反対討論

小西 由希子

会派を代表し、ただいま上程されました議案第121号及び124号から第133号に対する付帯決議に、反対の立場から討論いたします。 提案された付帯決議でありますが、これは法的拘束力はないものの、議会としての意思を示すもので尊重されるべきものであり大変重いものと認識しております。まずは、付帯決議提出に至ったプロセスがどのようなものであったのか、納得できるものであったかの検証をしたいと思います。 付帯決議を要するものについては、まずは常任委員会の審議の中で、その必要性が提案され、そこで十分な議論を経ておこなわれるべきと考えますが、各常任委員会でそれはなされたでしょうか。

それぞれの常任委員会を振り返ってみますと、 教育未来委員会においては、議案第130号千葉市スポーツ広場設置管理条例、議案第131号千葉ポートアリーナ設置管理条例、議案第132号千葉体育施設設置管理条例の各条例の一部改正については、継続の提案がなされたものの、賛否同数のため自民党会派である委員長採決によって継続審査は否決され、採決の結果同じく賛否同数。委員長採決で否決となっています。 保健消防委員会においては、議案第123号千葉市老人福祉センター及びデイサービスセンター、すなわちいきいきプラザの浴場ですが、この設置管理条例の一部改正については、継続となりました。 環境経済委員会では、議案第124号 千葉市コミュニティーセンター、議案第125号 千葉市土気あすみが丘プラザ、議案第126号 千葉市民会館、議案第127号 千葉市文化センター、議案第128号 千葉市文化ホールの以上5つの施設の設置管理条例の一部改正については、継続の提案がなされたものの否決され、採決の結果賛成。ここでも付帯決議の提案はありませんでした。 さらに、先ほどの自民党の討論では、これらの議案に対し常任委員会では継続を提案されたとありましたが、都市建設委員会においては、議案第133号「青葉の森スポーツプラザ管理条例の一部改正について」では、継続の提案はなく、ただちに採決されました。自民党の意思に反して委員会として賛成となったものの、委員会の場において、付帯決議の提案はありませんでした。

さて、昨日の議会運営委員会で、決議に関する提案理由として、自民党では当初、会派としては「受益者負担の考え方は納得できるものの、利用者に対し十分な事前の説明がなされてこなかったことへの危惧があることから、公共施設利用料等の有料化や料金引き上げについての議案は継続審査とする」との統一した見解をもっていた、との発言がありました。 しかし常任委員会での対応はばらばらであり、ご説明とはかなり違ったものでした。そして、本日の議決ではいきいきプラザの浴場使用料以外はすべて賛成。そして付帯決議の提案です。
上程された付帯決議を拝見しますと、「増収相当額を活用して施設の改修費にあてる」や、「市民サービスの向上」「障害者等社会的弱者に対する対応」などが挙げられております。 しかし、議案質疑の場においては、利用料金収入の取り扱いや利用者に対する周知徹底と理解を求めることについては取り上げたものの、それ以外の事項については全く触れられてはおらず、執行部からの説明に「おおむね了解した」との発言がありました。 また、各常任委員会においても、これらの視点で十分審議し、意見をのべられたか疑問が残ります。こうした課題を問題と考えるならば、とことん質疑し、審議すべきではなかったでしょうか。先にも述べましたが、いずれの常任委員会においても、付帯決議の必要性には触れられておりません。 付帯決議してまで議案を通そうというご意思があるのでしたら、まずは議案質疑や常任委員会という私たち議員に与えられた発言の場で、そのプロセスを明らかにしつつ、市民から付託された責務を果たすべきであったと言わざるをえません。

議案の審議は各常任委員会に付託されているわけで、慎重審議の場をどのようにお考えなのか疑問です。委員会中心主義をとっている本議会のルールを逸脱するものであり、常任委員会軽視にもつながります。 私ども市民ネットワークでは、これらの議案に対し、利用者への周知、施設の改善、弱者への配慮などの懸念があることから、議案質疑でも取り上げ、コミュニティーセンターの利用料金収入を施設の修繕に還元するよう求めてまいりました。また、常任委員会においても「利用しやすさ」など施設のあり方について十分な審議をし、よりいっそう市民サービスにつとめることを求めて賛成としたところです。
以上のように付帯決議を提案するに至った経緯をつまびらかにしてまいりますと、その経過にどうしても整合性を見つけることができません。つじつま合わせとしか言いようがなく、納得しかねるものです。 よって、本発議には反対をいたします。以上、市民ネットワークの討論といたします。

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