1、男女共同参画社会に向けて
山口 晴美
1)公文書における「性別記載」について
 公文書における「性別記載」についてお伺いします。 2003年7月、これまで、社会的にも法律的にも庇護をうけられなかった当事者たちの権利を守るべく「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が成立しました。二十歳以上であること、婚姻していないこと、子のいないことなど五つの厳しい条件はありますが、二人以上医師の診断があれば、性別の変更ができる、というものです。
 これまでの当事者の苦痛を思うと、公文書の性別記載欄の見直しは遅きに失した感もありますが、戸籍謄本・抄本、住民票の写し、外国人登録書、健康保険証、パスポート、公共施設の利用申請書など公的機関が発行する性別記載のある書類はかなりの数におよぶと思われます。
  千葉市では、1996年の「個人情報保護条例」制定の際、当時150課で使用している申請書などの公文書について不必要な情報記載の見直しが行われたと最近聞きました。しかし現在でも公民館、コミュニティーセンターの登録申請書と利用報告書などには女性・男性の数を明記してサークル登録したり、利用者の性別ごとの人数を記載するようになっています。
 こうした情報を必要とする理由は何でしょうか?

 また女性センターや生涯学習センター、市民会館、文化センター、スポーツ施設等の公共施設利用に際してもこうした男女の人数構成を記載するような申請のしかたをとっているのでしょうか?

 以前総務局に性別記載の見直しは行っているのか電話で尋ねたところまだ手つかずで、規制緩和とあわせて検討していくと伺いました。総務局の担当者は個人情報保護条例制定の際のいきさつを知らなかったようです。
 そこで伺いますが、その後性別記載に関しての見直し作業は進んでいるのでしょうか?

 練馬区では、区で行った「性別の記載」のある公文書の調査とその削除結果について、ホームページ上で公表をしています。さらに書類から性別を削除するだけで問題が解決するわけではないこと。差別や偏見をなくし、多様性を認める社会に変えていくために、今後も様々な取り組みを進めていく必要があること。当面職員向けに、性同一性障害への正しい理解を深め、現在の状況への理解を認識するための研修を行い、当事者の講演会を企画したことを市民に広報しています。
  千葉市では戸籍等の窓口業務も含め、職員研修や一般への周知が行われているかどうか、お聞きします。

 さらにこの法律制定後、戸籍などの窓口での新たな対応があったのか、うかがいます。


2)「千葉市次世代育成支援行動計画」について
  「千葉市次世代育成支援行動計画」の策定がすすんでいますが、千葉市も義務づけられている特定事業主の行動計画について、進捗状況などをふくめ、具体的な施策についてうかがいます。

 各地域の自治体では、それぞれ特色のある施策を打ち出しており、愛媛県では「時差を導入し、介護も対象となっています。共働き家庭対象のアンケートから、子どもの送迎経験者のうち、半数が「残業など仕事の都合で送迎に支障がある」などの回答があり、時差出勤の導入を決定したようです。千葉市でも導入を検討してはいかがでしょうか。
 
 9月に行われた男女共同参画基本計画策定に向けて寄せられた市民意見の中には「子育てや働く環境整備」をもとめた嘆願に近い意見もみられました。千葉市の男性職員の育児取得率を問い、「庁内でとれないものを民間企業では到底できないので千葉市がモデルになるべき」という意見が男性からも女性からも寄せられています。育児休暇を取った男性職員は、2004年度前半で2%ということですが、育児休暇取得率向上のための千葉市の対策についてお考えがあれば伺います。男女それぞれに取得率の数値目標を掲げてはどうでしょうか?お伺いします。

 最近の報道によると群馬県太田市では「生後1年に達するまでのあいだ、連続1週間の有給休暇を計6回、男性職員に義務づける」という形で、「育児休暇」を促進するということです。これは、これまで制度はあっても無給のうえ、昇給やボーナスの査定に影響もあることから、取得率があがらないことに対する方策のようですが、全国にさきがけた英断と考えます。
  子育て経験をしたり、子育てをすることで、地域の状況などを知ることは、その後、職場にかえった時に新たな体験や実感として、施策に反映できると考えますが、太田市の実践を千葉市でも実施することについては、どうお考えでしょうか。
 

