討論

湯浅 美和子

会派を代表し、議案第162号から175号までは委員長報告に対して賛成の意を表し、
  また請願8号10号については委員長報告に反対の意を表して、
  そして以下165号、169号、170号から175号について、賛成の立場から討論を行います。

議案第165号 千葉市液状化対策推進委員会設置条例

今後、住宅と周辺道路の地盤改良を一括発注する制度も整うことになるようですが、この委員会では、それに対して必要な工法など技術的な助言を行う、とのことです。
こういった委員会設置に対しては、まったく賛意を表するものですが、どちらかと言うと、なかなか進まない対策に不満を感じる市民もおられます。
住宅地の地盤改良を道路などと一体的に行うことで、個人で行うよりも負担の軽減にはなるものの、個人負担が発生することになります。
地震からすでに9カ月。液状化被害を受けた地域では、再液状化の不安を抱えながらも傾いた家屋の修復工事に着手されているお宅もあることを思うと、地盤改良と住宅の復旧工事とは内容が違うとはいえ、それら工事がムダなく、少しでも安価に行われるような配慮が必要です。
少なくともきめ細やかに液状化対策の情報を提供し、それぞれが今後の方針を立てる際の参考にできるようにすること、また道路と住宅地の一体的な対策には、住宅十戸以上の所有者が共同で希望することが必要となってくると思われますが、個人負担の問題もあり、地域の合意形成を丁寧に進めていただきたい。また負担軽減のための更なる支援策が取れないかの検討もあわせて行っていただきたいと思います。

 

議案第169号 和解について  南部蘇我区画整理事業について

南部蘇我土地区画整理組合及びその保証人らに対して、銀行3行から提訴された貸金等請求訴訟において、本年1月に裁判所から千葉市に対しても関係人として参加するよう要請があり、裁判所、銀行、千葉市、組合、保証人による話し合いが進められてきましたが、10月に裁判所から和解勧告がありました。
市民ネットワークでは、さきほど委員長から詳しい報告もありましたが、都市建設常任委員会における審査、千葉市で初めておこなわれた参考人からの意見聴取、及び執行部からの説明や、過去の議場での議論などを参考に検討し、裁判所よりの和解勧告を尊重し、和解議案に賛成いたします。

裁判所の和解案では「被告組合が多額の負債を抱え事業収束の目処が立たず、換地処分が完了しないことから住民が不安にさらされ、この地区を離れることも予想され、これまでの市街地化が無に帰すおそれもある。この状況の解消のためには、訴訟の当事者及び関係者が互いに譲歩する和解により、事業収束に向かうしかない。高い公共性を有する事業であり、被告人および保証人が最大の努力をしてもなお不足するところは千葉市による援助が不可欠」とされています。

そこで以下5点について検証し、千葉市として和解案の受け入れが妥当かどうか検討しました。

  1. 組合の設立時期と事業の延伸について

80年代後半、地価や株価の大幅な上昇があり、更なる値上がり期待が高まっていた時期に組合が正式に成立されました。当初の事業計画は平成元年から平成6年。すでに株価・地価が急落していた時期に入っています。
この時期の事業開始がいかなる思慮のもとに行われたのか、かなり問題があると感じますが、バブル崩壊の影響で地価が下がり保留地処分が計画通りに行かず破たんに至る事例は珍しいことではありません。

この時期に入ると、保留地処分や事業施行期間の長期化に伴う金利負担等について十分な検討を行うことが必要であり、事業期間の短縮など、適切な指導が必要とされます。当初計画は7回にわたって変更が認められ、事業が延伸されましたが、その第1回目の変更が平成7年、蘇我町線の導入がすでに組合に説明されていた時期、2回目の変更が平成9年、正式に蘇我町線の建設が決定されたことに伴うものでした。
保留地処分が始まったのは平成9年です。地盤がさほど良くないところへの造成工事でもあり、当初の計画自体に無理があったとも考えられますが、蘇我町線の導入が事業延伸に大きく影響していることは否めません。
蘇我町線導入の影響を正しく見通すことができなった認可権者としての千葉市の責任は大きいと言えます。
                                                      

  1. 減歩率不変の確認事項

平成9年6月19日付の蘇我町線導入に伴う確認書では「減歩率に変更が生じないよう努めるものとする」とあります。
千葉市としては用地費として組合に22億円支払い、保留地の減歩を公共用地の減歩に置き換えたことになっており、全体の減歩率は変わっておらず、減歩率不変の確認事項は履行されている、との認識です。が、ただし、市がどれほどの努力をしたかどうかは問われるところです。

  1. 区画整理事業のもつ公共性

この事業の目的は、「市街地化されつつあるこの地区のスプロール化を防ぎ、良好な住宅地とするため、道路、公園などの公共施設の整備改善、及び住宅地の利用の増進を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的する」とされています。
極めて公共性の高い事業であると言えます。
公共幹線道路に関しては市からの補助金で賄われていますが、その他上下水道や街区公園などは組合負担となっています。現状の組合の財政状況下ではかなり厳しいものであり、何らかの支援の工夫もあったのではないかと考えられます。

  1. 千葉市にとっての意味

約40ヘクタールの宅地が造成され、事業前の地区内人口は171人であったものが、現在はおよそ2400人の方が地区内に住んでおられる、とのことです。
ことに多くの若いサラリーマン世帯が仮換地を買い、新しい住宅に住んでおられます。
固定資産税、都市計画税を算出すると、事業当初は地区全体で約2100万円であったものが、21年度末では約1億5500万円となり、約1億3400万円の増となっており、これからも若い世代を取り込んでいく可能性を否定しない方向を考えるべきです。

