1、千葉市におけるホームレスの問題と支援について

湯浅美和子

ホームレス支援に関しての質問は3回目となります。 前回2005年の質問は、国の「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が策定されたのを受け、県が「千葉県ホームレス自立支援計画」を策定した直後、千葉市として、独自の自立支援計画を策定することを求めました。 最初の質問を行った2004年には、まるでなかったホームレス対策ですが、相談員による巡回相談事業も始まり、また昨年2007年3月には「千葉市ホームレスの自立の支援等に関する指針」も策定されました。支援が、少しずつではありますが、進んでいることを評価するものです。

しかしいまだに彼らに対する偏見、差別、無理解を耳にします。 ホームレスになった原因は、自己責任もあるでしょうし、不運もあるし、もちろん、社会的な要因もあります。それらの要因が複雑に絡まっているわけです。ただ、私がホームレス支援団体の方と一緒に夜間パトロールを行う中で、めぐりあった路上生活者の方は、凍える空の下や、蒸し暑い中、蚊の大群に悩まされながら決してすきこのんで路上の生活をしているわけではない、ということを知っていただきたいと思います。これまでの質問の中でも言い続けていたことです。 にもかかわらず、今議会の予算審査特別委員会の中で当局側よりの説明の中に、路上生活者が好んで今の生活を選んでいるかの発言がありました。厳重に抗議します。

過去3年間の巡回相談事業の実績について伺います。
実際に面接をした人数、その方たちの年齢、健康状態はどのようなものか。

把握している方の中でなくなった方はおられるのか。

医療相談や法律相談、借金、多重債務などの相談も行っているのか。

相談事業を介して、路上から居宅へ至った人数と、その方たちの年齢は。

居宅移行者は、ほとんどが生活保護を受給されていると思われるが、その後の生活支援などのフォローはどのようになっているのか、ケースワーカーの訪問は行われているのか。

就職・自立にいたったケースはあるのか。

また今後も、巡回相談事業を続け、ホームレスの継続的把握を行うとともに、個人支援台帳の作成を行うとのことですが、どのような支援台帳となるのでしょうか。 2008年度、国のホームレス自立支援法の見直しにあたり、いまだ減少しないホームレス問題の中「ホームレス全国支援ネットワーク」が国土交通省、厚生労働省へ提出した意見・要望の中では 巡回相談に加えて野宿生活者が訪れやすい場所での相談窓口を開設することや、巡回相談員が提供できるサービスの豊富化や、医療関係者・機関との連携、居所確保にいたる確実な支援策が必要、と述べられています。

ホームレスが訪れやすい場所での相談窓口の開設や、医療機関と連携した支援も求めたいと思いますが、いかがでしょうか

居所確保への確実な支援策として、各地でも公営住宅の活用について模索が続けられているようです。千葉市においても空きのある市営住宅を支援のための居宅として確保してはと考えますが、いかがでしょうか。

地域で自立生活を始めても、多くが「孤立、無縁」という問題を抱えており、引き続き支援していく必要があります。サポート事業の立ち上げが必要かと思いますがいかがでしょうか。

ホームレス問題、というと、このところいつも取り上げられるのが無料定額宿泊所です。私も過去2回の質問の中で取り上げ、その存在へ疑問を投げかけてきました。 千葉市は指針の中で、この施設に関しては、これ以上の届出は受理しない方針を明らかにしています。既存施設に関しても、ガイドラインの中で「不当な営利をはかり、あるいは入所者の処遇において不当な行為があった場合は、経営の制限、あるいは停止を命じることができる」とされており、厳正な対応を取られることを要望いたします。 無料低額宿泊所に関しては、その存在自体問題をかかえているのですが、その中でも危惧するのは、退所者が大変多く、その方たちが再路上化している、という現実です。

18年度退所者約470人のうち、就職者は150人程度であると聞いていますが、失踪者の人数はどのようになっているのでしょうか。

2、学校における読書活動について

1)学校図書の充実について

文科省では、2002年度から「学校図書館図書整備5か年計画」をスタートさせ、地方交付税として図書整備費を毎年130億円ずつ措置してきましたが、公立小中学校の図書館の蔵書数の標準を定めた「学校図書館図書標準」を満たしている学校の割合は、2006年3月時点で、小学校40.1%、中学校34.9%にとどまっており、 そこで、再び2007年からの5か年の整備計画により、毎年約200億円、総額約1,000億円の地方財政措置が講じられることとなっています。 国をあげて学校図書館の充実に向かっているようなのですが、それを受けた各自治体では、豊富な蔵書は図書館を活用するのにかかせないと理解しつつも、学校図書費を思うように増額できていない厳しい財政事情を抱えています。

