1、市長の基本姿勢について

常賀かづ子

(1)財政運営について

地方財政の状況が極めて厳しく、自治体の行財政運営に対して住民の厳しい目が向けられている中、住民の理解と協力を得ながら財政健全化を進めるために、財政状況の積極的な情報の開示が必要であること、また、他自治体との比較可能な指標をもって住民にわかりやすく開示すること、との総務省通知が本年6月に出されています。
2003年度決算については、多くの自治体が議会承認前、7月8月ごろに公表していたのに対して、千葉市では議会承認後の10月上旬でした。2004年度決算に関してはすでに9月9日ホームページ上で公開されています。また自治体間で比較可能な「財政比較分析表」に関しても本年度中に作成とのこと。総務省よりの通知によって、ということもありますが、市民へのわかりやすい公表にむけての努力がなされており、歓迎するものです。
2004年度の決算を見てみますと、その特徴は
1) 実質収支が減少していること
2) 経常収支比率が高くなっていること
3) 繰入金が倍増していること
の3点が挙げられます。

普通会計の実質収支は2004年度、1億3100万円となっており、過去最低水準です。実質収支は、歳入歳出差し引き額から翌年度に繰り越す財源を差し引いた決算であり、自治体の財政運営の良否を判断する重要なポイントといえます。余剰金が多いほど財政運営が良好とはいえませんが、ここ数年の実質収支はかなり低くなっており、財政運営は相当厳しい状態であると考えられます。
実質収支減少の原因をどのように分析しているのか、また2005年度決算ではどの程度実質収支は確保できる見通しなのか伺います。

自治体の財政構造の弾力性を判断する指標と言われる経常収支比率は、2004年度96.9%となっており、昨年度比3.2ポイントの上昇です。従来いわれていた80%を超えると弾力性が失われつつあるというのは現況をみれば現実的ではありませんが、90%を超えている状態は大変不安です。地方債の償還に伴って公債費が増加する傾向にあるなか、経常収支比率を高いまま放置することは、財政の弾力性が失われ、いずれ厳しい財政運営を余儀なくされることが予想されます。
2004年度決算において経常収支比率が上昇した原因は何か。また指標を下げるための今後の取り組みをどのように考えているのか、お伺いします。

収支不足を補うための基金よりの繰り入れが2004年度は100億円。昨年度は45億万円ですから倍増です。基金は毎年減少を続けていますが、今後繰り入れることのできる基金残高はどの程度と考えられるのでしょうか。

(2)JFEスチールと千葉市の関係について

自治体の首長と、CSR(企業の社会的責任)あるいは経営トップグループの責任との関係はどのようなものと認識しているのか以下伺います。

昨年12月、JFEスチール株式会社東日本製鉄所で高濃度のアルカリ水が排出していることが海上保安部によって発見されて以来、JFEに関して私たち千葉市民が驚く事件が何度も発覚しています。
データの改ざんはもとより、有害物質の漏洩、汚染源であったダスト炉にかかる冷却塔の撤去、ガス配管火災事故・・・。それらについては後追いとはなっているものの、改善計画が作られ改善に向けての努力がなされています。改善に向けての進捗状況をご説明下さい。

事前協議をすることなくダスト精錬炉を取り壊した、公害防止協定違反については、その後の調査で同じように事前協議にかけることなく工事をしていたものが8件あったとのことでした。その8件については5月末に文書による指示が出されています。その後、5月末から8月末にかけては20件の事前協議があげられているとのこと。昨年は3件のみだったとのことです。いったいどこまで千葉市は甘く見られていたのでしょうか。
現在は「ここまで事前協議が必要か」という小さな案件まで事前協議にかけられているとのことです。
今までと違い環境管理部門が機能しだしている、とみることができます。この状態が続くよう千葉市としてはきちんと指導していく必要があると考えます。

企業の中に「安全や環境管理」の土壌を作り上げていくには、「組織全体のポリシーの確立・役職員の一致協力・責任の所在の明確化・的確な作業手順の作成と厳守・厳格な内部監査・エラーも率直に報告できる雰囲気づくり」が大切です。
これらを可能とするには、経営トップが、安全・環境に関する基本的な考え方を日々労働者に伝え、企業内に安全・環境を最優先する気風を醸成すること、そして事業場の一般公開 を、労働者の家族も含め、地域住民に対し実施することが必要といわれます。

この間、千葉市に対して人的・心的に多大な損害を与えたJFE経営トップの姿勢を、千葉市としてどのように判断しておられますか。経営トップより、文書だけではなく、きちんとした報告と謝罪が、市長に対してなされているのでしょうか。また地域住民への事件の報告・公開は充分と考えておられるのでしょうか。地域住民が自らの地域の安全と環境管理に責任を持つためにも、自治体と事業者が結ぶ公害防止協定の中に「住民・自治体・事業者」3者による協議会を位置づけることが必要と考えますがいかがでしょうか。

