反対討論

山口 晴美

市民ネットワークの山口晴美です。会派を代表して、議案第159号千葉市一般会計決算および議案第178号千葉市水道事業会計決算に不認定の立場から討論を行います。  
17年度一般会計決算については、もとより賛成しかねるものです。全国自治体の中でも異例と言うか、恥ずべきというか、市政の基本となる決算データの改ざんが発覚し、総務省から交付税の返還と意図的な行為として加算金が請求されました。千葉市ではいつからか定かではありませんが適正でない税務オンラインシステム上の滞納繰越額から、市民税が毎年確証もない形で減額調定され、これを毎年積み重ねたために、ここ数年は滞納オンラインシステム上の滞納繰越額との差異が80億円前後生じていたことが、個別外部監査報告の結果明らかになりました。そこで、平成16年度決算では111億8529億円の滞納繰越額を、滞納オンラインシステム上の数値に基づき修正し、17年度決算では一挙に63億3948万円増の172億2477万円としたものです。

財政部の調査結果では、そもそも市税の収納率維持を目的に粉飾決算が長年行われてきたということです。しかし組織的関与があったのか、いつごろから行われていたのかなど真相究明ができないまま、数字を修正した決算を市議会が認定してしまっては、市議会の見識がとわれるというものです。 皆さんにぜひ思い起こしてください。平成16年1月に元県議の市税免除事件が発覚し、その後この事件の温床となった特別処分という地方税法にない税金免除の制度についての内部調査が今回と同じように、いつ、誰が、何のためにはじめたのか真相究明できないまま、調査は打ち切り。議会では百条委員会の設置や第3者による調査を求める声が上がったものの、実現には至りませんでした。それに納得できない市民が会を作り、市税の徴税事務について外部の監査人によって監査を求める個別外部監査請求を直接請求し、議会も全員一致で可決したのでした。 1年かけて外部監査人が監査した結果、長年のデータ改ざんが発覚し、今年度やっと正しい数値に修正することで、市政の軌道修正が行えたわけです。本来なら、元県議の事件からの一連の出来事に対し、市民の代表者として市政の監視を行う議会がその権能を発揮すべきだったのではないでしょうか?

今回の滞納繰越額の年度間不一致の調査がまた不十分で、財政局はこれ以上の調査は打ち切ると公言していますが、真相究明できないこと自体が千葉市の今の隠蔽体質、かばいあい体質を露呈していることが、市長はじめ幹部の皆さんは分からないのでしょうか?いくら情報公開制度を作っても、不当要求に対応する要綱や公益通報制度を作っても、総務局長が風通しのよい市政に努力するといっても、掛け声だけで魂はいらずです。職員の皆さんが内部告発しようとしても、告発者の保護より組織の保護を優先することが目に見えているので、恐ろしくて制度の利用者は出てこないでしょう。

行政は、法や条例に従いそれらを実現させることが仕事です。法を守ることがあまりにも当たり前のことであったため、「行政のやることに間違いはない」という根拠ない前提のもと、法令遵守のための根本的な対策は遅れていました。結果、気がついてみると不適正、違法だった(不作為)、圧力などにより正しくないと認識しながらもやってしまった、おかしいと思いながらもそれをあえて正そうとはしない、そんな職場環境ができてしまっています。ここ数年の間に千葉市を揺るがした様々な不祥事は、まさにそのような環境の中で生み出された問題です。今後公平・公正な市役所とし、市民からの信頼を回復するための徹底的な情報公開、意識改革を求めます。  

市税収納率を偽ったことに対する交付税返還金2805万7千円と加算金320万7千円の処理については、9月4日予備費から支払いました。予備費という形ではなく、議案として議会の承認をえるべきでした。加算金については同日市長は助役と合意書を交わし、指揮監督上の義務違反に基づく賠償金として、ポケットマネーを市に支払いました。これはあくまでも損害賠償金としての支払いですので、損害賠償請求書として市長個人に請求すべではなかったでしょうか?またデータ改ざんについては、退職者を除き当時の5人の管理職が処分されましたが、市長自らの処分は実質的にはありませんでした。ぜひ自戒されることを求めます。地方分権一括法制定後は、市長は名目ともに市民の政治的代表者であることを、なおいっそう肝に銘じて、市政運営に当たられますことを望みます。