千葉市では、学校図書館標準を満たしているのは小学校で59%、中学校で63%とのことで、全国平均よりは上回っているものの未だに充足率を達成していない学校も多くあります。 当初、第2次5カ年計画の中で、学校図書標準に照らして、充足率に満たない学校の図書拡充のため、毎年2,000万円、5か年で1億円が盛り込まれていましたが、実際のところ、2006年度、2007年度、予算措置はありませんでした。また今回の5か年計画の見直しで、今後3カ年についてもすべて先送りとなりました。

図書館標準を満たそうとする国の示す方向に沿っていないのでは、と思われますが、今後どのように学校図書を整備していくのか、ご見解を伺います。

2)図書館指導員について

千葉市では平成12年より、学校図書館指導員を全小学校へ週3回配置して、読書を促す環境づくりが行なわれてきました。全国の学校図書館をみてみますと、いまだに指導員が配置されていない図書館を抱える自治体も多く、この点で千葉市の小学校図書館は大変充実していると思われ評価するものです。そして、中学校に対しても、同様に充実させて欲しい旨の要望もでていました。 そんな中、本年1月末、今後、中学校への指導員配置を充実するにあたり、指導員の方に、小・中いずれを希望するかの調査についての書面が届けられた、とのことです。以前より中学校の充実を求める要望も出ていたわけですが、突然のことで現場には混乱もあったと聞きます。

中学校へ指導員を重点的に配置するにいたった経緯についてご説明下さい。

今後の指導員配置の新体制は、どのようになるのでしょうか

指導員のかたが担っている役割はどのようなものでしょか。

小学校と中学校での役割の違いは何かあるのでしょうか。

今までと勤務体制が大きく異なるわけですが、指導員さんたちの反応はいかがでしょうか。

今回の方針を決定したのは「魅力ある学校図書館充実推進委員会」とのことですが、この委員会の役割と構成はどのようなものでしょうか。

全国の報告では、合併などの影響で指導員の配置が少なくなってしまった学校図書館で、子どもたちの図書館離れが見られるとのことです。今回千葉市では、今までの週3日体制から2日体制となり、指導員の方がいない時間が増えてしまうわけですが、どのように対応されるのでしょうか。

学校図書館と市立図書館との連係はどのように行なわれているのでしょうか。

学校の図書活動に関しては、約85%の小学校でボランティアが協力されている、とのこと。どのような場面で活動されているのでしょうか。

千葉市子ども読書活動推進計画が本年2008年度見直される、とのことです。 策定された2004年以降の成果をどのように検証されているのか、ことに学校における読書活動への成果はどのようなものであったのでしょうか。また見直しはどのように行なわれるのか伺います。

2回目

1、ホームレス支援

明確な答弁がなかったものに対して・・・
巡回相談事業に関しての答弁によりますと、ホームレス支援という困難を伴う作業ですが、かなりな成果を挙げられており、頭の下がる思いがします。 しかし同時にいろんな問題も見えてきます。

「千葉市ホームレスの自立の支援等に関する指針」の中で、「ホームレスとなった理由」に「借金の取り立て」がありました。 国では多重債務者対策本部を立ち上げ、昨年4月、金融庁から「多重債務問題改善プログラム」が示され、また7月には相談マニュアルが作られています。それを受け、千葉市でも消費生活センターを中心に「千葉市多重債務者支援庁内連絡会議」が設置されました。その中で多重債務者の相談窓口の充実が図られていく、とのことです。「多重債務の正しい解決法」などの著書で知られる弁護士宇都宮健司さんによると「解決できない借金問題はない!」とのことです。借金取りから逃げるために、家族を捨て、家を捨て、というケースもあります。

巡回相談員さんだけでは、多重債務などの相談に対応するのは難しいと思われます。消費生活センターとの連携も欠かせませんが、今後への対応をお聞かせ下さい。

巡回での面談者はこの3年間、89人、118人、84人。毎年の目視によるホームレス概数調査では120人前後の方が確認されていますので、かなりの方との面会ができているようです。概数調査との差は、駅近辺に居住する方との接触は難しいことを示していると思われます。 この3年間で居宅への移行者は67名。すなわち半数近くの方が居宅へ移行されているものの、直近の調査でも100人前後のホームレスが確認されていますので、新たな路上生活者が増えているということになります。居宅へ移行した67名のうち50歳代24人、60歳以上が27名とのことですから、50歳以下の方が16名です。
いわゆる稼働年齢といわれる方たちがかなりおられるわけですが、しかし19年居宅移行者25名のうち、就労に至った方は2名とのことです。就労のみを自立ととらえるのは問題があると思いますし、病をかかえ、仕事ができない方もおられます。 まずは路上から居宅へ、という支援を進めていく、しかし、いずれは就労・自立、という方向も模索していかねばなりません。