(3)5か年計画について

平成15年度に行った1万人アンケートを皮切りにスタートした第2次 5か年計画策定作業もそろそろ大詰めの段階に入りました。議会前には施 策体系別事業が掲げられた計画事業【案】と実施計画の事業の成果を市民 にわかりやすく示すために設定する市民生活指標【案】が示され、今後市 民意見やパブリックコメントの募集が行われることになっています。人口 も新総合ビジョンの数値の下方修正が行われ、目標年次の平成22年で95 万5000人、事業数は480と変わらないものの、計画の規模は概ね4000 億円で新5か年計画の6028億円と比べるとほぼ3分の2の規模に縮小され ています。新5か年計画では蘇我臨海部開発に当初予定以上に大幅な事業費 が費やされ、市民ネットとしてはそのつど疑問を投げかけてきました。 第2次5カ年計画の4000億円のうち、市債等の依存財源の割合はどうなって いるのか伺います。

また計画の規模が大幅に縮小になることで、市民生活への影響はないのか伺 います。

また、市民生活指標については新5か年計画とだいぶ変わっています。 指標の性質の違いについて、その目的と、効果をどのように見込んでいるの か伺います。

第2次5か年計画策定プロセスには、委員が顔を合わせて行う会議はなく、 市民意見の募集やパブリックコメントなどを多用し、有識者懇話会が中心と なり策定が進められています。市民ネットではこのプロセスについて、参加 と協働の視点、つまり市民を信頼し、ともに計画を作り上げようとする姿勢 が不足していると指摘してきました。新総合ビジョン、新5か年計画策定時 と現在を比較し、市民の第2次5か年計画に対する認知度や期待度は高まっ ているのか、市の認識について伺います。

(4)ちば男女共同参画基本計画について

今月7日、国連開発計画が2005年版「人間開発報告書」を発表したと新聞報道されました。この中で日本は、女性の社会進出を示す指数が、先進国の中でも43位と極端に低く、昨年度より5ランク下がり、女性の社会的地位の向上が依然として大きな課題であると指摘されたとありました。
さて千葉市では、本年県内初の条例に基づく「ちば男女共同参画基本計画・新ハーモニープラン」が策定され、男女共同参画社会の実現に向けおおいに期待されるものです。
基本計画では「協働と連携」をキーワードに7つの重点施策を定め、男女共同参画の推進状況や計画の成果を示す27の具体的な指標や数値目標を設けたとのことです。また、ほぼ同時期に策定された「千葉市ひとり親家庭等自立支援計画」や「千葉市次世代育成支援行動計画」との関連する事業を重点的に実施する施策として掲げられた事は、評価できるものです。

11年間という長期計画であるわけですから、様々な社会情勢や市民意識の変化に対応できる弾力的な進行管理が求められます。どのように行っていくのか、伺います。 

計画を実行するための庁内推進体制として推進協議会がありますが、どのような役割を担っていくのか。また千葉市自らが率先して男女共同参画を推進するために全庁的な職員の意識改革や取り組みの強化が必要と考えますが、どのような推進体制を考えているのか、伺います。

市民、事業者、民間団体などへの意識啓発や連携は、どのように行われるのか伺います。

(5)モノレールとバス交通について

はじめに千葉都市モノレールについて伺います。

千葉都市モノレールの基盤整備は、インフラ部を公共である県、市が、インフラ外部を千葉都市モノレールが行っています。関連街路事業費や、インフラ部の整備事業費の千葉市の支出総額と国の支出額。について伺います。また、会社が建設するインフラ外建設費は今までどのくらい投入されたのか伺います。

千葉市の基本計画である「ちば・ビジョン21」にある都川上流新都市整備構想では、千葉都市モノレールの延伸・環状化について検討を進めるとの記述があります。モノレールのマスタープランでは環状化を目指し、建設の第?期ルートは星久喜までとされています。この、星久喜とは現在の計画事業区間である市立病院前なのか、それとも京葉道路を跨いだ都川上流新都市整備構想地域であるのか伺います。

千葉都市モノレールの利用者数は1996年以降伸び悩んでいます。乗客数については、沿線の宅地や市街地の開発などにより大きく左右されるものと考えられます。千葉都市モノレールが計画された以降の宅地開発により、沿線住民数はどのように変化しているのか、開業時、県庁前までの延伸時、16年度の各時点でお答えください。さらに、実質的な都市モノレールの需要予測調査として、たとえば運賃をワンコインにするなどし、一定期間実証実験などを行う必要性についての検討は行われたのか伺います。

