討論

福谷 章子

ただいまの委員長報告を受け、 総務委員長報告に対して議案第137号一般会計補正予算、 保健下水委員長報告に対して請願第16号 こども医療費無料制度の見直しについての請願 請願第17号 妊婦健診の14回無料(全額公費負担)を求める請願 請願第18号 子どもへの国保「資格証明書」発行をやめるよう求める請願の3件、 都市消防委員長報告に対しては、発議 千葉都市モノレール事業のあり方検討委員会設置条例 について、委員長報告に反対の立場から討論をします。

はじめに、議案第137号一般会計補正予算についてです。 本議案では、受給者の増加による生活保護費と、地方税法改正による税務オンラインシステムの改修に伴う予算額を増額補正しています。 実質的に増加するのは、生活保護の増加分5億600万円と、税務オンラインシステムの改修費5300万円ですが、これらの財源は、生活保護費のうち4億1500万円は国から措置され、残りの9100万円とシステム改修費5300万円をたした1億4400万円は、いざという時の貯蓄である財政調整基金から引き出します。 その結果、経済事情の変動等で財源が不足する場合にも活用できる財政調整基金の残額は、わずかに8200万円となります。

今回の税務オンラインシステムの改修とは、65歳以上の年金受給者に支払われる年金から、あらかじめ市県民税を差し引くという特別徴収のしくみにシステムを作り変えるというものです。 千葉市の65歳以上は14万8000人ですが、そのうちの課税対象は71000人、さらにそのうち収入が年金のみの方は32000人、さらにその中で口座振替ではなく窓口支払いの方14000人が今回の対象となります。 システム改修はこれで完了ではなく、さらに4月に、2億円の改修が予定されているとのことです。

このシステム改修によって、納税者本人がわざわざ窓口まで行く必要が無くなり、その結果、徴収率もあがり、利便性が高まるとの説明がありましたが、介護保険料、後期高齢者医療保険料あるいは国民健康保険料など、あれもこれも天引きでは、やりくりして支払いのタイミングを自ら決めることができなくなり、かえって高齢者にとっての利便性は悪くなることも考えられます。単に窓口に行かなくても良いというのであれば、口座振替でも十分に対応できます。高齢になれば、病気など生活の急激な変化もあり、課税対象となっている前年度とは生活が一変することも往々にしてありますが、このような場合は直ちに徴収が止められるわけではありません。地方税法には納税猶予という制度があり、窓口で納付相談をする機会がありますが、特別徴収に移行することによって、このような機会が少なくなるわけですから、暮らしの危機のシグナルの発見を遅らせることにもなりかねません。

総務委員長報告にもあるように、個々人の事情に柔軟に対応することが困難なシステムであること、納付が困難となった場合の納税猶予の手続きの簡略化が必要であること、納付相談によって特別徴収を止める場合においては、迅速かつ丁寧な対応が可能な体制整備を求めるなどの意見が相次ぎ、本システム導入への不安感がぬぐいきれたわけではありません。 納税は憲法に定められた義務ですらから、担税力のある限り税金を納めるのは当然のことですが、だからこそ、納税できる生活レベルが維持できるような政策や施策を展開することが国や自治体の責務であると考えます。 ところが、ネットカフェ難民に始まり、非正規雇用や有期雇用の雇い止め、さらにはリストラの波は正規社員も及び始めています。 また、高齢化する社会において、老々介護の深刻な状況も明らかになりつつあり、このような失政により、千葉市においても、生活保護世帯が増え続けているわけです。 このような社会状況であるからこそ、あらゆる機会を作って市民生活に向き合うことが求められるにも関わらず、市民と差し向かいの関係性を絶つような仕組みを整えることには疑問を感じます。

将来に対して安心感が持てるよう、最後のセーフティーネットとしての保障や、いざという時の備えのためにも、財政調整基金の残額に危機感を感じること、特別徴収への移行のためのシステム改修は、自らの義務を果たしきれていない公が、自らの利便性を最優先するという姿勢の表れであり、個人の持つささやかな選択権を、公権力が取り上げてしまうということから、本議案には反対の立場を表明いたします。

