討論

湯浅 美和子

各委員長報告に賛成の立場から討論を行います。
以下賛成いたします議案のいくつかについて意見を申し上げます。

議案第124号平成25年度一般会計補正予算のうち
「地域課題解決ソリューション」への債務負担行為の上限を6600万円に設定するものについて、です。

この議案に対しましては、先ほどの環境経済委員長報告において、全会一致で付帯決議を付すことになった、との報告がありました。報告の中で説明された附された意見に関しては、当然この事業を進めるにあたり前提として配慮すべき問題であり、賛成し、以下意見を申し上げます。

さて、この事業のもとは本年7月から行われている「ちば市民協働レポート」です。
千葉市に対して、私たちはこれまでも、市民や市民団自らが、生活する街の課題を認識し、解決の方向性を検討し、市との対等のパートナーシップの中でいかに課題解決に向かうのか、という「市民との協働」の必要性を訴えてきました。しかし、その対応は遅々としたものでした。千葉市でようやく始められた協働提案事業は、千葉市の市民との協働の姿勢を示す事業として、そのあり方についてもっと議論し積極的に進めなければならいと感じておりましたが、それも足踏み状態です。
「市民との協働」の概念も定まらず、また地域課題といっても、それは本来「まちなかの物理的な不具合」だけでなく、ソフト的にいかに市民の生活を支えるか、という範囲にまで及びかなり複雑です。もちろん市民の生活を気持ちよく安全に支える中に、街の不具合の解消があるのは了解です。
市民との協働は、公共サービスがこれまで行ってこれなかったサービスを市民が行うことで市民の生活をより快適に支えることにこそ意味があり、もちろんこれまでの公共サービスを市民目線のあらたな方法で行うこともありですが、「市がこれまで行ってきたことを単に市民に肩代わりさせる」のではないはずです。
遅々として進まない、私たちが求めてきた「市民との協働」とちがい、このちばレポの事業は、民間報道にも支えられ、注目を集め、ただ、その割には参加者が爆発的に多かった、というわけではありませんが、11月には評価報告書が出され、本格事業を進めるためのソフト開発とその運用管理のための予算獲得、とかなりなスピード感で進められており、その中で、「市民協働」や「地域課題解決」といった言葉が耳触り良く安易に取り入れられ、少々不安を感じておりました。
そこで意見の一つ目
今後この事業を進めるに当たって、清掃や簡易な修繕をお願いすることを主眼とするなら、もちろんそれも市民への一つの呼びかけ、市長がいつもおっしゃるように「市民に市に対して関心を持っていただく」ことには有効だと考えますが、「地域課題解決への市民協働」というには抵抗があります。市からお願いされたことをそのままこなすことを市民協働だと理解されれば、それは問題です。事業の中身をきちんと反映させた分かりやすい名称を検討すべきです。
意見の二つ目
今回のシステム構築にあたっては、同時に情報プラットフォームの構築が想定されている、とのことです。
今回事業で取り上げられた情報の可視化・共有化は、その他に寄せられる情報でも同様の扱いとなるべきと考えますので、それがスムーズに実施されるよう願うものです。
要は、「地域課題解決ソリューション」(これは仮称だそうですので、さっき申し上げたように名称は再考願いたいと思いますが、今回の議案ではこのようになっていますので、)
であろうと、各所管に寄せられた情報であろうと、扱いの基準は同じであることを市民の皆さんにきっちりと伝え、かつそのような取り扱いがなされるべきです
意見の三つ目
今回のような、スマートフォンなど新たな手法を活用し市民の市政への参加意識を醸成していくのも強力な一つの方法であることは理解いたしました。が、本来の市民や市民団体の課題解決力・地域の課題解決力、を支援し育むことを、これからの課題として考えるべきです。
以上3つの意見を申し上げます。

 

議案126号千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例の制定について

災害時の円滑かつ迅速な避難の支援等を実施するため、避難行動要支援者の名簿の作成及び避難支援等関係者への提供に関し必要な事項を定めるものです。

これまでの災害時要援護者名簿への掲載は、1人暮らしの65歳以上高齢者全員、また、要介護認定者で介護度3以上の者、さらに身体障害者手帳を持つ重度の者と、精神障害者保健福祉手帳所持者で1級の者、そして、療育手帳保持者のうち重度以上の者で、平常時に消防署、ちば消防共同指令センター、民生委員、高齢福祉課、防災対策課、各区役所に提供されていたほか、対象者の中で同意を得られた方の名簿が、確約書を交した上で自主防災組織や町内自治会に提供されていました。

しかし、同意を得る方式では、自主防災組織や町内自治会になかなか名簿の提供が進まず、平常時からの対応ができないことが大きな課題としてあげられていました。
このたびの条例案は、対象者のうち、高齢者の範囲をみなおし、本人の拒否の意思表示がない限り、自主防災組織や町内自治会などへ、避難行動要支援者名簿を提供する方法に変えようとするものです。

