討論

山田京子

市民ネットワークの山田京子です。
会派を代表し、討論を行います。今定例会に市長より提案された、すべての議案に賛成の立場を、そして発議第12号に対して、環境経済委員長報告では原案否決とされましたが、市民ネットワークとしては賛成の立場を表明するものです。なおいくつかの議案について、指摘しておきたいことがありますので、以下申し上げます。

議案第76号 専決処分について 
平成26年度から使用している家庭ごみ指定袋について、想定以上の数量が購入され、平成26年度当初予算の製造費等に不足を生じるため、地方自治法第179条第1項に基づく専決処分により緊急措置として指定袋の追加製造を行う必要があったという議案です。
市民生活に影響を及ぼす事案であることから、必要だったと判断し、この専決処分については反対するものではありません。
しかし、二度と同じようなことが起こらないように、今回の出来事について、十分な検証を行っておく必要があると考えます。
市当局の分析によりますと、旧指定袋の45Lが割安であったため、習慣で同サイズを購入される方が多かったこと、消費税率の引き上げに伴う「ついで買い」で備蓄する方が増えたこと、ごみのつめこみが少なく使用枚数が多くなったことなどを挙げていました。
また、発注状況についての見通しが甘かったとの見解も示されていましたので、今後は充分検討したうえでの計画的な発注をお願いします。
今回、袋代が高くなったといっても、買ってしまえばあまりその袋代を意識するほどのインセンティブが働かない価格設定だったのではないかとも推測できます。
1枚、100円も200円もすれば、必死に詰め込むことも考えるはずです。
また、有料化をきっかけに、雑がみのリサイクルに取り組むようになったという市民のご意見も身近で聞いていますが、だからと言って、45Lから30リットルに変えるほどのごみの量の変化はなかったのだと思います。
ごみは袋に入れた時に、あふれてしまうといけないので、どうしても少し余裕を見て袋を選ぶ心理が働くのかもしれません。
やはり、仕組みを大きく変更するのですから、地域限定で新しい袋を使った実験を行い、どのくらい袋の使い方に変化があるのかなど、予測しておくべきだったと考えます。
また、消費税アップに伴って袋代が上がると思い込んでいた方も多く、これはまさに周知不足でした。
行政から市民に向けての周知というのは方法が限られていますし、行政が思っているほど伝わっていないということを今回の経験で実感できたと思いますので、今後、いろいろな制度変更に伴う市民への周知は、いろいろな角度から対応策を検討していただきたいと思います。その際は、生活している市民の目線で対応策を考えていただきたいものです。


議案第80号 平成26年度一般会計補正予算
社会保障・税番号制度に係るシステム整備について
この補正予算は、社会保障・税番号制度に係るシステム整備について、番号管理等の住民情報系システムで共通する機能を、平成25年度当初予算の債務負担行為による複数年契約から単年度契約に変更するものです。
本年2月の総務省通知「社会保障・税番号制度システム整備補助金について」の補助金交付要件が、単年度契約でなければならず、これは25年度当初予算での債務負担行為設定時には想定できなかったことであり、致し方ない補正予算であると理解するものです。
現在千葉市では、 ICTを活用し、市民一人ひとりのニーズに対応できるサービスを実現する、として、平成24年度から、レガシーシステムの刷新に着手しており、今回の補正予算に係る債務負担行為では、その第1期として、住民情報系システムのうち、業務共通、介護保険、税務のシステムの開発・保守が、そして26年度当初予算では第2期・第3期として、福祉、住民記録、国民健康保険のシステム開発・保守、および、住民情報系システム開発の全体管理や、統合運用、機器整備など、総額75億円の債務負担行為が設定されました。
そのうち、番号管理に係るのは、今回の補正予算の対象である「業務共通システム・1464万円」のみ、とのことです。
現行システムでは柔軟なプログラム改修が難しいとのことから、今回の刷新事業では番号制度に対応可能となるシステムの構築に取り組んでいるわけです。
番号制度に関しては、今後一体どれほどの支出が予測されるのか、非常に気になるところですが、個人番号を利用することができる事務の詳細が示されていないことや、国や他自治体との情報連携のためのシステムの仕様が定まっていないことから、国が必要な仕様を示した段階で、必要経費を積算する、とのことです。税や福祉など、各システムの改修にはパッケージソフトを活用し、短期間での改修が可能となる、と言われていますが、国全体での経費は、番号制度システム構築に約3,000億円、ランニングコストとして年間約300億円程度かかるのでは、とも聞いています。またこの程度でとどまるのか定かではなく、全体費用がわからない、当然導入に対する費用対効果も測れないまま、システム整備が進められている感があり、危惧するものです。
世の中、まさにコンピューター時代であり、レガシーシステムの刷新は必要であると考えますが、番号制度に関しては、病歴や所得といった個人情報が収集・分析されるのでは、といった根強い批判や、成りすましや情報漏洩のリスクも指摘されています。
韓国では2008年からの4年間で1億2千万人分の個人情報が流出したと言われ、またイギリスは、高額な運用コストに見合ったメリットがない、プライバシー侵害への懸念などから、共通番号制度の廃止が決まっています。
千葉市においても住基カードの不正取得や、記載内容の改ざんなどの不正があった、とのことです。どれほどシステム面での対策を講じても、人的なミスや不正利用などから情報漏洩のリスクはついて回ります。すでに導入に向けて動き出しているわけですが、更なる利便性を追求するよりも、職員一人ひとりが自ら接する個人情報の取り扱いの重要性を認識し、管理のスキルを向上させることが重要です。

