討論

長谷川 弘美

市民ネットワークの長谷川弘美です。

会派を代表して本定例会に提出されました、議案第147号千葉市都市計画法に基づく開発行為等の許可の規準に関する条例の制定について、および請願6号市税滞納繰越額改ざん問題調査のための第3者機関設置に関する請願について委員長報告に反対の立場から、また議案第155号市民ゴルフ場仮称整備工事の工事請負契約については委員長報告に賛成の立場から討論いたします。

まず議案第147号の条例案ですが、この条例案は、当初モノレールの利用促進を図るために、モノレール駅の中心から1キロメートル範囲内においてのみ、一定の条件の下に開発行為を認めるというもので、二度にわたるパブリックコメントや請願を受けて、修正されています。修正の内容は、建築可能な建築物の種類を増やし、対象区域もJRと京成線沿線各駅を加えることにより400haから1300haに広げた、というものです。

対象区域が拡大された背景には、市街化調整区域に住む人々の生活面での不自由と、私有財産の価値の問題が含まれているようですが、その対応策として市街化調整区域の開発を広げようというのは、賛同できません。なぜなら、少子高齢化時代を迎える中で、市街化調整区域を侵食してまで市街地の拡大をする必要は無く、市街化区域においても街が寂れていく現状を踏まえると、市街化調整区域での今後の開発は原則として抑制すべきである、と考えるからです。
だからといって、市街化調整区域に住む人々の生活面での不自由と、私有財産の価値の問題をなおざりにして良いわけではありません。生活面への配慮としては、きめ細やかな交通網整備を進めるなどの対応が考えられます。また、私有財産の価値の問題は、今後「景観」が公共財産としての価値を高めていく中で、保全できるものと考えます。

都市計画法が改正され、景観計画に定められた開発行為についての制限内容を、開発許可の基準として条例でさだめられることになりました。しかし、千葉市は景観計画を策定中であり、保存すべき景観についての市民のコンセンサスが得られていません。さらに、遊休農地や耕作放棄地を含んだ市街化調整区域をどのように整えていくか、という明確なビジョンが確立されていないまま、開発行為を認めることは、現状でも横行する法の網の目をくぐった建築物や違法建築物を誘導する恐れがあります。今の千葉市の制度や指導力では、それらを充分に防ぐことはできず、対象区域に存在する市街化調整区域に住む人々の不利益につながることも予測されます。

この条例案には、駅周辺のコンパクトな街づくりという理念と、市街化調整区域の開発という、相反する理念が含まれていますが、公共交通機関と連携したコンパクトな市街地の形成という理念には賛同できます。しかしながら、どのような駅も画一的に開発されることは、地域の個性、ひいては千葉市の個性を失うことに繋がりかねません。
当初案のように、モノレール支援策として最小限の開発にとどめ、対象区域の拡大に関しては、経過を検証しながら慎重な対応がなされるべきです。
以上の理由から、本議案には賛成できません。

次に請願第6号市税滞納繰越額改ざん問題調査のための第3者機関設置に関する請願についてです。
市の市税滞納繰越額改ざん問題の調査結果は、「徴税率の維持を目的に滞納繰越額の操作が行われていた、と推認する」というものでした。しかし改ざん問題について、その経緯や組織的関与の実態、責任の所在などについて、ほとんど解明しておらず、内部調査の限界を露呈していると言えます。今回の請願は市の調査がなし得なかった部分の調査を、専門家を含めた第三者機関で行うためのものであります。

委員長報告の中で「財政局の調査結果については、不満足な思いはあるものの、調査により不適正処理があったことを認め、謝罪を行うとともに、個別外部監査の指摘に対しても改善の努力を行うなど、再発防止に努めており、また市長自らが責任を明確にしており、請願には賛同しかねる」との意見もありました。
しかし改ざん問題は、返還金・加算金の返還ですんだ訳では、決してありません。徹底的な原因究明があってこそ、本当に有効な再発防止対策が取られると考えます。

その意味でも、市が放棄した原因究明のための第三者機関の設置は必要です。
又、第三者機関を設置し、原因の究明を行うことは、6月議会終了直後、他会派より申し入れ書が提出されています。
委員長報告は不採択との結論でしたが、今一度議員のみなさまのご再考をお願いいたします。

次に、議案第155号市民ゴルフ場仮称・整備工事にかかわる工事請負契約についてです。
この工事の請負者である共同企業体を構成する千葉市内業者の中田興業が、都市計画法違反であることが委員会の中で明らかになりました。
この業者は若葉区の市街化調整区域に、許可なく建築物を建設しており、千葉日報によりますと、2階建てプレハブ5棟を宅地課はこの9月8日に確認しているとのことです。
そもそも宅地課は2001年にこの違法建築を確認しており、同年9月には業者に対し市への出頭通知をだしています。業者はこれに応じていませんが、その後市は業者に対し直接的な指導は何ら行っていません。2003年に現地確認を一度していますが、写真のみでその他の記録はなく、これまでの5年間実質的に放置していた状況が説明されました。今後力強く指導していきますとの方針を示したものの、これまでなぜ放置されてきたのか、全くわからないままであり、宅地課の違反指導のあり方が問われるものです。

また一方市契約課によりますと、この業者が都市計画法違反であることは今議会で指摘されるまで、全くしらなかった。しかし都市計画法違反であっても入札参加資格要件は満たされており、この業者の入札参加にはなんら問題はないとの説明でした。
今回の落札価格では、市の予定価格1,137,255,000円に対し、落札価格は676,200,000円と落札率56.62%で、低入札価格調査対象となっています。
市は低入札価格については「厳しい経済情勢、全国的な公共事業の減少による入札機会の減から、確実な受注をしたいとの強い意欲で綿密な積算見積もりを行って応札したと推測します」と議会答弁しています。

同じ厳しい条件の中でも、法令遵守で努力している企業から見たら、このように法を長年にわたり、無視してきている業者が落札することを問題なしとすることは、市の姿勢として問題ではないかと考えます。
伺ったところ、この業者は千葉市のAクラスの業者として格付けられており、これまでかなりの事業を請け負ってきています。
ちなみに17年度は平和公園墓地造成工事5799万円や、大膳野町誉田町線街路築造工事8834万円をはじめとして合計6件で総額約1億8000万円、18年度でもすでに3件で総額1億1000万円の工事受注をしております。また15日の朝日新聞では、業者である中田興業の幹部が「都市計画法に違反している会社はほかにもあるはずだ。なぜうちだけが。」という発言が掲載されていました。先ほど示したように、中田興業ひとつをとってもこれまで多くの市の工事請負をしてきている事実から推察できるのは、他にも法令違反の業者が請負工事をしているのではないかということです。

今回の判断が、一部の業者いじめとなってはならず、他の業者にとっても法令遵守を促すことにつなげなければなりません。また縦割り行政での弊害で、全く法令違反を契約課が把握していないことも早急に検討し、対応を示すべきです。以上のようなことから、法に違反する業者が公共工事を請け負うことには反対であり、またこの議案を前例とし、今後の市の契約のあり方において、他の法令に関してもっと厳正な調査をしていくことを求め委員長報告に対する賛成討論といたします。

close