65歳以上の1人暮らしの高齢者の範囲は、要介護2以下、要支援2以下の者に変え、新たに難病患者を追加、また、対象要件に該当しない方でも特に支援が必要な方を手上げ方式で追加するものです。

提供先には、県警察、市社会福祉協議会、マンション管理組合が追加されます。
名簿情報の適正管理のために町内自治会・自主防災組織等と協定を締結すること、名簿情報の取り扱いに関し、市から検査をすることができることとなります。

この条例により、事前に、地域の中で災害時に向けての対策が進むようになることは好ましく、賛成しますが、いくつかの懸念もあります。

まず、この仕組みをいかに当事者に速やかに正しく、理解してもらうことができるかということです。
一般の方に比べ高齢や障害のために情報が届きにくい、ご家族の理解がないと自治会等の取り組みもスムーズにいかない、
名簿に載ってしまった後で、拒否の意志があったとわかることも想定される、
また、精神障害、知的障害の方等は、軽度でも、災害時に特別の配慮が必要になる場合がありますが、はたして積極的に手を上げてくださるかどうか。また、この情報が届くかどうか気がかりです。
いずれも、事前の周知は非常に大切です。

福島の原発被災地では事故後、軽度の知的障害や精神障害の方の所在を調べることができず、被災地に置き去りになっていたという実例があります。この名簿が、実は万能でないことを充分承知しておかなければなりません。

この条例により、行政側からの、情報提供の仕組みが一歩前進すると言えますが大事なのは、地域の防災組織の立ち上げ、活動の充実です。
自治会の役員のなり手がおらず、弱体化している自治組織もある中、いかに、地域をサポートしていくかが、これからの防災行政に求められています。
特に、市民に身近な区役所に地域の人たちをコーディネートする力のある職員を厚く配置していくこと求めたいと思います。

 

議案第135号 農業集落排水処理施設条例の一部改正
議案第139号 下水道条例の一部改正

平成22年度から32年度までの千葉市下水道事業中長期経営計画では、11年間で約86億円、年間約7.8億円の資金不足が見込まれていました。その解消のため、4年間の算定期間を設け、平成22年に1.9%、平成26年度に4.4%程度、平成30年度に4.8%程度の下水道使用料の値上げを見込んで収支見通しが立てられています。
それに基づく値上げですが、当初26年から29年までの資金不足は約23億円と見込まれていたものが、企業債の繰り上げ償還による支払利子の減、人員削減、施設の包括的民間委託、等による経営努力によって資金不足が13億3200万円へ縮減され、2.56%の使用料値上げとなったものです。
平成24年度決算では、24年度末事業計画面積に対する整備率は93%、公共下水道汚水処理普及率は97.2%、接続人口については接続率99.0%となっており、普及事業については概ね目処がついた状態となりました。
今後下水道使用料に関しては、ことに大口利用者の節水意識などによって減少傾向となることが見込まれています。今回の使用料改定は現状の資金不足を解消するためには致し方ないと判断しますが、次期算定期間内の資金不足をどう解消していくのか、今回の改定率が当初見込みより低くなったことが、次期改定へ影響しないよう、更なる経営努力を求めるものです。

農業集落排水処理施設使用料は、下水道の使用料改定に合わせて使用料改定を行ってきており、今回も下水道使用料改定率と同じ2.56%の値上げとなります。
これによって維持費にしめる使用料の割合は64.5%になるとのことです。
農業集落排水事業は、総事業費145億円という巨費をかけ平成19年度に整備が完了していますが、計画世帯2080世帯に対する接続世帯の割合は82.5%程度で、未接続世帯に対しては、職員が戸別訪問を行い早期の接続要請を行っているとのことです。接続していない理由としては、公共ます設置に係る分担金が一律10万円、宅地内の配管などの設置費用として平均40万円くらいかかり、この費用の捻出が難しいことがあげられています。
今回の使用料改定には賛成いたしますが、今後、高齢化や家族の人数が少なくなる、また経費もかかることから、100%の接続をめざして接続を促すだけでなく、合併浄化槽をすすめるなどの方針の転換も今後考えていく必要があると考えます。

さて、公共下水道であれ、農業集落排水であれ、また合併浄化槽であれ、それらは全て公共用水域の水質を守るため、そして生活環境の改善というほぼ同様の公共サービスです。しかしながら、この三事業の国の所管は、国土交通省、農林水産省、環境省にまたがっており、したがって、自治体においても、多くは別々の部局で所管されてきたわけですが、行政コストの削減や異なる汚水処理施設間の連携を強化する観点からは、同一組織内での対応が効果的とも言われます。
広島市では、下水道、農業集落排水及び浄化槽の各事業を連携させて効率的に整備を進め、
汚水処理施設の一体的な整備・管理を行っているとのことです。そのために、会計方式を企業会計に統合することとし、企業会計の下水道、特別会計の農業集落排水、一般会計の浄化槽を下水道事業会計とする企業会計に一元化しています。

今年度、農業集落排水処理事業においては、資産台帳の整備が進められている、とのことです。企業会計への会計統合を意識したものと思われますが、合併浄化槽への対応も含め、より効率的な汚水処理事業が行われるよう、組織統合を視野に検討いただきたく思います。