議案83号 市税条例の一部改正について

地方消費税の税率引き上げにより、企業などが多い都市部に税源が偏り、地方公共団体の税収格差が拡大することから、それを補正するため、法人住民税の一部・税率4.4%相当を国税とし、地方交付税の原資とする、とのことです。この税率4.4%の国税化を行うために、法人住民税の税率が引き下げられます。法人市民税では2.6%引き下げられることとなり、そのための条例改正案が今議会に上程されたものです。
法人市民税の税率の引下げは、本年10月1日以後に開始する事業年度分から適用され、千葉市への影響は平成27年度からで、27年度が約16億円、28年度以降は約26億円の減収となる見込み、とのことです。
毎年、10億円、20億円と、市債管理基金よりの借入からなかなか脱却できない千葉市にとっては、かなりの影響額です。
今回の法人住民税の税率引き下げ相当分の全額が、交付税特別会計に直接繰り入れられ、地方交付税の原資となり、法人住民税の税率引き下げによる自治体の減収分は、基準財政収入額の算定に反映され、地方交付税により補填される、という制度設計は理解するものの、交付税で補てんされればいい、というのは気になります。
26年度地方財政計画の中で確保されている地方交付税は16兆8855億円で、その中で、地方交付税の原資とする、といわれても全国の影響額総額は、平年度ベースの推計で5000億円程度とのことですので、交付税総枠の中ではホンの一部でしかなく、地方交付税の総額は、状況により変動し、いつまでも現状のような総額が確保される保証はありません。
また、今回の趣旨である、財政が豊かな都市部からの税収を、財政的に困窮している地方の自治体へ回すという、地方財政調整の必要性は認めますが、地方税を国税化することによって行うのは、地方自治の基盤となる自主財源の減につながるものであり、地方税財源の拡充という社会の流れに逆行するものです。市町村にとって、財源となれば、税金であっても交付金であってもどちらでも同じ、という発想は問題です。
千葉市としても、今回の税制改正は残念であり、地方公共団体間の財政力格差の是正は、地方税財源拡充の中で地方交付税なども含め一体的に行うことを、国に対し要請したとのことです。こういった国のやり方に、ほとほと嫌気がさすのは、職員の方も同じだと思いますが、気を取り直し「国と地方の協議の場」が、期待されるような役割を果たしていない中、あらゆる機会を通して、地方の立場を国に向かって物申していくことを求めます。
平成24年度の税制改正によって導入された地域決定型地方税制特例措置」、いわゆる「わがまち特例」は、地方税の特例措置について、国が一律に定めていた内容を地方自治体が自主的に判断し、条例で決定できるようにするもので、今議会では新たに4項目の導入が提案されました。しかしいずれも参酌基準とされている割合を特例割合とするものです。
国がいう地方自治体の自主性を高める、ということは望ましい方向であり、評価はいたしますが、特例の対象が、多くの自治体が望んでいるものとも言えず、かつ参酌基準でしかあり得ないような状況で、実効性に乏しい制度となることを懸念しています。
こちらに関しても、地方から特例対象への意見を国に伝えていく必要があると感じます。