市民ネットワークでは、北九州市の「ホームレス自立支援センター北九州」を視察しました。 2004年3月に策定された「北九州ホームレス自立支援計画」の中で、ホームレス対策の中心的施設として位置づけられ、2004年9月に事業を開始。北九州市内で自立の意思がありながらホームレスになることを余儀なくされている方に対し、宿泊及び食事の提供、健康診断、生活相談・指導などを行い自立への意欲を持ってもらうとともに、職業相談を行い、ホームレスの就労による自立を支援しています。

利用は原則6か月以内で、 定員は64歳以下50名となっています。すなわち、いわゆる稼働年齢の方を対象としており、生活保護の受給を想定していない施設です。 2004年9月の開所から2007年9月までの3か年の実績は 通算入所者数310名、通算退所者数273名、 通算就労自立者数180名(就労自立率85.7%)。この就労自立率は大変高く、丁寧な支援事業が行われていると思われます。 自立支援センターにおける生活相談指導事業は、ホームレス支援の分野で信頼の高いNPO法人へ委託されています。

また近隣の市川市で活動する民間のホームレス支援団体は、この10年間の活動のなかで 130名近くの方の支援を行い路上から居宅への道を開いてきました。自身が持つ支援住宅への入居、あるいは民間アパートを借り上げた市川市の支援住宅への入居支援をし、また就労の支援、多重債務の相談なども行ってきています。また入居後のアフターフォローにも力をいれています。しかしそれでも、実は、約1割13名の失踪者がいる、とのことです。

さて、これらの数字をどう見るか、ということです。 1回目のご答弁で示された、無料低額宿泊所は、年間の新規入所が470で、失踪者が191、これで、自立支援が行われているとは、とても思えません。 年間191名の失踪者は一体どこへ行ってしまったのでしょうか? 巡回相談の中で居宅者を増やしていっても、ホームレスの数が減らない一つの理由かもしれません。

千葉市で確認されているホームレスの人数は政令市の中では多いほうではありません。支援センターを無理に立ち上げるより、すでにある社会資源の活用も可能ではないかと思います。市内に同じ程度のホームレスをかかえる政令市でも、すべてに自立支援ホームがあるというわけではありません。
その中で、再び路上に戻らない、生活支援、就労支援などアフターフォローが欠かせません。答弁では、2008年度よりケースワーカーのみでなく、巡回相談による支援を実施して行く、とのことですが、そんなに簡単な仕事ではありません。 きちんとした生活支援、サポート事業の立ち上げが必要です。

2006年3月31日に公布された、公営住宅法第45条の改正では、「自立しようとするホームレスの居住支援」として「支援団体による目的外使用」を可能としています。 第45条では、老人福祉法に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業、障害者自立支援法に規定する共同生活介護または共同生活援助を行う事業、とともに、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法に規定するホームレス自立支援事業により就業したものに対して生活上の支援を行う事業に、公営住宅の適正かつ合理的な管理に著しい支障のない範囲で、公営住宅を社会福祉法人等に使用させることができる、とされています。

今まで市営住宅において、こういった福祉目的の使用例はあったのでしょうか。

「千葉市ホームレスの自立の支援等に関する指針」の中では「安定した居住の場所の確保」として「市営住宅等の活用方法等について検討を行う」とされています。公営住宅の目的外使用の例に倣い、市が実施主体となり、市営住宅において一定の居住戸数を確保した上で一貫した自立支援を行うことも可能と思われますが、見解を伺います。

2、学校図書館
1)学校図書費について

引き続き学校図書予算を確保するとともに、次期5か年の計画の中で、図書の充足率を高め蔵書内容の充実を図ることを検討する、との答弁でした。

いただいた資料によりますと、2007年度の千葉市立小・中・特別支援学校の図書整備費の予算は9,358万9,000円とのことです。 2007年度の千葉市の普通交付税基準財政需要額における小学校費を見てみると、算入額は、20億9,667万4,000円で、前年度2006年度の22億1,648万9,000円に比べ、マイナス1億1,981万5,000円となっています。
しかし、そのうち図書経費分だけを見てみますと、2006年度4,377万3,000円から2007年度9,395万円と、5,017万7,000円の増となっています。 中学校費も同様に、算入額は13億1,609万5.000円から12億470万4,000円とマイナス1億1.139万1,000円となっているのに、うち図書経費分は3,436万1,000円から8,738万3,000円と、5,302万2,000円の増となっています。
小・中学校を合計しますと、2007年度の図書経費の交付税算入額は1億8,133万3,000円となります。しかし実際に予算計上されたのは、先ほど申し上げた9,358万9,000円とのこと。8,774万4,000円少ないことになります。素朴な疑問としてこの金額は一体どこに行ってしまったのでしょうか。 もちろん、これはあくまでも、学校図書経費にかかわる交付税算入額ですから、現金が支給されるわけではありません。しかし、基準財政需要額として交付税算入されているのですから、これだけあってもよいわけです。財政状況が厳しい中、措置率の低下は全国的な問題となっており、図書購入費も自治体間で格差が広がっています。

