討論

長谷川 ひろ美

市民ネットワークの長谷川弘美です。会派を代表して、議案第89号に反対の立場で、また議案第100号から102号については賛成の立場ではありますが、いくつかの指摘をさせていただきます。

まず議案第89号平成20年度千葉市一般会計補正予算です。このうち蘇我スポーツ公園の用地取得と小規模保育所整備について反対討論をいたします。最初に5億3,200万円で蘇我スポーツ公園のうち約12,000平方メートルを取得することについてです。
千葉市蘇我スポーツ公園事業は、平成14年から平成23年の事業期間で、用地費約230億円、施設整備費約120億円、総事業費350億円で、JFEの工場跡地のうち約46haに多目的広場、テニスコートなどを整備するものです。URの直接施行で行われ、土地については、46ヘクタールのうち、33.3ヘクタールは事業当初、URがJFEより1平方メートル69,000円で先行取得、残り12.6ヘクタールは、建物除却費19億円を千葉市が負担することで、JFEよりの無償譲渡となっています。すでに平成17年にオープンしている蘇我球技場の事業費81億円は、施設整備費120億円の中には含まれていません。19年度までに用地費106億円で15.4ヘクタールを買い戻し、また施設整備は45億円を執行しています。
財源内訳は、用地費については、国庫補助金が3分の1、残りの金額の90%までは起債可能額、市債発行以外の残額は一般財源から充当されます。この一般財源分はURのたてかえとなっています。また施設整備費に関しても、同様に国庫補助金・市債・一般財源となっており、同じように一般財源部分はURのたてかえです。19年度までの実績は用地費・施設整備費あわせて、URのたてかえ分は10億6,200万円となっています。
昨年の第2次5カ年計画の見直しの中で、22年度までの5か年の計画は、見直し前の事業費89億7,700万円から67億7.500万円に減額されました。見直し後の計画では20年、21年、22年の3か年で、毎年およそ5億8,000万円で用地を買い戻していく目論見でしたが、20年度当初予算では、きびしい財政状況のなか用地費の計上が認められず、21年度に2年分をまとめて取得する計画となっていました。しかし今回国の補助内示増が決定したことを受け、市債を発行しての用地取得です。どうしても必要な事業であるならば、当初予算に計上しておくべきものではないでしょうか。しかし、20年度は財政状況が悪く計上できなかった。それを年度途中で国の補助決定を受け、追加補正をしていく。そうすることが織り込み済みの当初予算枠であったとしたら、当初予算とはいったい何なのでしょうか。

ちょうど今議会では鎌取第三中学校の用地取得に関して5億5,795万円の減額補正がありましたが、同じ「UR」からの買い取りです。偶然にも示し合わせたようにほぼ同じ金額が、蘇我スポーツ公園の用地取得費として、追加補正です。当初予算の中では何とか市債発行額を抑えておかなければならなかったための苦肉の策と見ることもできますが、これでは市民理解を得ることはできません。財源内訳では一般財源となっていても、URの立替部分は、債務負担行為として、後年度への負担となっています。すなわち、すべてが将来世代への負担となるわけです。

市民ネットワークでは、いつも申し上げていますが、スポーツ公園をすべて否定しているわけではありません。しかし、当初予算へ計上もできないほど財政状況が悪い中で、すべてを将来へつけを残す形で事業を進めていくことに大きな疑問を感じています。私たちが求めている「身の丈にあった財政運営」とは程遠いものです。今回求める土地は防災公園の中で、一時避難場所としての機能を持つ場所となります。災害時の大型車両の侵入場所とはならず、地盤改良などもさほど必要ない場所です。これほど厳しい予算繰りをしてまでの整備は必要ないと考えます。よって、補正予算・蘇我スポーツ公園の用地取得には反対いたします。

次に待機児童対策、小規模保育所等整備に対する補助制度創設に伴う補助額1億3,500万円についてです。
平成12年、国は保育所の設置許可にかかわる規制緩和の一環で、設置主体の制限撤廃あるいは60人未満の小規模保育所認可の指針など示しました。さらに本年2月新待機児童ゼロ作戦を発表し、特に今後3年間を集中重点期間とし、取り組みを進めることを打ち出しました。 千葉市においては7月、待機児童解消に向けた緊急3ヵ年整備計画を政策決定し、議会直前の9月4日、市長の記者発表があり、その後議会への説明がありました。待機児童をゼロにしていくという点では、市民ネットワークとしてもこれまで強く要望してきたことであり、量的拡大については評価しておりますし、緊急的対応も必要と考えます。しかし以下、3点の指摘をしこの予算案には反対をいたします。

1点目に、議会への提案の仕方があまりに突然であり、加えて審議に必要な情報が極めて不十分だということです。これまで待機児童対策に関しては議会でも何度も質問し、議論されてきていますが、具体的に今回の施策が検討されていることは示されてきませんでした。今年度中に6箇所分の補正予算が提出され、10月には設置運営者の公募、11月選考、決定、来年4月から開園する予定であるとのスケジュールが示されました。しかし今の段階では議会に対し、認可要件や設置予定の駅名、運営主体の受け皿があるのかなど具体的なことは示すことはできないとのことでした。
この計画を推進するのであれば、市は議会の審議の場において議員からの疑問点などにはきちんと答えられるよう準備すべきです。情報があまりに少なく、十分な審議ができない中では、責任ある判断をすることができません。