3)「ハーモニープラン21」の進捗状況と「千葉市男女共同参画に関する基本計画」の見直しについて
 男女共同参画に関する千葉市の「ハーモニープラン21」が、2001年、10年の計画期間で策定されました。2003年度には「千葉市男女共同参画ハーモニー条例」が制定されました。今回、策定中の「次期5ヶ年計画」、「次世代育成支援行動計画」などとの整合性を図るための新計画を作ることになったということですが、進捗状況がまったく市民に周知されていません。
 「千葉市男女共同参画ハーモニー条例」第11条には「市長は、毎年度、男女共同参画の推進状況及び施策の実施状況について報告書を作成し、公表する」という1箇条があります。中野区では、各事業について、ABCなどの事業評価がされ、その達成度がわかりやすく公表されています。市民に何らかの手法で、今後は公表が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 「ハーモニープラン21 推進状況調査結果」の中の基本施策のうち、「企業・団体における女性の方針決定過程への参画促進」として「ポジティブアクションを講ずるための情報提供や男女平等雇用管理プログラムの検討」とありますが、事業所対象の「次世代育成支援行動計画」にとっても重要な項目ですが、実施状況と今後の計画についてうかがいます。

  千代田区では「中小企業における仕事と家庭の両立支援への行政の支援」を決めています。育児休暇中の給与を手厚くする企業に補助金を支給するほか、復職を支援する講座を行う企業に奨励金を出すなど 積極策を展開するようです。補助金、奨励金ともに限度額は、社員1人につき10万円ということです。
 香川県では、育児・介護休業制度を導入した企業に補助金の交付をはじめたということです。従業員1人当たり10万〜30万円(上限100万円)としています。 
 中小企業が多いといわれる千葉市で、企業での子育て支援をすすめる格好の施策だと考えますが、ご見解をうかがいます。

  今回、「千葉市の男女共同参画を進める基本計画」策定にあたって、市政だより、ホームページを通じて市民意見を募集し、9月15日から29日のわずか2週間のあいだに24件の意見が寄せられた、と聞きました。今後骨子案等へのパブリックコメントを求めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

  特に、「千葉市では、女性センターにおける事業もふくめ、DV対策が少ない」という市民意見があり、「配偶者等からの暴力」を重点課題とするのは、たいへん意味があることです。しかし「加害者更正プログラム」については効果が低いということから、まず被害者の支援を優先し、素案に挙げるのは慎重に議論するようお願いします。DV被害者の市営住宅の入居については早急に検討していただくよう要望いたします。

 千葉市の行政改革推進大綱(案)には、女性管理監督職の数値目標を2007年までに15.3%から20%に増やすという数値目標が掲げられました。現在、庁内の女性の課長級以上の比率は、2004年度実績で、38%、となっています。政策決定の場で、男女半々になってほしいと考えている人は市民調査で、約6割います。以前からの要望にもかかわらず、依然として改善がないとすれば、さらなる改善の努力が必要ということになります。
  そこで、一定ポストについて期間を区切って庁外から女性管理職を採用することも検討すべきではないかと考えますがご見解を伺います。

 これは女性に限ったことではなく、人材が庁内にいなければ最適な人材を外部から求めるということも必要でしょう。

  2003年6月、地方自治法の改正により、「指定管理者制度」が導入されることになり、ました。「女性センター」への指定管理者制度の適用は、検討されているのでしょうか。うかがいます。現在は、運営が文化振興財団に委託されていますが、女性センターは「男女共同参画社会の実現のための拠点施設」と「ハーモニー条例」でも規定されているように、貸し館や一般の講座開催をしていてその目的にはかないません。
  職員がそういう目的意識をもたなければ、拠点施設としての役目は果たすことができません。女性センターの運営内容は本来の目的に合致しているのか、その評価について伺います。
2、入札制度について
 公正・公平な入札は自治体が行う工事や物品の契約にとっては欠かせない条件です。なぜなら、自治体が結ぶ契約は公共の福祉にかない、最小の経費で最大の効果を発揮しなければならず、談合等によって価格が引き上げられたり、工事の質が適切でなかったら市民が納めた税金を無駄に使うことになるからです。
 しかし、新聞報道等では談合の摘発記事があとをたちません。そこには古くて新しい問題、政治家と行政マンと企業という政・官・業の硬い鉄のトライアングルが存在しているのです。地方分権、市民自治の時代にはこうした悪しき体質を断ち切り、入札を糸口として新たな社会的価値をもった市民社会を作り上げることが行政にも求められています。今回はこうした観点も織り交ぜながら入札制度について質問します。
 