自治体の姿勢が問われていると思いますが、今一度千葉市教育委員会の、図書費充実へのお考えをお伺いいたします。

2)図書館指導員について

全国の学校図書館にかかわる情報交流のための冊子を見ていますと、「学校図書館に専任の図書館司書を」という要望運動が全国いたるところにあることがわかります。一方で学校図書館司書の全校配置実施、という報告もあります。2007年度から、さいたま市では政令市では初めて全小中学校に学校図書館司書を配置した、という記事もありました。
千葉市では少なくとも、小学校全校に図書館指導員が配置されていましたので、これからは 小中学校への専任の図書館指導員配置を、というように更なる充実を目指すべきところ、今回では、図書館指導員の人数を増やすことなく、中学校図書館の充実を目指す、ということとなり、小学校にとっては明らかに事業の後退です。

千葉市の学校図書館の充実のため、全小中学校への専任の指導員配置を検討するのが順当だと考えますが、見解をお伺いいたします。

小中全校への配置という検討はなされなかったのでしょうか。

今回はいったん後退するものの、今後再び充実させる計画はあるのでしょうか。

小学校では、これまでの3日体制から2日体制になるにあたり、保護者や地域の方の協力をさらに得る、とされています。今までも図書館の環境整備や図書の配架、貸出返却に、ボランティアとして保護者、地域の方たちがかかわってこられたわけです。学校の中に、保護者の方や地域の方が様々な場面で入っていくのは歓迎すべきことだと考えますが、図書の貸し出し返却などは、いろんな考え方はあるものの、プライバシーの問題にもかかわってくるものです。

今までは全くの学校の裁量の中でボランティアの方の協力を得ていたと思いますが、今後その役割がますます多くなってくるのであれば、ボランティアの方たちもきちんと司書教諭や図書館指導員の方たちとの連絡会など、持っていく必要もあるかと思いますがいかがでしょうか。

子ども読書活動推進計画についてですが、 その中で、学校図書資料のデータベース化、学校と図書館間のネットワーク化の推進、ということがうたわれていました。こちらのほうは、未だ検討、ということだと思います。 現在、市立図書館との連携として団体貸し出しを利用している、とのことです。これはこどもたちの読書用、あるいは調べ学習用に必要な図書・資料を中央図書館に予約し、指導員が勤務時間中に教頭先生等と一緒に中央図書館におもむき、借りだしてくることになっています。これがなかなか大変の作業のようです。 いくつかの自治体ではすでに行われていますが、学校図書館間、また学校図書館、公共図書館間のネットワーク化を行い、図書の共同利用を可能とし、「学校図書館センター」のようなところで予約・運搬などを一括行う方法があります。 そこまでは、すぐには難しいとしても、各学校への配達にメール便・図書館バスを利用する、あるいは貸出しを中央図書館だけでなく、地区館、地区分館の開架図書も可能とする、といった手法もあるかと思います。

学校図書館センターへのお考え、また貸出手法の多様化についてのお考えをお伺いいたします。

3回目

1、ホームレスの支援について

多重債務などの相談事業ですが、相談を促すだけでなく、弁護士につなぐだけでなく、しっかりと同行支援まで実施しないと実際の救済まで至らないと思われます。ことに路上生活者にとって相談窓口まで赴くのがひとつのハードルでもあります。 どうか丁寧に同行しての支援が行われるよう、お願しておきたいと思います。

今回の答弁の中に、今までの巡回相談事業で把握されていた方4名が亡くなられた、とありました。そのうちのお一人は、今まで私も何回も話をし、支援を受けることを進めていた方です。私たちの身近でこんな悲しいことが起こっていることも知っていただきたい。各地の支援団体が「路上での死を許すな」と必死に支援されているのに、力及ばず路上での死となってしまったことを、私自身深く反省し、ご冥福を祈るばかりです。

千葉市にきちんとしたホームレス支援がないから我々が受け皿となるのだ、という言葉がかつて無料低額宿泊所の設置者から出た、と聞いたことがあります。 そんなことを絶対に言わせない、そんな支援事業が千葉市で深く根付き行われることを願っています。それには福祉部門だけでない、都市局も市民局も巻き込んだ、それこそ全庁的な取り組みが必要です。また、市民への意識の啓発も大切です。

2、学校図書館について

今までたくさんの方の努力によって充実が図られたきた学校での読書活動です。みすみす後退するような事態を認めるわけにはいきません。 今後も図書館指導員の配置事業を行っていくなら、全小中学校への配置を目指すことを求めます。