2点目に、保育の質の確保の点で疑問を払拭できないということです。まず運営主体ですが、多様な主体ということで民間の株式会社などの参入も可能であるとの説明でした。実際先行して小規模保育所を整備している川崎市では、この1年間で10箇所設置し、そのうち1箇所がNPOのこる9箇所は株式会社です。千葉市ではこれまで株式会社の保育所は認可しておらず、公立保育所のあり方で一部民営化の方向を示しながらも、その運営主体には社会福祉法人などとして、一定の条件をつけ保育の充実を図ると示しており、これは大きな転換となります。認可保育所には今回の施設改修補助、家賃補助をはじめ運営費など、多くの税金を投入していくわけですから、運営主体が拡大されても、保育の質がきちんと確保される体制であるか、事前に十分審議する必要があります。
市川市では株式会社経営の認可保育園として、じゃんぐる保育園が開園しましたが、ここは東京都で補助金の不正請求問題で認証取り消し、補助金返還命令が出され閉園となった保育園です。市川市でも設備の問題や職員の解雇、退職や子どもの転園が続出するなど現場は深刻な事態となり、事業者の実態をきちんと把握しないままに認可、参入を認めた県と市の責任が問われました。またここの社長は『保育所』ビジネスの始め方・儲け方の本すら出し、今回のような規制緩和が絶好のビジネスチャンスとしています。介護の世界でもコムスンなど大手の営利主義の会社参入で、多くの問題がおきました。ここで一挙に増やし、清濁併せ呑むのではなく、まずは理念をしっかりと確認し、社会福祉法人や学校法人などの実績のあるところから始め、保護者などとともに指導、監査体制を十分に整備していくなど慎重に進めるべきと考えます。

3点目に子どもにとっての保育環境をどのように整備するかは自治体としての子育てに対する姿勢をあらわすものです。緊急3ヵ年の小規模保育所の設置は、あくまでも緊急対策です。市は本来の保育園の整備を従来の5ヵ年計画のみではなく、次の5ヵ年計画の前倒しを図り増設する努力をあわせて推進するべきです。小規模保育所は駅周辺、園庭がなくともよく、マンションなどのビルも1,2階などと限定していません。親にとっては、駅周辺は便利でもこれらの環境は、子どもにとっては問題があります。今回の計画では平成23年4月時点での待機を990人と推計していますが、千葉市の待機児童はここ数年、年度末には800人から900人台となっています。緊急3ヵ年計画実施後、待機が解消されていない場合はそのとき検討するとのことでは困ります。しっかりとした調査をし、保育所整備計画を示していただきたいと思います。

次は議案第100号花見川区保健福祉センター、101号の稲毛区保健福祉センターの新築工事、工事請負契約についてです。
保健福祉センターは、平成13年に策定された「保健福祉センター整備基本計画」において、保健センターの機能充実や福祉事務所の多様なサービス提供とともに、地域における保健福祉活動への市民の参加と協働を推進することを目指していたはずです。そのために、地域福祉活動スペースを設けていますが、その利用実績は芳しくありません。6区合わせた施設整備費は185億円にものぼりますが、これだけの施設でありながら、会議室やボランティア室の利用者が緑区では1日に12人、最も多い若葉区でも32人に過ぎません。地域福祉活動を推進する団体として社会福祉法に位置づけられていた社会福祉協議会に、減免をしてまで目的外使用をさせているのですから、幅広い市民の参画による福祉活動の拠点としなければなりません。市民が頻繁に出入りするようなスペースとなるよう、市も創意工夫をすべきです。

次に落札率ですが花見川区保健福祉センターが98%で、稲毛区保健福祉センタ―が98.88%ときわめて高い落札率ですが、綿密な見積もり積算の結果という市の見解です。高落札率の問題点は個別にもっと分析し、対策を検討していただきたいと考えます。予定価格がともに11億を超える建築工事です。どこの事業者も仕事がほしい中、千葉市は市内のAランクの業者による制限付一般競争入札を取り入れていますが、一端落札した業者3社に都市計画法違反があったこと。しかも落札決定した後に通報があり初めて判明したという事態が続き、市の違反事業者への調査と是正指導が徹底していなかったことが明らかになりました。
千葉市は平成18年9月議会で、都市計画法違反の事業者の落札議案に問題ありとして、以後入札できないこととしています。しかし契約後に万一違反が判明した場合は、工事請負契約約款では、契約の解除は難しく、是正さえすればほとんどペナルティがないという点が今回明らかになりました。そうであるならば、通報があるまでわからない状態で、失格となった事業者がこの間に行った工事5件については市の事前調査と指導の甘さが問われます。ちなみに2年の間に杉田建設は工事2件で約4000億、かしの木建設2件で約1億5,000万円、鵜沢建設、2件で約2億7000 万の工事を受注しています。
都市計画法関連で市に登録業者が提出する申告書を見ますと、倉庫や宿舎などとして使用している借家についても記載することとなっています。
違反の自覚がなかったとのことですが、違反建築物の事業者への再度の徹底した周知を行うこと、しかしすべてを把握していくのは難しいわけですから、それでも違反した事業者にはペナルティを課すなどの検討を求めます。

最後に議案第102号工事請負契約です。この千葉都市モノレール電力管理システム更新工事については、通常耐用年数10〜15年の機器を20年間使用してきており、部品の中にはすでに生産中止となっているものもあるとのことです。いままで大きなシステムダウンは起きていなかったものの、予備部品の調達への対応も困難になりつつある、とのことですので、速やかな対応が求められます。しかし、かなりな金額を必要とする更新工事です。18年度の和解時に千葉市が取得したモノレールのインフラ外部分の工事で、そこにまた新たに税金が投入されていくのです。それをモノレール株への随意契約で行うことになりますが、市民の税金の投入ですので、しっかりとした情報開示が必要です。今回の更新工事の情報含め、今後予定されている更新計画とその経費について、千葉市にかかわるもの、モノレール株にかかわるもの、すべてをきちんと公表していくことを求めます。以上100号から102号については何点かの指摘をさせていただきました。
以上で討論を終わります。

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