討論

小西由希子

市民ネットワークの小西由希子です。会派を代表して、本定例会に提案された 議案第1号平成19年度千葉市一般会計補正予算、 議案第9号平成20年度千葉市一般会計予算、 議案第13号平成20年度千葉市後期高齢者医療事務事業特別会計予算、 議案第27号平成20年度千葉市水道事業会計、 議案第31号千葉市市民参加及び協働に関する条例の制定について、 議案第38号千葉市後期高齢者医療に関する条例の制定について、 議案第39号千葉市特別会計設置条例の一部改正について、 議案第40号千葉市国民健康保険条例等の一部改正について、 議案第45号千葉市工場立地法地域準則条例の制定について、 議案第49号千葉市営住宅等設置管理条例の一部改正について、 議案第53号権利の放棄について、 議案第59号指定管理者の指定について(千葉市蘇我スポーツ公園多目的広場)について、委員長報告に反対の立場から討論いたします。

また、先ほど共産党より出された「平成20年度千葉市一般会計予算等の組み替えを求める動議」については、大型開発優先ではなく市民の福祉向上のための予算を求めるなど組み替えの理由及び方針につきましてはその考え方を理解、共感するものの、組み替え内容には賛同しかねるものもあり賛成には至りませんでした。
では、まず、議案第1号平成19年度千葉市一般会計補正予算のうち、住宅供給公社への短期貸付金20億円の請求の放棄についてです。住宅供給公社の特優賃事業は、平成5年から市が取り組んできたものですが、過去の実績を見ますと2年後の平成7年からはすでに入居率が低下し始めていたにもかかわらず、平成11年まで対象住宅を増やし続けてきました。そもそも本事業は、92〜93%の入居率で収支バランスがとれるという効率の悪いものであり、また、入居家賃のみを補助する「管理委託」ではなく、空き家部分の家賃もすべて保証する「一括借上」を採用し、年間1億から2億円を超える赤字の累積が20億3000万円となったものです。平成14年度の包括外部監査において、短期貸付金を改めるようにとの意見があったにもかかわらず、見直すこともなく、毎年市から借り入れと返済を繰り返してきました。オーナーへも理解や協力を求めているようですが、まだまだ不十分です。赤字が出たら市が埋めるという生ぬるい体質を反省し、理事長である副市長はその責任を重く受け止めるべきです。
また、短期貸付を繰り返してきた市、すなわち市長にも税の運用の面からその責任は重大です。今回たとえ市が債権を放棄したとしても、事業終了の平成31年までにはさらに9億円をつぎ込んでいかなければなりません。早期から専門家を入れて事業の建て直しに本腰を入れるなど、本気で経営改善に取り組むべきだったといえます。よって本議案には賛成しかねます。同様の理由から議案第53号権利の放棄についても反対致します。

次に、千葉市営住宅 宮野木町第一団地第一期立替事業の継続費補正についてです。この事業は、昨年、市営住宅の建て替え工事現場の土壌から、六価クロムが検出されたことから、調査のため工事が中断していました。今回、汚染土壌処理が必要となり、その費用として約1億4000万円を含む、継続費補正が計上されたものです。
昨年の12月議会において提案された隣接するBC工区の議案に対し、市民ネットワークは反対しましたが、そのときの理由のひとつとして、このA工区での六価クロム検出の分析結果が10月に出されていながら、議案研究の段階でも報告がなかったことはあまりにも遅く、議会への情報提供のあり方に問題があることを指摘いたしました。
その後、なぜ六価クロムが検出したのかの調査を確認するため常任委員会としても事前に現地視察を実施したところです。しかし、今議会においても議員からの指摘があるまで、六価クロム対策に費やす1億4000万円ものの予算について、きちんとした説明もしなかったのは問題です。市は費用分担を業者に求めていくのか、損害賠償請求について弁護士とも相談しているとのことですが、このように重大な問題を説明なしで、済まそうとする当局の姿勢は、きわめて不誠実であり、今後このようなことのないよう再度指摘いたします。

