1、介護保険について

常賀かづ子

今年の4月で10年目を迎えた介護保険は3年ごとに見直しされ、今回は介護報酬の改定と介護認定の方法が大きくが変わりました。昨年5月の通常国会で「介護従事者の処遇改善に関する法律」が成立し、その後10月に緊急特別対策としてH21年度介護報酬3%の増額を決めました。
当初厚労相の「職員給与の2万円増」発言により、現場では期待感が高まっていたとのことです。 今回の改定は、様々な要件を設け、基準を満たせば加算されるという見直しになったようです。

市では改定に先立ち1月市内事業者約900箇所に対し「介護報酬改定に関するアンケート」を実施したとのことですが、その結果と事業者からどのような意見があったのかお示しください。

また今後報酬改定の影響をどのように検証するのか見解を伺います。 今回の改定で 多くの加算が示され大変複雑なっているとのことで、その加算一つひとつが利用者の1割負担に跳ね返ると聞いています。

4月以降加算を取得した事業所数はどのくらいなのか。

今回の改定で利用者の負担はどのように変わるのかお示しください

利用料の増額について利用者への周知はどのように行ったのか伺います

介護保険サービスを利用するために受ける要介護認定は、3年ごとに見直され 今年の4月から新しい認定システムが始まりました。今回の見直しは認定がより正確に行われ、不公平感につながりやすい認定結果のバラツキを減らすためおこなうもので、認定調査項目が82項目から74項目になりました。
モデル事業の結果などで「これまでより軽度に判定されて必要なサービスが受けられなくなるのではないか」「認知症の方が正確に判定されないのではないか」など不安の声が高まり、制度を導入してから2週間もたたないうちに国は「経過措置」を実施せざるを得ませんでした。経過措置は新認定で要介護度が変わった場合、希望すれば従来の認定を継続できるというものです。

4月以降更新申請され、判定結果が出た方うち、経過措置を希望された方は何人おられるのか。

また経過措置を希望された方の具体的な内訳をお示しください。

新しい要介護認定では、二次判定が軽く判定され「非該当」になるケースが多いと聞きますが、H20年とH21年では判定にどのような変化があったのか伺います。非該当となった方は今までのサービスが受けられなくなるのか伺います。

市として今回の一連の経過についてどのように考えているのか 見解を伺います

2.高齢者の地域生活支援について

H18年度に創設された地域密着型サービスは、市が事業者の指定・指導監督を行うことで地域の実情に応じたサービスが可能となりました。と同時に、今まで国や都道府県が権限としていた行為を市町村が行うことでこれまで以上に市民に対して市の責任が大きくなりました。 その一つである小規模多機能型居宅介護は、利用者登録をして要介護毎の料金を毎月支払えば、デイサービス、訪問介護、ショートステイの3つのサービスを1箇所で利用でき、利用者にとっては住み慣れた地域でなじみの職員と共に安心して過ごせる施設です。

H18年度から整備されてきましたが、第3期計画の利用見込み量が達成できず現在に至っています。 達成できなかった要因をどのように捉えているのか。

また4期計画ではどのように利用量を見込んだのか伺います。

現在 整備されている地域と箇所数、各施設の定員に対する利用者数をお示しください。

昨年、一箇所整備されたもの開店休業状態であった施設がありした。要因何か、あわせて現在の状況を伺います。

今後整備していく上で、現在運営している施設の現状を把握することは大変重要であると考えます。それぞれの施設の抱えている様々な問題を市としてどのように把握されているのか、把握されているならば内容を具体的にお示しください。

最後にH21年度の整備予定、第4期計画内の整備予定を伺います

配食サービスは、一人暮らしや高齢者世帯の食の自立を図るとともに安否確認という大切な事業を担っています。 配食サービスが全市で始められて9年目になりますが、現在サービス利用者に対して調理のみを行っていのは2民間事業所と3福祉法人。配食のみをおこなっているボランティアは5団体。調理・配食両方を行っているのはボランティ型1団体となっています。 稲毛区にあるボランティア型の配食サービスでは春夏秋冬季節行事に合わせた手作りの品をバランスの取れた温かいお弁当に添えてお届けしているとのことです。このようなきめ細やかな心遣いは担い手が市民であるということが大きな特長です。月曜日から金曜日までの毎日あるいは希望の曜日にお届けすることで、日々の生活の様子が見えてくるそうです。
例えば、夏でも雨戸が閉めっぱなし、ドアをあけるとゴミの山、会話が成り立たなくなってきた、金銭の授受が困難になってきたなどなど、危険な状態にあるときは、緊急連絡先あるいは福祉事務所などに連絡するとのことですが、徐々に日常生活を営む力が衰えてくるのが見える場合など、一体どこへ連絡したらいいのか、このままお弁当を届けるだけでよいのだろうか、と悩み思案することが多いそうです。
このように安否確認で見えてきた困難な事例の方は、保健センターやあんしんケアセンター、民生委員の方がたも、それぞれの立場で把握し心配していながら残念なことに各関係者のネットワーク化がされておらず、その方への必要な支援につながっていないのが現状です。

