討論

渡辺 忍

市民ネットワークの渡辺忍です。会派を代表し、今議会に提出されました議案のうち、議案第177号・千葉市内のいきいきプラザ6施設及びいきいきセンター9件を一括して非公募により千葉市社会福祉事業団を指定管理予定候補者とすることに関して反対し、その他の全ての議案に賛成の立場から討論いたします。

 今議会では、多数の指定管理者指定議案が出されました。前定例会に引き続き、非公募による選定の議案に対して、非公募とした理由及び指定管理予定候補者の評価・判断基準をご説明いただきましたが、それらが市民の納得できるものなのか、慎重に審査いたしました。

最初に、議案第177号・千葉市内のいきいきプラザ6施設及びいきいきセンター9件を一括して非公募により千葉市社会福祉事業団を指定管理予定候補者とすることに反対する理由についてです。

平成23年度の外郭団体の事務事業の見直しにおいて、民間で実施できる公共サービスは、民間に担わせ、公共性、安定性、専門性など、外郭団体の有する特性を発揮する必要が高いと認められる公共サービスは、外郭団体に担わせるという方針決定がなされたことにより、いきいきプラザといきいきセンターについては、原則無料の施設のため収益性がなく、また、看護師など専門的なスタッフを確保する必要があることなどから、千葉市社会福祉事業団が運営を担うことが適当とされ、非公募により選定する旨の条例改正が行われました。

そして、平成24年第3回定例会における いきいきセンターの指定管理を非公募とする条例改正に対して、市民ネットワークは「いきいきセンターのあり方よりも社会福祉事業団の経営を重視した決定ではないか」また「社会福祉事業団を非公募で選定するとなれば、地域のNPOや市民団体がいきいきセンターという地域密着施設の施設管理・運営を担う可能性を閉ざすこととなる」として反対をいたしました。
今回の議案に関しても、
いきいきプラザは老人福祉法に基づく老人福祉の中核施設として位置付けられることから、非公募での社会福祉事業団への指定は理解するものの、いきいきセンターの運営状況を見ると、「社会福祉事業団以外で管理できない施設」とは思えず、また、ことに「運営の公共性、安定性等など外郭団体の特性を発揮する必要性が高い」施設とも思えません。
実際に地域では、他の事業者が行っている講座やレクリエーションと内容を比較しながら利用する施設を選んでいる市民がいます。このことから、他の事業者でも十分同様の事業を展開できることがわかり、今後地域において社会福祉事業団以外の事業者がいきいきセンターの管理運営を担う可能性を閉ざしている、と考えます。
先日の議案質疑にて、専門職員を施設間で流動的に活用できること、不測の事態でも利用者へのサービス低下を防げること、事務用品や備蓄等を共同使用することで、経営の効率的な面で更なるメリットがあることを答弁頂きましたが、そのような効果があるか疑問です。

確かに収益性はほとんどありませんが、指定管理料の範囲で、その団体らしい管理運営ができる可能性は十分あります。特に、いきいきセンターは規模も小さく、小さな市民団体の運営に適しています。これまで応募が少なかった事実はありますが、その条件の中に看護師などの配置が含まれており、確かに小さい団体にはハードルが高いという現実があることは承知していますが、そういったことを克服し、基盤の脆弱な団体であっても手を挙げることができるような配慮はされてきたのでしょうか。

いきいきプラザを中核とし、センターはより市民と近い地域の団体、例えば自治会、NPO又は市民団体などでも施設管理が担えるように、何らかの行政の後押しやサポートの制度があれば、市民団体が力を付けていくことができます。

超高齢化社会に進むこれからは、アクティブシニア世代が自ら健康で過ごすために力を注ぐ自助だけでなく、地域の高齢者活動拠点としてのいきいきセンターを共助で運営する地域の一員となることも想定されます。アクティブシニア世代の活躍の場として、自らが自分たちの居場所を運営できれば、それぞれの地域にあった活動拠点になるのではないでしょうか。地域包括ケアシステム構築が喫緊の課題である中、地域で福祉を担い得る様々な市民団体、NPOの育成は、行政の大切な役割であると考えます。

よって、社会福祉事業団を市内のすべてのいきいきセンターを一括として非公募にて指定管理者とするこの議案に反対するとともに、いきいきセンターの指定管理者の決定方法の見直しを求めます。

次に、議案第175号・千葉市ハーモニープラザの指定管理者指定に関してですが、議案には賛成するものの、指摘しておきたいことがありますので申し上げます。
本議案は千葉市ハーモニープラザの指定管理者を平成28年度から29年度までの2年間を指定期間とし、各施設の課題解消に向け、「ハーモニープラザ」全体のあり方を検討調整するため非公募にて指定するための議案です。