次に、議案第9号平成20年度千葉市一般会計予算についてです。平成20年度の予算は一般会計で 3,213億円。市税は前年度を若干上回る見込みでありながら前年度とくらべ、10.1%の減となっています。これは昭和21年以来の下げ率であり、コストや人員の削減、さらには身近な事業も削減されたり先送りされるなど、市民はさまざまな場面で不便や我慢を強いられる恐れがあります。市民サービスの質のいっそうの向上と官民の責任の明確化がしっかりと見極められることが大切です。
市債残高見込みがはじめて31億円減少する点は評価できるものの、18年度末の全会計での借金1兆3304億円はあまりに多額で、次の世代にも重くのしかかっていきます。緑と水辺の基金など各種基金からの繰入金も、21億8,800万円が計上され、総額177億円となります。市長は、納得のいった予算編成ができたとのこと。将来世代も納得してくれることを信じるとの答弁でしたが、果たして次の世代は納得してくれるでしょうか。これまで市長が強く進めてきたQボールをはじめとした施設建設や大型の公共事業が、千葉市の財政をここまで厳しい状況に追い込み、その結果が20年度の厳しい予算に反映したわけで、その責任があると考えます。次の世代に負担を負わせることへの反省のことばが必要ではないですか。 
道路特定財源の暫定税率の維持については、福祉・教育にまで大きく影響すると、市はホームページで危機感をあおっていますが、教育や福祉、環境など数百万円でできるようなソフト事業が後回しとなっています。道路関係事業とどちらが優先されるべきかなど自治体レベルでも議論が必要です。

第2次5か年計画は、当初予算の30%減という大幅な見直しとなり、計画としては破綻した、とも言える状況です。でありながら、大型開発事業に関しては、見直されることなく引き続き継続されようとしています。
蘇我臨海部開発については、スポーツ公園整備に2億9000万円を計上しさらに整備を進めていく予定でが、財政状況を考えるならこれ以上の上もの公園整備は進めるべきではありません。
千葉駅西口再開発事業では、現在の社会経済状況を考えると、残されたB棟を建設しても、保留床の処分は大変厳しいと思われます。再び公共床として取得するなどの問題も起きかねません。B棟の計画の見直しは必至です。周辺地域の開発整備状況の動向を勘案しながら、再度の住民意向調査なども行い、計画の再検討・事業の見直しを行うべきと申し上げます。
モノレール延伸事業については、2次5ヵ年計画見直しで事業費を91億円から12億4,200万円に縮めたものの、20年度からの3か年では9億700万円。開業は2年先延ばしになりましたが、既定路線を進んでいます。延伸計画がたてられてから、社会経済的状況も、千葉市の状況も、延伸計画自体も大きく変化をしていますが、市民の意向把握は、平成14年以降おこなわれておりません。延伸計画周辺の方への周知の意味も含め、再び市民アンケートを実施し、モノレール延伸は見直すべきと考えます。
市民ネットワークでは、「3億円以上の千葉市単独事業に関しては市民参画で事前・事後評価するシステムをつくること」を要望してきましたが、これら大型開発事業を市民が参加する中で、再評価することを求めます。 限られた財源だからこそ、市民生活に軸足をおいた予算配分が求められます。真に「市民視点」、「納税者視点」に立った予算編成とはいえず、一般会計予算には反対です。

千葉市では税の徴収事務に関しての個別外部監査で、監査体制の充実・強化が 必要であると、決算のあり方に対する重要な指摘がなされるなど、これまでの監査機能が十分には果たされてきたとはいえません。 財政健全化法は20年度決算から適用され、外郭団体や第3セクターが抱える赤字も含めた、4つの健全化判断比率を公表していかなければなりません。また明治時代から変わらず使われ続けてきた公会計も改革で、市の資産や債務の情報開示も始まります。そこで行政にはこれらの財政情報をわかりやすく市民に説明することが求められます。監査委員には独立した専門機関として住民の立場にたった監査の強化が求められるところです。

