討論

小西 由希子

会派を代表して、本定例会に提案されました、
議案第1号 平成20年度千葉市一般会計補正予算
議案第6号 平成20年度千葉市市街地再開発事業特別会計補正予算
議案第8号 平成21年度千葉市一般会計予算○議案第12号 平成21年度千葉市後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第19号 平成21年度千葉市市街地再開発事業特別会計予算
議案第21号 平成21年度千葉市公共用地取得事業特別会計予算
議案第23号 平成21年度千葉市公債管理特別会計予算
議案第26号 平成21年度千葉市水道事業会計予算
議案第33号 千葉市市税条例の一部改正について
議案第35号 千葉市国民健康保険条例の一部改正について
議案第39号 千葉市身体障害児童福祉手当支給条例及び千葉市心身障害者福祉手当支給条例の一部改正について
以上11議案について、委員長報告に反対の立場から討論を行います。 なお、民主党および共産党から提出された、議案第8号・平成21年度千葉市一般会計予算等の組み替えを求める動議については、大型開発優先ではなく市民福祉向上の予算を求めるなど組み替えを求める理由及び基本方針には共感するものの、歳入歳出の組み替え内容には賛同しかねるものもあり、賛成には至りませんでした。

それではまず、財政について申し上げます。 内閣府が公表した2008年10−12月期の国内総生産からの予測では、08年度の実質成長率はマイナス2.7%、09年度もマイナス2.8%となるとのことです。海外景気の回復はしばらく見込めず、輸出の悪化も長引くと言われ、そんな中で政府の2009年度予算は、この間の財政健全化最優先政策から景気対策に重点をシフトしています。しかし本当に景気回復をけん引する効果があるかどうか、かなり厳しい見方がなされています。景気対策の中心に置かれている定額給付金も、政局の混乱の中で自治体によって支給期間に幅ができてしまう上、数年後の消費税引き上も叫ばれる中、現在・将来の生活不安が高まっており、1回限りの給付では個人消費の回復も期待薄です。 地方自治体としては、国からの交付金支出による雇用創出や景気対策という短期的な対策だけにとどまるのではなく、中長期的に市民の生活への不安を取り除くことに重点を置き、量的拡大は抑制し、質的な充実を求めていくべき時です。 こうした視点で千葉市の2009年度予算を検証いたします。
 2009年度一般会計予算は、昨年度比137億円、4.3%増の3,350億円。やむを得ない景気対策などの支出の必要性が要因として挙げられますが、2008年度当初予算が前年比10.1%の減であったことを考えると、「スリムな予算」への急ブレーキを踏みそこない、早くもリバウンド?といった感が否めません。しかしこの2008年度の当初予算3,210億円は、今議会において組まれた補正を加えると3465億と、255億円も膨らんでおり、2009年度もこのままいけば、再び補正予算を組み膨らむことも予想され、操作不能の失速状態に陥りかけているようで、危機感がつのります。
 昨年末明らかにされていた当初の収支不足224億円は、臨時財政対策債の発行を140億円と昨年度から倍増することや、市債管理基金からの借入70億円で対応することになっています。 公表されている市債・債務負担の2009年度末の残高合計は、利子含めると1兆3,211億円であり、一人当たり143万円となります。この一人当たり借金の額はピークの147万円から減少してきたように言われますが、これに市債管理基金をはじめとする基金からの借入総額247億円を加えると、一人当たりの借金は約146万円となりほぼ横ばいで、決して減少しているわけではありません。
 市債管理基金よりの借り入れは、地方財政法によって赤字地方債が認められていないなか、苦肉の策として手を出している自治体もありますが、基金の目的外使用は、ふさわしくない、との判断も示されています。基金の借入残高の多い札幌市でも、借換債の発行を抑制するための借り入れとし、財政への負担減を果たしています。 千葉市も収支が不足するから、また、過去の多額な市債発行の裏返しとして基金残高が増大するから、といった漫然とした理由で借入を続けるのは危険です。
  本来21年度に返済すべき60億円も先送りとなっています。 市長は「苦渋の選択」と答弁されていましたが、それが市民サービスの確保という理由のために行われているとしても、当面のサービス水準は維持できても、後年度負担を累増させ、将来的な持続可能性を脅かしていることを忘れてはなりません。 少なくとも、借入・返済のきちんとしたルールを示し実行すべきで、現状の借り入れ状況は認められません。 そして、将来世代へ負担を先送りしない観点から、予算に形式的に計上される「歳入」ではなく、実質的な「収入」を定義し、その範囲内で予算を編成することを原則とすべきと考えます。
 公債費負担適正化計画における2008年度市債発行額は普通会計で365億円に抑制する、とされていたものが実際は今議会の補正予算を含めると434億円となっており、2009年度当初予算では予定350億円のものが433億円となっています。これでは計画の意味をなしておらず、ますます市民よりの信頼を失ってしまいます。 21年度見直しとのことですが、まずは実行可能な計画であることを求めます。
 433億円の市債のうち、税収不足の穴埋めとしての140億円の臨時財政対策債と54億円の退職手当債を除く236億円が建設事業債です。これは、実質公債費負担比率が18%を超えたため、公債費負担適正化計画の策定を義務付けられ、半減させることを余儀なくされた結果ですが、現市長が就任された01年以降に実質的に事業が始まった第6地区の再開発や蘇我特定地区整備のため、建設事業の中に占める蘇我・西口・第6・中央港・新港横戸町線という大型プロジェクトの割合は飛躍的に拡大しました。02年度7.2%であったものが、03年22.1%、04年23.3%、05年23.2%、06年38.5、07年29.9%となっています。すざまじい公共工事が進行していたことが見て取れます。
 現市長は、中止の判断をする時期もあったのに、それを逸してしまったことが、政令市中財政指標がワースト1〜2位を争う厳しい財政状況に繋がっています。 しかしながら議会でこの点を指摘されても、答弁はいつも同じで、市債を活用し都市基盤の整備を図ったもの、とのことでした。 しかし少子高齢化が進み、生産人口の減少、それに伴う扶助費の増加は誰が見ても明らかで、スポーツ公園や、キボールより、それへの準備がまずは必要だと思うのが普通です。しかしながら21年度予算においても、残念ながらはっきりした路線転換が見られず、認めるわけにはいきません。 この間千葉市が示してきた景気悪化への対応は、おおむねが国の対策を受けたものですが、他自治体では様々な独自の工夫がみられます。千葉市としても、たとえば正規雇用を前倒しするなど、積極的な市独自の対応を求めるものです。