本施設は障害者福祉センター、ことぶき大学校、社会福祉研修センター、男女共同参画センターと4つの指定管理対象施設を含む複合施設となっております。
今回あり方を検討する手順として、まずは各々の施設の個別課題の解消に向けた検討を進め、その後、複合施設としての全体のあり方について整理し、方針を決定していく予定とのこと。現段階で検討の具体的な進め方や、方向性が示されておらず、2年間という期間で完了できるのか疑問ではありますが、必要な場合には、平成29年第一回定例会を目処に設置管理条例の改正議案の提出も視野に検討するとのことで、本議案には賛成するものです。

しかし各施設のあり方を考え、設置管理条例改正の必要の有無を判断するまで、ほぼ1年しかありません。期間としてかなり厳しい状況にあり、特に今回は男女共同参画センターのあり方検討の進め方について意見を申し上げます。
男女共同参画センターの課題は、男女共同参画の実践活動の連携・協動の拠点としての機能強化等が挙げられております。
現在の男女共同参画センターは施設面では例えば男性がおむつ替えを行うことを前提に施設が対応しきれていると思えません。授乳室では男女ともに利用できるとのことですが、男性が『授乳室』との表示で利用しやすいのか、何か表示を変更するなどの配慮が必要ではないでしょうか。あるいは、女性用トイレ前にはおむつ替えシートが設置されておりますが、男性用トイレ前にも設置する等、商業施設などでは当たり前になりつつある男性が育児に主体的にかかわるといった視点が反映されておりません。
ソフト面に関しては、男女共同参画の視点からの企画講座が主催事業として行われており、一定の評価をいたしますが、趣味や古典を学ぶ講座など、コミュニティーセンターで行うのがふさわしいのではないかといったような内容の自主事業も多く開催されております。
今回あり方検討の体制としては、各所管と財政局という庁内関係部局のみでワーキングチーム等を組織するとのことですが、男女共同参画センターの場合は市民局生活文化スポーツ部男女共同参画課…そもそもこちらが男女共同参画と名前はついているものの、男女共同参画事業に関して専門的に取り組める人員構成、体制なのかについても疑問がありますが、今回はこちらの部署が対応することとなります。
本来は、男女共同参画審議会がこのあり方検討にも重要な役割を担うと考えられますが、従来年2回開催されている審議会が本年は年4回開催、すでに2回は開催済みとのことですが、HP上には議事録も更新されておらず、審議内容が不明でした。これについて保健消防委員会で内容を確認させていただいたところ、本年は千葉市男女共同参画ハーモニー条例に基づき、本年度までのちば男女共同参画基本計画・新ハーモニープランに続く次期計画の策定時期となっており、審議会はすべてこちらの作業で追われているとのこと。しかし、この計画の策定に関して審議会において、男女共同参画センターの現在の場所についての議論はなかったと伺っております。このような中で、今後1年くらいの検討期間で、本当に男女共同参画センターの課題解決及びあり方検討が行われるのか、そして民意がきちんと反映されるのか疑問です。

以前のご答弁では、男女共同参画センターの果たすべき役割について
地域における男女共同参画の視点に立った組織や団体とのネットワークの構築を充実させていくこと、働く女性を対象とした民間企業で活躍する女性のロールモデルの提供すること、新たに仕事を始めたい女性のための起業準備講座の開催、一人一人の状況に応じた具体的な起業に向けての個別相談会の実施などがあげられておりました。
また、地域における女性の活躍推進の核となる人材の発掘や確保及び育成等を行うことや女性の活躍を推進するため、企業へ向けた意識啓発及び若年層を対象とした男女共同参画の視点を踏まえたキャリア教育等を充実するとのことです。
更に、男女共同参画の視点として、男性の育児参加の促進などについても、お手伝いの意味合いを持つ参加ではなく、男性が積極的、主体的に育児にかかわっていくことは当然という社会となるよう、意識改革を粘り強く進めることなども答弁されておりました。

これらの目的や現状の課題を実現するためには、本施設の利用者のターゲットをどこに置くのかについて、しっかりと検討していただく必要があると考えます。働く女性が当たり前になりつつある状況において、男女ともに参加しやすい施設運営ができるよう望みます。例えば現在のハーモニープラザから分割して駅前など利便性の良い場所へ移転設置することや、ハーモニープラザ内に場所を置くとしても、指定管理者を分割して公募し、専門性のある団体を指定管理者に選定することなどもありうるという柔軟な視点で、しっかりと検討をしていただきたいと思います。

そのためにも、現在利用している市民からの意見聴取のみでなく、現在の場所では利用しにくいなどの理由で、来館したことのない市民にも広く意見聴取をし、今後、より効果的に利活用される施設にしていくことを要望いたします。