次に、保健下水委員長報告に反対する3件について申し上げます。
請願16号についてです。 これは当面、子どもの入院医療費の助成を小学校卒業まで無料にすることを求めたものです。 他の政令市の子どもの入院医療費助成の取り組み状況ですが、小学校での無料は10市で、そのうち6市は中学校まで実施しています。できれば中学校までと、一挙に先進自治体に追いつきたいところですが、本請願は、当面小学校までと千葉市の財政にも配慮し、段階的に取り組むとした内容となっています。 昨今の経済状況の悪化で、非正規雇用、派遣労働も増加し、子育て世代にとっても家計は厳しくなっています。しかし子どもの医療費は命にかかわることであり避けることが出来ず、入院にいたるような疾病に対して自治体として支援をしていくことが大切と考えます。

次に請願17号は、妊婦検診の14回無料(全額公費負担)を1日も早く実施することを求めるものです。 妊婦検診は生まれてくる子どもと母親の健康を守るもので、現在千葉市では5回の検診を市が費用負担しています。しかし委員長報告でもありましたように、C型肝炎検査と子宮がん検診を妊婦一般健康診査の対象外としているのは、県内で千葉市のみであることがわかりました。まず他市同様に検査項目に取り入れるべきであると考えます。 また国においては、すでにすべての妊婦検診の公費負担の方針を明らかにしました。ところが、いまだ国の公費負担が明らかとならず、この動向が確定してから実施すべき、との反対理由がありました。 国が方向性だけでなく、予算配分まですべて確定してからの賛成では、地方議会としての意味が問われましょう。不採択とするのではなく、国の動向の問題に対しては自治体の混乱や費用負担が大きくならないよう、意見書で要求するなど議会としての役割を果たすべきであると考えます。

次に請願18号、こどもへの国保「資格証明書」発行をやめるよう求める請願についてです。 現在千葉市には小中学生合わせて1173人の子どもに資格証明書が発行されています。すでに資格証明書の対象外となっていた就学前児童110人も新たに発行されていたことが判明していますので、合計1283人が無保険状態となっています。 この請願の審議では、子どもに対して資格証明書を発行すべきではないという点では一致したものの、世帯への交付と受け取れるので賛成しかねるとの意見でした。 しかし、12月10日の国会で国保法改正案が全会一致で採択されました。これは現在の制度では保険証が原則世帯単位の交付となっており、子供だけに交付することが出来なかったからで、法改正が各方面から強く求められてきたわけです。 現行の国保法のもとでは、厳密に言えば、子どものみに交付することは違法であり、世帯への交付という内容で請願としていると考えます。その願意である無保険状態の子どもを救うことにあることを十分認識し、採択するべきではなかったでしょうか。 以上保健下水委員会への3件の請願を不採択とすべきとの判断は、きわめて残念であり、意見を申し上げました。

最後に、 発議第28号 千葉都市モノレール事業あり方検討委員会設置条例の制定についてです。 委員長報告は、賛成少数をもって否決すべきもの、とのことでした。 これは、日本共産党千葉市議会議員団、民主党千葉市議会議員団、無所属議員及び市民ネットワークによる共同提案で、市民参加による委員会を設置し、延伸問題の是非という観点からだけでなく、モノレール事業のあり方やその他委員会が必要と認める事項について、慎重な議論・検討を行うよう、提案するものです。

千葉都市モノレール事業は、千葉県・千葉市の共同事業として1988年に千城台駅からスポーツセンター駅間を開業以降、順次延長され、現在は15.2キロ、1日平均約45500人が利用する重要な公共交通です。 しかし開業当初よりの利用客の伸び悩みや、初期投資にかかる減価償却費の負担が重く、開業以来構造的な赤字体質で、2006年3月末までの千葉都市モノレール株式会社の累積損失は約296億円と、ほぼ破たん状態となりました。そして会社再建計画に基づき、県・市による出資金減資、貸付金債権放棄などによって、累積債務を解消し、同時に市が約90億円の資産を譲り受けることで減価償却費をほぼ半減し、今後の設備更新費として県から市に支払われた約65億円の大部分は、無利子で会社へ貸し付けられました。 県・市共同事業は解消され、事業主体は千葉市となり、千葉市の出資は91.4%となっています。2006年度決算は黒字となりましたが、今後の事業運営に当たっては、今まで以上に千葉市の負担・責任は大きなものとなります。 これからの都市交通としてのモノレールの役割、経営状況の把握、延伸問題、適正な運賃やサービス、ICカード対応など、多大な費用を伴うモノレール事業のあり方については、納税者である市民の中での広範な議論と合意が必要であり、市民・有識者を交えた「あり方検討委員会」の設置を求めるものです。

