反対討論

小西 由希子

市民ネットワークの小西由希子です。
議案第149号 千葉市体育施設設置管理条例の一部改正について
議案第152号 千葉市都市公園条例の一部改正について
議案第160号 製造委託契約 (こども科学館(仮称)展示物等制作)について、常任委員会委員長の報告に反対の立場から討論いたします。

まず、指定管理者にかかわる議案第149号、152号について、地方自治法の改正により、公の施設の管理は地方公共団体の出資法人等に限らず、あらかじめ手続き等を条例で定めた上で、法人格がなくとも地方公共団体が指定した団体に管理をさせることができる指定管理者制度が導入されました。
千葉市では2004年7月に「指定管理者制度導入にかかわる指針」が策定されました。「この新たな制度は、民間事業者も施設管理者の対象としており、公の施設のサービス向上や管理経費の縮減などに効果を発揮するものと期待されるが、さまざまな課題が想定されるため指針を定め、円滑な対応を図る」としています。
指定管理者の導入時期について、新規施設については個別に検討し随時導入することとされ、すでに3施設で指定管理者による管理が実施されています。既存施設については来年4月からの導入を検討し、今回、指定管理者を公募とするもの81施設、公募としないもの21施設の合計102施設の指定管理者に関する条例案が提出されました。この施設のうち、現行管理委託されている施設は82施設、直営の施設は20施設でした。

公の施設は、地方公共団体が「住民の福祉を増進する目的」を持って「住民の利用に供するため」に設置する「施設」であり、住民の利用を正当な理由がなく拒んではならないこと、不当な差別的な扱いをしてはならないことが規定されています。現行の公の施設は市の直営か、市の外郭団体などの公益法人などによって管理されてきたことで、「非効率、サービスが画一的、天下りシステム、運営が不透明」などの批判はあっても、ある程度の公平、公正さを確保されているとの理解があったと考えます。しかし、民間事業者等を含む指定管理者制度の中で公の施設の管理の公平、公正さを確保するための工夫が求められます。

昨年の8月から公の施設の設置のあり方の検討、管理運営のあり方の検討が指針に沿ってなされ、今回の条例議案の一部改正(案)となりましたが、残念ながら、既存施設の指定管理者の導入の決定や、公募とすること、非公募とすることの決定について、市民との情報共有、参加がなされませんでした。
今後の指定にいたる手続きの中では、十分な市民に対する情報提供と参加が求められます。公募、非公募にかかわらず、指定管理者予定候補者の決定に至る経過を公開で行うこと、指定の際には、協定書の中で明確にされる詳細な事項についても開示し情報を共有することが必要です。また、公の施設の管理については直営も含め施設運営への市民参加の仕組みや管理運営について充実するための仕組みを確保することが求められます。
そのためには「指定管理者導入にかかわる指針」を今後条例化することも必要となります。その際には市民と一緒に作り、透明性を確保するため手続きの中に市民参加を明記するなどの工夫も求められます。たとえば、選定のための委員会に外部の専門家、公募市民を位置づけること、パブリックコメントなどでの市民意見の反映などが考えられます。また、導入後の施設運営などでは、付属機関としての運営審議会を公募委員を含め設置することも考えられます。

今回の指定管理者の導入についての議案は、施設の設置管理条例の一部改正という中で示されているため、市民にとってはわかりにくいものとなっています。今後、市民に指定管理者制度についての周知が十分図られるべきであると考えます。
今回の導入は1施設を対象とするものから、いくつかの施設を一括して管理するものまでさまざまです。市民ネットは指定管理者そのものに反対するものではありません。しかし、その中で、公園内にある体育施設、教育機関としての体育施設等を35施設一括管理する条例議案には反対いたします。この施設は、ポートアリーナとあわせて現在スポーツ振興財団が管理委託を受けています。このうち、ポートアリーナとこてはし温水プールについては単独で指定管理者が公募されますが、それ以外の施設については一括管理として公募されます。指定管理者の単位として35施設一括管理の理由が明確ではないこと、選定にあたって、さまざまな形態が想定されたと思いますが、他にどのような検討が行われたのか示されなかったこと、こうした多くの施設管理を受けるにあたって、今後指定管理者としての指定を受けた場合、準備期間がほぼ1ヶ月という短い期間で準備行為などにかかわる契約を締結し行うことは難しいと考えられることなどからおしはかると、現在のスポーツ振興財団の管理体制をそのまま維持するための方策ではないかとも考えられるものです。今回は既存施設への初めての導入であり、指定管理者の管理の単位については、慎重な検討が必要です。
あわせて、今回、千葉市外郭団体経営見直し指針が策定されました。現在管理委託を受けている団体については経営改善が図られるものと期待いたします。昨年度の包括外部監査の結果報告書によれば、スポーツ振興財団の指定管理者への移行については厳しい状況が指摘されています。「千葉市からの派遣職員とプロパー職員からなる現在のスポーツ振興財団の組織を前提にした場合、スポーツ振興財団が指定管理者になれなかった場合は、千葉市にとっても、自らの派遣職員とそもそも自らの施策の一環として設立したスポーツ振興財団のプロパー職員が職を失うこととなる。一方、スポーツ振興財団が指定管理者となった場合は、公正な選定が行われたことを明確にしめす必要に迫られることとなる。」と述べています。このことは同時に監査が行われた千葉市文化振興財団についても程度の差はあれ、指摘されているところです。

