議長選挙にあたっての所信表明

湯浅 美和子

今回より千葉市においては議長選挙にあたり、立候補を申し出、今行われている「正副議長選考会」の中で、傍聴者がおられる公開の議場で所信表明することが可能となりました。様々な議論がある中、議員の政治倫理条例に次いで、議長選挙の新たな手法を取りまとめられた「正副議長等委員会」の議員の皆さまのご努力に敬意を払うものです。 昨年の現職議長の逮捕という非常に残念な事件を受けて実現したことではありますが、議長副議長の選出過程の透明化は、これまでも市民ネットワークが求めてきたことであり、市民に納得される「あたりまえの議会」にむけての一歩前進だと感じています。

地方分権の進捗や議会改革の高まりは、今や大きなうねりとなっています。 昨日6月9日付全国市長会の「真の地域主権改革の実現を求める決議」においても 「地域のことは地域に住む住民が決め、活気に満ちた地域社会をつくるためには、基礎自治体を重視した地域主権改革を断行するとともに、国と地方の関係を対等の立場で対話していける関係へと根本的な転換を図っていかなければならない。」と謳われています。国においては、「(仮称)地域主権戦略大綱」を今夏にも策定すると言われ、その内容も注視していかねばなりませんが、自治体の責任が重くなっていく中で、私たち議員は、議会は何が出来るのか、しなければならないのか、を考えていかねばなりません。

地方自治体は、執行機関である首長と議事機関である議会という、ともに住民の直接選挙で選ばれた二つの機関で構成されています。首長と議会が、それぞれ独自の権限と役割を持ち、そして市民との三者の間で緊張関係をもちつつ、住民から選ばれた地方自治機関としての役割をはたすというのが、現在の地方自治制度の特徴です。いわゆる二元代表制であり、国の「議院内閣制」とは大きく異なっています。 私は現在2期目の議員を務めさせていただいておりますが、ことに今期になってからは、二元代表制である地方自治体の中で、議会とは何か、議会の権能とは何か、を考えることを自らの課題としてきました。 この思いは、おそらく、市民からの負託を受け、ここに集う議員の皆さんが同じように感じ、考えておられることだと思います。

この間市民ネットワークでは、「いち早く議会基本条例を制定した北海道栗山町議会」や伊賀市、多摩市、三重県議会など議会改革を進める自治体を実際に訪ね、多くの刺激と示唆を受け、これらをこれまでの議会活動の中でも活かしてきました。 それぞれの自治体議会で、議会改革の原動力は色々あるようですが、多くに共通しているのが「議会不要論」への危機感だったように思います。「選挙の時しか顔が見えない議員」「議会は一体何をしているのかさっぱり分からない」・・・よく聞くことばです。ましてや、いまの千葉市、新しい市長が誕生し、市民の関心が高まっており、議会の役割も問われています。 これから、次期統一地方選までの期間ではありますが、議員の皆さまとともに、市民から信頼され続ける議会であるための動きを創りだしていきたいと思います。

具体的な取り組みとしては  

  1. 千葉市では今期に入り、「政務調査費・費用弁償・常任員会傍聴」について見直しがされ、次いで議会改革検討協議会が設置され、議会質問における一門一答方式や陳情請願提出者への発言の機会を設けることなどの検討が重ねられてきています。それらをしっかりとしあげていくこと
  2. 市民に開かれた議会であること
    議会改革検討協議会の中では、議会基本条例策定の検討時に協議、となった議会による議会報告会を、試行という形であれ、実際に今期中に行っておきたいと考えます。今や多くの他市議会でも実行されており、ことに議会側の説明とともに、市民の声をじっくり聞くことを中心に行うことを提案します。
  3. 調査機能の向上と市民目線の政策形成をめざす議会であること
    そのため、常任委員会の機能を強化したいと思います。付託された議案の審査に加え、常任委員会がそれぞれ独自のテーマを定め、委員会自ら現地調査に出向き、専門的知見を活用し、市民と対話し、報告をまとめ市へ政策提案を行うことを提案します。
  4. 議決責任をしっかり受け止める議会であること
    現在市が策定中の新基本計画については、議会においても調査特別委員会の設置、及び議会の議決事件とすることが検討されています。 当局においては多くの市民が係る中で議論がされており、議会が議決責任を持って処するならば、議会も同様に市民と徹底的に議論し、議会としての意見をまとめることを提案します。
  5. 財政に強い議会であること
    熊谷市長の選挙公約の第1は財政再建であり、3月の予算議会でも、また今議会でも、ほとんど黄信号である財政状況から抜け出すための提案がなされています。ともに財政再建に責任を持つ議会としては、議会としての財政分析が必要だと考えています。そのため、予算・決算審査特別委員会で財政局からの総括説明を全議員でうけたのち、全議員で構成する審査特別委員会で質疑を行い、その後、議員間で検討会議を持つことを提案します。

具体的な取り組みとしては以上ですが、 最後に、議長の役割として、自治法では、秩序を保つことや、議事の整理や議会代表することが挙げられています。しかし、これらは議員の皆さんの協力のもとで行うことができるものであり、議会運営委員会の決定を重視しつつ、交渉会派、一人会派にかかわらず、議員一人ひとりが自由な議論が保障される議会運営を進めていきたいと思います。 そして議会は議論を尽くし、一つになって、初めてそのパワーを発揮することができる、と申し上げて所信表明といたします。

close