討論

2017年7月13日

松井佳代子

会派を代表して、今定例会に市当局より提出された議案のうち、議案第75号・千葉市公民館設置管理条例の一部改正については反対の立場から、その他の議案については賛成の立場から討論いたします。

議案第75号ですが、平成30年4月1日から、全公民館に指定管理者制度を導入するとともに、指定管理者を非公募で指定するため、条例の一部改正を行うとのご提案です。議会でも平成28年第4回定例会にて陳情が採択され、慎重審議を求めてきた案件です。当局からは指定管理者制度を導入することにより、主催講座の質的・量的な向上や修繕料の増加による快適な施設環境の確保など、市民サービスの向上を図ることができるとしています。しかし、今回の条例改正は市の社会教育施策の大きな方針転換であり、公民館制度導入後初の変更となるものです。利用者や関係団体などと十分に協議ができたかどうか、納得が得られたのかどうかが問われます。

当局の説明によれば、公民館の管理運営のあり方については、平成24年度から社会教育委員会議において議論を行い、平成28年5月に「意見のまとめ」が提出され、また6月から11月まで、各区の公民館運営審議会、全47館の公民館運営懇談会、公民館利用者に指定管理者制度の導入について、説明をしながら意見聴取を行ってきたとのことです。さらに、議会での陳情が採択された後も、本年1月及び3月に市民説明会を行うとともに、3月には各区公民館運営審議会、4月から6月までは利用者への情報提供に努め、合計で110回の説明を実施し、2287人の出席があったとしています。しかし、公民館の年間利用者数延べ110万6000人に比べるとその割合は低く、指定管理者制度の導入について、市民全体に周知が図られたのかどうか疑問があります。

説明会の度重なる開催にも関わらず、今定例会にも「千葉市公民館への指定管理者制度導入に関する陳情書」が提出されました。同時に、公民館のこのような動きをまったく知らない市民もおり、広く市民の理解や納得が得られたとは言えない現状があります。

公民館の運営についてまず市が考えるべきことは、生涯学習ニーズの多様化や従来型地域コミュニティの希薄化など、社会情勢の変化を踏まえて、公民館がどう対応していくのか、さらに、千葉市の社会教育がどのように課題解決に資するのか、その方向性を決めることです。公民館は地域福祉や防災の拠点でもあり、地域住民と市が連携しながら課題解決やまちづくりを進める場にもなります。広く市民に参加を呼びかけて、公民館の将来について検討することなしに指定管理者制度を導入することは、市民にとっても、職員にとっても、真摯に公民館のあり方や社会教育の方向性に向き合う大切な機会を逸してしまうことです。これは千葉市にとって大きな損失ではないでしょうか。

また、指定管理者制度ですが、議案質疑のご答弁では制度を継続することが難しい場合、再度条例を改正することにより、直営で管理することが可能となるとの見解が示されました。今回の条例改正の提案は市として現時点での判断であり、将来にわたって指定管理者制度を約束するものではないと理解いたしました。

利用する市民にとっても、指定管理者制度の導入に伴い、開館日・開館時間、使用料、施設の予約方法などについて、変更はないとのこと。また、指定管理者制度導入後は、市が求める管理運営の水準が満たされているか、指定管理者が選定時に市に提出した提案書や年度計画書に基づいて業務が行われているかを、モニタリング等を通して、適切な管理運営を行うとのことです。

結論として、市民が公民館を利用する際の手続きや運用はすぐには変わらないこと、また、管理者の変更について広く市民の理解や納得が得られたとは言えないこと、さらに、市が主体的にこれからの社会教育のあり方について市民とともに検討し、市が責任をもって社会教育を実施していく必要があることなどの理由から、現時点で指定管理者制度を拙速に導入することは妥当でないと考えます。従って本議案については反対とさせていただきます。

その他の議案については、賛成といたしますが、何点か意見を述べさせていただきます。

議案第69号・平成29年度千葉市一般会計補正予算(第1号)のうち、小規模保育所等整備事業費についてです。今回の補正分では、千葉市こどもプランにおける平成28年度までの不足数である358名に加え、平成30年度の整備数のうち142人分を先取りして整備する計画で、JR駅周辺の利便性の高い場所に8か所の小規模な保育所等を整備し、500人分の保育の受け皿を確保する見込みとのことです。

市では平成29年4月1日現在、国が新たに見直した定義、すなわち保護者が育児休業中であるが復職の意思がある児童等を含めた待機児童数が48人、入所待ちとなっている児童数が全体で599人となりました。この数字には表れない潜在的な保育需要も増加しており、保育所の整備は待ったなしの課題となっています。

