平成23年第4回定例会 一般質問

山田京子

1.盲ろう者への支援について(1回目)

みなさんは盲ろう者をご存知でしょうか?
盲ろう者とは目と耳の両方に障害を併せ持つ人をいいます。
「盲ろう者は真っ暗闇の世界にいる。水や空気の無い世界にいるようなもの。」と聞いています。

平成18年に行われた厚生労働省の身体障害者実態調査によれば、盲ろう者は全国に22000人いるといわれています。また、全国盲ろう者協会の調べでは平成22年12月末時点で千葉県では1049人、そのうち千葉市には推計158人の盲ろう者がいるとされています。
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聴覚障害だけ、視覚障害だけと違い、その二つの障害の程度が人により様々です。
その見え方や聞こえ方や程度によって、大きく分けると@全盲ろうA全盲難聴B弱視ろうC弱視難聴の4つのタイプがあります。

それゆえ、支援のあり方も個人個人違うところに、盲ろう者の支援の複雑性があります。
盲ろう者が抱える困難は、1.コミュニケーションの困難、2.情報摂取の困難、3.移動の困難といわれています。
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コミュニケーション方法としては
@手話(接近手話・触手話)A点字(ブリスタ・指点字)B手書き文字C音声D筆談E指文字Fその他
に分類でき、盲ろう者はこのなかから一つ、あるいは複数の方法を組み合わせて会話します。

私も、NPO法人千葉盲ろう者友の会の交流会に参加させていただきましたが、本当にそれぞれ、違った方法でコミュニケーションをとっていて、同じ情報を得るのに、たいそう時間がかかることを実感しました。

友の会のような支援組織に入っている人は、まだ社会とつながっていますが、一般にはどこに盲ろう者がいるのかが、まずわかりません。
友の会が、把握しているのは、平成22年12月末において県内1049名と推計されている盲ろう者のうち、たったの26名だけです。

たくさんの盲ろう者が家の中に閉じこもったままなのではないでしょうか。
こうしたNPOでは、支援したくても、個人情報保護の壁があって、行政からは情報がもらえません。どこに当事者がいるのかつかめないで困っているのです。

そこで、伺います。
(1)千葉市内に何人盲ろう者がいるのか、盲ろう者がどのような暮らし方をしているのか、市は実態を把握していますか。

 

2.子どもたちへのいのちの教育について(1回目)

今年10月、若葉区で、コンビニのゴミ箱に、生まれたばかりの赤ちゃんが捨てられていたと報道されました。11月末、20歳の母親が、殺人未遂容疑で逮捕されたとの事です。
10か月間も母親は大変な思いをしたのに、ゴミ箱に赤ちゃんを捨てた、その気持ちの持ち方を考えると、望んだ出産でなかったことは確かです。
その母親にどんな事情があったのかわかりませんが、一年前には、まさか自分が、殺人未遂容疑で捕まるとは思ってもみなかったでしょう。
このような悲しい事件はなくしていかなくてはいけません。

児童虐待の根幹には実はDV、すなわちドメスティックバイオレンスが関係しており、加害者である本人が虐待された経験を持つことも多いと言われています。

先日のNHKテレビの特集番組で、「インスタントセックス」という言葉が登場し、おどろきました。ある若い女性はセックスをゲームだと認識しており、携帯で週に何人もの男性といとも簡単に約束を取り付けるのです。しかし、心の中はさびしさでいっぱい。セックスでそれを満たしていたわけです。その過去には、やはり虐待があったと聞きました。
彼女は、性感染症や妊娠の危険性よりも、誰でもいいから寂しさを埋めてくれる人がいることの方が優先なのでしょう。しかし、そのままでは、こころからの幸せを手に入れるのは難しいかもしれません。
仮に彼女の家族が悪かったといっても、過去に戻ることはできません。
家庭任せ、当事者に責任を押し付けるだけではそのような負の連鎖はとまらないと思います。

この負の連鎖を断ち切るためにどの段階でのどのようなアプローチが必要でしょうか。
私は、大人になってからの対応では解決が難しいと考えます。
自我が芽生え、親とは別に自分自身で物事を考えることのできる時期すなわち思春期に、虐待予防も視野に入れた、いのちの教育を重点的に行うのが有効だと考えます。
いのちの教育といっても漠然としていますが、まず自分自身を大切にすること。生まれてくることの意味、素晴らしさを知ること、将来パートナーに巡り合って親になる場合には今から何を大切にしていくべきかを具体的におしえていくことだと思います。

また、性感染症の低年齢化も心配されています。
初期には症状が出にくいため、気付かないうちに、感染を広げていることが危惧されます。そうした、知識も不十分ですし、自分の体を大切にしないことで性感染症にかかり、将来生む子どもへの影響があることが、思春期には実感できていません。

