討論

福谷 章子

議案第125号 一般会計補正予算中、蘇我スポーツ公園整備について

蘇我総合スポーツ公園計画は、平成14年3月にURとの間で結ばれた10年間の基本協定で債務負担行為を設定し、平成23年度までに整備完了する計画でした。今回の補正議案は、当初計画では1.2haを5億300万円でURから取得する予定であったものを、規模を縮小して、0.8ha3億3600万円で買い戻すものです。 しかしながらこのペースで行くと、本事業の残された用地15.7haを取得するのに今後20年はかかるという、そもそもの計画の妥当性が問われる事業となっています。 そこで見直しが図られ、テニスコートに関しては管理棟の規模縮小やベンチ付きスタンドの取りやめ、夜間照明設備の縮小、園路などの舗装材の見直しなどがなされました。それでも今後の整備には、テニスコート関連だけでも9億5千万円要します。 千葉市内の公営のテニスコートは、スポーツ振興財団が管理運営するものだけで54面、平均抽選倍率は約3.5倍とのことですが、実際の稼働率は71.2%となっており、これら以外にも市有や民間のテニス施設はあります。

さて、千葉市の財政状況ですが、昨年秋以降のリーマンショックに端を発する経済不況の中で減収を余議なくされ、加えて公債費や扶助費が増大し、来年度の予算編成には270億円の財源不足となり、脱財政危機宣言を発して市民にも再建への協力を呼び掛けているところです。 今後、市民生活にも大きな影響を与えるような事態に立ち至らざるを得ないという現状において優先的に守られなければならないものは、本当に困っている人のための福祉や、かけがえのない未来への投資となる教育であると考えます。 仮に健康で資力と時間と精神的なゆとりがあれば、市内のコートを融通し合ってお使いいただくなどのお願いをしつつこの時期をしのぐべきではないかと考えます。

今この時期に、たとえ縮小されているといえども、なぜテニスコート整備を優先させなければならないのか、理解できません。 よって、テニスコート整備を前提とした補正予算を組むことには反対をするものです。

議案第130号 千葉市コミュニティセンター設置管理条例の一部改正について

これは蘇我、畑、および幕張コミュニティセンターの浴室を平成22年3月末をもって廃止する、というものです。

昭和54年高齢者の憩いの場として供用が開始されましたが、施設の老朽化、家庭浴室の普及、またいきいきプラザが整備されるなど、初期の目的を達したとの理由です。ただし、畑コミュニティについては故障により昨年12月より休止されています。現在蘇我では一日平均41名、幕張は26名の方が利用されているとのことで、年間経費は20年度の実績で、蘇我約380万円、幕張約270万円、となっています。
畑コミュニティの浴室が休止したことで、ほぼ毎日利用をしていたという方から再開を望む声が「市民の声」として寄せられていました。市としては給湯施設は寿命を迎えたことから引き続き休止し、施設のあり方を検討していくとの回答を出されています。 こういった状況を受け市では今年7月の2週間、蘇我、幕張両コミュニティの利用者を対象に浴室に関してのアンケートをとっています。 アンケート実数2,448人、そのうち浴室利用者は1.4%の34名。アンケートに回答した浴室利用者34名の方のうち70%の方が週3回以上の利用とのことで、常用されているとのことです。
市内13か所のコミュニティセンターの中で浴室が設置されているのはこの3か所のみで、他のコミュニティにはないものです。 元来、市がこういった無料の浴室を設置する必要があるのか、 利用者はほぼ常連でありそういった特定の人のために1センター約300万円の経費をかけるのはいかがなものか、 コミュニティの別の部分にその費用を振り向けたほうが有効ではないか という議論が常任委員会の審査の中でもありました。

さて、日本人は世界で一番お風呂好きなのではないか、とも言われています。入浴は衛生的な生活をするために必要であるのと同時に心と体の疲れ流してくれる、疲労回復、そして老化防止にも役立つと言われています。 またCC浴室は、その設置目的にもあるように、高齢者のいこいの場として毎日の楽しみ、語らいの場を提供しています。毎日30人〜40人の方が嬉々として利用されていることからもこの役割が現在でもしっかりと存在している事実があります。