議案第92号および93号 議決事件の一部変更について

92号は千葉市立磯辺中学校大規模改造工事に係る工事請負契約であり、93号は千葉市営住宅宮野木町第1団地第二期建替事業建築主体工事に係る工事請負契約で、
いずれの議案も、インフレスライドが適用される状況が生じたことに伴い、契約金額を変更するものです。
インフレスライドとは工事請負契約約款第25条第6号に基づき、予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当となったとき」に請負代金額の変更を請求できる措置です。
その背景として、公共工事設計労務単価が26年2月以降全国平均で7.1%、被災3県の平均で8.4%の上昇となっており、技能労働者の確保育成には適切な水準の賃金の支払いがきわめて重要となっています。国土交通省は、平成25年3月に技能労働者への適切な賃金水準の確保を建設業団体長に発出したとのことです。
しかし、実態調査では、技能労働者の賃金を引き上げた企業は平成25年7月時点では36.6%にとどまったそうで、技能労働者の処遇改善はまだ始まったばかりとのことです。
本年1月30日に国土交通省から、都道府県や政令市あてに、技能労働者への適切な賃金の確保についての通知が来ており、その中に、一定の既契約工事について、賃金等の急激な変動に対処するためのいわゆるインフレスライドを運用することを要請したため、千葉市としてそれを受けて今回の対応を行ったわけです。
近年は、若者の建設業離れが加速し、大きな公共工事も減っているため、技能労働者の不足が深刻だとのこと。今後、たくさんの公共施設を維持管理し、補修にも対応するには、こうした人材を切れ目なく育成確保していく必要があります。
今回の契約金額の変更は人材の確保の点からも、必要なことと考えますので、賛成いたします。しかし、せっかく受注者に渡った増額分のお金が、受け取るべき技能労働者に本当にわたるのかが、懸念されるところです。
千葉市が直接雇用していないために、確認することが難しいということも聞きますが、大切な税金ですので、現場で働く技能労働者に確実にわたっているのか、中間的な搾取がないか、受注者に対ししっかり指導監督していただくことを求めておきます。

 

共産党千葉市議団から提出されました、発議第12号「千葉市男女共同参画ハーモニー条例の一部改正」について

これは、個人の尊重、性の多様性を認め、社会として向き合い、差別的な取り扱いをなくすために、同条例第3条の基本理念の第1項、性別による差別的取り扱いに「性的指向及び性的自認による差別的な取り扱いを含む。以下同じ。」を加えるものです。
性的マイノリティについては、以前私の一般質問でも取り上げ、相談窓口を設けるなどの支援や、職員の研修、また、行政手続き上、性別記載が不要なものは、できるだけなくしていくことを要望しました。
その後、千葉市としても相談機関リストの中に性同一性障害の相談窓口を設けるなど、少しずつですが改善がはかられつつあります。
しかし、市及び市民全体で性的マイノリティについてもっと共通理解が進むことが重要と考えます。
千葉市が男女共同参画条例を比較的早い時期に制定できたことは評価していますが、後発の自治体の中には、こうした性的マイノリティへの理解と支援をすすめるための条文を盛り込んで新しい条例を制定しているところもあります。東京都文京区と多摩市がその例にあたり、以前、私もお話を伺ってきました。
文京区では、男女平等参画推進条例の第7条 禁止事項等の中で「何人も配偶者からの暴力等セクシュアルハラスメント、性別に起因する差別的な取り扱い(性的指向又は性的自認における差別的な取り扱いを含む)その他の性別に起因する人権侵害をおこなってはならない。」と明記しています。
多摩市では「女と男の平等参画を推進する条例」の第3条、基本理念の中で、「すべての人が個人として尊重され、性別ならびに性的指向及び性自認にかかわらず、個人の能力及び個性を発揮し、意欲及び希望に沿って社会的責任を分かち合うこと。」としています。
こういった条例がこれからもどんどん制定されていく流れは止まらないと考えます。
千葉市としても速やかに、条文改正により、具体策が前に進み、性的マイノリティの人権が守られ、あたりまえのくらしを送ることができ、つらい思いをする人が減ることを望みます。
したがってこの発議には大いに賛成するものです。

 

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