以下、議案ごとに検証いたします。
第1号 平成20年度千葉市補正予算についてです。 まず、定額給付金についてですが、千葉市分の給付額は142億円、給付事務費が5億6,000万円、計147億6,000万円で、生活支援と経済対策を目的に配布するとのことです。 しかし、総務省から示された配布方法によると、配布対象者は2月1日現在で住民基本台帳と外国人登録原票に登録されている者で、世帯単位の配布となっています。そのために、DV被害者やホームレスなど真に生活支援が必要な人たちの元には届かないという問題がありますが、それに対する明確な対応策も示されず、生活支援とは名ばかりです。 一方、経済対策にしても、きびしい経済情勢の中、地方にとっては地域の産業をいかに立て直し育てていくかが喫緊の課題ですが、一人一人にばらまいて瞬時に消えるバブルのような使い方では効果は期待できないと考えます。 給付事務については自治事務とされながらも地方に裁量は一切なく、使い道から配布方法まですべて国によって定められていますが、根拠となる法律は整備されていないという、制度上も矛盾を抱えた政策です。 世論調査でも反対する声は多く、地方分権に逆行するもので、とても賛同はできません。

次に、子育て応援特別手当て5億3,158万円についてです。 政府が追加経済対策の一環で打ち出したもので、多子世帯の幼児教育期の子育ての負担に配慮し、緊急措置として第二子以降に1人につき3万6,000円が支払われるものです。 この特別手当ですが子育て支援といっても対象が極めて狭く、生年月日が1日でもずれると対象とならない、しかも今回限りというもので不公平間がぬぐえません。事務費の2000万円も合わせて総額では5億5000万円にも上る予算です。今地方はどこも財政が厳しい状況であり、こうした予算が自治体独自に子育て支援に活用できればもっと効果的なものになったと考えます。

次は、議案12号 千葉市後期高齢者医療事業特別会計予算について申し上げます。 あわせて、後期高齢者医療事業のシステム改修6500万円についても申し上げます。 後期高齢者医療制度が開始され、特に一律年金からの保険料天引きに対しては、相談の機会すら奪い、生活困難を潜在化させるなど多くの批判が在りました。今回の改修は、一定の基準を満たしていれば口座振替を可能とし、また低所得者への軽減を行うというもので一部問題に対処したものです。制度が出来た直後も苦情や問い合わせが多く、今回も改修費用は 国負担ですが、住民へのお知らせや手続きなど丁寧な対応も必要で自治体の手間も大変なものです。今後支払い困難者を多数生み出していくなど、後期高齢者医療制度の問題は解決されておらず、制度そのものの見直しが必要であると考えます。

