1、モノレールについて

高野はるみ

市民ネットワークの高野はるみです。
私が議員となりました1999年は、21世紀を目前にし、千葉市の長期的な構想・計画である新総合ビジョン策定の年でもありました。新総合ビジョンは、市政の基本理念や基本目標を掲げた「千葉市基本構想」と2015年を目標年次とした中長期的な計画「ちば・ビジョン21」で構成されています。議会の議決が必要な基本構想は理念や目標であるため、反対すべきものではありません。特に、土地利用の考え方の中で、「宅地、商業・業務地などの都市的な利用から、農地や森林などの自然的な利用への転換は難しいという面も持っている」として、「内陸部に残された森林・農地などの緑、東京湾に面する長い水際線、文化的遺産及びこれまで整備されてきた都市基盤など、さまざまな資産を生かしながら、自然と調和した多様性のある土地利用を進める」としたことは右肩上がりの都市基盤整備拡大政策からの変換を感じさせ、評価できるものです。しかし、実行計画である「ちば・ビジョン21」では、目指すべき都市の構造の中に、拠点の形成として、千葉都心、幕張新都心に新たに蘇我副都心を加えた3都心構想や、都川上流新都市整備構想、千葉・市原丘陵新都市整備構想・京成電鉄千原線沿線新都市整備構想等の、新市街地整備プロジェクト構想には違和感を覚えました。市民ネットとしてもこうした点を捉えて反対したものです。

今年度から実施計画である第2次5カ年計画が始まりました。新5ヵ年計画では、3年目の見直しのときに当初計画が大きく変更されました。蘇我副都心の整備等が国の進める都市再生の波に乗り大幅な事業費の増となり、それによって先送りされた事業も多くあります。第2次5カ年計画も2007年度次年度から見直しが検討されることになりますが、「人間尊重・市民生活優先」の基本理念のもと「人とまち いきいきと幸せに輝く都市」の実現を目指したいものです。

今回質問いたします項目のうち、モノレールと市営水道事業は、ちば・ビジョンに掲げられた新市街地整備プロジェクトに関連しています。

モノレールは都川新都市整備構想と併せて延伸・環状化について検討を進めるとしていました。しかし、モノレールは1980年(昭和55年)の協定による県・市共同事業を解消したため、千葉県の交通計画に位置づけられていた環状化は、幻となりました。新たに市が策定する総合交通ビジョンの中では、青葉病院までの延伸を決めた上で、環状化などについて検討するようですが、青葉病院までの延伸についても慎重な態度が求められます。

市営水道事業については、千葉・市原丘陵新都市整備構想の中で、やはり県の開発計画を進める中で事業を進めてきたのですが、こちらも県の構想自体が実現性を失う中で、市営水道事業は国の水源開発にも関係するため、引くに引かれぬ形で行われているように感じます。

市民への広報については、ちば・ビジョンで掲げた参加と協働の社会を作るためには、市政情報の提供、開示が欠かせないものと考えます。媒体となる広報について考えてみたいと思います。

雨水の浸透については、これまでの排除する施策から浸透する施策への転換を考えたいと思います。下水道局の一般会計、下水道企業会計を併せた、第2次5カ年計画の総事業費は1178億円に上りますが、そのうち浸水対策については630億円、貯留・浸透施設には12億円との事です。浸水対策としての雨水の浸透を進めていただきたいと思います。

それでは通告に従い質問いたします。始めにモノレールについてです。

県庁前から中央博物館・市立青葉病院前への延伸については、2000年1月の運輸政策審議会の答申で整備を推進すべき路線として位置づけられ、2000年2月に特許を取得し、都市計画決定しています。その後、この延伸路線については、2001年3月に事業認可を取得しましたが、堂本知事が延伸に待ったをかけたため、事業着手することなく今日に至っています。