  1. 和解が不調に終わった場合

和解勧告は、被告組合における賦課金議決、被告保証人及び原告らの負担金、並びに千葉市における補助金の議会議決が前提です。このうちいずれかでも得られない時は和解による解決は不能となります。このまま土地などの権利が確定しない状況が続くと今後の不動産取引や新規に家を建てるなどの活動が低迷するのは想像に難くありません。議会は大変大きな判断責任を負っています。

これまでの事業認可時から事業遂行期間内においても、組合の運営や市の指導監督についても幾多の問題点が指摘され、また蘇我町線導入についても疑義があるとの意見もありますが、今は事業収束の優先度が高いと判断しました。千葉市は区画整理組合の一員でもあり、当事者としての関わりもあったわけで強く責任を感じるべきと考えます。組合は以前の議決を上回る賦課金徴収を総会で議決し、原告もまた、遅延損害金の放棄など同意しているところであり、裁判所より示された和解案を千葉市として受け入れることに賛成するとともに、市としても財政状況が大変厳しい中ではありますが、区域内市有地の売却については、組合との充分な協議の上、売却時期への配慮をすべきと考えます。

 

議案第170号から175号まで
これら6議案は、ビジネス支援センター、富田都市農業交流センター、乳牛育成牧場、こども交流館、子育て支援館、科学館に、それぞれ指定管理者を指定するものです。
うち、ビジネス支援センター、富田都市農業交流センター、乳牛育成牧場の3施設が非公募であること、また子ども交流館、子育て支援館、科学館は、公募されましたが、いずれも現指定管理者が選定されたこと、そして公募にあたっては、「ひな形審査項目」の配点にそった得点により選定が行われた、という点を考慮し検討した結果賛成するものです。以下意見を述べます。

指定管理者制度は、その制度設計の多くが自治体に委ねられているという特色を持っていいます。そのため、制度を導入した自治体は、試行錯誤を重ねながら、制度を練りあげてきました。
千葉市も例外ではなく、選定委員会のあり方、公募非公募の決定や、今回から導入された「ひな形」も、自治体に委ねられた制度設計の一つであり、少しずつ改善が進んでいると認識しています。
指定管理者制度といっても、見方は様々で、国にとっては規制緩和と行政改革、民間にとってはビジネスチャンスとしての「官」への新規参入、そして自治体にとっては、多様化する住民ニーズへの効果的、効率的な対応に寄与するというサービスの向上と、コスト削減があります。
全国自治体が概ね2期目の選定を控える昨年末、これまで明らかにされてきた問題点から、総務省が「留意すべき点」として通知が出されたことがこの議場でも度々取り上げられています。
ただ、言われていることは、決して新しいことではなく、単なる価格競争にしてはならないこと、雇用・労働条件に適切な配慮をすることなどが改めて示されたものです。また、指定管理料については、債務負担行為として予算書に反映させることは求められました。

さて、指定管理者は原則公募。
事実上は競争入札と似通り、コスト削減とともに、平等利用、施設の効率的運営、安定的管理能力が求められ、 公正労働基準や社会的価値も基準として自治体が判断できるということでは、まさに総合評価方式と言えます。

その点から考えますと、今回の指定に関しては、競争性が低かったことに若干の課題を感じています。この制度の最大の特徴は、指定する主体を最大限広げたことにある、と考えています。

事業を実施する施設管理に関しては「継続性」をどうするかは、非常に悩ましいポイントです。非公募公募の決定にも関わってきます。
他自治体を見ていても、継続する事業者の場合は5年、新規の場合は3年とする、
指定管理期間を定めるけれども、期間内の管理運営の評価が高ければ、次回は非公募になるということが募集要項に明記されて募集されている事例もあります。
指定管理者の管理運営に良好な環境を整備したり、あるいは新規の参入を行いやすくする、といった工夫と見ることができます。
単独応募を避ける環境づくりが必要です。

今回の3施設が非公募となった理由に関しては、現状では理解するものですが、「非公募」であることに甘んじることなく、
ビジネス支援センターに関しては、同様施設で公募方式をとっている自治体もあり、次回に向けては公募の可能性を探ること、
富田都市農業交流センターに関しては、指定管理を行う団体の状況を鑑み、世代交代や新たな経営手法の検討などを行うこと を求めます。
また乳牛育成牧場に関しては、3年前も「家畜伝染病予防の観点から一般利用者の利用を制限する可能性があることから現在の管理運営の基準の変更などが予測されるために指定管理を3年にする」と、今回とほとんど同じ理由での3年間の指定機関の設定でした。この3年間の検討がどうであったのかも問われますが、今期間内に公の施設としてのあり方に関して、市民の受け入れなどの機能は別の施設でも代替可能であり、千葉市の酪農をしっかりと守ることを念頭にきちんとした検討していただきたい。ただし、指定管理者制度を導入したことによって、導入前の委託時には明らかにされなかった受託者の受託に関わる経理状況が整理されたことは導入の効果であったと考えらます。この点に関しては今後も継承していっていただきたいと思います。

「ひな形」の審査基準に関してですが、一言意見を申しあげます。
6項目目「その他市が定める基準」についてです。
そのうち「市内産業の振興」「市内業者の育成」「市内雇用への配慮」があげられています。入札の世界においては、このようなことが必要項目として上げられてきました。しかしこれらの項目は、指定管理の評価すべてにあてはめていいのかどうかには疑問を感じます。これはあくまでもひな形であり、その項目をどのように扱うか、は施設の所管局に委ねられているわけですので、今後、例えば「科学館」といった、千葉市の一つの「顔」となるような施設に関しては、あるいは教育的目的であるなどの、目的が明確であるものに関しては、指定する主体を最大限広くし、全国から英知を結集させる意気込みで、グレードの高い施設になることに留意されることをもとめ、賛成の立場からの討論といたします。

 

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