それでは、以下、平成17年度に行われた各施策について意見を申し述べます。 財政運営については、景気の回復により市税収入が昨年度より66億円増収し、市債発行額は前年度を44億円下回り、予定していた基金からの借り入れも、市債管理基金や水と緑の基金などからは借り入れずにすみました。しかし、財政状況は依然厳しく、普通会計ベースでは単年度収支、実質単年度収支ともにマイナスです。一時借入金を行う期日も昨年の19日に対し、今年は73日と増えているのも厳しい状況をあらわしています。 この1年で利子を含んだ借金は一般会計で219億3700万円増え、借金残高は8263億4百万円に、全会計では235億9100万円増え、借金残高は1兆3076億98百万円にのぼり、市民一人当たりでは144万4千円になります。 新たな行政改革推進大綱を受けて、外郭団体の経営健全化に向けての見直しや、総務省の意向を受けて財政健全化プランも策定され、行財政改革に向けての機運が高まりました。市債依存度や債務負担行為の制限目標値も示されてはいますが、退職金の支払いも多額なことから、残念ながら計画最終年度の平成21年度までに市債残高を減少することはできません。今後、金利の上昇による影響も見逃すことはできません。また今年度から新しく、実質交債費比率という財政指標も加わり、千葉市は23%という政令市中3番目に悪い数値であるため、市債発行額について相変わらず総務省から許可を受けなければなりません。借金は未来永劫返却しなければならないものですから、未来の子どもたちに大きな負の遺産を残してはなりません。莫大な借金をこれ以上増幅しないため、第2次5カ年計画事業の早急な見直しを求めます。

昨年度は新5カ年計画最後の年となり、蘇我臨海部開発や中央港土地区画整理事業、中央第6地区再開発、千葉駅西口再開発などの大型公共事業が大きく進捗した年でした。中央第6地区再開発については、1つビルに430億円もの巨費を投じることへの疑問をかねてから述べてまいりましたが、19年度オープンを目の当たりにして、中心市街地の活性化に向けての機運を高めるための庁内横断的な努力を求めます。 また公の施設の管理・運営への指定管理者導入が始まりましたが、指定管理者の選定方法・選定過程・選定理由が外部から見てもわかるよう、更に透明性が求められます。また制度導入の目的であるサービスの向上と経費節減が達成されているのか見直しを行っている自治体も出てきています。特に導入後の運営状況についてのチェック機能の強化が求められます。現在モニタリング、利用者アンケート等が行われていますが、公的施設としての設置目的がきちんと果たされ、市民意見が反映されるためにも、市と指定管理者、市民が協議する場や、外部の視点からチェックをする第3者機関の設置など、早急に対応すべきと考えます。

次に国民保護計画についは市民の生命財産、人権にも深く関わるものであり、重大な計画であることから、広く市民意見を聞く機会を増やす必要があると考えます。 また総務委員会に常時報告するなど、議会への報告機会を増やし意見を反映すべきと考えます。 国民保護法4条2項には「国民の協力はあくまでも自発的意志にゆだねられるものであって要請にあたって強制にわたることがあってはならない」と記されています。今後、危機管理事態を必要以上に強調した訓練や、動員への非協力または批判的市民への人権侵害が行われないよう求めるものです。

次は環境行政についてです。 一般廃棄物処理基本計画の見直しについては、市廃棄物減量等推進審議会の答申をうけ、市が清掃工場の2工場体制の実現を明確に打ち出しました。ごみの焼却、埋め立ては大気・水・土の汚染、地球温暖化、資源の浪費、厳しい財政状況、次期最終処分場のめどが無いなど多くの問題をもたらすものであり、2工場体制はごみゼロに向けての大きな前進であり、高く評価いたします。また平成17年度に中央区からはじめたゴミステーションでの古紙等の回収を全区に拡大することも評価します。まずは焼却処理量10万トン削減という目標を確実なものにするため、事業者の責務を促がすと共に市民と十分なる対話を繰り広げながら進めていっていただきたいと考えます。

次に産業廃棄物についてです。 市は17年度第4次産業廃棄物処理指導計画を作成し、その中で市の産業廃棄物の状況が示されました。まず平成10年に比較して平成15年度の産業廃棄物排出量では、県はマイナス7%全国ではプラス1%というものに比較し、千葉市は30%増と際立って悪化しています。 更に不法投棄件数、残存不法投棄件数が全国の保健所設置市57市の中のワーストワン、不法投棄総量でも7番目です。里山、谷津田の支援をしても一方でこのような事態が放置されては環境は悪化するばかりで、都市イメージを大きく損なうことになります。市として深刻な状況に対し、これまでの対応や体制に問題はなかったのか、体制の立て直しが急務です。また業者への指導の強化はもとより、市民にも広く情報を公開し協力を求めることが必要です。