開業当初から、利用客が見込みを下回るなど低迷が続き、第3セクターとしての千葉都市モノレール(株)は厳しい経営状況に陥りました。その千葉都市モノレール(株)・モノレール事業の破綻の実態については、外部委員会である千葉都市モノレール検討調査委員会から2002年「千葉都市モノレール事業に関する提言」により明らかとされました。さらに2004年には千葉都市モノレール評価・助言委員会で延伸を検討した結果、事業の採算確保の観点から見れば現在の延伸計画路線で延伸しても、営業区間全体で単年度黒字の見込みはなく累積損失も解消されないため、「延伸は認められない」とした「千葉都市モノレール評価・助言報告書」がまとめられました。しかしこの報告に反してモノレールの延伸計画は、県・市・千葉都市モノレール(株)で会社再建策のための和解を検討する中で、延伸を主張する市が主体的に調査を行い、今日まで着々と進められています。2004年度、2005年度は費用負担は県市で折半し、県が経営から撤退した2006年今年度からは市単独で基本設計を行い、2007年度次年度の予算では延伸計画関連調査として2億8,500万円が計上されています。

以下伺います。

今回延伸を計画する路線について、2004年度に行った需要予測では、8,800人と聞いています。その後国勢調査を経て、第2次5ヵ年計画でも将来人口のフレームの見直しが行われました。2010年には955,000人、2015年には974,000人とされていることなどをふまえ、再度需要予測を見直すべきではないかと考えますがいかがでしょうか。

2006年第1回定例会予算審査特別委員会 指摘要望事項に対する措置状況報告書によると、バス事業者と2回の協議が行われたとのことです。バス事業者とは、モノレールの建設に当たり、バス路線の再編や営業補償等が協議されるとのことですが、今回協議された内容はどのようなものなのでしょうか。また今後の予定についてうかがいます。

市政だよりやホームページ等で情報公開するとともに、地元説明、公聴会を開催するなど広く市民の意見を聞くとのことですが、何時ごろから行うのでしょうか、地元説明と公聴会以外は行わないのかうかがいます。

2、市政水道事業について

次に市営水道事業についてです。
千葉市内の水道事業は、県営水道、市営水道、四街道市企業部により行われています。人口にすると県営水道は約94%、市営水道は約6%となっています。面積では、緑区と若葉区の一部を給水区域とする市営水道は千葉市域の約30%を占めています。

2003年4月に、計画区域内人口79,300人、給水人口78,100人、一日最大給水量33,700トンとした、市営水道の第三次拡張事業計画は国に認可され、2004・2005年の2年間で霞ヶ浦開発、房総導水路の水源を取得し、その後、高根給水場や配水管の整備を進めています。

既得である霞ヶ浦導水4,900d、と取得した霞ヶ浦開発28,800dの水源を使用するための浄水場は、千葉市分日量33,700dを含めて、日量18万トンの規模で県営水道と共同で建設管理する覚書を、2003年に締結し、2010年度に一部供用開始する計画との事です。そのため、2005年度には県営水道と具体化に向けた連絡会議を設けて協議をしたとのことです。

また、一方県では、2003年5月には、用水供給事業を一元化する案を掲げ、県内水道のあり方を市町村に示しました。千葉市も加わった協議会の中で議論してきましたが、2005・2006年度は、学識経験者からなる経営検討委員会を設置し議論した中でこの2月に提言をまとめました。

この提言では、20年後には県内水道を一元化して、県と市町村が共同経営することが望ましいとする長期的な方向性が示されています。短期的な5年間には、県営水道の経営に、管内の市村が参画することや、県営水道と併設する市村営水道を統合する道筋が示されています。つまり、この短期的な5年間の中で、千葉市営水道がどのように県営水道と統合することになるのか具体化されることになります。

第三次拡張事業で県と共同建設が計画されている千葉市分33,700dの浄水場の建設について、第2次5ヵ年計画での位置づけと、具体的にどのような内容となるのか伺います。

県内水道のあり方が議論されている中で、浄水場の建設については、どのように考えているのか伺います。

3、市民への広報について

次に市民への広報についてです。
市民が市の施策について知るためには、広報がどのように行われているのかが重要となります。インターネットが普及し、ホームページの充実も図られていますが、やはり広報紙の存在は欠かせないと考えています。千葉市の市政だよりは毎月1日、15日に発行され、多くの市民が新聞折り込みで入手することができます。その他に新聞折込による市政情報の提供は、千葉市みどりの協会の発行する「みどり千葉」と資源循環推進課の「クリーンネットちば」で行っています。しかし、市政だよりは多くの市民が1日、15日と決まって新聞折込によって届けられることを知っているため、目に留めていると思いますが、「みどり千葉」や「クリーンネットちば」は市民の目になかなか留まりにくいように感じています。市政だよりにこうした情報を一元化することで、より多くの市民に適確な情報が届けられないかと思います。