次に
議案第193号 千葉市市民会館ほか1施設(文化センター)の指定管理者指定についてです。本議案のうち非公募により千葉市文化振興財団を文化センターの指定管理予定候補者としたことに関して意見及び要望を申し上げます。
非公募にした理由が、「千葉市の文化芸術振興にあたり、文化センターを市民の文化活動への支援の拠点施設として運営していくためには、長期継続的に、市と一体となって文化施策を推進する役割が指定管理者に求められるから」、とのことですが、これは外郭団体である文化振興財団でないとできないことなのでしょうか。非公募にする必要性としてやや説得力に欠けると考えました。

しかしながら、今回の指定管理にあたり文化振興財団から、市民、アーティスト、文化団体等が集い、交流する場を文化センターに創出する事業や本市の文化芸術を支える人材の育成などの新しい事業が提案されているとのこと。これらの事業を推進することで

民間事業者や団体からのアイデアを取り入れ、外郭団体の専門性をよりいっそう高め、それを地域に還元していくことができるのであれば、文化振興財団が非公募にて指定管理者と指定されたことに納得できるものと考え、本議案には賛成することといたしました。
今後、指定管理者の指定が非公募でなされたことが、職員の継続雇用や市職員の天下り先の確保を優先し、外郭団体の温存を図ろうとするものでなく、真に市民サービスの向上を目指して選定したと市民が納得するためにも、文化振興財団の取り組みを評価していくにあたり、評価項目などを見直していただくことが必要と考えます。
先日の議案質疑では、外部委員からなる文化芸術振興会議においても、文化振興財団が実施する各種文化事業に対して専門的見地からの意見や評価を行って参ります。との答弁を頂きましたが、市内のアーティスト、文化団体に加え、市民からみても外郭団体の専門性が地域へ還元されていると評価できるかといった視点を評価項目に加えることを要望いたします。

次は議案第202号 千葉市ふるさと農園の指定管理者指定についてです
千葉市ふるさと農園の指定管理者を平成28年度から29年度までの2年間を指定期間とし、非公募にて指定するための議案です。
これまでも、農業分野に参入している民間企業や大学等と接触し、利活用策などについて意見交換を行ってきたとのこと。今回、速やかな検討を行うために期間を2年間とし、平成28年度は、引き続き情報収集やこの施設の管理運営の条件整理をされるとのことですが、29年度末の指定管理期間 終了時までに次の運営方針を決定し、事業者まで定めることができるのか、状況はかなり厳しいと考えます。
本施設は市民から人気の高い体験講座を多数開催されており、農業講習や実習などを通して土や自然にふれ農業に対する理解を深めてもらう施設として、また、めずらしい茅葺屋根の古民家や長屋門・水車小屋などを配した田園風景は貴重な市の財産と考えます。2年後に運営が立ち行かないので手放す判断をするしかない、というようなことにならないよう、危機感をもって検討し、運営方針を決定することを要望いたします。

最後に
議案第203号 千葉市生涯学習センターの指定管理者指定について です。
本議案は千葉市生涯学習センターを非公募により千葉市教育振興財団が指定管理予定候補者とされたものです。
非公募の理由として、これまでの管理実績や利用者からのモニタリング調査の結果が良好であることに加えて、本市において指定管理制度への外郭団体のかかわりを見直す中で、本施設は、高度の専門性、ボランティアや各種団体との豊富なネットワークが必要であるため、千葉市教育振興財団を非公募で選定するべきとの方向性がしめされた とのことですが、実際に利用している市民としても講座の内容等の充実については評価もしており、今回の議案については賛成いたします。

しかし、本施設においては、指定管理者が施設運営を適切に行うだけではなく、生涯学習の拠点として重要な役割を担うことを明確に、評価していくべきと考えます。市民ニーズの高い講座を開催することにより学習機会を提供することだけでなく、市民が学習した成果を地域で最大限発揮するための活動支援について検討し、学習結果が地域資源として市民に還元されていく仕組みづくりが必要です。
現在、生涯学習センターでは、外郭団体が有する公共性や高度な専門性、民間企業や大学などとの豊富なネットワークを活用した講座やボランティアの育成などを行っており、その成果を公民館等と連携しながら、地域の担い手として活用しているとのことでしたが、現時点ではどの程度連携がなされているか、数値的に判断できる状況ではありません。
生涯学習の拠点として、育った人材を地域に還元していくなどの視点から、千葉市教育振興財団の取り組みを評価していく仕組みについて、議案質疑において伺ったところ、年度評価において、生涯学習ボランティアと地域団体等とのマッチング件数を目標値として定めるなど、地域に貢献した取り組みを評価してまいります。との答弁を頂きましたので、大いに期待をしております。
生涯学習センターが、千葉市の生涯学習の中核拠点として市民の学習機会を確保し、講座修了者が地域で担い手として活躍できる場を提供できるよう、千葉市教育振興財団の積極的な取り組みを求めます。
以上で、市民ネットワークの討論を終わります。

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