次に緑区大椎町の残土処分場についてです。この処分場では平成11年に不適切な処理が原因で水質が悪化し、下流の水田で耕作が一次できなくなり、補償問題ともなっています。 平成17年度に廃止検査がおこなわれ、現在新たな業者による埋め立て処分のための事前協議がなされています。しかし決算審査の中で水路,赤どうについて公図上とは異なり、一部埋まった状態であることが示され、市の廃止検査が適切であったのか疑問です。再検査を求めます。 小山町の産廃処分場建設問題では、産廃業者と65万円差で反対住民が落札し、建設を白紙に戻すことが出来ました。樹木が伐採されている予定地の今後については「公園のような形で復旧、保護していきたい。市などに働きかけていく」とのことです。市はこのような環境や農地を守ろうとする市民や農民たちの活動と協力すべきです。法の隙間を付いてくる業者も数多く在ることから、事前協議のあり方、また法令に違反する業者への対応については、自然環境、生活環境をしっかり守る立場に立ち、厳正に行うことを求めます。

JFEについてです。JFEスチール株式会社では、昨年の違法排水やシアン流出事件を受けて、住民説明会が行われ、社員の教育や社としてのコンプライアンスの徹底が約束されたところです。しかし今年に入って立て続けに火災や、粉塵飛散、油流出など5回の事故が起きています。これでは事業者として協定を守り、住民に説明したとおりのことを本当に実行しているのかと疑わざるを得ません。今回連続した事故に対し、市が申し入れをおこない、対応策の報告書を求めていることは評価いたします。今後も市民の生命・財産・環境を守るため、市は指導と監視体制の強化、情報公開を図ると共に、事業者自らが法令・社会規範遵守を徹底し、事故発生時の対応においても市民への迅速で正確な情報公開を徹底させるようを求めます。

福祉行政については介護保険法改正により施設入居の要介護高齢者に食事代や部屋代といったホテルコストが負荷されたり、要支援1の高齢者の介護度見直しに伴い地域包括支援センターが市内に12箇所設置されました。わが会派はかねてより、地域に暮らす高齢者の実態把握のためには、地域包括自立支援センターは直営でと求めてまいりましたが、安易に民間に委託されたことは行政としての役割を放棄したものと考えます。また自立支援法施行にあたり、支援費制度を利用しサービスを受けていた人たちの8割が負担が増えたと聞いています。グループホーム家賃助成や10月から始まる地域生活支援事業を利用に際し、他の福祉サービスとあわせて所得に基づく負担設定額以上にならないよう配慮することは評価するものですが、最近では続々と福祉サービス利用料の負担軽減策を打ち出す自治体が増えています。 障害者は、障害を持つことの苦労の上に、欧米に比較し福祉制度の遅れた日本に生まれたとことの2重の苦労を負っているよく言われますが、いまだ福祉サービス利用料の減免策を打ち出さない千葉市に暮らす苦労も重ねて背負うことになります。福祉サービス利用料や医療費などの合計が負担上限額を超えた場合は市の負担とし、障害児の療育については子供たちへの十分な療育が補償されるよう、子育て支援施策としても、これまで以上の負担を求めることのないよう求めます。千葉市内の障害者の施設利用やサービス抑制が少ないからといって、障害者の暮らしは逼迫していないとは言い切れません。サービス事業者や施設からの情報ばかりでなく、当事者の生活実態についてもう一歩踏み込んだ、実態調査を求めます。

計画作りへの市民参加という面では各区の地域福祉計画は原案から多くの市民が参加して作られた点では画期的でしたが、計画を実現するための道筋が社会福祉協議会頼みで、地域の団体の多様な活動のコーディネートについての課題が残ります。

子育て支援については、乳幼児医療費助成制度が就学時前まで拡大され、子供ルームも必要に応じて対応されていることは評価いたしますが、未設置校や老朽化への対応、待機児童など取り組むべき課題は多くあります。また、保育所の待機児童解消に向けての取り組みは急務です。マンションが増え、転居してきた若い世代が、安心して子育てできる、元気に働ける千葉市を目指してください。

次は都市行政についてです。地価下げ止まりで土地取引も活発になりましたが、住民が街づくりへ参加する機会や手立ては現状では限られています。そんな中「やってみようよまちづくり支援制度」を活用し、まちづくりについて学び、地区計画や建築協定などを作り上げていくなど、多様なまちづくり活動への取り組みは評価できるものです。 一方、16年度からまちづくり交付金事業が制度化され、なかなか進まない土地区画整理事業や市街地再開発事業など10の事業にこの制度を活用していますが、ソフト事業との組み合わせを工夫した取り組みがなされているものの、街づくりの当事者である住民参加は今ひとつ進んでいません。街づくり協議会など住民が参画できる組織を作って活動しているのは3事例です。今後は当事者である住民が計画つくりに関わりを持ち、意見が言えるような支援や、広報のあり方についてさらなる検討が必要です。

