを庁内で検討して結論を出されているとのこと。市民の希望だけで寄付が成立するのではないとのことですが、どのような土地であれば、寄付が可能なのかを確認させていただきます。

F 民有地の寄付を受け入れた事例にはどのようなものがありますか

(財政局資産経営部管財課)

公園や自治会の集会所用地、市街地に残された一団の貴重な緑地などの寄付を受け入れた事例のほか、建物と併せて寄付をいただき、コニュミティセンターの分室として活用することとした事例などがございます。

中央コミュニティセンター・松波分室は、市に寄付された土地と建物を利用した施設であり、「現状をできるだけ生かしたまま、多くの方に利用していただきたい」との遺志を尊重して改修され、地域のサークルの活動拠点として利用されています。市民の希望が生かされ、地域の活性化にもつながり、市も最小限の費用で施設整備ができたよい事例ですが、このように活用される土地や家屋は多くはなく、各地で増え続ける空き家や空き地がさまざまな問題を地域に投げかけています。

所有者不明の土地が増えることで、行政の負担も大きくなります。昨日は石井議員の質問で道路の所有者の問題が明らかにされましたが、不動産の価値は上がり続けるという前提でつくられた制度は、見直される時期に来ています。市から国に対して法整備や必要な施策を要望するとともに、市としても大量相続発生を見据え、土地や家屋の相続や活用に関して相談できる体制を整備してはどうかと考えます。子育てコンシェルジュのような仕組みを参考に、エンディングや相続、納税などの包括的な相談に応じられる担当者を置いてはどうでしょうか。ぜひ前向きにご検討いただけますよう要望します。

引き続き、「石炭を使用する(仮称)蘇我火力発電所建設計画について」です。
先ほどのご答弁では、地元自治会の求めに応じて、事業者が住民説明会を行ったことがわかりました。^そこでは今の時点で住民が感じている日常生活での不便さや新たな石炭火力発電所計画について疑問の声があがりました。同じような声は日常的に市に届いているのかどうか、お聞きします。

  1. 説明会以外で、市民からの声は市に寄せられていますか? また、それはどのような内容ですか?

(環境局環境保全部環境保全課)

中央区内の自治会や公害健康被害者の団体などの意見のほか、市長への手紙が寄せられております。
主な意見としては、
・環境影響の大きい石炭火力発電所が建設されることは受け入れられない
・粉じんが飛散して迷惑している
・市民を対象に広く説明会を開催し、意見を聞いてもらいたい
などの内容となっております。

説明会と同じく、これまで我慢を強いられてきた住民の不満やこれ以上の負担は容認できないとの思いが一気に明るみに出たと考えられます。また、石炭火力発電所から排出される大気汚染物質については、硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん、水銀といった有害物質があり、それらの物質による複合汚染の恐れが指摘されています。そこでお伺いします。

  1. 現状稼働しているさまざまな工場と石炭火力発電所の排出物質から、化学反応などにより新たな物質が生成されることを懸念する声を聞きましたが、どう考えますか?

(環境局環境保全部環境保全課)

PM2.5や光化学オキシダントのような二次生成による汚染を含む広域的な影響については、メカニズムが解明されていないことから、国の機関で行われている研究の結果を注視するとともに、予測・評価手法が確立した際には、適切に対応して参ります。

硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんが原因となって生成されるPM2.5や窒素酸化物によって生成される光化学オキシダントについては呼吸機能に影響を及ぼすなどのことが問題視されていますが、発症の原因についての結論は先送りになっています。しかし計画地はすぐ隣に、子どもたちも利用する蘇我スポーツ公園があり、近隣には保育所や小学校、病院もあります。このような場所に石炭火力発電所が建設されることについて、

  1. 健康被害への懸念が示されていますが、学校健康調査でのぜんそく児童生徒数の推移はどのようになっていますか?

(教育委員会学校教育部保健体育課)

保護者が記入する保健調査票をもとにした集計によると、市内小・中・特別支援学校で、ぜんそくの症状がある児童生徒は、この数年間、6,500名前後、全体の約9%であり、ほぼ横ばいの状況で推移しております。

本市では過去、千葉川鉄公害訴訟で多くの健康被害が明らかになり、その後、市民と市と事業者が協力しながら青い空を回復するよう努力してきました。大気汚染によってぜんそくの症状が悪化することは明らかですが、ぜんそく児童生徒数の推移はほぼ横ばいとのことで、現時点では三者の協力体制が継続していると考えます。しかしながら、今後、新たに石炭火力発電所ができることによって、この協力体制が崩れ、子どもたちの健康被害が増えることが懸念されます。

特に粉じんについては、現在、臨海部の工場で石炭などが野積みにされており、風向きによってそれが広く飛散し、住民からも対策について声があがっています。そこで伺います。

  1. 生活に被害を及ぼす粉じんの状況について、インターネットアンケートなどによって現状把握をしてはどうでしょうか? また、市民を交えて考える場を設けてはどうでしょうか?