次に、バス交通について伺います。
千葉市のコミュニティバスは、わかば区の更科バスの改善、新たな路線のおまごバスが9月から走り、わかりやすいルートマップも作成されました。千葉市のバス事業は、民間に依存している状況ですが、市民の大切な足としての認識が必要です。市内のバス事業者は多くあり、利用者にとってわかりやすいルートマップなどが必要です。ホームページなどを活用し、市民の視点に立ったバス交通の総合的なルートマップを作成することについてどのような検討がなされているのか伺います。

2、市民行政

 

(1)平和について

今年で戦後60年。広島市と長崎市に原爆が投下されてから60年がたちました。唯一の被爆国日本は勿論、世界でも多くの都市や平和グループが8月6日と8月9日を記念して「ヒロシマデー」「ナガサキデー」「ノーモアヒロシマ」「ノーモアナガサキ」と呼んで核兵器の恐ろしさを人々に伝える取り組みを進めています。にもかかわらず、核保有国は5カ国にとどまることなく、核保有願望国が世界に広がりつつあるといわれています。
今年も広島市長、長崎市長が、高齢化された被爆者の心と身体に負った深い傷と哀しみと共に 全世界に向け「核兵器廃絶」を訴えました。
長崎市では、熱心に平和活動に取り組んでいる若者たちがいます。その主体性を尊重して行政と市民とで若者たちを支援しているそうです。

さて終戦の日8月15日の新聞報道で、市長は自らの空襲経験をもとに「風化させないため学校の授業で取り入れることが必要」「若い人に戦争の悲惨さを知ってほしい」とコメントされました。   
子どもたちや若者たちに、市長の体験を通して戦争の悲惨さや平和の尊さを伝えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

千葉市は、毎年平和啓発事業を実施していますが、今ひとつ市民の中に広がりが感じられません。戦後60年の今年は、イラクの銃弾に倒れた橋田信介氏の友人 水野隆徳さんによる「橋田信介の生きた世界」と題した講演会を開いたそうです。過去の戦争による悲惨さを知るだけでなく、今の世界情勢に目を向けることも大切であり大変タイムリーな企画でしたが、参加者が予想より少なかったとのことで残念に思いました。
市長は今年の第一回定例会でこれからの平和行政について、「日常生活において、平和を意識し考える機会をつくることや、国際的に通じる平和感覚を醸成すること、さらには、過去に学ぶという観点から、歴史を記録し、市民の戦争体験を後世に伝承することにより行っていく」と述べられましたが、今の平和行政の具体的な施策が見えてきません。
これからの平和行政をどのように進めていかれるのか見解を伺います。

(2)区民懇話会について

区民と行政が協働で魅力あるまちづくりを進めるための区民懇話会が各区に設置され、現在3期目の委員の方々が熱心に活動されています。各区毎にテーマを決め、3回の定例会の他、独自の勉強会を重ねているということです。
1期、2期の懇話会終了後には、会議の成果として活動報告書が出されましたが報告書をまとめて終わるのではなく、それらが実際に市の施策に活かされてこそ区民懇話会の意義があると考えます。
また多くの市民の方に報告書を通して市政への関心を深めてもらうためにも有効に活用しいていただくことを要望いたします。

懇話会の委員16人の選出方法は、1期目は公募と団体推薦で選出されましたが、2期目からは全員公募となっています。年齢別、男女別に幅広く選出されることが公募する大きなメリットですが、2期目に比べて3期目は全市的に年代に偏りが見られます。中には16名の定員にみたない区もあったようです。
応募人数が多くても、要綱に縛られせっかく応募しても委員になれない状況があります。また任期途中でやめてしまう方もいらっしゃるようです。
全員公募の会議ということで市民参加が図れるわけですから、今後は応募者の機運が後退しないためにも、委員の公募方法や選出方法にさらなる工夫が必要と考えます。

そこで伺います。
区民懇話会のこれまでの評価と今後のあり方をどのように考えているのか、伺います。

さらに多くの市民の参加を促すために定員の見直しや選出方法の見直しを考えるおつもりはあるか、伺います。

3、総務行政について

(1) 指定管理者制度について

指定管理者制度導入に係る指針制定以後、公の施設の管理を指定管理者に移行するか否か、公募するか否かが今議会に示されました。ここに至るまでの作業プロセスについてうかがいます。その中で現在のサービス水準についてどのように評価され、サービスの受益者のみならず管理運営への協力者としての市民参加と協働の視点はどのように生かされたのでしょうか?お示しください。

(2) 行政改革について

今年1月に発表された行政改革大綱(第三次改訂版)に基づく新行政改革推進計画を国の「地方公共団体における行政改革推進のための新たな指針」の通知を受けて改定することになった。外郭団体の見直しという視点では、市民ネットワークはかねてから土地開発公社の解散を指摘し、財政再建プラン(財政健全化計画)を作成して市民に示すべきだと提案・要望してきたが、市長は耳を傾けてくださいませんでした。それが国から指摘されるとすぐに盛り込み行政改革推進計画を見直しました。地方分権下、通知にしたがう義務はないと思います。市長のお考えはどこにあるのか?お聞かせください。