千葉市では、平成9年からふれあい体験学習、11年から思春期教室を中学校で実施しています。
ふれあい体験学習は、乳幼児とのふれあいによる母性父性の涵養、そして生命の尊厳や性に関する教育を実施するもので、思春期教室は、親と子どもに対し思春期の心と体の発達の特徴、対応について、知識の普及及び相談を行うものです。前者は、助産師、保健師など、専門家を中心に、学校の先生方、地域の皆さんの協力のもと、準備の時間をかけて行われています。
それらが、いのちの教育の一つの形として効果的であると私は評価しています。

そこで伺います。
(1)市としては子どもたちへのいのちの教育の必要性と、効果的な時期、取り組み内容ついてどのように考えているのか、改めて伺います。

(2)平成19年におたずねしましたが、その後のふれあい体験学習・思春期教室の実施状況はどうなっているでしょうか。

(3)4年前、19校であった未実施校については、働きかけを行うとの答弁をいただきましたが、実際働きかけたのでしょうか。その効果はあったのでしょうか。

(4)ふれあい体験学習、思春期教室を実施した学校は次には自主的に実施してほしいとのお話を4年前に聞きましたが、その後、自主的に実施する学校がどのくらいあるのか把握していますか。増えていっているのでしょうか。

(5)今年の春には市内の中学生が命を奪われるという痛ましい事件がおきました。生徒のために心の教育、いのちの大切さを学ぶ機会がぜひ必要と思いますが、せっかくあるこのふれあい体験学習などのプログラムを活かすべきではないでしょうか。
それとも他にもっと有効なプログラムがあるでしょうか。教科の授業だけで充分だと思っているのか、見解を伺います。

(6)健康づくり21に基づく、新世紀ちば健康プランでは、22から24年度にかけて、親と子が、健やかに育ちあうため、「10代の望まない妊娠を減らすこと」、「性感染症について知り、10代での感染を防ぐ」との目標を持っています。
これらについてはどのような方法で目標を達成しようとしているのか伺います。

(7)来年度から、学習指導要領が変わり、中学校家庭科で幼児とのふれあい体験の学習が行われると聞いています。
今、いくつかの学校で行っているふれあい体験学習と組み合わせることで効果が高くなることも予想されますが、連携して工夫することは考えているでしょうか。

3.夏季に市内に飛散する粉塵について (1回目)

ことしの夏は、節電の影響もあって、冷房の使用を控え、自然の風を取り入れる家庭も多かったのではないかと思います。風が入るのはいいですが、窓を開けていると、黒い粉塵が、室内に入り込み、網戸や洗濯物、床が黒くなってこまっている、という相談を、高品町の方からいただきました。
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(1)他にも同様の指摘が、千葉市に届いていないか、もしあったとしたらどのような時期か、また、どのような地域からか伺います。

(2)その指摘に対して、現地調査、粉塵の分析調査はおこなったのでしょうか。

(3)お子さんがぜんそくで、粉塵の成分が健康に影響のあるものなのかどうか、心配している方もいます。ぜんそくの発生状況との関連性についての調査が必要ではないでしょうか。調査は行ったのか伺います。

(4)今ある情報の範囲で、原因についてはどのように考えていますか。
また、市民の指摘に対し、対応策はどのようにしようと考えているか伺います。


1.盲ろう者への支援について  (2回目)

荒川区では区内の盲ろう者18人の訪問調査を始めました。きっかけは、区の職員が、「盲ろう者はどういう生活をしているのだろう、大変なんじゃないか。」と思ったことからだそうです。

都には800人以上の盲ろう者がいますが、東京都盲ろう者支援センターにつながっているのは少ないうえ、支援センターでは活動が活発でないということがわかったそうです。やはりコミュニケーションがとれていないと判断し、支援センターの協力を得て訪問調査を始めたということです。

23年度は101万円の予算を付けました。市区町村レベルでの盲ろう者支援事業は全国初だといいます。
支援センターの実施する通訳・介助者派遣や相談、訓練などの情報を当事者に届ける体制の整備、介護従事者向けの研修会の実施、また、安心して地域でくらせるよう、盲ろうという障害を区民に広く理解してもらうための一般市民向けの講演会、交流会を実施する予定とのことです。

そこで伺いますが
(1)市としては盲ろう者への支援の必要性についてどのように考えていますか。

千葉市でも荒川区のようにまず、当事者がどんなことに困っているか、何を必要としているかを把握するため、盲ろう者の訪問調査を行ったらよいと思いますがいかがでしょうか。

(2)また、通訳・介助者の養成、盲ろう者本人の自立と社会参加のための研修、市民への理解を求める取組が必要と思いますがお考えを伺います。

2.いのちの教育について(2回目)

神戸市では、平成16年から、発達段階に応じていのちの教育を行っています。小学校高学年の、いのちの感動体験学習では、布袋を使って子宮・産道を通り抜ける疑似体験をします。そこで、生まれてくることを喜んでくれる人がいるということに気づき、もう一度自分の命を見つめ直すとのことです。