(環境局環境保全部環境規制課)

市民からこれまでにもベランダに黒い粉じんが積もる、洗濯物が汚れるなどの相談や苦情が毎年本市に寄せられております。
また、中央区内の自治会や市民団体から、本市に対し、中央区臨海部における粉じん問題に関する申入れや要望が寄せられているところです。
さらには、現在、市内12か所で粉じんの実態調査を行い、監視を行っております。
今後とも、中央区臨海部を中心とした粉じんの実態調査を継続して実施するとともに、様々な機会を捉え、市民の意見を把握して参ります。

インターネットアンケートや市民を交えて考える場について、可能であれば早急に実現いただけるよう要望します。また、石炭火力発電所の計画についても、事業者による住民説明会に加えて、事業者と市の共催で広く一般市民向けに説明会を開催することをご検討ください。

それでは続けて

事業者への意見について

伺います。石油火力から石炭火力への置き換えを計画する愛知県の武豊火力発電所について、環境省は本年8月1日、「パリ協定」に基づく二酸化炭素削減目標が達成できないとして、再検討を促す内容の意見書を経済産業省に提出しました。これを受けて、経済産業省も本年8月18日に二酸化炭素の排出削減を講じるよう勧告しました。産業振興の観点から火力発電所を推進する立場の経済産業省が、環境省と同様の趣旨の勧告をしたことは画期的とも言えます。このように、

  1. 石炭火力発電については、全国各地で建設計画が相次ぎ、環境省や経済産業省からも厳しい意見が出されています。このことについて、市としてどのように考え、事業者に意見を出したかお聞かせください。

(環境局環境保全部環境保全課)

環境省及び経済産業省は、それぞれ本年8月に、他の石炭火力発電所に係る環境影響評価準備書に対する意見・勧告において、「事業者全体として、所有する低効率の火力発電所の休廃止・稼働抑制など、2030年以降に向けて、更なる二酸化炭素排出削減を実現する見通しをもって、計画的に実施すること」を述べております。
本市も、本年2月に発出した環境影響評価の計画段階環境配慮書に対する市長意見において、国の基本的な考え方と同様に、ベンチマーク指標については、その目標達成に向けて計画的に取り組み、2030年度に向けて確実に遵守すること及び本事業者が目標を達成できないと判断した場合は、本事業の見直しを検討することを求めております。

二酸化炭素排出削減については、今後も事業者に対して厳しい意見を出していただけるよう求めます。

また、水俣病の教訓を生かし、人体に有害な水銀を各国で規制するよう

  1. 水銀に関する水俣条約が今年8月に発効しました。水銀排出施設である石炭火力発電所も規制の対象に含まれています。水銀排出抑制に向けて、削減対策が必要になりますが、事業者にどのように意見を出したのでしょうか?

(環境局環境保全部環境規制課)

環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書手続きにおいて、平成30年4月に施行される改正大気汚染防止法を踏まえ、燃料炭の選定なども含めて環境への負荷を可能な限り低減するため必要な措置を講じ、調査、予測及び評価を行うことについて、市長意見を発出したところです。

水銀汚染の防止に取り組む国際NGOグループ「IPEN」の調査によると、世界25カ国の18歳から44歳の女性1000人強の毛髪を調査したところ、42%から米国環境保護局の安全基準を超える水銀を検出したとの報道がありました。水銀は胎児の神経に影響があることからも、特に出産が可能な年齢の女性や子どもを水銀から守る必要があり、各国に有効な対策が求められています。本市でも子どもを産み育てる環境を整えるために、大気や焼却灰への水銀の排出について、これまで以上に厳しい監視を行っていただけるよう要望します。

続きまして

計画地である蘇我地区について

伺います。

第1回定例会でも質問させていただきましたが、蘇我特定地区は、平成11年8月、建設大臣によって「都市・居住環境整備重点地域」に位置づけられ「蘇我副都心」として都市基盤整備が進められてきた地域です。JFEスチールの敷地は、「東工場」と「西工場」にわかれていますが、「西」に工場を集約し、「東」の空いた土地を利用してまちづくりが行われてきました。「東」の敷地には、現在、商業施設、温浴施設、スポーツ施設などがありますが、一部は市が購入して蘇我スポーツ公園として整備をすすめています。工場跡地に集客施設ができ、多くの市民が利用する新たなまちに生まれ変わりました。そこでお聞きします。

  1. 蘇我特定地区の整備計画における総事業費はどのようになっていますか? また、これまでどれぐらいの事業費がかかっていますか?