議案第21号千葉市公共用地取得事業特別会計予算について。この議案は、中央区弁天1丁目に千葉市土地開発公社が所有する965.96平方メートルの土地を、16億397万4千円で買い戻すものですが、これは平成6年度公有地の拡大の推進に関する法律に基づく地主からの買い取り申し出によって取得したものです。 千葉駅に近いことなどが買取り理由としてあげられていますが、当時、明確な目的もなく先行取得したことは大きな問題です。
また、今後の活用として、シルバー人材センター、保育所の送迎ステーション、市民活動センターなどの複合施設があげられていますが、市民の声の盛り上がりもなく、むしろ無理矢理理由をこじつけたとしか考えられず、大きな負担をしてまでハコものを作る必要性は感じられません。施設建設にはPFIなど民間活力を導入するとのことですが、千葉駅西口、中央雨水ポンプ場においても手を挙げる事業者がない現状ではそれもおぼつかない状況です。 千葉市の財政状況が逼迫している今、新たな施設整備は控えるべきで、そのための土地取得には反対いたします。

議案第33号 千葉市市税条例の一部改正について。第14条に関しては、寄付金控除の対象となる寄付金を定めるもので、市民の公益活動を促すことにもなり賛同できます。しかしながら、第15条、第16条、第17条に関しては、年金からの特別徴収のための規定整備であり、ますます厳しい高齢者の経済状況を思いやれば、利便性だけを重視して支払いの優先順位を本人の意思で決められないような制度には反対です。

議案35号 千葉市国民健康保険条例の一部改正について。今回の条例改正は、国民健康保険の適用除外者の追加と、本年10月から国民健康保険料の年金からの特別徴収を実施することに伴い整備するものです。 この特別徴収ですが、高齢者の利便性を高めること、また徴収率の向上のためとのことでした。しかし保険料の支払い方法として、さまざまな理由により、自ら選択できる自由は保障すべきと考えます。 少なくとも徴収対象者からの除外において国の取り扱い事項にもありますが、災害その他の特別な事情に該当する場合、特別徴収によることが適当でないと市町村が判断した場合という項目も加え、高齢者への丁寧な相談体制が必要と考えます。

議案39号 千葉市身体障害 児童福祉手当支給条例及び千葉市心身障害者福祉手当支給条例の一部改正について、 これに関連して発議1号 千葉市身体障害児童 福祉手当支給条例の一部改正について、 発議2号 千葉市身体障害児童 心身障害者福祉手当支給条例の一部改についても申し上げます。 市及び共産党いずれの条例案も、これまで身体、知的障害のみを支給対象としてきたものに、精神障害を加え3障害を公平に取り扱うという点では同じです。 しかし市提案では、現在の手当ての支給額をこの際減額するものです。これでは精神障害を加えたことが金額をひき下げる原因となったとの誤解も生じかねません。また他政令市との比較で千葉市が高い金額であることも示されましたが、これは他市の障害者にとっても励ましとなることであり、千葉市のすぐれた制度を後退させる必要はないと考えます。よって39号には反対です。
 手当てを現状のままとする発議1号および2号に賛成ですが、一事不再議とのことで賛否が問われませんでした。 今回のように同じような趣旨の条例が合わせて提案された経緯についてですが、共産党からは発議説明を1月に行政に行ったものの、条例提案に関して全く情報提供がなかったとの発言がありました。行政としては昨年の10月段階から条例案を検討したものの、予算がつくか明らかでなかったため正式なものとならなかったとの説明がなされました。本来議会も行政も緊張関係を保ちつつも切磋琢磨し、市民のための条例を作っていくべきです。いま議会改革の中で、議員による条例提案も活発になってきましたが、その過程での行政とのかかわりは抜きには出来ず、今回のような対応には疑問です。