次に中学では思春期デリバリー授業を行います。1年では、助産師から、いのちの誕生、いのちの大切さ、について、3年生は医師による、性感染症の講義を受けパートナーの人権、命について学んでいるとの事です。

高校では、思春期ピアカウンセリングといって、市の委託したNPOが大学生をカウンセラーとして養成し、高校に出向きます。若者が「いのちと性」について共に考え自己決定する力、人生を考える力を養います。また、自らが望む時期に妊娠・出産し、積極的に育児にかかわることのできる将来の親作りを行うことを目的としています。

性に関する世の中の情報量と質の変化に親世代も教師も追いつけない状況の中
こうした、小、中、高校でのいのちの教育の取り組みは待ったなしではないですか。現状はとても足りないと思いませんか。

(1)そこで、まず、中学校での思春期教室やふれあい体験学習の全生徒受講を目指し、せめて、思春期教室の全校での実施を求めたいと思いますがいかがでしょうか

 

意見と要望 (3回目)

1.盲ろう者の支援について

盲ろう者は、これまで光があたっていませんでしたが、聴覚障害者、視覚障害者とは別わくの障害と認識すべきです。

荒川区が訪問調査したある女性は、それまで、障害を知られるのがいやで耳を髪で隠し、聞こえるふりをすることもあったそうですが、訪問後、支援センターの編み物や料理の教室に通うようになり、今年の冬には東京マラソンにも出たいというほど積極的になったと聞きました。

訪問し、心を開いてもらい、社会につなげるまでには時間がかかると思いますが、把握したニーズを生かして、市の支援メニューを増やしたり、一般市民への啓発や当事者団体につなげるなど、盲ろう者の社会参加が進むよう積極的な取り組みを求めます。

 

2.いのちの教育について

教育委員会と健康部との連携の中で、学校が自主的に行う取り組みを含め、事業の拡大に努めていくとのご答弁をいただき、ありがとうございました。期待しています。

平成9年からはじまった思春期保健対策事業は、先生方や地域の方々のご努力で、自主的に取り組む学校が増えていることは確かです。
しかし、来年度から、特別活動に使える時間が大変少なくなると聞いており、取り組みが減るのではないか心配です。
さらに、今年は震災もあり、防災の教育も必要、また、交通安全教育も必要、など、学校教育に求めるものがどんどん増えています。

従来なら、地域や家庭で暮らすなかで、出会うことのできたいのちの誕生、乳幼児とのふれあいやお年寄りの死。それらをわざわざ、別枠の時間をつくって学ばなければならないほど、社会や暮らしが変化してしまっています。

児童虐待、DV、望まない妊娠・出産、性感染症 これらをなくすためには、いのちの大切さを知り、お互いを尊重し合う関係を持つことが基本です。
それを家庭や地域の中で実感することができれば一番ですが、できない子どもがいるのも事実です。やはり、多感な思春期に、いのちの教育を行って、自分の誕生の軌跡を知り、自分の心と体を大切にすることをまず学ぶべきです。自分を大切だとおもえない人は他人も大切にできません。

学校では時間をとるのが難しいかもしれませんが、どうぞ、このいのちの教育の優先度を高くしてください。

また、公民館や、生涯学習センター、男女共同参画センター、こども交流館等を使って、子どもだけでなく保護者や地域の大人に向けてのいのちの教育をぜひ行ってほしいと思います。

3.夏季に飛散する粉塵について

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市民の方が集めた気象庁のデータなのですが
夏場は南西方向からの風向きばかりだとわかります。
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これは1年間の風向きと頻度の図を地図上においたもので、臨海部の工場から南西の風が吹くとちょうど高品方面に飛ぶのがわかります。小さい子どもを抱えたお母さんが、育児の合間に一生懸命作ったものです。

市の行なった降下ばいじんの分析結果からも、飛んでいるのは、JFE工場の石炭、鉄鉱石などの原料ヤードやコークス炉からの粉塵ではないかと推測されます。

また、専門家のお話では大気汚染物質の拡散状況を数学的に説明する式(サットンの式)を仮に当てはめてみると、蘇我臨海部から南西方向の風が吹くと、ちょうど高品方面に着地すると聞いています。

先ほどのご答弁で、工場への指導の徹底、立ち入り調査の実施、原因究明のための調査・検討を行うということで大変うれしく思っています。市民の皆さんも喜ぶと思います。

その際ですが、南西の風が吹く方向の地域での粉塵測定を実施するなどご検討いただきたいと思います。

また、黒い粉塵の原因が解明され、対策が講じられるまでには時間がかかるかもしれません。しかし、生活の仕方を工夫することで、被害をより少なくすることができると思います。そのための情報を企業と市から市民に提供してもらいたいですし、市民の自主的な活動をぜひサポートしていただきたいと思います。

今後、原因究明の調査を行うとの事ですが、市だけで勝手に進めることなく、企業、行政、市民の連携のもとに調査や対策が進められることを強く要望します。