(環境局環境保全部環境保全課)

<答弁>
(都市局都市部市街地整備課)
蘇我特定地区整備計画における総事業費についてお答えします。
平成13年10月に公表した蘇我特定地区整備計画に位置づけられた事業の概算事業費は約1600億円であり、これを市、国、民間がそれぞれの役割分担により負担することとしていたものであり、平成28年度末時点におけるこれまでの事業費は、蘇我スポーツ公園や土地区画整理事業等として、約762億円となっております。

これまで、総事業費の約半分をかけて、蘇我特定地区の整備がすすめられました。今では、副都心にふさわしい集客力のあるまちができています。また、この地区に含まれる「蘇我エコロジーパーク」は、市民に親しまれる都市型環境拠点づくりが行われるとの構想です。しかしながら、現在、蘇我エコロジーパークは石炭火力発電所の計画地となっています。そこでお聞きします。

  1. 蘇我エコロジーパーク構想における市及びJFEの役割分担はどのようになっていますか。また、事業費はどれだけかかっていますか?

(環境局資源循環部廃棄物対策課)

蘇我エコロジーパーク構想は、蘇我特定地区内に定められたリサイクル機能ゾーンに、民間主導による環境産業拠点を形成するものであります。本市の役割として、本構想の円滑で着実な推進を図るため、基本構想の策定や関係機関との協議を行うこと、土地所有者であるJFEスチールの役割として、主体となり、環境関連企業の誘致推進、立地企業が必要とするエコロジーパーク内の基盤整備等を行うこととなっております。
なお、本市は平成13年度から16年度までの4か年で基本構想や整備推進に向けたルールを策定する経費として、約2,300万円を支出しております。

本市が2300万円をかけて、基本構想や整備推進に向けたルールを策定したにも関わらず、石炭火力発電所計画が実施された場合、その構想やルールは事業者によって反故にされたことになります。続けて、千葉県の施策について伺います。

  1. 蘇我エコロジーパーク構想は県のエコタウンプランの1つと位置づけられていましたが、

県のプランの現状はどのようになっていますか?

(環境局資源循環部廃棄物対策課)

千葉県に確認したところ、「現在、『千葉県西・中央地域エコタウンプラン』において、蘇我エコロジーパークにあるメタン発酵ガス化施設をはじめ、中核的施設として5施設が稼働しており、循環型社会の構築に向けて、廃棄物の減量化、リサイクルの推進に寄与している。」とのことです。

県のエコタウンプランについては、すでに撤退した施設も3施設あります。蘇我エコロジーパークについては計画が完了していないにもかかわらず、稼働中との見解だそうです。千葉県が本市をはじめ、県内各自治体や事業者をバックアップすべきところ、何もしない姿勢に疑問を感じます。

それでは、蘇我エコロジーパーク構想に関して伺います。

  1. 整備が予定どおりにいかなかった原因をお聞かせください。

(環境局資源循環部廃棄物対策課)

蘇我エコロジーパーク内における企業立地については、現在までに19件の進出相談がありました。
社会経済情勢の変化や、全国的にエコタウン事業が推進され、首都圏にも各種リサイクル関連施設の立地が進み、企業誘致 競争が激化したことなどにより、事業化には至らず、整備目標どおりに計画が進捗しなかったと考えております。

平成15年7月1日発行の「ちば市政だより」には、ページの半分を使って「蘇我エコロジーパーク構想」を策定とあり、目標年次は平成28年度となっています。2017年3月の時点で、蘇我エコロジーパークは完成し、市民は環境フロンティアゾーンで環境学習を行い、資源循環やゼロエミッションについて学んでいるはずでした。そこで伺います。

  1. 蘇我エコロジーパーク構想の土地について、整備目標年度は終了していますが、現在、

JFEとどのような協議が行われていますか?