次に意見を申し上げます。 議案第1号 平成20年度千葉市一般会計補正予算のうち、中央卸売市場振興として株主割当分3500万円の千葉青果(株)への出資についてです。 千葉青果では、すでに平成19年度3月から取引先が破産準備にはいっていたとのことですが、株主でもある市には当時何の報告もなく、同年夏になって知らされたということです。また、平成19年決算時に損失処理をしなかったということで、千葉青果は、経営者としての責任を十分果たしてこなかったと言えます。と同時に、指導監督する立場にある市としても、千葉青果の経営状況を常に把握し注意を払っておく必要があったといえ、反省すべきです。 千葉青果は、中央卸売市場の青果部で唯一の卸売業者であることから、市場の安定的な運営を考えこの補正予算には反対するものではありませんが、今後千葉青果に対し、与信管理をしっかりして販売代金の回収の確実性を高めていくよう市は指導することを求めます。また、すべてを任せきりにしないで常に情報交換に努め、市として経営状況の把握に努めていくことを求めます。

議案第48号 指定管理者の指定について、本議案には反対するものではありませんが、ひとこと申し上げておきます。 本議案は乳牛育成牧場の1回目の指定期間が終了し、2期目も非公募で千葉酪農業協同組合を指定管理者とするものです。 まず、千葉酪農業協同組合の経営状況はどうなっているのか、調べてみても組合のホームページもなく、決算状況を知ることはできません。総会資料を取り寄せてみたところ、平成19年度決算では、市からの指定管理委託料は6,888万円と記載されており、市の平成19年度の指定管理者評価シートの決算額5,671万円と約1,200万円ほども差があることがわかりました。詳しく話を聞くと、これは酪農家から預かった牛のえさ代とのことです。
 本来評価シートには指定管理者の委託事業に関わるすべての費用を計上するべきで、市は3年間どんな指導をしてきたのか、首をかしげてしまいます。 さらに、原田池の草刈り82万7千円を外部に再委託して実施しておりますが、契約書も交わさず、市への伺いも文書ではなく口頭で行っただけですませています。以前からの信頼関係で行ったこととはいえ、非公募という例外的な指定なのですから、第三者から見ても透明であること、市民への十分な説明責任が求められます。
 市では平成18年度から指定管理者制度を導入し、まもなく3年が経過します。今後順次委託契約の更新時期を迎える施設が出てくるものと思われます。 2期目の選定の際に、1期目の指定管理者の実績をいかに評価するかが問われています。施設によっては、指定管理者制度導入によってモニタリングなどの事務が繁雑になっただけで市直営の管理委託から何が変わったのかわからないという素朴な疑問もあるときいています。指定管理者制度に当てはめてよかったのか、何が変わって何がよくなったのかを評価することが必要ですし、制度導入により事業者が一層の能力を発揮できるよう、市としてどう関わってきたか、関わっていくかのふりかえりが大切です。

次に、各事業、各所管ごとに問題点と今後の課題について申し上げます。 市民行政のうち、次年度JR千葉駅東口クリスタルドーム付近に喫煙所を整備するとのことに関してです。 この一角は、バスを待つ乗客の列も長く混雑する上、点字ブロックも敷かれてあり、歩行に支障をきたします。また、路上では若者のバンド演奏や市民の待ち合わせの場所としても活用されているところです。駅構内が完全禁煙になったこと、JTから無償提供の申し出があったとのことですが、建物をつくったら維持管理費も発生します。また、駅前からのプロムナードは景観重点地区に指定されているはずで、景観の視点からも駅前広場のシンボル、クリスタルドームに隣接して建物を設置することには反対です。

環境行政について、 焼却ごみ1/3削減に向けて、全庁あげて取り組んでおられることを評価するところであり、今後も啓発活動などいっそう取り組んでいただきたいものです。 来年度10月からは収集エリアを区分し、希望型指名競争入札制度に移行する予定とのことです。公平性と効率性の確保が図れるとのことですが、一方で入札による低額での受注が、収集業務の質の低下や労働条件の悪化を招いていく状況も予想されます。そのようなことのないよう他の自治体の契約や回収方法などを広く検討し、それぞれのメリットデメリットを市民や事業者に明らかにして、新たな制度を作り上げていくこと、また今後市として公契約条例の制定に取り組むことを求めます。 谷津田の自然の保全については、保全区域の拡大と、市と活動団体との協定締結をすすめ、多くの市民が保全活動にかかわれるような環境づくりをすすめていただきたいものです。 また、水環境保全に関して多くの市民が関心を持てるような施策の展開と担当所管課の一元化をぜひ検討していただくことを望みます。