また、さまざまな市政情報を盛り込んだ広報紙は、多数、各所管で工夫して作られていますが、どのような広報紙が発行されているのか、また、どこに行けば入手できるのかわかりづらいのが現状です。町内自治会に依頼し、回覧によって市民に情報を届ける取り組みや、公共施設に配架されることで情報を届ける取り組みもあります。しかし、より市政情報を適確に市民に届けるために、さらに工夫が求められていると思います。

市政だよりは17年度から紙面が8ページから12ページとなり、特集記事も掲載されることが多くできるようになったときいています。こうした特集記事の中に、たとえば現在独自に新聞折込で行っている「みどり千葉」や「クリーンネットちば」の情報を、所管課と一緒に紙面を作り上げるなどして盛り込むことで、市民に効率よく伝わるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

市の施策では参加と協働を進めようとしています。広報紙に関する市民参加の仕組みづくりも必要ではないでしょうか。各所管の発行する広報紙では、公募市民の意見を聞き作り上げるものもあるようです。  市政だよりについても何らかの形での市民参加が求められます。実際の制作過程への市民参加は今後の検討としても、市民との話し合いの場を設けることとか、モニタリング調査などを行い紙面に反映することについてはどのように考えているのか伺います。

市の広報誌などで、町内自治会経由で配布・回覧しているものが多くあり、市政情報の周知に果たす役割は大きいのですが、煩雑な面もあります。今後自治会経由の配布・回覧についてどのような工夫を考えているのか伺います。

4、雨水の浸透について

次に雨水の浸透についてです。
これまでの下水道は、「下水の処理や排除を優先するシステム」であり快適な生活空間の実現や安全・安心の確保など施設整備により多大な効果を実現してきたものの、一方で、都市水路の水量減少や、地下浸透量の減少による地下水の枯渇化等、健全な水循環を喪失させ、潤いとゆとりのない都市空間に変わってきました。また、近年頻発する集中豪雨によって多発する下水道による浸水などの内水氾濫は、都市化による浸透能力の低下によるものと指摘されています。

都市化の進展に伴い雨水流出量が増大し、都市部において浸水被害が発生するようになっているため、1972年(昭和47年)に策定された雨水基本計画が2002年に見直されました。適切な雨水排除計画の策定を行い、より安全で快適な都市環境を実現するための対策を図るとのことです。基本的な考え方として、市内全域を見直すこと。計画降雨を10年確率にレベルアップすること。流出係数を将来の都市計画用途を見据えた数値で見直すこと。公共雨水浸透施設を流出係数の低減に反映すること。としています。

雨水の浸透に関しては、簡易浸透適地マップが作成され、雨水浸透桝・浸透トレンチを公道の浸透適地箇所に設置する計画が盛り込まれています。また、調整池については流出抑制施設として計画に反映するとされています。

さらに、平成15年度には雨水整備計画が策定され、平成16年度以降、整備順位の高い排水区から基本設計を実施。市街化区域は公共下水道事業として実施設計を行い工事に着手。市街化調整区域は地元要望を考慮し整備するとしています。

貯留・浸透施設の整備が進められることは評価いたします。しかし、調整池整備のうち特に市街化調整区域に計画されているものについては、上流部の市街化がいまだ進んでいないところに計画されているものが多いため、上流部の雨水を排除し貯留するための調整池整備よりも、雨水を浸透させる施策が望まれます。これまでの雨水を排除する施策から浸透する施策への転換が求められているのです。以下伺います。

街路に設置する、雨水浸透施設、雨水浸透桝・浸透トレンチ等の効果についてはどのように評価するのか。また、これまでの設置状況と費用、及び、今後の予定について伺います。

下水道局で行う施策のうち、一般会計で行う市街化調整区域の雨水整備計画が位置づけられています。排水施設整備、一般排水路や調整地の建設についての現状と、今後の予定、費用について。また、完成している野呂調整地や、高田排水路西部支線調整地等、市街化調整区域に設けられた雨水調整地の流域の都市化の状況などについてうかがいます。