住宅の耐震化は、平成27年度までに90%の達成を目指すとし、年間約580戸の耐震化が必要としていますが、現状では木造住宅の耐震診断の戸数は、平成19年度で75戸、改修は26戸となっており、目標達成に向けて厳しい数値です。さらに、改修の助成は22年度までとなっており、その後の検討はまだされていません。民間特定建築物に関しても、27年度までに103棟の耐震化が必要と見込んでいますが、現状では337棟が耐震性のない建築物です。助成制度が無い中で、啓発や技術指導や情報提供で、どこまで所有者がその気になるか、千葉市としの関与のあり方が問われます。
市有建築物については、「耐震化整備プログラム」を別途策定し、平成22年度までにIS値が0.3未満の建築物を、平成23年度以降はIS値0.3以上0.6未満の建築物というように、二期に分けて対応することとされています。第2次5カ年計画が大幅に見直され、規模が縮小された中でも、耐震改修は優先的に行われることとなっておりますが、市債発行が大きく抑制される中で、かろうじての財源確保です。また22年度以降に関しては、財源の目処もついていない状況ですが、滞りなく耐震改修が行われることを要望しておきます。

保育所についてですが、耐震強度不足の保育所に仮設設置予算が1億2000万円、計上されました。 花見川第一と幕張第二保育所の仮設設置場所がやっと決定し整備にむけて動き始めました。しかし残りの5か所については蘇我保育所が所庭内に建設予定のほかはいまだ明確になっておらず、当初の整備予定がかなりずれこんでいます。 保育課と建築部とでプロジェクトを組織したとのことですが、早期に用地の選定をし、保護者との丁寧な話し合いで決定していくことを求めます。

道路の隆起の問題についても一言意見を述べさせていただきます。JFEミネラルでは、事故が発生するずっと以前から道路の隆起について確認していながら市に何の報告もおこなってこなかった責任は大変重大です。すでにけが人も出ており、企業の社会的責任云々以前の問題です。リサイクルという名の下に廃棄物を製品化し利用することの危うさを改めて気づかされた事例であるともいえます。 今後、徹底した原因の解明を求め、JFEミネラルにも相当の責任を求めるものです。また、原因が確定するまではJFEミネラルのスラグ再生路盤材を市の工事に使用しないなど、事業者に対し市は毅然とした態度で臨むべきと考えます。

議案第13号 平成20年度千葉市後期高齢者医療事務事業特別会計予算について、 38号千葉市特別会計設置条例の一部改正について、 39号千葉市特別会計設置条例の一部改正について、 40号千葉市国民健康保険条例等の一部改正について、 後期高齢者医療制度については、従来の老人保健制度から75歳以上のすべての高齢者が切り離され、新たな制度へ移行するものです。
扶養家族として保険料を免除されてきた人も払わなければならないこと、年間18万円以上の年金受給者は保険料が天引きされること、一年以上滞納すれば保険証を取り上げられ、資格証明書にもとづいて医療費をいったん全額自己負担しなければならないことから、受診をためらい、症状を悪化させる人が出る事態も十分予想されることなど、多くの問題をはらんでいます。国も、被扶養者らについて四月から半年間は保険料を免除し、その後段階的に上げて3年目から本来額を払うよう改めざるを得ないなど、発足前から修正が必要なほど不適切な制度であることが明らかです。今後、医療が必要な高齢者を切り捨てる可能性を否めません。以上の理由から、後期高齢者医療制度に関わるこれらの議案には賛成できません。

水道事業会計については、第二次五ヵ年計画の見直しにより、第三次拡張事業の配水管網の整備が大幅に削減された。平成27年度を目標年次とする第三次拡張事業計画は新たな浄水場建設も含め、達成されるとは言い難い状況に追い込まれている。説明責任の果たせる見直しを行うと同時に、県からの分水も含め、今使える水源で未給水区域の解消を行うなど、現実的な取り組みが求められます。