働きやすく、子育てしやすいまちづくりは、定住人口の増加にもつながる重要な施策です。整備が計画どおり進められるよう、進捗管理など市として着実な取り組みを求めます。また、
地域住民への説明などは、事業者任せにせず、社会で子育てをしていく必要性を丁寧に説明し、市が責任を持って進めていただきますよう要望します。

次に、保育士等給与改善事業費についてです。慢性的に不足している保育士等の確保及び就業継続を図る目的で、保育士等の給与改善を実施するための所要の経費を計上するとのご提案です。県の補助制度を拡充し、本市においては対象となる職員を保育士、保育教諭のほか、看護師、准看護師、保健師、幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭及び、研修を終了し、認定を受けた子育て支援員としています。

また、対象は、1日6時間以上かつ月20日以上勤務する「常勤勤務」の職員で、非正規職員であっても構わないとのこと。ただし、子どもの受け入れや送り出しに重要な役割を果たす朝や夕方だけに勤務する雇用形態の職員は、今回の制度の対象外となるとのことです。

職種や勤務形態の範囲を広げていただき、支給対象が広がったことについては評価をしますが、対象職員1人当たり月額3万円を上乗せすることによって、千葉市で必要な保育士等が確保できるのか、インセンティブになるのか、本事業の効果が問われます。

当局からは、本市の給与上乗せ額を検討するにあたり、先行して独自に上乗せを実施している近隣市の実際の平均給与額と本市の平均給与額を比較し、遜色ない金額とすることや、昨年度より実施しているICT化事業や研修の充実など各種負担軽減策の効果などを考慮し、月額3万円に設定したとのことです。就職予定の学生や潜在保育士の方が就職を検討するうえで十分なインセンティブになるとともに、現在本市で勤務している保育士の方の離職防止にも大きな効果があるものと考えているとのご説明がありましたが、他の自治体も同様の上乗せをしているため、自治体間競争が生じています。

保育士の給与については本来、国で改善策を講じればこうした競争や保育士の奪い合いが起きることもないはずです。早期に改善策を講じるよう国に要望するとともに、最新の状況も注視しながら引き続き保育職員の確保に努めるよう求めます。

1つ要望ですが、千葉市では保育士の確保策として子育て中の保育士が優先的に子どもを市内保育所に入れて復帰することができるとしています。しかし、子育てと常勤勤務の両立は家庭の状況によっては難しい場合もあり、短時間勤務なら可能というケースもあると考えられます。正規採用の保育士が短時間勤務できるような職場環境を整備すること、その場合でも、インセンティブとして給与の上乗せができるようにすることを今後の課題として述べておきます。

続いて、保育士等宿舎借り上げ支援事業費についてです。国の制度改正に伴い、保育士等の宿舎借り上げ支援事業を平成28年度の実施内容から拡充するとのご提案です。居住対象者は雇用開始年度から起算して、これまでの5年目の年度末までの者から10年目の年度末までの者へとなります。1日6時間以上かつ月20日以上勤務する保育士、保育教諭、看護師、准看護師及び保健師が対象であり、パート職員等の非正規雇用であってもこの要件に該当する場合は補助制度の対象としているそうです。また、従来の民間保育園、認定こども園、小規模保育事業などに加えて今回は支援対象施設が追加され、企業が運営する「企業主導型保育事業」も対象となりました。市の待機児童解消に資すると判断し、今般の国の補助制度の拡充に合わせ、宿舎借り上げ支援事業の対象に追加することになったそうですが、国の制度をフル活用して、今後も待機児童対策に資する施策を展開するよう求めます。

保育に関するこれら3つの事業を通じて感じたことを要望として述べます。待機児童対策に加えて、保育職員の職場環境の整備、また保育の質をどのように担保していくかは大切な未来を担う子どもたちの育ちに大きくかかわる大事な側面です。過重労働となりがちな保育現場ですが、どうしたら休暇を取りやすくできるか、研修に行くことができるか、シフトの調整などに柔軟に取り組むことができるかが必要だと思います。民間事業者に対してそれら管理運営面での支援・指導も合わせてしっかりと行うことを求めます。

次に、都市モノレール車両基地耐震補強補助及び車両更新補助についてです。都市モノレールの車両基地に耐震補強工事を行うとのご提案ですが、今後大規模な地震が発生し被災した場合、長期にわたり車両の入出庫と運行ができなくなる恐れがあることから、早急に対応する必要があるとしたものです。