千葉市新行政改革推進計画の中では2005年度公債負担比率18%、起債許可制限比率をおおむね15%に抑制する目標となっていました。特別な市債を除くとほぼ達成できる見通しとのことですが、楽観できません。 財政健全化のための計画策定にあたっては、「財政予測」から「財政の計画化・運営管理化」へと発想の転換が必要です。
財政健全化計画をいつどのような形で示す予定なのか、また策定のポイントはどのようになるとお考えでしょうか。

また土地開発公社は債務残高と保有土地の価格の乖離が激しいこと、役に 立たない塩漬け土地の有効活用・処分をどうするかなど抱える問題がたく さんあります。解散へのプロセスについてお示しください。

4、保健福祉行政について

(1)地域福祉計画について

平成16年度より開始された地域福祉地区フォーラム、区地域福祉計画策定委員会、また平成17年2月に設置された市地域福祉計画策定委員会について伺います。計画開始時に見込んだ「自立」と「協働」を基調に、地域における保健福祉を中心とした活動等を積極的に推進するため、住民参加による地域福祉計画策定の目的は達成されつつあるのでしょうか?

 

今後地域福祉の基盤や住民参加の仕組みづくりがされ、地域で地域福祉をになう自助、共助の組織や活動ができた際、財政的・制度的な支援策が必要ですが、市としての対応について伺います。

 

また、計画の進捗を管理する「市及び区の地域福祉推進協議会(仮称)」の下に、地域福祉計画を実現する上での問題点の解決について検討する、市民参加の検討組織の設置が必要と考えますが、いかがでしょうか?

(2)高齢者福祉について

介護保険施行後5年目の見直しが行われました。介護保険事業の給付費を抑えるため、要支援の方と介護度1の7〜8割の方に対し介護予防給付が実施され、施設サービスと居宅サービスとの利用者負担の各差をなくすため介護保険施設のホテルコスト等(居住費プラス食費負担)が保険給付の対象外となり利用者の負担になりました。

 

市内施設の利用者の負担はどのようになるのか、お示しください。

 

また、施設に入所している方で、新たな負担に耐えられない人は居室や施設をかわらなければならないのでしょうか?ホテルコスト負担導入に対する支援施策について伺います。

 

地域包括支援センター設置について現在までに決定している設置方針を示してください。地域包括支援センター設置後の在宅介護支援センターのあり方について伺います。

(3)障害をもつ人への福祉について

支援費制度が開始され3年目を迎えました。障害の程度に準じた支給決定額に従い、自らサービス事業者を選択できるようになりました。

 

その結果、新たなサービスの利用者が増え続け、障害を持つ人の地域生活が前進したと言えますが、千葉市では支援費制度の導入により具体的にどのような効果があったのか伺います。利用者のニーズに十分応えられているのか、また不足しているサービスは何か伺います。市として、支援費制度をどのように評価にしているのか伺います。

 

衆議院の解散によって障害者自立支援法(案)が廃案となりました。解散前までは来年1月からの実施であったため、現在のサービスに対する予算が年内で底を尽き、サービスが停止される恐れがあります。国に対し、サービスが抑制されることのないよう、責任を持って財源を確保することを望みます。

 

この法案では市町村が行う地域生活支援事業の中に、障害者の社会参加を支援する手段として需要が急増している移動介護などの事業があり、裁量的経費であることから市町村の財政負担が増大し、サービスの利用が制限される恐れがあります。市はこの法案が施行された場合に、今の移動介護のサービス量を確保する考えがあるのか伺います。

(4)児童養護施設ほうゆう・キッズホームについて

7月8日9日に定期監査が行われ、その中で指摘事項として、平成17年度の職員の定期昇給やボーナスの支給が実施されていなかったこと、また平成16年度には法人から借り入れを行っておりこの返済に当たっては、職員処遇に影響が出ないよう配慮することと指摘がされています。
この施設は平成17年度においては、これまでの子どもの措置人数が50人から35人へと暫定定員となり、それに伴い措置費がおよそ1100万円の減額となり、また法人からの借入額は2000万円と伺いました。監査の指摘事項にあるように、今後これらの赤字が職員にしわ寄せが行かないとはいえない状況です。

 

今年は子どもの入所も再開され、職員は昨年の退職や辞職などでほとんどが新任という状態であり、定着して安定的な職場としていかなければならない大切な時期です。法人のこのような監査で指摘される対応はきわめて問題であると考えますが、市としての考えを伺います。

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