さらに、指定管理者による個人情報保護と情報公開について申し上げます。
個人情報の取り扱いについては、現在国においても住民基本台帳の閲覧、特に業者による商用閲覧に対しての見直しがおこなわれています。 公の施設には市民の個人情報があつまり、これらはきわめて商品価値の高い情報ともいえます。
個人情報の取り扱いにおいては、徹底した研修とIDカードなどセキュリティ対策が行われているはずの公務員においてすら、問題が生じたことからもわかるように、原則を掲げるだけでは不十分です。
特に民間企業の参入によって市民のかけがえのない情報が漏洩したりしないか、また再委託やアルバイトなど様々な雇用形態の中で不正に利用されていないかのチェック体制には不安があります。
また指定管理者の管理運営が、適切なものであるのかどうかを市民の立場から監視していくうえで、情報公開は極めて重要な制度です。
情報公開条例の中では指定管理者は情報の公開に関し「必要な措置を講じなければならない」とあります。
請求窓口はこれまでの市と指定管理者両方に設置され、情報をどこまで公開するのかの判断は指定管理者が行い、市民からの異議申し立てがあった場合、市は開示・非開示の市の判断を指定管理者に指導し、指定管理者はこれに従わなければならないとのことでした。
千葉市は指定管理者が未成熟な段階で、市の指導が及ぶことから実施機関とはしなかったとのことです。しかし市民から見た場合、異議申し立てに更に時間がかかったり、審査会の直接的なチェックが働かないなど問題点も多いと考えます。他の自治体では実施機関といちづけているところもあるわけですから、これらの状況をみながら今後条例の改正も視野に入れ、検討すべき課題と考えます。

次に、議案第160号 製造委託契約(こども科学館(仮称)の展示物等制作)についてです。
展示物制作についての入札は、99.54%という、ほとんど100%といっていい落札率です。落札者は(株)トータルメディア開発研究所。この企業は2002年の展示基本計画策定時にプロポーザルによって選定され、その後の基本設計、実施設計にかかわっています。今回の入札参加者はトータルメディアを含め3者、そのうち千葉市の予定価格を下回ったのは落札者のみでした。

実施設計者が入札に参加する、と聞くと、それで競争が成り立つのか、と感じるのが一般的です。教育委員会では、設計業者と入札参加者の独立性は充分に確保されている、実施設計はあくまでも、コンセプトまでの設計であり、制作手法や使用材料などに関しては入札参加企業の自由であり、そこに公平な競争が生まれる、との認識のようです。

入札参加者に配布される資料は、「仕様書」「「調達備品及び数量」と「実施設計書」です。もちろんこの実施設計書はトータルメディアが書いた図面です。
「仕様書」といっても主に手続き的な指図書であり、これを読んでも展示物は作れません。「調達備品及び数量」によって制作、あるいは調達しなくてはならない物品が明らかにされています。すでに製品名が指定されている品もありますから、これは価格の見当がつきます。しかし例えば、「○○システム制御一式」、と記されているものには様々な制作方法があるわけで、こういった製作物すべての、予定価格を知ることなしに、100%に近い価格を設定していくのは常識的には不可能であると思われます。

教育委員会内の専門家で構成される契約等審査会は、今回の入札が持つ「不透明さ」を事前に判断し、設計者と入札参加者の独立性に対しても、市民が納得する公開性への配慮を検討すべきであったと考えます。
科学館の展示物作成は、いわゆる一般の物品の業務委託の入札とは異なり、毎年反復して行われるものではありませんから、もし、設計者が入札に参加をするならば、予定価格の公表という手段も検討の余地がありましょう。また今回は価格勝負の一般競争入札がとられましたが、製作の価格だけを競うのではない総合評価方式、あるいは、さかのぼりますが、実施設計段階で展示物作成も含めたプロポーザル方式をとる、といったことも可能だったのではないかと思います。

教育委員会が展示物の作成を、業者任せにしないで対応していることの証明のためにも、教育委員会が作成した予定価格の積算内訳書の提出を求めましたが、未だ明らかにされていません。
こども科学館そのものの建設に対しては反対するものではありませんが、今回の製造委託契約に関しては、不透明な部分があり、賛成はできません。

以上、市民ネットワークの反対討論といたします。

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