また、車両の更新についても、安全確保のためにも使用期間は30年が限界であると判断し、4編成8両については、平成32年度に30年目となることから発注する予定とのことでした。また、本市のモノレールは、三菱重工以外の会社が車両を制作することは困難であり、鉄道車両などのように大量生産されていないため、一般的な価格競争がされていないとのご説明がありました。

これらモノレール会社の資産は、本来であれば、会社が整備するべきところですが、今回、モノレールの安全確保及び安定した運営の観点から、耐震補強と車両の更新費用の2分の1を市として補助したいとのことです。

モノレールは公共交通機関として千葉市において重要な移動手段となっており、利用者にとってその利便性は高いのですが、市として補助する場合は、利用していない市民も含めて広く合意が必要です。今後もモノレールを取り巻く現状について、市民への周知を図り、車両価格については交渉をしたとしても、言い値で発注せざるを得ないことも含めて、市の補助について理解が得られるよう折にふれ働きかけをするよう求めます。

また、モノレールの利用を促進し、さらなる収入を確保する施策として、沿線の空き家のリノベーションやマッチング、団地再生など、まちづくりの観点からも重要な事業に、積極的に取り組むよう求めます。

 

続いて、議案第72号・千葉市霊園設置管理条例の一部改正についてです。

条例の一部を改正し、平和公園の管理を指定管理者に行わせるとのご提案です。開園以来これまでずっと直営で管理がおこなわれていましたが、今回はじめて指定管理者を導入することになります。背景について、平和公園は、昭和47年の開設から45年が経過し、墓地使用者の約5割が60代以上と高齢化していること、核家族化の進行などにより、管理事務所に寄せられる、墓地の名義変更や相続に関する様々な相談が、より複雑になり時間もかかるようになってきていること、また、施設管理面について、平和公園は、公園という一面を持つ施設でもあり、墓参される方のみならず、市民の憩いの場として利用される方にも、常に快適な環境を提供していく必要があることから、多様化する利用者ニーズに的確に対応するため、指定管理者制度の導入を検討したとのご説明がありました。

指定管理者の選定の際には、すでに導入されている他都市の状況も踏まえて市民からの相談に迅速で的確な対応を図ること、専門のスタッフによる効率的な運営をすること、高齢者を対象とした園内循環バスの導入、清掃、献花代行などの提案事業サービスを導入することなど、市民サービスの向上に資することができるようさまざまな工夫を求めます。また、高齢者にとって、市直営の霊園への信頼度は絶大です。指定管理者制度の導入にあたっては、指定管理業務は民間事業者がおこなうが、直営業務は市が引き続き担当することを丁寧に説明していただけるよう要望します。

次に、議案第74号・千葉市学校給食の実施及び学校給食費の管理に関する条例の制定についてです。新たに条例を制定し、学校給食の実施主体が市であり、市長が学校給食費を徴収する旨を明記するとのご提案で、これまで学校長が管理していた学校給食費が、今後は市が徴収・管理する公会計に移行する内容です。給食費に関する会計業務の抜本的な改善を図ることで、教職員が子どもたちと向き合う時間を確保できることなどのメリットもありますが、学校給食費は教材費やPTA会費、修学旅行の積立金などと同時に学校ごとに口座振替をしており、学校給食費が市の会計に移行することの影響も大きいと考えます。

今後、PTA会費や保護者会費が別途徴収になった場合、支払いが滞ることも想定され、学校教育の重要な役割を果たしているPTAや保護者会の活動への影響も懸念されます。この機会に組織のあり方や徴収方法等、各学校で支障がないよう検討する機会を設けていただけますよう要望しておきます。また、生活保護の対象家庭は、これまで給食費の支払いが区の社会援護課経由でおこなわれていました。今後は市会計となることで、社会援護課と学校との関係性が希薄となる恐れがあります。これまでのように学校と社会援護課との情報連携が図られるよう要望いたします。

最後に発議第8号・千葉市営住宅条例の一部改正についてです。児童養護施設を退所した者などが単身でも市営住宅に入居できるようにするとの趣旨ですが、その必要性は認めるものの、広く住まいを必要とする人たちについて想定外のケースが生じる場合も考慮し、条例による規定ではなく規則等で柔軟に運用してはどうかと考え、賛同しかねるとの判断に至りました。

これで市民ネットワークの討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。    

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