(環境局資源循環部廃棄物対策課)

現在、石炭火力発電所建設にかかる環境影響評価手続きが行われていることから、建設計画の動向に応じて、蘇我エコロジーパーク構想の今後の方針について、土地所有者であるJFE スチールと協議して参ります。

蘇我エコロジーパーク構想は、終了したのではなく、まだ動いていると理解いたしました。過去に本市が2300万円をかけて、基本構想や整備推進に向けたルールを策定したことからも、エコロジーパークの理念を踏まえた協議をお願いしたいと考えます。

それでは、石炭火力発電所について最後の質問です。計画地に隣接する蘇我スポーツ公園ですが、昨日、酒井議員の一般質問でも都市型ロックフェス開催地として取り上げられました。駅に近く、コンパクトにまとまった会場として利便性もよく、来年度のJAPAN JAMも予定されているとのこと。活気あるまちづくりにつながっていくことを期待していますが、

  1. 千葉市としては今後、蘇我のまちをどのようにしていきたいと考えていますか?

(都市局都市部市街地整備課)

毎年、2,000万人を超える集客のあるハーバーシティ蘇我の商業、アミューズメント等が定着していることから、さらなる充実を図るべく民間開発を誘導していくとともに、蘇我スポーツ公園の整備を推進するなど、スポーツ・レクリエーションを活用した地域活性化などの基盤づくりを目指します。
また、ジェフユナイテッド千葉のホームタウンとして、市民や企業の進めるチームカラーに合わせたまちづくりを支援し、街の賑わいや魅力づくりにより、副都心の形成に努めて参ります。

「千葉都心」「幕張新都心」そして第3の都心である「蘇我副都心」の利便性に魅力を感じ、周辺に住居を構えた市民も多いと考えられます。ぜひ、「蘇我エコロジーパーク」の理念や名前にふさわしいまちづくりをしていただきたいと考えます。その際には、現在、JFEスチールの構内に野積みされている石炭などの原料について、飛散防止対策を講じることを求めます。

最後に、説明会での地元住民の声です。「40年前にこの地域は公害指定地域に指定された。その会社の構内で石炭火力ということを私は絶対に許せない。企業の利益のために住民を犠牲にしていく企業の精神を絶対に許すことはできない」

何度も環境被害に苦しんでいる市民の切なる思いを真摯に受け止め、これ以上の苦しみが出ないよう、事業者の計画を厳しく追及していただけますよう要望いたします。

引き続き、「国家戦略特区を活用した交通手段について」お伺いします。

さきほどのご答弁によると、まとまって人が住む大規模団地と鉄道駅とを結ぶ生活路線のバスは頻繁に運行されているものの、特区民泊が想定する地域のバスは運行本数が少ないことがわかりました。また、内陸部エリアの観光施設の交通手段ですが、動物公園では平成24年8月にWEBアンケートを実施したところ、自家用車での来場は市内が55%、市外が61%となり、モノレールや電車などの公共交通機関での来場は2割にも達しませんでした。下田、富田、中田の都市農業交流センター3施設については、バス便が限られているので、自家用車が現実的な交通手段とのこと。加曾利貝塚については、5月3日から7日のゴールデンウイークで開催した「縄文春まつり」での来場者アンケートによると、427名中、自家用車での来場が52.4%、徒歩が18.0%、自転車やバイクが9.6%、鉄道が6.6%、シャトルバスが6.1%、その他が7.3%となっていました。圧倒的に自家用車の利用が多いことがわかります。

さらに、特区民泊条例制定前のパブリックコメントの実施結果によると、利用者の交通手段について意見がありました。それによると、「実際に宿泊するには、郊外地域の場合、公共交通の便はとても悪いので、果たして希望者がいるか心配である。例えば、オーナーが送り迎えを保証する、タクシー代を割り引く、レンタカー会社を誘致する、などしなければ、せっかく宿泊代が低額でも、交通費だけで、費用負担が高くなってしまう。外国人がメインと考えるなら、自家用車で来ることはないはずなので、交通アクセス問題をどう考えているのか、市としてはっきり打ち出すべき」とされていました。

若葉区では、里山の多くは市街化調整区域にあり、さらしなバス、おまごバス、いずみバス の3つのコミュニティバスが交通手段の中心となります。しかし、千城台駅のバス停に行っても、3つの時刻表を見て、どのバスに乗れば目的地に到着できるかは、地元の人でなければさっぱりわかりません。まして日本語が読めない外国人旅行客がこのバスを利用することは、かなりハードルが高いと思われます。そこで、

  1.  特区民泊を実施する地域内などにおける交通手段の課題について伺います。

(総合政策局総合政策部国家戦略特区推進課)

(経済農政局経済部観光プロモーション課)

