討論

福谷章子

提案されました議案のうち、議案第122号については委員長報告に反対の立場から、議案第108号と議案第117号については、委員長報告に賛成するものの、何点か指摘をさせていただきます。

議案第122号は蘇我スポーツ公園内に整備を進めている多目的広場とその付属施設について、有料公園施設に追加するために条例を改正するものです。 指定管理については非公募とし、あわせて供用日、供用時間及び利用料金を規定するものです。指定管理者を公募しないのは、蘇我スポーツ公園は防災公園としての整備が位置づけられており、防災本部として情報が集中するフクダ電子アリーナと、今後出来る施設なども全て一体的に一つの指定管理者が管理する必要があるからです。
したがって、平成21年度に一体公募するまで、この多目的広場等はフクダ電子アリーナの管理者が管理することとなります。しかしながら、このような施設を一体管理できる事業者は、かなり限られてしまうのではないかという危惧をぬぐいきれません。
すでに稼動しているフクダ電子アリーナの平成18年度の利用者数は、約31万2,000人で指定管理者の事業計画における利用予測40万4,000人を下回り、さらに、設備点検、清掃等の管理経費が予想以上にかさんだことなどから、経営状況は、約2,300万円の赤字となっているのが現状で、すでに厳しさが現れています。

この多目的広場の事業費は、用地費約16億4,900万円、施設整備費は、人工芝・管理棟・照明設備等で約4億9,200万円ですが、そもそも蘇我スポーツ公園の総事業費350億円という巨額な計画の中で進行しているものです。
市民ネットワークでは蘇我副都心構想には当初から疑問を呈しておりますが、財政状況がますます厳しく、建設事業費の大幅な見直しを迫られ、他の事業が先送りとなる中、蘇我特定地区整備事業が当初の計画ありきでこのまま進められることの必要性は、今なお感じられません。建設後の管理運営を考えれば考えるほど、自立性の高い都市から遠ざかり、市民生活を圧迫するものです。さらに、当地の土壌対策もいまだ終了しておらず、不安も残ります。
よって、本議案には賛成できません。

次に、議案第108号と議案第117号は、指定自転車駐車場の料金を改定するために、定期利用の額の上限を定めるよう条例を改定するものです。これにより、今まで市内一律であった料金に、駅までの距離や屋根の有無という利便性によって料金格差をつけ、利用者の不公平感を解消し、駐輪場の利用促進と歳入の確保を図ろうというものです。
そもそもこの条例は、公共の場所における自転車等の放置を防止することにより、市民の生活環境の保全と都市機能の維持を図りつつ、良好な都市環境を形成しようとするものであり、条例の改正はこの目的に近づくものでなければなりません。 駅周辺の放置自転車は都市環境を乱し、特に点字ブロックの上に置かれた自転車など、しばしば歩行者の通行の妨げとなり、防災上も問題となっています。また、大量生産大量消費の中で、自転車の価値も下がり、放置の増加は盗難と安易な買い替えによる廃棄物化を助長しています。

市が目指すべきは、自転車の放置による廃棄物化と盗難の助長を防ぐことであり、今回の料金改定はその一助となるべきであると考えます。したがって、単に不公平感の解消や、値上げによる歳入確保を目的とするのであれば、本議案には賛成できませんが、細やかな撤去作業と啓発によって、今まで放置されていた自転車を低利用率の駐輪場へと誘導し、良好な自転車走行環境を整備するという喫緊の課題解決への一歩として、条例の改定も止むなしと考えます。

さて、具体的には、新たな料金体系は、現行一律700円を、400円から1800円の間の11段階に分けて試算されています。税制改正で低所得者層への税負担は増大し、また、介護保険見直しや障害者自立支援法による保険料や利用料、さらに粗大ごみの回収や下水道などさまざまな料金改定による負担増が市民に強いられ、改革による格差の拡大と市民生活の圧迫が懸念されています。
本議案においても、選択の自由があるといえども料金の値上がりは市民生活にとって大変厳しいものです。このような状況にあるにも拘らず、今回の改正に至る議論の経過に、駐輪場の利用者であり、当事者である市民が議論に加わっていないことは遺憾です。専門家や事業者の意見も大切ですが、利用者の声を丁寧に聞くことにより、地域特性を料金体系に反映させることができるはずです。 すでに次年度の増収分、9212万2,000円が、今回の補正予算に組み込まれるという用意周到さについては、許容の範囲を超えるものであります。
今後の料金格差の体系付けにおいては、急激な値上がりとならないよう十分に配慮され、市民意見を聞く機会を充分に設けることを強く求めて、討論と致します。

close