蘇我特定地区の開発整備について 蘇我特定地区の整備は、事業の概算整備費が1601億円、平成19年度までの進捗状況は事業費666億円で42%となっています。 そのうちスポーツ公園についての事業費は、用地費230億、施設整備費120億で、市の負担分は213億にものぼります。利子想定額64億を加えた想定最終償還額は278億円で、サッカー場の市債発行額70億円を含めると返済額は総額で約350億円に上ります。 用地の取得については、20年度からの3ヵ年で都市再生機構から毎年5億8000万づつ買い戻す予定でした。しかし20年度も財政が厳しく当初予算で用地費が認められず、その後国の補助内示増により5億3200万円が補正予算で出されました。 21年度から2カ年かけてテニスコート20面整備がおこなわれるとのことですが、用地費が31億円、上ものは地盤改良を含めて約12億円、計43億円です。1張り2億円にもなる超豪華なテニスコートを、果たして今市民が望んでいるでしょうか。建設されればその後多大な維持管理費も発生してきます。今建設する緊急性はまったく思い当たりません。即刻事業の一旦凍結を求めます。

西口再開発事業 総事業費753億円の千葉駅西口の再開発事業においては、A棟ビル建設に特定建築者制度を導入したものの手を挙げる事業者がついに現れず、先の見えない状況となっています。 オフィス仲介大手の調査月報ではこの1月、東京、名古屋、大阪の三大都市圏において前月比で空室率が上昇しています。東京都心5区でも、ことに新築ビルの1月の空室率は26.47%と、1年前の4.57%から大幅に上昇しています。 かつて地価高騰時代の再開発事業は、保留床処分金に頼り、勢い大規模主義となっていました。その後、買い手のいない保留床は、結局市が買い取る羽目になり大きな負担に苦しんでおり、その典型が「きぼーる」です。 需要があって建てるのならまだしも、今、必要とされないハコをつくるのは、罪、と考えなければならない時代でしょう。 千葉駅西口も平成元年の事業認可で「土地さえあれば」の時代の名残ですが、用地交渉が長引き、その間土地価格が大幅に下落し、450億円を費やした用地はほぼ10分の1の時価となっています。 もはやどう転んでも「もと」をとれる事業ではありません。このあとは、いかに損失を少なくするか、いかに早く市民へサービスを還元できるかを考えねばなりません。 権利者の意向を十分に聞くことはもちろんですが、この地域にあったポテンシャルをともに考え、身の丈にあった開発、低容積の再開発、公共空間の整備など検討し、計画を速やかに見直すことを求めます。

モノレールの延伸とバス交通について、 モノレールについては既存の2号線の経営状態の改善は進めるとしても、延伸については納得できません。延伸の総事業費176億のうち、会社負担41億に関しては、仮に会社が背負いきれなかった場合、市は支援を考えていないとのことです。しかし、今後、新型車両の購入に合計60億前後、さらに、41億分の減価償却費が毎年発生することから、会社そのものがほんとうに延伸事業を進められるのか大いに疑問です。また、バス事業者との協議は行われておらず、延伸しても保証は考えていないとのことですので、バスとの競争になり、運賃面でも、利便性の点でもバスに軍配が上がるかもしれません。 このような不安要素がある上に、借金の膨らんだ千葉市の財政状況を考えると、延伸はストップするべきで、したがって、それに関わる地質調査費1千万円の予算計上には反対です。
  一方バス交通については、民間バス事業者の退出路線に置き換えたコミュニティバス運行にしか予算は付いておらず、真に市民が求める地域の足としてのバスが、まだまだ足りない状況です。公共交通会議も駅や地域ごとに設置するなどして、実態に合った交通網を市民とともに考えていく施策がもっと進められるべきです。

建設行政について 道路隆起の問題では、昨年度その原因がJFEミネラルの再生路盤剤にあることが判明しましたが、対策はまだ緒についたばかりです。補修のため県が設置した検討会でも膨張した箇所数について、県・市の調査結果とJFEミネラルから示された数との数字に乖離があったと聞いています。JFEミネラルに十分な調査を求め、きちんと再確認していただきたいものです。 また今後舗装施工後は、JFEミネラルが10年間パトロールを行っていくとのことですが、その結果を定期的に提出させ市として確認を怠らないよう、さらに市民への公表もおこなっていくことを求めます。 今回の問題で、鉄鋼スラグをリサイクルすることについて、現在のJIS試験方法にも課題があることが判明しました。関係機関へ試験方法の再検討を行うよう申し入れしていただくことを望みます。