主に市街化調整区域である特区民泊の地域内などにおいては、比較的短時間に多くの地域資源を訪れようとするニーズを満たすことは難しいと考えております。
一方で、本市で実施する特区民泊は、宿泊を伴いながら、本市の地域資源やそれらを活用した体験などにより、地域内でゆっくりと時間を過ごせるようにしていただきたいとも考えておりますので、今後、グリーンツーリズムのプロモーション効果や民泊事業者の考え方、来訪者のニーズなどを踏まえて検討してまいります。

今回の特区民泊は国家戦略特区の規制改革メニューにある「外国人滞在施設経営事業」を利用しておこなうものです。

  1.  国家戦略特区の規制改革メニューの中には、他にも「訪日外国人をはじめとする観光客のための交通手段の確保」として、「過疎地等での自家用自動車の活用拡大」があります。市民のボランティア意識を醸成し、広く旅行者へのおもてなしに参画する場を用意する意味でも、本市において、特区民泊の実施にあたり、この制度を活用できればと考えました。

本年4月、京都府京丹後市に会派で視察に行ってまいりました。京丹後市丹後町は市の中心部から最も遠く、日本海に面する町です。2008年にタクシー会社が撤退してしまい、公共交通の空白地となりました。2014年から市営デマンドバスが地元NPOの受託で運行されはじめましたが、路線が決まっていて町外への移動ができず、利用できる日も週3日で「利用しづらい」との声があがりました。そのため、市は道路運送法第78条第2項の「公共交通空白地有償運送」の仕組みをつかって、自家用車による有償運送「ささえ合い交通」を2016年5月よりスタートさせました。ライドシェア世界最大手ウーバーのアプリを使った配車サービスを国内で初めて導入し、NPOの会員のボランティアドライバー18名が365日朝8時から夜8時まで自主参加の形で運行しています。対象者は地域住民だけでなく、来訪者や滞在者も可能としており、乗車は丹後町のみ、降車は京丹後市全域となっています。私たちも乗車してみましたが、アプリを開いて行き先を入れると、5分ほどで車がやってきました。料金はタクシーの約半額程度で、あらかじめ登録したクレジットカードで決済ができますし、2016年12月からは現金での支払いもできるようにしたそうです。また地域の人と車を活用するので、行政の経費はほとんどかからないそうです。

本市は「公共交通空白地」ではありませんが、幸いにも国家戦略特区の規制改革メニューが使える市です。特区民泊の対象地域である緑区・若葉区にてメニューを活用し、京丹後市のような自家用車による運送を採り入れ、訪日外国人をはじめとする観光客などの利便性を図ってはどうかと考えます。民泊への参入はハードルが高い市民も、おもてなしのドライバーとしての参入はよりしやすいのではないかと考えます。このような、自家用自動車の活用拡大について、検討できないか伺います。

(総合政策局総合政策部国家戦略特区推進課)

「過疎地等での自家用自動車の活用拡大」として、国家戦略特区の規制改革メニューの一つとなっている「自家用有償観光旅客等運送事業」は、過疎地域などにおいて、主に観光客を運送するため、市町村やNPO法人などを運送主体とし、道路運送法の特例により、自家用自動車による有償運送を認める事業であります。
この事業により、市民のボランティア意識醸成の効果が期待されるところもありますが、実施にあたっては、バス・タクシーなどの運送事業者者によることが困難であること、市町村・実施予定者・運送事業者が相互連携の協議を行うことなど、既存の公共交通が著しく不足している地域における観光客などの利便性の確保を目的としていることから、慎重な検討が必要と考えております。

実施にあたっては課題が多いとのことですが、ぜひ前向きにご検討していただきたく思います。

最後に要望を申し上げます。特区民泊は「外国人滞在施設経営事業」となっていますが、日本人も滞在ができます。同様に特区を活用した「訪日外国人をはじめとする観光客のための交通手段の確保」も、観光客だけでなく、病院や買い物といった生活のための交通手段として地域住民も利用することができると考えます。

京丹後市のボランティアドライバーの平均年齢は60歳代前半とのことでしたが、「いつかは自分たちが車に乗せてもらうことになるので、それまでは人のお役にたちたい」との思いでハンドルを握られていました。高齢者の自動車免許自主返納に関しても、このような代替移動手段があれば安心してできます。

本日は阿部議員よりシェアサイクルに関する質問もありましたが、交通不便地域におけるライドシェアを始め「シェアリング・エコノミー」が今後、地域課題解決のカギになるのではと考えます。市長マニュフェストにある「だれも置き去りにしない社会の実現」には、地域での分かち合いや助け合いが必要です。その観点からも本市もシェアリング・エコノミーを推進いただけるよう要望いたします。

これで、一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。