モノレール見ついては、県・市・モノレール(株)の三者による和解が3月28日整い、モノレール(株)の経営改善のため、県・市の資本金52億円、貸付金204億円を放棄するという、多額な税金投入が決まりました。さらに、モノレールの建設主体は県から市へと替わり、県庁前駅以遠の延伸は市の第二次五カ年計画にも明記され、千葉大学脇を通るルート変更や、今年度基本設計が行われることが、市政だよりに掲載されました。 しかし、モノレール事業からの県の撤退、延伸などについての決定は、市民になんらの情報提供もなされないままに進められてきたといわざるを得ません。県が事業主体から撤退したことで、モノレールマスタープランの計画自体が破綻したことは明らかです。また、県・市共同で進められたはずの、千葉都市モノレール評価・助言委員会の報告にある「延伸計画は廃止し、既開業区間の改善に専念し、延伸区間についてはバス輸送の改善を図るべきである」と言う結論はまったく無視されました。現在、今後延伸を進めることで、どのくらいの負担となるのか等の情報は開示されていません。交通総合ビジョン策定に取り掛かる今こそ、すべての情報を明らかにした上で、市民に広く県庁以遠から青葉病院までの延伸について、アンケート調査などを行い、意見を聞くべきだと考えます。

下水道事業会計の企業債残高は、千葉市の市債残高総額の約四分の一に当たる2,730億円です。公共下水道は重要な都市基盤施設であるとしても、その経営状況の適確な把握が求められます。中期経営計画では、企業債未償還残高の減少は見込めず増え続けています。17年度では、整備区域内人口88万7千人のうち接続人口は2万4千人増えたものの、将来需要予測の年間総処理水量1億2695万4千? に対し、17年度実績値1億1464万5千? で、既に1230万9千? 下回り、結果として料金収入が計画値を下回っています。このままでは目標値の達成は難しい状況です。 17年度決算では流動負債が流動資産を上回り、短期的な資金繰りの状況を示す流動比率は72.0パーセントと深刻な状況です。一時借入金の借入残高最高額も92億3千万円となっています。 今後増え続ける雨水排除のための雨水整備計画は多額な設備投資を伴うため、費用対効果も考えた計画とする検討が必要ではないでしょうか?河川に係る洪水ハザードマップのように、公共下水道に由来する浸水被害のハザードマップ作成も急がれます。

教育行政については、障害のあるお子さんが通う学校へのエレベーターの設置の方向が示されました。こうしたハード面だけではなくソフト面でも地域の学校に通う障害のあるお子さんの支援を学校ぐるみで取り組まれ、子供ルームなどとも連携をとるなど、子供の学ぶ諸条件の確保にしっかりと取り組まれている学校現場の様子を聞き、あわせて評価するものです。 一方、現職の教諭の不祥事への対応をめぐっては 教育委員会は混乱し、教育長が日頃掲げている「開かれた教育委員会」とは程遠い現状を見せ付けることとなりました。対応策として、「重大な事件・事故など発生時の対応手順等の整備」「重大事故・事件等対策会議の設置」という二本柱が示されましたが、本来配慮されるべきは、実際に事件が起こった学校などの教育現場で過ごす子どもたちや教職員・保護者・地域への対応です。個人情報保護と守秘義務を盾に、何も知らせないのは、かえって現場に混乱を招きます。子どもたちや学校が一日も早く立ち直るための情報公開や情報共有のあり方について検証し、教育委員会としては何を成すべきか、冷静な判断と対処ができるよう求めます。

最後に水道事業については 第三次拡張事業計画により、総額187億円の水源取得が行われ、今年度は約100億円の契約が結ばれました。計画給水人口、計画1日最大給水量とも17年度実績値は大きく下回り、今年度の市一般会計からの補助額は約8億円と前年度より低くなりましたが、今後の経営はきびしいといわざるを得ません。第三次拡張事業計画の水源を活用するためには、浄水場建設など多額の設備投資が避けられないため、水源を含め全体的な見直しが必要です。 また、県は県内水道のあり方を検討するとして、県と市町村で協議を行っていました。そのうち県営水道は用水供給事業のみを行い、末端給水事業を給水区域である12市村に委譲することなどを案として話し合いが行われていました。その後、県内水道経営検討委員会が設置され、今年4月には「これからの千葉県内水道について」の中間報告が示されました。その中では「県営水道は、統合・広域化の効果を既に実現している」として、組織を分離することなく一事業体として維持することが示されています。さらに、県営水道が給水する地域で市村営水道が給水している場合、その統合についても検討することが示されています。 千葉市の市営水道は、県営水道が現状の給水区域を拡大しない方針を打ち出したことから、これまで拡張事業を行ってきました。しかし、県内水道経営検討委員会の中間報告を十分考慮し、県事業の単なる負担の肩代わりとならぬよう、慎重な対応を求めます。

以上で討論を終わります。

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