 入札については地方自治法第234号に示されているように「売買、賃借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする」とされ、まずは一般競争入札を基本とし、指名競争入札や随意契約やせり売りは、政令で定める場合に限って行ってよいことされています。
 しかし現実はこれに反し、他市同様、千葉市の場合も官公需契約件数93,378件中随意契約が90,546件と実に97%が随意契約で、指名競争入札は2,796件と約3%、一般競争入札たるや36件という少なさです。これを契約課のかかわった工事だけで比較してみると、1,027件中もっと多いのが指名競争入札で625件(約61%)、3千万円以上の工事に該当する希望型指名競争入札が215件(約21%)、随意契約167件(約16%)、3億円以上の工事に該当する公募型指名競争入札が18件、一般競争入札2件と言う順番になっています。
 もっとも千葉市の場合一般競争入札は24億3千万円以上の工事に限られますのでめったに行われることはないのです。地方自治法施行令第167条で指名競争入札は「工事又は製造の請負。物件の売買その他の契約でその性質又は目的が一般競争入札に適しないもの」で「その性質又は目的により加わるべき者の数が少数である契約をするとき」又は「一般競争入札にすることが不利と認められたとき」に認められるものです。
 そこでお伺いしますが、千葉市の入札では指名競争入札は250万円以上原則3千万円未満の建設工事、100万円以上原則1千万円未満の業務委託で入札参加者名簿に登載されているものから実績等を勘案して業者を指名しています。これは地方自治法施行令のどの条件にあてはまっているといえるのでしょうか?お答えください。

 また、公募型指名競争入札も希望型指名競争入札も言ってみれば指名競争入札のくくりに入るものであり、こうした金額で入札方法を決める理由と、ある程度の条件を満たせば参加できる一般競争入札にしないのかその理由を伺います。

 入札適正化の対策の一つとして2003年度から損害賠償予約条項が加えられました。もし談合等の不正が確定された場合は、契約金額の10%を賠償金として支払うことを契約約款にもり込むものです。しかし100%に近い金額で落札された場合、の公正取引委員会課徴金を6%と損害賠償条項の10%を支払っても16%で最低制限価格の85%と同程度のため、不正行為の抑制という面では実質的な効果は感じられません。
  そこで、もっと賠償金の割合を増やすべきではないかと考えます。ちなみに川崎市や横浜市などは20%と千葉市の2倍の額に設定しています。千葉市も引き上げるべきと考えますが、ご見解を伺います。

 最近では公共サービスの外部委託化・民間委託化、さらに指定管理者制度導入などにより、行政と民間のさまざまな連携が進み、これまでのように公共サービスの全てを行政が行うという考え方は払拭されました。そこで問題となってくるのが、サービスの質の確保です。また経費を節減するがゆえに、働く人の労働条件が劣悪なものとなっては本末転倒です。
 そこで千葉市でもPFI事業者を選定する場合には、価格の多寡のみでなくプロポーザルという提案方式を取り入れたり、価格以外の選定基準項目を設定し項目ごとに点数化して、総合評価をする形で決定したり、指定管理者の選定に当たってもサービスの質確保のために要求水準項目を設けたり、プロポーザル的な提案を評価して管理者を選定するそうです。
 こうした方法を取り入れ、入札制度の中に社会的価値を尊重するような評価基準を導入し、総合評価型入札制度への転換を求めているのが法政大学の武藤博巳教授です。氏の書かれた岩波新書の「入札改革 談合社会を変える」を読み深い感銘を受けました。この本によりますと総合評価型入札とは価格と価格以外のいくつかの要素を総合的に評価し、発注者にとって最も有利な者を落札者とする入札方式でそのメリットは、
1) 談合に対する防止効果
2) 評価基準の中に公正労働条件等の社会的価値を入れておけば、企業の社会的責任への対応としても有効であり
3) むやみな低価格競争、ダンピング問題に対しても有効な対策、ということです。

 総合評価型入札は1999年の地方自治法施行令の改正によって導入が可能になり、国の工事では自治体に先んじて行われています。価格以外の評価する条件は自治体の長が入札の前にあらかじめ決めておくことになりますが、この条件を市長の進める政策とリンクさせていくこと、つまり首長がどのような社会を目指して市政の舵取りを進め、その政策を掲げるのかを入札の判断基準に盛り込むのです。
 これを武藤教授は「政策入札」と呼び、環境への配慮や、障害者雇用など福祉への配慮、男女共同参画の推進、公正労働基準を適正に維持しているか等の社会的価値を盛り込むことよって入札の意味はまったく変わってくるというのです。
  地方分権の時代にあっては、こうした社会的価値を入札制度に組み入れ、社会全体を変えていこうという首長が市民からも待望されているのだと思います。そこで総合評価型に取り組む意義について伺います。また先に紹介した政策入札という考え方についてのご見解をお聞かせください。

 千葉市では来年度競争入札参加資格申し込み時より、工事成績に対する評価、技術職員数、ISO認証取得、障害者の雇用、安全対策を評価項目として点数化し客観項目に上乗せし点数化し、企業のランクづけを行うと聞いており、その点は評価いたします。また次世代育成支援推進計画骨子案には、男女共同参画を推進している事業者を入札の際優先するという項目も付け加えられました。
  今後評価項目に男女共同参画の推進も加えられるのか、また、評価項目に公正労働基準も盛り込んだらいかががと提案しますが、いかがでしょうか。お答え願います。
>>Next