このような困難事例を抱えた場合どこがその窓口となるのでしょうか

今後一人暮らしの高齢者がさらに増えるのは目に見えています。困難事例に対しては利用者の方に関わる関係者が一同に集まり、現在置かれている状況を共有し、今後どのように支援していくかを話し合う場が必要と考えますが、見解を伺います

さて現在の配食サービスは週5回、昼食のみで、利用できる地域が限定されていますが、利用者の方から配食サービスについて、市にどのような要望が寄せられているのでしょうか。

H12年に始まった介護保険制度は、それまでの家族介護に依存する形から、介護を社会で支える形へと転換しました。保険制度に対する認知度も高まり、サービス利用者も給付費も増え、介護の社会化が進み「仕事をしながら介護ができる」「家族を介護の苦労から解放する」はずでした。しかし3年毎の見直しで給付費の抑制が図られてきており、また、同居家族がいるからという理由で日中独居の方へのサービスが制約されるなど 介護保険サービスでは介護のすべてを賄いきれない実態が依然としてあり、かえって家族の負担が増えてきているように思います 介護を受ける人とその家族が安心して生活できるよう支援していくことが求められます

市では、介護者の実態を把握しているのでしょうか。把握しているならばその実態を具体的にお示しください

実態を踏まえてどのような支援が必要と考えていいるのか伺います

3.災害時要援護者避難支援プランについて

市では、昨年9月に「災害時要援護者名簿システム」の運用を開始しました。災害発生時に自力で避難できない援護を必要とされる高齢者や障害を持つ方15,000人のデーターを消防局の指令管制システムに取り込み、災害発生地点から半径50m以内の要援護者の情報を指令センターの地図画面に表示し、それを現場の隊員に指示しているとのことでした。

現在までの運用状況、運用前と運用後の現場での対応の変化について具体的にお示しください。

また更新はどのように行われているのか伺います。

今後災害時要援護者避難支援プランの全体計画が策定される中で新たに要援護者の対象となられる方が出現すると考えられます。この「名簿システム」ついて今後どのような取り扱いとなるのか、あわせて情報の共有はどのように図るか、見解を伺います

ここ数年の災害では、高齢者の方など災害要援護者の犠牲が多いことから、国はH17年に「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」を策定し、全戸の自治体には今年度中に「避難支援プラン」の策定を求めているとのことです。市では現在、全体計画を策定中とのことですが以下伺います。

計画策定に向けた現在までの進捗状況と策定までの流れをお示しください

計画に盛り込まれる主な内容はどのようなものか伺います

策定過程においても、策定後の災害時の避難支援においても、全庁的ネットワークが大切であると考えます。関係するすべての所管課が連携して関わることが重要であると考えますが、庁内関係課とどのような取り組みをしていくのか見解を伺います 。

災害要援護者の対象者についてですが、自治体によって多少の違いがあるようですが、市ではどのような方々を要援護者の対象者として考えているのかお示しください。

計画策定への市民参加について伺います。千葉県では現在「災害要援護者避難支援の手引き」を策定中ですが、33の障害者団体から2度の聞き取り調査を行ない、手引きに反映させたとのことです 援護を必要としている障害者や高齢者など多くの方が計画段階から参加することでそれぞれのニーズが把握でき、より具体的で実効性のある計画になると考えますが、要援護者への聞き取りや市民の参加はどのように図るのか伺います。

2回目

今回の認定結果ですが、要介護度が決定した1,286人のうち約9割の1,128人の方が経過措置を希望され、そのうちの389人の方が更新前より軽度と判定され、予想通りの結果になったわけです。非該当と判定された方は昨年より多くなり全体の2.7%35人で、その多くが経過措置を希望されたとのことです。 このように経過措置を希望された利用者はこれまでと同様のサービスを利用できるので、今のところ大きな混乱はないようですが、非該当の方は、経過措置が終了するとサービスの利用ができなくなるという不安を抱えていると思われます。また今回初めて介護認定を申請された方や区分変更の方は、経過措置の対象にならず不公平感はぬぐえません。
この一連の経過について伺ったところ動向を見守るとのことです。経過措置がいつまで続くのかさえ示されておらず、 何のための認定なのか、何のための審査会なのか、市として国に対ししっかりと意見を述べるべきと考えますが、見解を伺います。