市民ネットワークでは、条例策定にあたっては市民が参加するプロセスを大切に策定すべきと、機会あるごとに申し上げてまいりました。しかし、市は、「 千葉市市民参加・協働推進基本指針」策定においてすでに市民意見を十分聴取したと主張し、条例案へのパブリックコメント聴取の際には、説明会すら開催されず、市主導で策定を進めてきました。また、パブリックコメントには参加の手続きを増やしてほしいとの複数の意見が寄せられましたが、市民の声には耳を貸さず、市民参加条例を作ろうという開かれた行政イメージとはほど遠い状況です。 上程された条例案は、パブリックコメント手続きを明記しただけで、市民参加と協働の条例とするにははなはだ不十分と言えます。 そのため、私たちは、市民参加の手続きに、市民政策提案制度、住民投票制度、協働事業の提案を加え、さらに、市民と情報の共有を図り市民や市と協働して市民参加を進めるため議会の責務と役割についても明記した修正案を提案したところです。議員の皆さんのご賛同を求めます。

工場立地法では敷地面積9,000平米以上または建築面積3,000平米以上の特定工場について、全国一律に敷地面積の20%以上の緑地を確保することが義務付けられています。しかし、平成10年の法改正により、都道府県および政令指定都市は条例により緑地面積率を緩和できることになりました。そこで、市は市内経済の活性化を図るためなどとして、緑地面積率を緩和する条例を提案したものです。 この条例は、緑と水辺の街づくりを推進している千葉市の動きに水を差すものです。他自治体の緑化面積率にそろえることに根拠を置く必要はなく、これまでの基準を守ってこそ、千葉市の主体性が評価されるものと考えます。 緑化推進策として、緑化面積率が20パーセントに満たない時は、工場敷地外での緑地の確保や公園緑地等への維持管理支援等の協力を求めていくとのことですが、これはあくまで努力規定であり、実効性を担保するものではありません。事業者への意向調査なども丁寧におこなうべきです。 現在のところ、この条例制定の効果につながる工場誘致の計画もないとのことですので、緑地を減らすマイナス要素を上回る経済効果が見込まれるかどうかは疑問であり、議案には反対です。

議案第49号千葉市営住宅等設置管理条例の一部改正について,この議案は、市営住宅等設置管理条例の一部を改正し、市町村民税を滞納していないものであること。また入居者および同居人者が暴力団員でないことを加えるものです。 市民生活の安全上、暴力団員の排除に関しては同意できるものの、市民の情報提供において警察との連携には疑問が残ります。千葉市の場合、20歳以上の男子に限り、入居決定者のうち公社職員が調査を必要とする市民を絞り込み、市職員が警察に照会をする。そして警察に照会する者を絞り組む判断は面談によるとの説明でした。
また警察に照会する上では、市民の個人情報にかかわることであり、慎重な取り扱いがもとめられるため、警察との協定書を取り交わすとのことです。 個人情報保護条例では、個人情報の収集では本人から収集しなければならないのが原則ですが、この場合警察に照会する上で、本人同意は必要なく、また照会した結果、暴力団員として該当しなかった場合も照会したことは本人に報告されることはありません。 このように申請をする際、暴力団員でないことを誓約するものの、それを確認するため、多くの市民の個人情報が警察に照会されることには疑問です。特に警察の個人情報の取り扱いにおいてはこれまでさまざまな不祥事や漏洩が生じており、また思想信条、宗教などに関する他の個人情報とのマッチングがなされないとの保障もなく、追求する手立てもありません。したがって今回の条例化には反対するものです。

議案第59号指定管理者の指定(千葉市蘇我スポーツ公園多目的広場) この議案は蘇我スポーツ公園多目的広場の指定管理者として、シミズオクト・東洋グリーン蘇我住議場協働企業体を指定するものです。 蘇我臨海部でのスポーツ公園は、多大な整備費がかかることから、財政の厳しい千葉市の現状から、事業の徹底的な見直し・凍結をもとめてきたものです。財政悪化の原因としての大型公共事業のひとつでもあり、他の事業を大幅カットされている中で、この公園整備事業の緊急性を認めることはできず、したがって多目的広場の指定管理者の指定には反対いたします。

以上、市民ネットワークの反対討論といたします。

close