以上で一回目の質問といたします。

2回目

1、モノレールについて

平成18年5月1日号の市政だよりでのモノレール延伸計画の広報には驚かされました。私も「いつ延伸することが決まったの?」と聞かれ困りました。結局市長選での公約で延伸を決めたのだと理解しています。第2次5ヵ年計画でも、モノレールの予算として91億円計上されていますので、今年度中の建設着手ということだと思います。しかし、ちょっと待ってください。19年度出前講座を行うことについては評価できますが、市民の意見をしっかりと聞いていただきたいと思います。バス事業者との協議はその保障が多大な金額となります。今回協議の中で補償することになるのかなど、今後の検討とのことですが、市民に正確に伝えていただきたいと思います。

19年度、次年度には、モノレール(株)が経営特許を受ける予定とのことですが、収支予測の前提となる人口フレームや、需要予測が過大であったために、今回の税金を大量に投入する事態となったことをしっかりと受け止めていただきたいと思います。モノレールの2006年9月中間決算は、経常利益が2億900万円の黒字となったとの報道がありました。しかし、市から63億円の借金を背負っていることを忘れてはいけません。また、千葉市が、資産のほとんどを引き取ったため、モノレールの施設維持管理費が市財政の負担となります。決算の時には、どんぶり勘定とはせず、モノレール関連費として明示することが必要です。今後、モノレールを延伸すれば、会社は、建設費を捻出するため、更なる増資や借入金の要請党を市に求めると思いますが、そうした費用を負担することは市民理解を得られるとは思いません。慎重に対応していただきたいと思います。既存路線を充実し、学生定期の割引率を上げるなどの施策を行ってほしいと思います。

2、市営水道

市営水道事業については、県営水道との統合が5年以内に具体的に進む方向性が示されました。県営水道の占める割合が大きい市村を中心に統合を進めるとしています。千葉市の県営水道の占める割合は94パーセントなので、統合の対象となります。第3次拡張事業計画や千葉市の第2次5ヵ年計画では、県と共同で浄水場を建設することとしていますが、2003年度国からの認可時の人口・水需要予測は、特に水需要予測で過大と考えられ、早急に現実的な需要量を算出し、浄水場建設計画を延期することが求められています。モノレールのように、千葉県に翻弄されないよう求めます。

3、市民への広報について

市政だよりについてですが、「市政だより」の17年度委託料は7,200万円(発行部数362,000部)「クリーンネットちば」は年2回発行され、750万円(発行部数381,000部)「みどり千葉」は490万円(発行部数690,000部)とのことです。せっかく、新聞折込をするのですから、多くの市民の目に触れる機会の多い市政だよりを活用し、広報する工夫が求められます。

また、市政だよりへの市民意見の反映は、市政モニターの方々等からの意見などを反映しているとのことですが、市民編集委員会など、市民との協働をさらに進めることが求められる。

また、各所管課で発行する、広報紙は内容も充実しているものが多くあると考えますが、その発行すら知らない市民が多いのではないでしょうか。せめて、市政だよりで、所管課の記事が掲載されるとともに冊子名等を記されることを求めます。

保健福祉局で取り組んだ地域福祉計画は、その後各区で推進協議会が設けられ、広報を発行しています。そうした市民中心の広報発行の取組みも何らかの形で周知できるといいと思います。

自治会を通じた広報紙の配布ですが、各所管課が決められた水曜日に郵送するのではなく、地域振興かに集約された、広報紙等を一括郵送することが、必要ではないでしょうか。是非、実行していただきたいと思います。

4、雨水の浸透について

第2次5ヵ年計画の下水道局の総事業費は1,178億円。浸水対策は、630億円で、そのうち貯留・浸透施設整備は12億円です。

一方で、雨水調整池等の排水施設整備は98億円と大きな金額です。市街化調整区域に設置する調整池は、それだけでは使い物になりません。上流流域から、雨水を集めてくる側溝などの整備が必要となりますが、市街化されていない上流部ではそうした整備も不必要なところもあります。

雨水整備は、都市化による都市部の浸水被害のための対策です。浸透施設整備を積極的に進め、市街化調整区域の調整池等は、排水施設整備は無駄な公共事業といわれないよう、慎重に事業を厳選し、雨水を排除する政策から、浸透する政策への転換を求めます。