水道事業 未給水区域解消のための第3次拡張事業が進められています。  この計画の給水人口はH21年度65,958人ですが実際は46,573人で、計画との差が約2万人もあります。一日最大給水量はH21年度21,354トンですが実際は13130トンでその差は約8,000トンです)。給水人口、給水量ともに計画と実際に大きな乖離が見られ、許認可の予測が過大であったことがわかります。  計画で獲得した霞ヶ浦開発・房総導水路の水源費の総額は187億円で、21年度の負担額は11億9,300万円。残り72億4,400万円をH33年度まで負担することになっています。 一方受水費は、県からの分水を水源とした第2次拡張事業から今までで約100億円。H21年度は7億7,200万円で 恒久的な分水は認められておらず、浄水場が建設されない限り受水費の支払いは続きます。 しかし、浄水場は当初H22年度から稼動の予定でしたが、H27年度に変更されています。基本計画は未だ具体的に示されておらず、さらに建設費も多額の費用がかかる為、千葉市の市営水道の為の浄水場建設は凍結すべきです。現在、県営水道と併設する市町村水道の統合が議論されていますが、市として積極的に進め、千葉市にとって合理的な水道事業となるよう検討し、今後第3次拡張計画の根本的な見直しを求めます。

保健福祉行政についてです。そのうち子どもに関わる施策については 子どもの虐待は千葉市においても増え続けています。このたび、子どもを虐待から守る最前線としての地域ネットワーク、要保護児童対策地域協議会が設置されることになりました。虐待の早期発見早期対応とともに、関係機関の連携がより図られることになりますが、複合的な虐待の問題を、総合的に判断して専門機関につないでいくというソーシャルワーク的な関わりは、まだまだ不足しています。今後は子ども専門のケースワーカーの育成なども心がけながら、虐待のない千葉市を目指していただきたいと思います。

次に、父子家庭への支援についてです。 今議会、市民ネットワークでは「父子家庭に対する児童扶養手当の支給等を求める意見書」案を提出しています。先の代表質疑に対しては「児童扶養手当の対象が、法律の規定により母子家庭等に限られているため、父子家庭に支給されないことは、課題であると認識している」としながらも「父子家庭に限定した支援制度の導入の予定はない」との答弁でした。しかし、3月13日の共同通信の報道によると、生活が苦しい父子家庭に対し、全国で202の自治体が「 父子家庭支援手当」など独自の経済支援措置を実施しているとのことです。全自治体の少なくとも1割が独自手当を設けていることになります。現在の不況の中、父親の収入も減り、父子家庭の家計も厳しさを増すと予想されます。国への要望活動を行っている、とのことですが、市独自でも制度を早急に創設することを求めます。

教育行政については、 教材教具費、図書整備費の拡充を求めます。 また、検見川送信所の保存について調査の予算を計上していただくことを求めます。

最後に地域福祉と市民参加、外郭団体の見直しについて申し上げます。 市は地域福祉の推進を唱えながらも、NPOなどには目もくれずそのパートナーは社協にこだわり続けてきました。その社協が、来年度居宅介護事業の廃止を表明しています。民間の介護事業者では困難なケースを数多く手がけ、まさにセイフティーネットとして機能してきた事業をヘルパーさんごと民間に振り分けようとしています。この問題については、非常勤ヘルパー組合からも居宅介護事業廃止の取りやめを望むお願いが議会各会派宛に出されております。

最後は市民の参加と協働についてです。 さて、3月14日〜15日にかけて市民活動フェアがおこなわれました。市内で活動している市民団体が一堂に集まり活動紹介をおこなうものです。市民活動センターが開設された初年度手探りではじめたこの活動も年々参加団体が増え、きぼーるアトリウムは大にぎわいの2日間でした。市民の力が確実に育ってきていることを実感しています。 財政が悪化し、自治体行政の質が一層問われる今、こうした市民が大切なパートナーとなっていくことを、市はどれほど認識しているでしょうか? 21年度は、市民参加と協働をより一層具現化していく年となるでしょう。 いつまでも役所の廊下にロッカーを立て市民をシャットアウトするかのように仕事をする「はにかみ職員」から卒業して、市民と意見を交わしながら共にまちを作り上げていく思いと自信、実力を備えていっていただきたいものです。

以上、主な施策に関しての問題点と今後の課題を申し上げ、市民ネットワークの反対討論といたします。
なお、当会派より議案第8号・平成21年度千葉市一般会計予算等の組み替えを求める動議を提出いたしました。みなさまのご賛同をよろしくお願いいたします。 御清聴ありがとうございました。

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