福谷 章子
議案第60号
千葉市職員の給与に関する条例及び特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部改正について賛成の立場でありますが、いくつか指摘すべきことがありますので、討論を行います。
この議案は、5月1日の国の人事院勧告を受け、千葉市人事委員会が出した意見を踏まえ、平成21年6月に支給する一般職の期末手当及び勤勉手当を暫定的に引き下げるとともに、市長などの特別職の職員の期末手当についても、同様の措置を講ずるために、条例の一部を改正するものです。
対象者は7566人、影響額は7億円です。特別職や管理職員については、常に責任を負う立場であり、今回の措置には賛成できますが、一般職員にも同様の削減を強いることについては、慎重な検討が必要であると考えます。
これまでの人事委員会の勧告は、毎年5月から6月に民間事業所従業員の給与実態調査を実施し、秋に調査の結果を報告、必要に応じて勧告を行っており、今回のように臨時の意見を申し出ることは、委員会設置以来のことであります。このような緊急的な対応は、民間事業所の夏季一時金が減少することが見込まれるという可能性に基づいたものであり、7,566人の生活に影響を及ぼす決断が、精確な調査結果に基づかずにおこなわれることには、疑義があります。
本来、第三者中立機関である人事院は、約1万を超える事業所を訪問し、民間企業において実際に支払われた月例給与や一時金を精確に調査しているとのことです。その上で、公務員の給与との間に格差があればそれを埋める勧告を行うことによって、労働基本権制約の代償措置としての機能を果たしてきました。しかし、今回は、人事院自体が、「全産業を代表するものとは言いにくい」また「抽出された企業の業種によって全体の調査結果が大きく左右される恐れがある」と認めるなど、調査の精確性に疑問があるとの指摘もなされています。いまだ夏の一時金が決定していない中小企業などが多いことから、これらに悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
国の付帯決議でも、今回の措置が今後決定される民間の夏季一時金を引き下げる圧力として働く本末転倒の結果を招くことのないよう、広く、今回の措置を講ずることとされています。市としては、中小企業などへの影響は容易に推測することができず、国の動向を注視していくとのことですが、この経緯や周知に努めるなどの積極的な対策を求めます。
一方、千葉市の職員給与は、平成17年の国の給与構造改革において4.7%カット、平成20年4月からも給与カットを実施しているところで、職員の士気への影響も懸念されるなど、本議案についてはいくつかの課題がありました。しかしながら昨年来の大不況の民間への影響は看過することができず、官民ともども身を削ってこの逆境を乗り切る努力をすることは、余儀ないことであると考えます。市からは、民間は賃金カットのみならず雇用不安などさらに深刻な問題があり、職員も市民目線に立って頑張ることができるという答弁があったこと、千葉市のラスパイレス指数は、102.3と、国や政令市平均よりも若干上回っていること。また、精確な調査の結果を得て行われる秋の勧告を正式のものとし、それまでは暫定的な凍結という措置が取られていることから、本議案には賛成をいたします。
しかしながら、今回のようなルールを逸脱した人事院の動きについては、中立性・信頼性を侵す恐れがあるということを指摘し、市に対しては、この痛みを機に、就労したくても就労先がない人たちがいる状況を克服する一助として、働き方の見直しを図り、ワークシェアリングへと舵を切るべきではないかという提案を加えて賛成討論といたします。