討論

案第145号蘇我スポーツ公園第1多目的グラウンドの指定管理者の指定と
議案第124号 25年度一般会計補正予算中 蘇我スポーツ公園の指定管理者指定に伴う債務負担行為の限度額を1116万2000円に設定することの補正

先に開設している蘇我球技場、蘇我スポーツ公園多目的広場、蘇我スポーツ公園庭球場と一体的に管理を行うことが妥当として、非公募により現在の指定管理者を指定するものです。これまでも施設が供用開始される都度、追加の形で非公募での指定管理の選定がおこわなれてきていますが、今回の指定は、他の施設の指定管理期間と合わせて1年間、27年3月末までの指定となります。

債務負担行為の上限の設定額は、おおよそ想定される人件費などの管理コストから利用料金を差し引いた金額となります。
先に供用が開始されている施設の収支状況を見ると、24年度決算では
フクダ電子アリーナ1423万円の黒字、フクダ電子スクエア→マイナス574万円、ヒルスコート→マイナス309万円、とフクダ電子アリーナの収入によって、ようやく541万円の黒字を計上している状態です。ただし、フクダ電子アリーナの収入の中には、駐車場収益1082万円が含まれています。すなわち駐車場料金の収入がなければ、全体では赤字決算ということになります。

駐車場に関しては都市公園の位置づけの中で、千葉市が指定管理者に管理許可を与えて管理運営がなされています。公園施設の管理の許可を受けた者は、都市公園条例で定める範囲内で市長が定める使用料を納付しなければならないことになっていて、条例上は平米あたり1か月510円が上限となっています。実際の現在の使用料は1か月14円で、かなり低めに設定されており、もう少し値上げをしてもよいので、と考えていましたが、今の収支状況で、管理許可のコストを上げることはかなり厳しいかもしれません。

今回、指定管理者への委託となる第1多目的グランドも、特出した条件変更があるわけではないので、スクエアやヒルスコートと似たような稼働の状況を予想せざるを得ず、全体の黒字部分はさらに少なくなると思われ、
その対策として指定管理者が自主事業を積極的に進めることが考えられているようですが、単なるイベント開催で単体での赤字解消までに至るのは難しいのではないかと想像されます。

蘇我スポーツ公園は平成33年事業完了予定で、総工費327億円、平成25年度末見込みの面積ベースで、施設整備は約63%、用地取得は約64%の進捗率です。今後の施設建設に関しては、市民からの提案・要望を取り入れ、約23億円の縮減を図ったと理解していますが、26年度以降も毎年約14億円程度の事業費が必要となります。

今回の指定管理者選定議案には賛成するものですが、平成27年度からは4つの施設をまとめて指定管理者を公募・指定することが想定されており、その場合の委託条件については慎重な検討が必要となってきます。
今後整備が予定されている第2多目的グラウンドや円形の野球専用施設などに関しては、財政状況とのバランスを考えながら全事業の中での優先順位に配慮し、拙速な執行を行わないよういただきたく思います。

 

最後に
発議第26号千葉市市営住宅条例の一部改正について

共産党提出の発議第26号 市営住宅条例の一部改正は
市営住宅の入居者が婚姻によらないで父または母となった場合であっても、家賃の減免または徴収猶予を行おうとするものです。

ひとり親家庭であっても、配偶者と死別・離婚した場合は税制上の寡婦控除や非課税措置がありますが、結婚歴がない非婚の場合、生活実態は同じでも対象となりません。
控除がない分、課税対象所得が高くなり、税額に応じて決まる保育料などの負担も重くなります。婚外子の相続格差を定めた民法の規定については、最高裁の違憲判断を受け、削除する民法改正が今国会で成立し、結婚歴の有無により負担に差が出る寡婦控除も、国に改正を求める声が上がっています。
11月19日東京新聞に「税法上の寡婦(かふ)(夫)控除を非婚にも適用したとみなし、保育料などを軽減する自治体が増えており、こうした「みなし適用」を首都圏の十自治体が実施または実施予定で、「検討中」も24自治体」との報道があったところです。

千葉市では2010年より「みなし適用」を実施し、保育料と子どもルーム利用料の負担軽減を行ってきており、これは非婚シングルマザーの方からの要望を市長が聞きいれられたものと理解しており、評価しています。ただ、残念なことに市営住宅使用料については取り残されていました。
親がたまたま非婚だった子どもが不利益な状況に置かれている実情に可能な範囲で救済の手を差し伸べるのは自治体の責務であり、保育料や子どもルーム利用料と同様の対応が市営住宅使用料についても行われるべきで、趣旨については賛同するものですが、今回の発議に関しては、委員会の中で、所管局および発議された議員よりの説明を受け、当局としては時代の流れの中、速やかに規則等によって、みなし適用を実施したい旨の発言があり、条例改正よりも柔軟な対応が可能な規則等によって実施されるとのことですので、条例改正を求める本発議には反対するものです。

 

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