家庭浴室が普及したという中で自宅に風呂がないという方が利用しています。中央区いきいきプラザには浴室はありません。同様にすなわち「無料」で利用できる代替施設はないのです。 無料だから利用している、という方もおられます。高齢者一人暮らしでつましい生活をしている方は増えています。これからもそういった層が増えることは想像に難くありません。近隣にある浴場に誘導するといっても、そういった方たちにとって1回420円の入浴代はかなりな負担となります。 シルバー健康入浴事業が事務事業評価で「廃止」と判定され、物議を醸しています。総務委員会の審査の中でも、高齢者への同種の施策全体できちんと検討することが必要なのではないか、という指摘もありました。

市の財政状況が非常に悪いことは理解できるものの、こういった福祉的側面の強いものから廃止していくのは問題ではないでしょうか。 他市では同様な施設で、若干の利用料をとって利用されているところもあります。 今後修繕の費用がかさむことも予想されるとのことですが、これまで毎年の経費の中で軽微な修繕を重ねつつ利用が続けられてきました。
本年、幕張の浴室では濾過材交換も行われています。これはその時点では今後の利用も見こしていたと思われます。
大規模な修繕にかかる事態が起こった時は検討するとし、いまだ充分稼働している状態のものを廃止する必要はないと考えます。 よって、この議案には反対をするものです。

シルバー健康入浴事業の継続を求める請願について

本事業は独居高齢者を対象に月4回無料でお風呂が利用できる制度で、事業費は約6千万円です。このたびの事業仕分けで全ての仕分け人から「廃止」との判定がだされましたが、本請願は事業の継続を求めるものです。
美浜区・若葉区・緑区と公衆浴場がない地域もあり利用できない対象者も多く不公平な制度であること、年度末に偏った利用がある、浴場ごとに利用高に大きな差がある、券を不正に売買している疑いがあるなどこれまでも多くの問題が指摘されてきました。毎年3月に一人ずつ訪問して入浴券の有無を確認する民生委員さんの負担も大きなものがあります。
一方で、公衆浴場は、高齢化や後継者不足で廃業の危機にあり、本事業による収入が売り上げの約半分を占めると聞いています。まちの歴史を物語るなりわいとして、さらに災害時の福祉資源としても浴場を存続させる必要はあると考えますし、そのために市の支援も必要です。

市民ネットワークではこれら問題点を議会で取り上げ、継続するためには悪用を防ぐ必要があること、疑義を抱かれないよう入浴券への記名を提案してきましたが、残念ながら聞き入れられませんでした。また、個々の浴場の利用状況を見ますと、複数の浴場では数ヶ月分合算して市に報告されるなど、管理方法も不十分で問題があると思われます。
事業仕分けの結果を受けて市として今後どのように進めていくかの具体的な方向性がまだ示されておらず、現段階で判断するのははなはだ困難です。事業仕分けの際、請願者や、影響が大きい個々の浴場や浴場組合からもいっさい声が出なかったことからも、事業の方向性が明らかになるまで審議を継続すべきと考えますが、継続審査は否決されました。 事業の賛否について会派では大変悩んだところではありますが、自宅にお風呂のない方や引きこもりがちの高齢者にとって、本事業は一定の効果があると考えますし、仮に事業廃止なら1回420円の入浴代月4回分は高齢者にとってかなり大きな負担となると考えられます。今後は、浴場組合全体での利用者の拡大をめざした様々な努力や工夫を促すなど、制度や運用の抜本的な改善を求めて賛成とするものです。

最後に、財政危機から今後さまざまな高齢者施策への影響が予想されます。費用対効果や事業ごとの評価だけはなく、利用者の声に耳を傾け、各施策を横断的に運用するよう知恵を絞るなど、施策を総合的に評価検討することを求めまして、市民ネットワークの討論とします。

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