利用者からのアンケート調査で、9割以上の方が今後も利用を継続したいと望んでいること、配達員の苦労や安否確認に対する感謝の気持ちを寄せているとのことでした。 配食サービス事業が高齢者の地域生活を支える一助になっているのだと改めて感じています。しかしながらここ数年の利用者数を見ますとH17年度775人、18年度669人、19年度648人と除々に減少傾向にあります。 来年は配食サービスが始まって10年目を迎えます。

アンケートにあったメニューの改善や土日・祝日の利用、エリアをはずすことなどを含め、いままでの配食サービス事業を検証し、事業者を交え議論しながら今後のあり方について検討する必要があると考えますが、見解をうかがいます

ご答弁で介護者の実態把握では、心身両面に大きな負担がかかっていることがうかがえるとのことです。それに対する介護保険サービスの支援はショートステイ・デイサービスなどがあげられています。第3期計画のサービス量を見ると、ショートステイ、デイサービスなどは計画値を大きく上回り、在宅で介護する家族への大きな支援となっています。
保険外サービスとして認知症の家族への講習会や交流会が開かれていることは承知しておりますが、認知症の家族への支援のみならず、介護するすべての家族の支援が必要だと考えます。

神奈川県秦野市では、H19年より介護者をサポートする「高齢者のうつ予防・支援評価事業」を始めました。きっかけは、老老介護の末の心中事件で、妻を介護していた真面目な男性が自分ひとりで抱え込み、追い込まれての無理心中をしたことでした。この事件で介護者の心のケアが急務であると職員が認識しました。
H17年に厚生労働省の研究班が行った調査で在宅介護者の23%が軽度から重度のうつ状態にあることが報告されています。 また秦野市が実施した実態調査では、半数の介護者がうつ状態であったことがわかりました。「高齢者のうつ病・支援評価事業」はケアマネジャーを通じて介護者のうつ状態を把握する調査を行い、抑うつ症状が認められた介護者については、訪問看護師が電話連絡または訪問して状況を確認し、必要な支援をしているとのことで、H19年度は1名だった看護師をH21年度は8名に増員し、介護者からの相談体制をさらに充実させたとのことです。
事業を始めるきっかけとなった「老老介護」「男性介護」の末の事件は、秦野市だけではなくどこにでも起こりうる問題であり、介護する家族の心のケアが必要性であると考えます

在宅介護者の心のケアについて市の相談体制はどうなっているでしょうか。市内には一人思い悩んでいる男性介護者の方もおられると思います 秦野市のような相談事業を実施するお考えはあるか伺います

災害時要援者名簿システムですが、答弁にありましたように安否確認・避難支援などが迅速に行えるようになったとのことで 消防の現場ではこの名簿システムが有効に活用されているようです。名簿の取り扱い及び共有について伺ったところ、全体計画の中で明らかにしていくとのことで今回は明確な答弁はいただけませんでした。 大規模災害発生時は消防・警察・行政機関による支援体制が整うまでには、一定の時間がかかるわけですから 要援護者の安否確認や避難支援は、地域の助け合い・協力が不可欠です。しかしその地域に要援護者の情報が提供されていないと避難支援が不可能なってしまいます。

市でも今後 地域に予め要援護者の情報を提供しておく考えはあるのか伺います。

また、情報を提供した後は、要援護者一人ひとりを支援する人材の確保も必要です。そのためには支援者が、要援護者の特徴や支援のポイントなど、基本的な知識を持つことが必要です。また市民一人ひとりも要援護者への正しい理解と認識を持つことが求められます。
市川市では、災害時要援護者支援ハンドブックを昨年作成しました。災害時要援護者を地域で支援していくための支援方法や避難時のポイント、要援護者自身の日ごろの備えなどがわかりやすく掲載されたハンドブックを市民に配布しているそうです。

今後、地域で支援者となる方などのためにガイドブックを作成し、取り組みのポイントを示す必要があると考えますがいかがでしょうか。

避難所については、要援護者一人ひとりの支援の仕方に違いがあり、一般の避難所では不具合が多くなることから、個別の配慮が必要と考えます。他市では 福祉施設と協定を結ぶなどして福祉避難所を指定しているとのことですが、今後の予定について伺います。