付託された都市消防常任委員会 委員長報告によりますと、おもな反対理由は以下4点です。
1点目に、モノレール事業は近年経営が黒字に転じており、今後の状況を見極めた上で委員会設置を検討すべきで、現時点では時期尚早。ただし市民が抱く経営状況に対する不安を払拭するために当局は現在の経営状況や今後の事業運営の方向性などを積極的に市民に周知すべき。
2点目、本委員会は今後のモノレール事業の方向性を検討する重要な機関であるにも関わらず、委員構成や選定方法など不明確であり、あり方に疑問がある。
3点目は、議会には本事業を含む総合交通に関する事項を調査するための特別委員会が設置されていることから委員会設置の必要はない。
4点目は、本発議はモノレール事業に特化したものであるが、まちづくりの推進に必要な交通ネットワークの実現という大きな視点から進めるべきで、現在、総合交通ビジョンに基づく具体的な計画の策定が予定されており、委員会の設置は必要ない というものです。

これら論点に反論いたします。
1点目に対して、この委員会は経営が黒字だから、あるいは赤字だから設置するというものではなく、黒であろうと、赤であろうと、その中身をきちんと検証し、その経営状態の中で、今後の方針を検討しようというものです。よって時期尚早ではなく、黒字である今こそ設置し、今後も無理のない経営状態の維持を目指すものです。また意見として付け加えられた市民への現況の周知は、まさにこの委員会の目指すものであり、専門性を持った学識経験者や関係者だけでなく、公募市民が加わることは、納税者たる市民の意見を反映させられるだけでなく、注目度からも市民への周知が高まるものと考えます。
2 点目に対して、委員構成や選定方法が不明確、とのことですが、今回の条例に掲げている委員構成や選定方法は、現在千葉市に設置されている付属機関等の委員構成や選定方法となんら変わることはなく、通常認められているものです。これをもって不明確というなら、現状の付属機関すべてが不明確となり、疑義が生じます。
3点目に対して、今回私たちが提案した「あり方検討委員会」の最大のポイントは「市民参加」です。委員会の中で名前のあがった「都市活性化対策調査特別委員会」の中で、議員がモノレール事業のあり方を調査することは、是非行っていくべきであると私たちも大いに賛成するものですが、これは市民を交えた議論ではなく、あり方検討委員会の設置とは目的を異にするものです。
4点目に対して。モノレール事業をまちづくりの推進に必要な交通ネットワークの実現という視点から進めることも、全くその通りと考えています。であるからこそ、交通ネットワークの中で、千葉市にとって、物理的・財政的に大変重要な位置を占めるモノレール事業に特化した委員会の中で、モノレールの果たす役割をきちんと認識し、総合交通ビジョンに基づく具体の計画に対してモノレールの役割を織り込んでいく必要があります。よって、計画が策定されようとしている今こそ、この委員会が必要と考えています。

以上の反対意見への論点整理に付け加え、千葉県・千葉市・モノレール会社の和解成立以降、千葉市とモノレール事業をめぐる状況は変化しています。 それまでの県・市共同事業から、千葉市主体事業となり、千葉市への負担が著しく増加したこと。千葉市の財政状況が18年度普通会計決算で赤字となるなど、これまでになく逼迫していること。
そして、千葉市は本年4月「市民参加及び協働に関する条例」を制定しました。その中では「地方分権の進展の中、住民の意思に基づいて地域の行政を行う住民自治の拡充が求められている」として、「市民の豊かな知識や社会経験を市政に生かし、市民と市が力を合わせ、公共の課題の解決に取り組む市民参加と協働がこれまで以上に必要となっている。」と謳われています。 まさに今、モノレール事業のあり方の検討に、これまではなかった市民参加を可能にすべく「モノレール事業あり方検討委員会」の設置を求めるものです。

是非とも、議員みなさまのご賛同をお願い申し上げまして、市民ネットワークの討論を終わります

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