市内では、要援護者の情報収集を先行的に行っている地域があります。民生委員の方々が、担当エリアの要援護者宅を地図におとし、冊子化して地区の民生委員が責任を持って保管しているそうです。

このような地域の取り組みは、今後策定される全体計画とどのような関係になるのか伺います

3回目

介護報酬3%増額については、アンケート結果、今回の改定では、報酬の基本部分の増額がなく、加算による増額だけでは処遇改善は難しいとの意見が出ています。4月からの影響は再度事業者にアンケート調査を実施するとの事で、今後実態が明らかになってくると思います。
介護のニーズが増えていく中で人材確保、処遇改善は喫緊の課題です。しかしサービス利用者にとって今回の改定は、支給限度額が変わらない中、限度額上限まで利用していた方が同様のサービスを受けると自己負担額が増え、介護費用が重くのしかかってきます。さらに負担できない場合はサービスを切り詰め、家族の負担が増え、介護放棄などが懸念されるとも言われています。
要介護認定経過措置が終了すれば、新たな認定になります。他市では、経過措置を希望している人にも新しい認定結果を送付しています。あらかじめ新しい認定を認識してもらうことで措置終了後の混乱を避けるための予防策のようです。 市としても今後、措置終了後利用者が必要なサービスを受けられるよう、介護報酬増額の影響についても対策を検討するようお願いします。

小規模多機能型居宅介護 答弁で「利用見込み量が達成できなかった」「利用者が少ない」「利用者の伸び悩み」などの要因、これらすべて 他のサービス授業者との競合があげられています。民間事業者ですので経営努力は欠かせませんが、たとえばデイサービスは、利用できるのは1日15人であることから、それ以上の利用者を受け入れたくても受け入れられない、人員配置も利用者には手厚くても事業者にとっては厳しい基準であることなど、それぞれの施設では悩みを抱えているようです。 市の在宅高齢者にとって貴重なサービスですので、実地指導のほか、運営推進会議への参加さどできるだけ施設の職員や利用者の声を聞きながら事業を進めていただけるよう要望します。

困難事例に対応する窓口は、あんしんケアセンターや保健福祉センターであり、そこが中心となってケース検討会議を開いて対応しているようですが、配食サービスの担当者には伝わっていないようです。今後は、安否確認での困難事例に対しては、利用者に日々接している配食サービスの担当者も加えた会議の開催をも求めます。

また、市と社協、事業者を交えた会議が再開するとのことですが、事業者だけでなく配食のみを担っているボランティアの方々にも参加していただき、これからの事業のあり方を協働で検討するよう強く要望します

高齢者の介護に関する相談については、保健センター、あんしんケアセンター こころの健康センターで、保健士が常駐し対応しているようです こころの健康センターでは精神科の嘱託医が対応しており介護の相談も受けているようです。専門医が対応することで介護者にとってより適切な支援をうけられることから、相談充実を求めます。
また、介護者のニーズにあった適切な支援をするためには、家族介護の実態の把握が必要であると考えます。ご検討ください

先日すでに全体計画を策定している柏市に伺ってきました。H17年度から要援護者の対策に取り組み、H18年度、災害時に自力で避難できない人を支援する仕組み「防災福祉K-NET事業」を発足しました。要援護者の登録数は今年4月で5,127人、対象とされる要援護者うち4.5%と大変少ない状況です。 また登録された方が居住する自治会へ「K-NET」に関する アンケートを実施した結果、支援する取り組みに着手するは約48%、着手できないと答えた自治会は約10%でその理由は、「自治会の高齢化」「町会活動の低下」などで支援する人がいないためとのことです。 H21年度は全市的に広げたい意向があるものの、課題が多く時間がかかるが粘り強く市民の方に協力をも求めていくとのことです。 今後市では、名簿システムの共有や地域への提供、支援者の確保など全体計画の中で明らかにしていくとのことですが、計画を推進していくためには、市民の理解と協力が不可欠です。そのためには、職員自ら地域に出向き、市民に対して丁寧に説明をし、粘り強く話し合いを重ねて、要援護者の支援への理解を得ることが求められます。 計画が策定されて終わりではありません。活用してこそ計画が活きてきます。 この計画が要援護者避難支援プランにとどまることなく福祉の街づくりにつながることを求めます。